目次 / 整数の性質 / 数学A

第3章 一次不定方程式

—— 互除法を逆にたどって、方程式の整数解をすべて見つける ——

$3x + 5y = 1$ のように、文字が2つあるのに式が1つしかない方程式は、解が1つに定まりません。けれども $x$,$y$ を整数に限ると、解は規則正しく並びます。この章では、まず整数解があるかどうかを最大公約数で見分け、次に第2章の互除法を逆にたどって解を1組見つけます。そこから「すべての整数解」を1つの式で表し、最後に自然数に限る場合や文章題へと進みます。

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一次不定方程式とは

第2章の最後に、互除法の式を逆にたどると 84×(−1)84 \times (-1)+30×3{}+ 30 \times 3=6{}= 6 のように、最大公約数を「a×(整数)a \times (\text{整数})+b×(整数){}+ b \times (\text{整数})」の形に表せることを見ました。この章では、これを方程式の側から考えます。

たとえば、方程式

3x\displaystyle 3x+5y\displaystyle {}+ 5y=1\displaystyle {}= 1

を満たす整数 xx,yy を探してみます。xx=2{}= 2,yy=−1{}= -1 とすると 66−5{}- 5=1{}= 1 で、確かに成り立ちます。ほかにも探すと、次のような組が見つかります。

xx−8-8−3-322771212
yy5522−1-1−4-4−7-7

解は1つではなく、しかも xx が 55 ずつ増えるたびに yy が 33 ずつ減る、という規則正しい並び方をしています。

aa,bb,cc を整数(aa,bb は 00 でない)として、axax+by{}+ by=c{}= c を満たす整数 xx,yy を求める問題を一次不定方程式といいます。「不定」は、解が1つに定まらないという意味です。この分野では、とくに断らないかぎり文字は整数を表すので、単に「解」といえば整数解のことです。この章では、次の3つを順に考えます。

  1. そもそも整数解があるのか
  2. あるなら、1組をどうやって見つけるか
  3. 1組から、残りの解をすべてどう表すか

整数解をもつ条件

公式1:整数解をもつ条件

aa と bb の最大公約数を gg とする。方程式

ax\displaystyle ax+by\displaystyle {}+ by=c\displaystyle {}= c

が整数解をもつのは、cc が gg の倍数であるときであり、そのときに限る。

とくに aa と bb が互いに素なら、どんな整数 cc に対しても整数解をもつ。

理由は2つに分けて考えます。

たとえば 6x6x+15y{}+ 15y=20{}= 20 は、66 と 1515 の最大公約数が 33 で、2020 は 33 の倍数ではないので、整数解をもちません。一方 6x6x+15y{}+ 15y=21{}= 21 は、2121 が 33 の倍数なので整数解をもちます(xx=1{}= 1,yy=1{}= 1 など)。

「66 マス進むカード」と「44 マス進むカード」だけで遊ぶすごろくを考えます。カードを使うたびに、進むか戻るかを自分で選べるとします。何枚使っても、動いたマス数は 66 と 44 を足したり引いたりした数なので、必ず偶数です。これでは、スタートから 11 マス先には一生止まれません。カードが「33 マス」と「55 マス」なら、33 マス進むを 22 回、55 マス戻るを 11 回で、ちょうど 11 マス先に行けます。止まれるマスを決めているのは、カードの数の最大公約数なのです。戻ることを「負の回数だけ進む」と考えると、これはそのまま axax+by{}+ by=c{}= c の話になります。

axax+by{}+ by はいつも aa と bb の最大公約数の倍数なので、右辺 cc がその倍数かどうかで、整数解があるかどうかが決まるということです。

例題1:整数解があるかどうか

(1) 方程式 6x6x+15y{}+ 15y=20{}= 20 が整数解をもたないことを示しなさい。

(2) 方程式 6x6x+15y{}+ 15y=21{}= 21 の整数解を1組求めなさい。


【解答】

(1) 6x6x+15y{}+ 15y=3(2x+5y){}= 3(2x + 5y) で、2x2x+5y{}+ 5y は整数なので、xx,yy がどんな整数でも左辺は 33 の倍数です。一方、2020 は 33 の倍数ではありません。よって等号が成り立つことはなく、この方程式は整数解をもちません。(証明終)

(2) 両辺を 33 で割ると 2x2x+5y{}+ 5y=7{}= 7 です。xx=1{}= 1 とすると 5y5y=5{}= 5 で yy=1{}= 1 なので

x=1,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 1,} y=1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = 1}

が1組の解です(66+15{}+ 15=21{}= 21)。ほかにも xx=6{}= 6,yy=−1{}= -1 などがあり、答えは1つではありません。

互除法で解を1組見つける

6x6x+15y{}+ 15y=21{}= 21 のように係数が小さいときは、あてずっぽうでもすぐに解が見つかります。けれども 43x43x+30y{}+ 30y=1{}= 1 となると、試すだけでは大変です。そこで、第2章の互除法を使います。

公式2:互除法で解を1組見つける

aa,bb が互いに素な自然数のとき、axax+by{}+ by=1{}= 1 の整数解は次の手順で1組見つかる。

  1. aa と bb に互除法を行う。
  2. 各段の余りを、「余り == 割られる数 −- 割る数 ×\times 商」として、上の段から順に「a×(整数)a \times (\text{整数})+b×(整数){}+ b \times (\text{整数})」の形で表す。
  3. 余り 11 にたどり着いたときの aa,bb の係数が、xx,yy である。

axax+by{}+ by=c{}= c の解は、axax+by{}+ by=1{}= 1 の解を cc 倍すれば得られる。

43x43x+30y{}+ 30y=1{}= 1 で実際にやってみます。まず互除法です。

43\displaystyle 43=30×1\displaystyle {}= 30 \times 1+13\displaystyle {}+ 1330\displaystyle 30=13×2\displaystyle {}= 13 \times 2+4\displaystyle {}+ 413\displaystyle 13=4×3\displaystyle {}= 4 \times 3+1\displaystyle {}+ 1

余りが 11 になったので、ここで止めます(4343 と 3030 は互いに素です)。次に、aa=43{}= 43,bb=30{}= 30 として、余りを上から順に aa と bb で表していきます。

13\displaystyle 13=43\displaystyle {}= 43−30×1\displaystyle {}- 30 \times 1=a\displaystyle {}= a−b\displaystyle {}- b4\displaystyle 4=30\displaystyle {}= 30−13×2\displaystyle {}- 13 \times 2=b\displaystyle {}= b−2(a−b)\displaystyle {}- 2(a - b)=−2a\displaystyle {}= -2a+3b\displaystyle {}+ 3b1\displaystyle 1=13\displaystyle {}= 13−4×3\displaystyle {}- 4 \times 3=(a−b)\displaystyle {}= (a - b)−3(−2a+3b)\displaystyle {}- 3(-2a + 3b)=7a\displaystyle {}= 7a−10b\displaystyle {}- 10b

最後の行から 43×743 \times 7+30×(−10){}+ 30 \times (-10)=1{}= 1 で、xx=7{}= 7,yy=−10{}= -10 が1組の解です。確かめると 301301−300{}- 300=1{}= 1 となっています。

途中で 4343 と 3030 をわざわざ aa,bb と書いたのには理由があります。数のまま計算を進めると、1313 や 44 がいつの間にかふつうの数に埋もれて、最後に「4343 が何個、3030 が何個」だったのかが分からなくなってしまうからです。文字にしておけば、aa と bb の個数が最後まで見失われずに残ります。

童話『ヘンゼルとグレーテル』で、兄のヘンゼルは森の奥へ連れて行かれるとき、白い小石を少しずつ落としていきました。夜になっても、月明かりに光る小石をたどって家に帰れました。公式2の手順も同じで、互除法で数を小さくしながら進むときに、各段の余りに「aa をいくつ、bb をいくつ使ったか」という目印を付けておきます。余り 11 にたどり着いたとき、答えはもう目印に書かれているのです。

第2章の厳密定義のように、互除法の式を下から逆にたどって代入していく方法でも、同じ解が得られます。どちらを使ってもかまいませんが、上から順に進める方法は、互除法の計算と同時に進められて、書き間違いにも気づきやすいのが利点です。

互除法の各段の余りを aa と bb の式で表しながら進めば、余りが 11 になったところで axax+by{}+ by=1{}= 1 の解が手に入るということです。

例題2:互除法で解を見つける

(1) 方程式 37x37x+13y{}+ 13y=1{}= 1 の整数解を1組求めなさい。

(2) 方程式 37x37x+13y{}+ 13y=5{}= 5 の整数解を1組求めなさい。


【解答】

(1) 3737 と 1313 に互除法を行います。

37\displaystyle 37=13×2\displaystyle {}= 13 \times 2+11\displaystyle {}+ 1113\displaystyle 13=11×1\displaystyle {}= 11 \times 1+2\displaystyle {}+ 211\displaystyle 11=2×5\displaystyle {}= 2 \times 5+1\displaystyle {}+ 1

aa=37{}= 37,bb=13{}= 13 として、余りを上から順に表します。

11\displaystyle 11=a\displaystyle {}= a−2b\displaystyle {}- 2b2\displaystyle 2=b\displaystyle {}= b−11\displaystyle {}- 11=b\displaystyle {}= b−(a−2b)\displaystyle {}- (a - 2b)=−a\displaystyle {}= -a+3b\displaystyle {}+ 3b1\displaystyle 1=11\displaystyle {}= 11−2×5\displaystyle {}- 2 \times 5=(a−2b)\displaystyle {}= (a - 2b)−5(−a+3b)\displaystyle {}- 5(-a + 3b)=6a\displaystyle {}= 6a−17b\displaystyle {}- 17b

よって 37×637 \times 6+13×(−17){}+ 13 \times (-17)=1{}= 1 で、x=6,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 6,} y=−17‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = -17} が1組の解です(222222−221{}- 221=1{}= 1)。

(2) (1) の式の両辺を 55 倍すると、37×3037 \times 30+13×(−85){}+ 13 \times (-85)=5{}= 5 です。よって x=30,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 30,} y=−85‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = -85} が1組の解です。

(2) の解はずいぶん大きな数になりました。次の公式3を使うと、xx=4{}= 4,yy=−11{}= -11 のような小さい解に取りかえることもできます。

すべての整数解

1組の解が見つかったら、次は残りの解です。章の最初の表で見た「xx が 55 増えると yy が 33 減る」という規則が、そのまま答えになります。

公式3:一次不定方程式の一般解

aa と bb が互いに素で、xx=x0{}= x_0,yy=y0{}= y_0 が axax+by{}+ by=c{}= c の整数解の1つであるとき、すべての整数解は

x\displaystyle x=x0\displaystyle {}= x_0+bt,\displaystyle {}+ bt,y\displaystyle y=y0\displaystyle {}= y_0−at\displaystyle {}- at(t は整数)\displaystyle (t \ \text{は整数})

と表される。

1組の解を特殊解、すべての解をまとめて表した式を一般解といいます。

一般解は、式を覚えるよりも、毎回次のように導くほうが確実です。axax+by{}+ by=c{}= c と ax0ax_0+by0{}+ by_0=c{}= c を辺ごとに引くと

a(x−x0)\displaystyle a(x - x_0)=b(y0−y)\displaystyle {}= b(y_0 - y)

となります。右辺は bb の倍数なので、左辺の a(x−x0)a(x - x_0) も bb の倍数です。ところが aa と bb は互いに素で、bb の素因数は aa には1つも含まれていません。だから bb の素因数はすべて xx−x0{}- x_0 のほうに含まれていて、xx−x0{}- x_0 が bb の倍数になります(第1章の厳密定義 定理5(2))。xx−x0{}- x_0=bt{}= bt とおいて元の式に入れると、abtabt=b(y0−y){}= b(y_0 - y) より y0y_0−y{}- y=at{}= at です。

逆に、xx=x0{}= x_0+bt{}+ bt,yy=y0{}= y_0−at{}- at を代入すると

a(x0+bt)\displaystyle a(x_0 + bt)+b(y0−at)\displaystyle {}+ b(y_0 - at)=ax0\displaystyle {}= ax_0+by0\displaystyle {}+ by_0+abt\displaystyle {}+ abt−abt\displaystyle {}- abt=c\displaystyle {}= c

となり、どの tt でも解になっています。章の最初の表は、3x3x+5y{}+ 5y=1{}= 1 の一般解 xx=2{}= 2+5t{}+ 5t,yy=−1{}= -1−3t{}- 3t で tt=−2,{}= -2, −1,{}\ -1, 0,\ 0, 1,\ 1, 2\ 2 としたものだったのです。

aa と bb が互いに素でないときは、公式1で解があることを確かめたうえで、先に両辺を最大公約数で割って、係数を互いに素にしてから考えます。

3分の曲と5分の曲を並べて、ちょうど41分のプレイリストを作るとします。3分の曲 1212 曲と5分の曲 11 曲で、3636+5{}+ 5=41{}= 41 分です。ここから3分の曲を 55 曲抜いて、代わりに5分の曲を 33 曲入れても、抜いた 1515 分と入れた 1515 分が同じなので、合計は41分のままです。3分の曲 77 曲と5分の曲 44 曲です。33 と 55 は互いに素なので、合計を変えずに入れかえられる最小の単位は「5曲と3曲」で、これより少ない曲数ではうまく入れかえられません。一般解の tt は、この入れかえを何回行ったかを表しています。

1組の解 (x0, y0)(x_0,\ y_0) が見つかれば、あとは xx に bb ずつ、yy に −a-a ずつ加える入れかえで、すべての解が得られるということです。

例題3:すべての整数解を求める

(1) 方程式 43x43x+30y{}+ 30y=4{}= 4 の整数解をすべて求めなさい。

(2) 方程式 9x9x−21y{}- 21y=6{}= 6 の整数解をすべて求めなさい。


【解答】

(1) 本文で求めた 43×743 \times 7+30×(−10){}+ 30 \times (-10)=1{}= 1 の両辺を 44 倍すると、43×2843 \times 28+30×(−40){}+ 30 \times (-40)=4{}= 4 です。43x43x+30y{}+ 30y=4{}= 4 から辺ごとに引くと

43(x−28)\displaystyle 43(x - 28)=30(−40−y)\displaystyle {}= 30(-40 - y)

4343 と 3030 は互いに素なので、xx−28{}- 28 は 3030 の倍数です。xx−28{}- 28=30t{}= 30t とおくと −40-40−y{}- y=43t{}= 43t で

x\displaystyle x=30t\displaystyle {}= 30t+28,\displaystyle {}+ 28,y\displaystyle y=−43t\displaystyle {}= -43t−40\displaystyle {}- 40(t は整数)\displaystyle (t \ \text{は整数})

です。ここで tt を tt−1{}- 1 におきかえると、xx=30(t−1){}= 30(t - 1)+28{}+ 28=30t{}= 30t−2{}- 2,yy=−43(t−1){}= -43(t - 1)−40{}- 40=−43t{}= -43t+3{}+ 3 となり、数が小さくなります。よって

x=30t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}x = 30t}−2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}- 2,} y=−43t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ y = -43t}+3(t は整数)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}+ 3 \quad (t \ \text{は整数})}

です。tt=0{}= 0 のとき 43×(−2)43 \times (-2)+30×3{}+ 30 \times 3=−86{}= -86+90{}+ 90=4{}= 4 で、確かに解になっています。

(2) 99 と 2121 の最大公約数は 33 で、66 は 33 の倍数なので解があります。両辺を 33 で割ると

3x\displaystyle 3x−7y\displaystyle {}- 7y=2\displaystyle {}= 2

xx=3{}= 3,yy=1{}= 1 とすると 99−7{}- 7=2{}= 2 なので、これが1組の解です。辺ごとに引くと

3(x−3)\displaystyle 3(x - 3)=7(y−1)\displaystyle {}= 7(y - 1)

33 と 77 は互いに素なので、xx−3{}- 3 は 77 の倍数です。xx−3{}- 3=7t{}= 7t とおくと 3×7t3 \times 7t=7(y−1){}= 7(y - 1) より yy−1{}- 1=3t{}= 3t で

x=7t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}x = 7t}+3,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}+ 3,} y=3t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ y = 3t}+1(t は整数)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}+ 1 \quad (t \ \text{は整数})}

です。

(1) のように、一般解の表し方は1通りではありません。tt の置き方がずれているだけで、表している解の集まりは同じです。(2) は yy の係数が負なので、公式3に当てはめると符号を間違えやすいところです。辺ごとに引いて導けば、符号で迷うことはありません。

条件つきの整数解

実際の問題では、xx,yy が個数や人数を表していて、「自然数に限る」「0 以上に限る」といった条件がつくことがよくあります。

公式4:条件をみたす整数解の求め方

xx,yy に範囲の条件がついた一次不定方程式は、次の手順で解く。

  1. 一般解 xx=x0{}= x_0+bt{}+ bt,yy=y0{}= y_0−at{}- at を求める。
  2. 条件(たとえば xx≧1{}\geqq 1,yy≧1{}\geqq 1)に一般解を代入し、tt の不等式を作る。
  3. 不等式を満たす整数 tt をすべて求め、xx,yy にもどす。

3x3x+5y{}+ 5y=41{}= 41 を満たす自然数 xx,yy を求めてみます。xx=2{}= 2,yy=7{}= 7 が解なので、一般解は xx=2{}= 2+5t{}+ 5t,yy=7{}= 7−3t{}- 3t です。

x\displaystyle x≧1 より 2\displaystyle {}\geqq 1 \ \text{より} \ 2+5t\displaystyle {}+ 5t≧1,\displaystyle {}\geqq 1,  t\displaystyle \ \ t≧−15\displaystyle {}\geqq -\dfrac{1}{5}y\displaystyle y≧1 より 7\displaystyle {}\geqq 1 \ \text{より} \ 7−3t\displaystyle {}- 3t≧1,\displaystyle {}\geqq 1,  t\displaystyle \ \ t≦2\displaystyle {}\leqq 2

tt は整数なので tt=0,{}= 0, 1,\ 1, 2\ 2 で、(x, y)(x,\ y)=(2, 7),{}= (2,\ 7), (7, 4),\ (7,\ 4), (12, 1)\ (12,\ 1) の3組です。

xyO11 3x + 5y = 41 x が +5y が −3 (−3, 10) (2, 7) (7, 4) (12, 1) (17, −2)

座標平面で見ると、3x3x+5y{}+ 5y=41{}= 41 は直線で、その整数解は直線上の「xx 座標と yy 座標がともに整数の点」です。こうした点を格子点といいます。一般解の形から、格子点は直線上に等間隔に並んでいて、条件の範囲に入るものだけを数えればよいことが分かります。

道路沿いに 55 m おきに木が植えられた並木道で、「公園の入口から出口までの区間に何本あるか」を数えるとき、全部の木を1本ずつ調べる人はいません。1本の木の位置と間隔 55 m が分かっていれば、入口と出口の位置から、区間に入る木の番号の範囲がすぐに決まります。一般解の tt は木の番号、条件の不等式は区間の入口と出口にあたります。

整数解は一般解の tt で番号づけされて等間隔に並ぶので、条件を tt の不等式に直せば、条件に合う解がもれなく見つかるということです。

例題4:条件つきの整数解(文章題)

1本 120120 円のジュースと1本 7070 円のお茶を、どちらも1本以上買って、代金の合計をちょうど 16001600 円にしたい。

(1) ジュースとお茶の本数の組をすべて求めなさい。

(2) 買う本数の合計が最も少なくなる買い方を求めなさい。


【解答】

(1) ジュースを xx 本、お茶を yy 本とすると、xx,yy は自然数で

120x\displaystyle 120x+70y\displaystyle {}+ 70y=1600\displaystyle {}= 1600すなわち\displaystyle \text{すなわち}12x\displaystyle 12x+7y\displaystyle {}+ 7y=160\displaystyle {}= 160

です。xx=4{}= 4 とすると 7y7y=112{}= 112 で yy=16{}= 16 なので、xx=4{}= 4,yy=16{}= 16 が1組の解です。辺ごとに引くと

12(x−4)\displaystyle 12(x - 4)=7(16−y)\displaystyle {}= 7(16 - y)

1212 と 77 は互いに素なので、xx−4{}- 4=7t{}= 7t とおけて、1616−y{}- y=12t{}= 12t です。一般解は

x\displaystyle x=7t\displaystyle {}= 7t+4,\displaystyle {}+ 4,y\displaystyle y=16\displaystyle {}= 16−12t\displaystyle {}- 12t(t は整数)\displaystyle (t \ \text{は整数})

です。xx≧1{}\geqq 1 より 7t7t≧−3{}\geqq -3 で tt≧0{}\geqq 0、yy≧1{}\geqq 1 より 12t12t≦15{}\leqq 15 で tt≦1{}\leqq 1 です。よって tt=0,{}= 0, 1\ 1 で

(ジュース, お茶)=(4 本, 16 本),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(\text{ジュース},\ \text{お茶}) = (4 \ \text{本},\ 16 \ \text{本}),} (11 本, 4 本)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (11 \ \text{本},\ 4 \ \text{本})}

です。(確かめ)480480+1120{}+ 1120=1600{}= 1600,13201320+280{}+ 280=1600{}= 1600 です。

(2) 本数の合計は 44+16{}+ 16=20{}= 20 本と 1111+4{}+ 4=15{}= 15 本なので、ジュース 11 本、お茶 4 本‾\underline{\text{ジュース} \ 11 \ \text{本、お茶} \ 4 \ \text{本}} です。

(1) の特殊解は、ここでは xx を 1,1, 2,\ 2, 3,\ 3, …\ \ldots と試して見つけました。試しても見つからないような大きな数のときは、公式2の互除法で 12x12x+7y{}+ 7y=1{}= 1 の解を作り、160160 倍してから一般解を求めても、同じ答えにたどり着きます。

この章では、整数解があるかどうかを最大公約数で見分け、互除法で1組の解を見つけ、そこからすべての解を一般解として表す流れを学びました。一般解の xx=x0{}= x_0+bt{}+ bt は、「xx を bb で割った余りはいつも同じ」ということも表しています。この「余りに注目する」見方は、第5章の合同式で本格的に扱います。次の第4章では、ふだん使っている10進法をはなれて、2進法や5進法など、ほかの数の表し方を学びます。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

方程式 4x4x+6y{}+ 6y=9{}= 9 が整数解をもたないことを示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

左辺 4x4x+6y{}+ 6y=2(2x+3y){}= 2(2x + 3y) はいつも偶数で、右辺 99 は奇数なので、等号は成り立たない。

自己採点:
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問2

方程式 3x3x+5y{}+ 5y=1{}= 1 の整数解を1組求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(例)xx=2{}= 2,yy=−1{}= -1(ほかに xx=−3{}= -3,yy=2{}= 2 など)

自己採点:
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問3

方程式 2x2x+3y{}+ 3y=0{}= 0 の整数解をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=3t{}= 3t,yy=−2t{}= -2t(tt は整数)(2x2x=−3y{}= -3y で、22 と 33 は互いに素なので xx は 33 の倍数)

自己採点:
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問4

方程式 5x5x+2y{}+ 2y=1{}= 1 の整数解をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=2t{}= 2t+1{}+ 1,yy=−5t{}= -5t−2{}- 2(tt は整数)(特殊解 xx=1{}= 1,yy=−2{}= -2 から 5(x−1)5(x - 1)=2(−2−y){}= 2(-2 - y))

自己採点:
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問5

互除法を用いて、方程式 17x17x+5y{}+ 5y=1{}= 1 の整数解を1組求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

(例)xx=−2{}= -2,yy=7{}= 7(1717=5×3{}= 5 \times 3+2{}+ 2,55=2×2{}= 2 \times 2+1{}+ 1 より 22=a{}= a−3b{}- 3b,11=b{}= b−2(a−3b){}- 2(a - 3b)=−2a{}= -2a+7b{}+ 7b)

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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

方程式 7x7x+4y{}+ 4y=1{}= 1 の整数解をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=4t{}= 4t−1{}- 1,yy=−7t{}= -7t+2{}+ 2(tt は整数)

解説

xx=−1{}= -1,yy=2{}= 2 とすると −7-7+8{}+ 8=1{}= 1 なので、これが1組の解です。7x7x+4y{}+ 4y=1{}= 1 と 7×(−1)7 \times (-1)+4×2{}+ 4 \times 2=1{}= 1 を辺ごとに引くと

7(x+1)\displaystyle 7(x + 1)=4(2−y)\displaystyle {}= 4(2 - y)

77 と 44 は互いに素なので、xx+1{}+ 1 は 44 の倍数です。xx+1{}+ 1=4t{}= 4t とおくと、28t28t=4(2−y){}= 4(2 - y) より 22−y{}- y=7t{}= 7t です。よって

x=4t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}x = 4t}−1,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}- 1,} y=−7t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ y = -7t}+2(t は整数)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}+ 2 \quad (t \ \text{は整数})}

です。

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問2 ★

方程式 5x5x−8y{}- 8y=3{}= 3 の整数解をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=8t{}= 8t−1{}- 1,yy=5t{}= 5t−1{}- 1(tt は整数)

解説

xx=−1{}= -1,yy=−1{}= -1 とすると −5-5+8{}+ 8=3{}= 3 なので、これが1組の解です。辺ごとに引くと

5(x+1)\displaystyle 5(x + 1)−8(y+1)\displaystyle {}- 8(y + 1)=0\displaystyle {}= 0すなわち\displaystyle \text{すなわち}5(x+1)\displaystyle 5(x + 1)=8(y+1)\displaystyle {}= 8(y + 1)

55 と 88 は互いに素なので、xx+1{}+ 1 は 88 の倍数です。xx+1{}+ 1=8t{}= 8t とおくと 40t40t=8(y+1){}= 8(y + 1) より yy+1{}+ 1=5t{}= 5t です。よって

x=8t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}x = 8t}−1,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}- 1,} y=5t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ y = 5t}−1(t は整数)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}- 1 \quad (t \ \text{は整数})}

です。yy の係数が負なので、xx と yy は同じ向きに増えます。

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問3 ★

方程式 12x12x+18y{}+ 18y=30{}= 30 の整数解をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=3t{}= 3t+1{}+ 1,yy=−2t{}= -2t+1{}+ 1(tt は整数)

解説

1212 と 1818 の最大公約数は 66 で、3030 は 66 の倍数なので解があります。両辺を 66 で割ると

2x\displaystyle 2x+3y\displaystyle {}+ 3y=5\displaystyle {}= 5

xx=1{}= 1,yy=1{}= 1 が1組の解です。辺ごとに引くと 2(x−1)2(x - 1)=3(1−y){}= 3(1 - y) で、22 と 33 は互いに素なので xx−1{}- 1=3t{}= 3t とおけて、11−y{}- y=2t{}= 2t です。よって

x=3t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}x = 3t}+1,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}+ 1,} y=−2t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ y = -2t}+1(t は整数)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}+ 1 \quad (t \ \text{は整数})}

です。割らずに 12(x−1)12(x - 1)=18(1−y){}= 18(1 - y) から進めると、「1212 と 1818 は互いに素」とは言えないので、先に最大公約数で割っておくのが大切です。

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問4 ★

(1) 互除法を用いて、方程式 31x31x+23y{}+ 23y=1{}= 1 の整数解を1組求めなさい。

(2) 方程式 31x31x+23y{}+ 23y=1{}= 1 の整数解をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1)(例)xx=3{}= 3,yy=−4{}= -4 (2) xx=23t{}= 23t+3{}+ 3,yy=−31t{}= -31t−4{}- 4(tt は整数)

解説

(1) 互除法を行います。

31\displaystyle 31=23×1\displaystyle {}= 23 \times 1+8\displaystyle {}+ 823\displaystyle 23=8×2\displaystyle {}= 8 \times 2+7\displaystyle {}+ 78\displaystyle 8=7×1\displaystyle {}= 7 \times 1+1\displaystyle {}+ 1

aa=31{}= 31,bb=23{}= 23 として、余りを上から順に表します。

8\displaystyle 8=a\displaystyle {}= a−b\displaystyle {}- b7\displaystyle 7=b\displaystyle {}= b−8×2\displaystyle {}- 8 \times 2=b\displaystyle {}= b−2(a−b)\displaystyle {}- 2(a - b)=−2a\displaystyle {}= -2a+3b\displaystyle {}+ 3b1\displaystyle 1=8\displaystyle {}= 8−7\displaystyle {}- 7=(a−b)\displaystyle {}= (a - b)−(−2a+3b)\displaystyle {}- (-2a + 3b)=3a\displaystyle {}= 3a−4b\displaystyle {}- 4b

よって 31×331 \times 3+23×(−4){}+ 23 \times (-4)=1{}= 1 で、x=3,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 3,} y=−4‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = -4} が1組の解です(9393−92{}- 92=1{}= 1)。

(2) 辺ごとに引くと 31(x−3)31(x - 3)=23(−4−y){}= 23(-4 - y) です。3131 と 2323 は互いに素なので xx−3{}- 3=23t{}= 23t とおけて、−4-4−y{}- y=31t{}= 31t です。よって

x=23t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}x = 23t}+3,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}+ 3,} y=−31t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ y = -31t}−4(t は整数)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}- 4 \quad (t \ \text{は整数})}

です。

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問5 ★

方程式 31x31x+23y{}+ 23y=5{}= 5 の整数解をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=23t{}= 23t−8{}- 8,yy=−31t{}= -31t+11{}+ 11(tt は整数)(xx=23t{}= 23t+15{}+ 15,yy=−31t{}= -31t−20{}- 20 などと表しても同じ)

解説

実践問題 j04 の 31×331 \times 3+23×(−4){}+ 23 \times (-4)=1{}= 1 の両辺を 55 倍すると、31×1531 \times 15+23×(−20){}+ 23 \times (-20)=5{}= 5 です。辺ごとに引くと

31(x−15)\displaystyle 31(x - 15)=23(−20−y)\displaystyle {}= 23(-20 - y)

3131 と 2323 は互いに素なので xx−15{}- 15=23t{}= 23t とおけて、−20-20−y{}- y=31t{}= 31t です。一般解は xx=23t{}= 23t+15{}+ 15,yy=−31t{}= -31t−20{}- 20 です。

tt を tt−1{}- 1 におきかえると、数が小さくなって

x=23t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}x = 23t}−8,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}- 8,} y=−31t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ y = -31t}+11(t は整数)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}+ 11 \quad (t \ \text{は整数})}

です。tt=0{}= 0 のとき 31×(−8)31 \times (-8)+23×11{}+ 23 \times 11=−248{}= -248+253{}+ 253=5{}= 5 で、確かに解になっています。

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問6 ★

方程式 4x4x+7y{}+ 7y=60{}= 60 を満たす自然数 xx,yy の組をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(x, y)(x,\ y)=(1, 8),{}= (1,\ 8), (8, 4)\ (8,\ 4)

解説

6060=4×15{}= 4 \times 15 なので、xx=15{}= 15,yy=0{}= 0 が1組の整数解です(自然数ではありませんが、特殊解として使えます)。辺ごとに引くと

4(x−15)\displaystyle 4(x - 15)=−7y\displaystyle {}= -7y

44 と 77 は互いに素なので、yy は 44 の倍数です。yy=4t{}= 4t とおくと xx−15{}- 15=−7t{}= -7t で、xx=15{}= 15−7t{}- 7t,yy=4t{}= 4t です。

xx≧1{}\geqq 1 より 7t7t≦14{}\leqq 14 で tt≦2{}\leqq 2、yy≧1{}\geqq 1 より tt≧1{}\geqq 1 です。tt=1,{}= 1, 2\ 2 で

(x, y)=(8, 4),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(x,\ y) = (8,\ 4),} (1, 8)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (1,\ 8)}

です。右辺が一方の係数の倍数のときは、このように片方を 00 にした特殊解がすぐ見つかります。

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問7 ★

1枚 5050 円の切手と1枚 8080 円の切手を、どちらも1枚以上買って、代金の合計をちょうど 10001000 円にしたい。それぞれの枚数の組をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(5050 円切手,8080 円切手)=(12 枚, 5 枚),= (12 \ \text{枚},\ 5 \ \text{枚}), (4 枚, 10 枚)\ (4 \ \text{枚},\ 10 \ \text{枚})

解説

5050 円切手を xx 枚、8080 円切手を yy 枚とすると

50x\displaystyle 50x+80y\displaystyle {}+ 80y=1000\displaystyle {}= 1000すなわち\displaystyle \text{すなわち}5x\displaystyle 5x+8y\displaystyle {}+ 8y=100\displaystyle {}= 100

xx=20{}= 20,yy=0{}= 0 が1組の整数解です。辺ごとに引くと 5(x−20)5(x - 20)=−8y{}= -8y で、55 と 88 は互いに素なので yy は 55 の倍数です。yy=5t{}= 5t とおくと xx=20{}= 20−8t{}- 8t です。

xx≧1{}\geqq 1 より 8t8t≦19{}\leqq 19 で tt≦2{}\leqq 2、yy≧1{}\geqq 1 より tt≧1{}\geqq 1 です。tt=1{}= 1 で (12, 5)(12,\ 5)、tt=2{}= 2 で (4, 10)(4,\ 10) なので、(5050 円切手,8080 円切手)の枚数の組は

(12 枚, 5 枚),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(12 \ \text{枚},\ 5 \ \text{枚}),} (4 枚, 10 枚)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (4 \ \text{枚},\ 10 \ \text{枚})}

です。(確かめ)600600+400{}+ 400=1000{}= 1000,200200+800{}+ 800=1000{}= 1000 です。

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問8 ★

方程式 15x15x+21y{}+ 21y=c{}= c が整数解をもつような、5050 以下の自然数 cc の個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

1616 個

解説

1515 と 2121 の最大公約数は 33 です。公式1より、整数解をもつのは cc が 33 の倍数のときで、そのときに限ります。

5050 以下の 33 の倍数は 3,3, 6,\ 6, …,\ \ldots, 48\ 48(3×13 \times 1 から 3×163 \times 16 まで)なので、16 個‾\underline{16 \ \text{個}} です。

たとえば cc=3{}= 3 なら、15×315 \times 3+21×(−2){}+ 21 \times (-2)=45{}= 45−42{}- 42=3{}= 3 となっています。

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問9 ★★

33 で割ると 22 余り、55 で割ると 33 余る2けたの自然数を、すべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

23,23, 38,\ 38, 53,\ 53, 68,\ 68, 83,\ 83, 98\ 98

解説

求める数を nn とすると、整数 xx,yy を用いて nn=3x{}= 3x+2{}+ 2=5y{}= 5y+3{}+ 3 と表せます。よって

3x\displaystyle 3x−5y\displaystyle {}- 5y=1\displaystyle {}= 1

xx=2{}= 2,yy=1{}= 1 が1組の解です。辺ごとに引くと 3(x−2)3(x - 2)=5(y−1){}= 5(y - 1) で、33 と 55 は互いに素なので xx−2{}- 2=5t{}= 5t とおけます。すると

n\displaystyle n=3x\displaystyle {}= 3x+2\displaystyle {}+ 2=3(5t+2)\displaystyle {}= 3(5t + 2)+2\displaystyle {}+ 2=15t\displaystyle {}= 15t+8\displaystyle {}+ 8(t は整数)\displaystyle (t \ \text{は整数})

です。1010≦15t{}\leqq 15t+8{}+ 8≦99{}\leqq 99 より tt=1,{}= 1, 2,\ 2, …,\ \ldots, 6\ 6 なので

n=23,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}n = 23,} 38,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 38,} 53,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 53,} 68,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 68,} 83,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 83,} 98‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 98}

です。条件を満たす数は 1515 ずつ(33 と 55 の最小公倍数ずつ)の間隔で並びます。

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問10 ★★

方程式 119x119x+43y{}+ 43y=1{}= 1 の整数解をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=43t{}= 43t−13{}- 13,yy=−119t{}= -119t+36{}+ 36(tt は整数)

解説

互除法を行います。

119\displaystyle 119=43×2\displaystyle {}= 43 \times 2+33\displaystyle {}+ 3343\displaystyle 43=33×1\displaystyle {}= 33 \times 1+10\displaystyle {}+ 1033\displaystyle 33=10×3\displaystyle {}= 10 \times 3+3\displaystyle {}+ 310\displaystyle 10=3×3\displaystyle {}= 3 \times 3+1\displaystyle {}+ 1

aa=119{}= 119,bb=43{}= 43 として、余りを上から順に表します。

33\displaystyle 33=a\displaystyle {}= a−2b\displaystyle {}- 2b10\displaystyle 10=b\displaystyle {}= b−33\displaystyle {}- 33=b\displaystyle {}= b−(a−2b)\displaystyle {}- (a - 2b)=−a\displaystyle {}= -a+3b\displaystyle {}+ 3b3\displaystyle 3=33\displaystyle {}= 33−10×3\displaystyle {}- 10 \times 3=(a−2b)\displaystyle {}= (a - 2b)−3(−a+3b)\displaystyle {}- 3(-a + 3b)=4a\displaystyle {}= 4a−11b\displaystyle {}- 11b1\displaystyle 1=10\displaystyle {}= 10−3×3\displaystyle {}- 3 \times 3=(−a+3b)\displaystyle {}= (-a + 3b)−3(4a−11b)\displaystyle {}- 3(4a - 11b)=−13a\displaystyle {}= -13a+36b\displaystyle {}+ 36b

よって 119×(−13)119 \times (-13)+43×36{}+ 43 \times 36=1{}= 1 で、xx=−13{}= -13,yy=36{}= 36 が1組の解です(−1547-1547+1548{}+ 1548=1{}= 1)。

辺ごとに引くと 119(x+13)119(x + 13)=43(36−y){}= 43(36 - y) で、119119 と 4343 は互いに素なので xx+13{}+ 13=43t{}= 43t とおけて、3636−y{}- y=119t{}= 119t です。よって

x=43t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}x = 43t}−13,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}- 13,} y=−119t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ y = -119t}+36(t は整数)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}+ 36 \quad (t \ \text{は整数})}

です。

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問11 ★★

方程式 7x7x+11y{}+ 11y=300{}= 300 を満たす自然数 xx,yy の組をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(x, y)(x,\ y)=(35, 5),{}= (35,\ 5), (24, 12),\ (24,\ 12), (13, 19),\ (13,\ 19), (2, 26)\ (2,\ 26)

解説

特殊解を探します。yy=0,{}= 0, 1,\ 1, 2,\ 2, …\ \ldots と順に試して、300300−11y{}- 11y が 77 で割り切れるものを探すと

300,\displaystyle 300, 289,\displaystyle \ 289, 278,\displaystyle \ 278, 267,\displaystyle \ 267, 256,\displaystyle \ 256, 245\displaystyle \ 245=7×35\displaystyle {}= 7 \times 35

で、yy=5{}= 5 のとき xx=35{}= 35 です。辺ごとに引くと 7(x−35)7(x - 35)=11(5−y){}= 11(5 - y) で、77 と 1111 は互いに素なので xx−35{}- 35=11t{}= 11t とおけて、55−y{}- y=7t{}= 7t です。一般解は xx=35{}= 35+11t{}+ 11t,yy=5{}= 5−7t{}- 7t です。

xx≧1{}\geqq 1 より 11t11t≧−34{}\geqq -34 で tt≧−3{}\geqq -3、yy≧1{}\geqq 1 より 7t7t≦4{}\leqq 4 で tt≦0{}\leqq 0 です。tt=0,{}= 0, −1,{}\ -1, −2,{}\ -2, −3{}\ -3 で

(x, y)=(35, 5),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(x,\ y) = (35,\ 5),} (24, 12),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (24,\ 12),} (13, 19),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (13,\ 19),} (2, 26)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (2,\ 26)}

です。

yy を 00 から 66 まで試せば、必ずどこかで割り切れます(11y11y を 77 で割った余りが 77 通りすべて異なるから。実践問題 j19)。試すのが大変なときは、互除法で 7x7x+11y{}+ 11y=1{}= 1 の解を作って 300300 倍してもかまいません。

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問12 ★★

分数 1135\dfrac{11}{35} を、整数 aa,bb を用いて a5\dfrac{a}{5}+b7{}+ \dfrac{b}{7} の形に表す。∣a∣|a| が最も小さくなるような aa,bb を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=−2{}= -2,bb=5{}= 5(1135\dfrac{11}{35}=−25{}= -\dfrac{2}{5}+57{}+ \dfrac{5}{7})

解説

a5\dfrac{a}{5}+b7{}+ \dfrac{b}{7}=7a+5b35{}= \dfrac{7a + 5b}{35} なので、条件は

7a\displaystyle 7a+5b\displaystyle {}+ 5b=11\displaystyle {}= 11

です。aa=3{}= 3,bb=−2{}= -2 とすると 2121−10{}- 10=11{}= 11 なので、これが1組の解です。辺ごとに引くと 7(a−3)7(a - 3)=5(−2−b){}= 5(-2 - b) で、77 と 55 は互いに素なので aa−3{}- 3=5t{}= 5t とおけて、−2-2−b{}- b=7t{}= 7t です。一般解は

a\displaystyle a=5t\displaystyle {}= 5t+3,\displaystyle {}+ 3,b\displaystyle b=−7t\displaystyle {}= -7t−2\displaystyle {}- 2(t は整数)\displaystyle (t \ \text{は整数})

です。aa は …,\ldots, −7,{}\ -7, −2,{}\ -2, 3,\ 3, 8,\ 8, …\ \ldots と 55 ずつの間隔で並ぶので、∣a∣|a| が最も小さいのは tt=−1{}= -1 のときの aa=−2{}= -2 です。このとき bb=5{}= 5 なので

a=−2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = -2,} b=5‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 5}

です。(確かめ)−25-\dfrac{2}{5}+57{}+ \dfrac{5}{7}=−14+2535{}= \dfrac{-14 + 25}{35}=1135{}= \dfrac{11}{35} です。

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問13 ★★

たこ焼きが7個入りのパックと12個入りのパックで売られている。いくつかのパックを買って、たこ焼きをちょうど 100100 個にしたい。ただし、一方のパックを買わなくてもよい。7個入りと12個入りのパックの数の組をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

7個入り 44 パック、12個入り 66 パックの1通りだけ

解説

7個入りを xx パック、12個入りを yy パックとすると、xx,yy は 00 以上の整数で 7x7x+12y{}+ 12y=100{}= 100 です。

まず互除法で 7x7x+12y{}+ 12y=1{}= 1 の解を作ります。

12\displaystyle 12=7×1\displaystyle {}= 7 \times 1+5,\displaystyle {}+ 5,7\displaystyle 7=5×1\displaystyle {}= 5 \times 1+2,\displaystyle {}+ 2,5\displaystyle 5=2×2\displaystyle {}= 2 \times 2+1\displaystyle {}+ 1

aa=7{}= 7,bb=12{}= 12 として

5\displaystyle 5=b\displaystyle {}= b−a\displaystyle {}- a2\displaystyle 2=a\displaystyle {}= a−5\displaystyle {}- 5=a\displaystyle {}= a−(b−a)\displaystyle {}- (b - a)=2a\displaystyle {}= 2a−b\displaystyle {}- b1\displaystyle 1=5\displaystyle {}= 5−2×2\displaystyle {}- 2 \times 2=(b−a)\displaystyle {}= (b - a)−2(2a−b)\displaystyle {}- 2(2a - b)=−5a\displaystyle {}= -5a+3b\displaystyle {}+ 3b

より 7×(−5)7 \times (-5)+12×3{}+ 12 \times 3=1{}= 1 です。100100 倍して 7×(−500)7 \times (-500)+12×300{}+ 12 \times 300=100{}= 100 なので、辺ごとに引くと 7(x+500)7(x + 500)=12(300−y){}= 12(300 - y) です。77 と 1212 は互いに素なので xx+500{}+ 500=12t{}= 12t とおけて、300300−y{}- y=7t{}= 7t です。

x\displaystyle x=12t\displaystyle {}= 12t−500,\displaystyle {}- 500,y\displaystyle y=300\displaystyle {}= 300−7t\displaystyle {}- 7t

xx≧0{}\geqq 0 より tt≧50012{}\geqq \dfrac{500}{12}=41.6⋯{}= 41.6\cdots、yy≧0{}\geqq 0 より tt≦3007{}\leqq \dfrac{300}{7}=42.8⋯{}= 42.8\cdots なので、tt=42{}= 42 だけです。このとき xx=4{}= 4,yy=6{}= 6 なので、7個入り 4 パック‾\underline{4 \text{ パック}}、12個入り 6 パック‾\underline{6 \text{ パック}} の1通りです。(確かめ)2828+72{}+ 72=100{}= 100 です。

特殊解が大きな数になっても、条件の不等式でしぼれば正しい答えにたどり着けます。

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問14 ★★

整数 xx,yy が 7x7x+5y{}+ 5y=1{}= 1 を満たすとき、x2x^2+y2{}+ y^2 の最小値と、そのときの xx,yy を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

最小値 1313(xx=−2{}= -2,yy=3{}= 3)

解説

xx=3{}= 3,yy=−4{}= -4 とすると 2121−20{}- 20=1{}= 1 なので、これが1組の解です。辺ごとに引くと 7(x−3)7(x - 3)=5(−4−y){}= 5(-4 - y) で、xx−3{}- 3=5t{}= 5t とおけて、−4-4−y{}- y=7t{}= 7t です。一般解は xx=5t{}= 5t+3{}+ 3,yy=−7t{}= -7t−4{}- 4 です。

x2\displaystyle x^2+y2\displaystyle {}+ y^2=(5t+3)2\displaystyle {}= (5t + 3)^2+(7t+4)2\displaystyle {}+ (7t + 4)^2=74t2\displaystyle {}= 74t^2+86t\displaystyle {}+ 86t+25\displaystyle {}+ 25

これは tt の二次式で、tt=−86148{}= -\dfrac{86}{148}=−0.58⋯{}= -0.58\cdots で最小になる形です。tt は整数なので、これに近い tt=−1{}= -1 と tt=0{}= 0 を比べます。

t\displaystyle t=−1 のとき 74\displaystyle {}= -1 \ \text{のとき} \ 74−86\displaystyle {}- 86+25\displaystyle {}+ 25=13,\displaystyle {}= 13,t\displaystyle t=0 のとき 25\displaystyle {}= 0 \ \text{のとき} \ 25

tt が −1-1 より小さい、または 00 より大きいと値はさらに大きくなるので、最小値は 13 (x=−2, y=3)‾\underline{13 \ (x = -2,\ y = 3)} です。

最初に見つけた解 (3, −4)(3,\ -4) が最小とは限りません。一般解にしてから調べるのが大切です。

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問15 ★★

座標平面上の直線 3x3x+5y{}+ 5y=150{}= 150 上にあり、xx 座標と yy 座標がともに正の整数である点の個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

99 個

解説

求める点の個数は、3x3x+5y{}+ 5y=150{}= 150 を満たす自然数 xx,yy の組の個数です。150150=3×50{}= 3 \times 50 なので、xx=50{}= 50,yy=0{}= 0 が1組の整数解です。辺ごとに引くと 3(x−50)3(x - 50)=−5y{}= -5y で、33 と 55 は互いに素なので yy は 33 の倍数です。yy=3t{}= 3t とおくと xx=50{}= 50−5t{}- 5t です。

xx≧1{}\geqq 1 より 5t5t≦49{}\leqq 49 で tt≦9{}\leqq 9、yy≧1{}\geqq 1 より tt≧1{}\geqq 1 なので、tt=1,{}= 1, 2,\ 2, …,\ \ldots, 9\ 9 の 9 個‾\underline{9 \ \text{個}} です。

点は (45, 3),(45,\ 3), (40, 6),\ (40,\ 6), …,\ \ldots, (5, 27)\ (5,\ 27) で、直線上に等間隔に並んでいます。

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問16 ★★

整数 xx,yy が 4x4x+7y{}+ 7y=1{}= 1 を満たすとき、xx を 77 で割った余りと、yy を 44 で割った余りを、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx を 77 で割った余りは 22、yy を 44 で割った余りは 33

解説

xx=2{}= 2,yy=−1{}= -1 とすると 88−7{}- 7=1{}= 1 なので、これが1組の解です。辺ごとに引くと 4(x−2)4(x - 2)=7(−1−y){}= 7(-1 - y) で、xx−2{}- 2=7t{}= 7t とおけて、−1-1−y{}- y=4t{}= 4t です。

x\displaystyle x=7t\displaystyle {}= 7t+2,\displaystyle {}+ 2,y\displaystyle y=−4t\displaystyle {}= -4t−1\displaystyle {}- 1=4(−t−1)\displaystyle {}= 4(-t - 1)+3\displaystyle {}+ 3

00≦2{}\leqq 2<7{}< 7,00≦3{}\leqq 3<4{}< 4 なので、xx を 77 で割った余りは 2‾\underline{2}、yy を 44 で割った余りは 3‾\underline{3} です。

yy=−4t{}= -4t−1{}- 1 のままでは余りが −1-1 に見えますが、余りは 00 以上にそろえるので(第2章 公式1)、44 を1つくり出して 33 とします。どの解を選んでも余りは変わりません。

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問17 ★★★

00 以上の整数 xx,yy を用いて 5x5x+8y{}+ 8y と表せる自然数を考える。

(1) 2727 は 5x5x+8y{}+ 8y の形に表せないことを示しなさい。

(2) 2828 以上の自然数は、すべて 5x5x+8y{}+ 8y の形に表せることを示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1)(2) 解説を参照((1) yy=0,{}= 0, 1,\ 1, 2,\ 2, 3\ 3 を調べる (2) 2828〜3232 の5つが表せれば、55 を足していける)

解説

(1) 5x5x+8y{}+ 8y=27{}= 27 を満たす 00 以上の整数 xx,yy があったとします。8y8y≦27{}\leqq 27 なので yy は 0,0, 1,\ 1, 2,\ 2, 3\ 3 のどれかで、そのとき

5x\displaystyle 5x=27,\displaystyle {}= 27, 19,\displaystyle \ 19, 11,\displaystyle \ 11, 3\displaystyle \ 3

となります。どれも 55 の倍数ではないので、xx は整数になりません。よって 2727 は表せません。(証明終)

(2) まず、連続する5つの数 2828 から 3232 が表せることを確かめます。

28\displaystyle 28=5×4\displaystyle {}= 5 \times 4+8×1,\displaystyle {}+ 8 \times 1,29\displaystyle 29=5×1\displaystyle {}= 5 \times 1+8×3,\displaystyle {}+ 8 \times 3,30\displaystyle 30=5×6\displaystyle {}= 5 \times 6+8×0,\displaystyle {}+ 8 \times 0,31\displaystyle 31=5×3\displaystyle {}= 5 \times 3+8×2,\displaystyle {}+ 8 \times 2,32\displaystyle 32=5×0\displaystyle {}= 5 \times 0+8×4\displaystyle {}+ 8 \times 4

5x5x+8y{}+ 8y で表せる数に 55 を足すと、xx を 11 増やすだけなので、やはり表せます。2828 以上の自然数 nn は、nn−28{}- 28 を 55 で割った余りを rr、商を kk として nn=(28+r){}= (28 + r)+5k{}+ 5k(00≦r{}\leqq r≦4{}\leqq 4,kk≧0{}\geqq 0)と書けます。2828+r{}+ r は上の5つのどれかなので表せて、そこに 55 を kk 回足した nn も表せます。(証明終)

実際に調べると、表せない自然数は 1,1, 2,\ 2, 3,\ 3, 4,\ 4, 6,\ 6, 7,\ 7, 9,\ 9, 11,\ 11, 12,\ 12, 14,\ 14, 17,\ 17, 19,\ 19, 22,\ 22, 27\ 27 の 1414 個です。最大の 2727 は 5×85 \times 8−5{}- 5−8{}- 8 で、一般に互いに素な aa,bb では abab−a{}- a−b{}- b が表せない最大の数になります(厳密定義 定理5)。

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問18 ★★★

ある施設の入場料は、大人1人 500500 円、子ども1人 100100 円、幼児1人 2525 円である。大人・子ども・幼児がそれぞれ1人以上いる 6060 人の団体の入場料の合計が、ちょうど 60006000 円であった。大人・子ども・幼児の人数の組をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(大人,子ども,幼児)=(3, 41, 16),= (3,\ 41,\ 16), (6, 22, 32),\ (6,\ 22,\ 32), (9, 3, 48)\ (9,\ 3,\ 48)

解説

大人を xx 人、子どもを yy 人、幼児を zz 人とすると、xx,yy,zz は自然数で

x\displaystyle x+y\displaystyle {}+ y+z\displaystyle {}+ z=60,\displaystyle {}= 60,500x\displaystyle 500x+100y\displaystyle {}+ 100y+25z\displaystyle {}+ 25z=6000\displaystyle {}= 6000

です。2つめの式を 2525 で割ると 20x20x+4y{}+ 4y+z{}+ z=240{}= 240 で、ここから1つめの式を引いて zz を消すと

19x\displaystyle 19x+3y\displaystyle {}+ 3y=180\displaystyle {}= 180

となります。180180=3×60{}= 3 \times 60 なので、xx=0{}= 0,yy=60{}= 60 が1組の整数解です。辺ごとに引くと 19x19x=3(60−y){}= 3(60 - y) で、1919 と 33 は互いに素なので xx は 33 の倍数です。xx=3s{}= 3s とおくと 6060−y{}- y=19s{}= 19s で

x\displaystyle x=3s,\displaystyle {}= 3s,y\displaystyle y=60\displaystyle {}= 60−19s,\displaystyle {}- 19s,z\displaystyle z=60\displaystyle {}= 60−x\displaystyle {}- x−y\displaystyle {}- y=16s\displaystyle {}= 16s

です。xx≧1{}\geqq 1,zz≧1{}\geqq 1 より ss≧1{}\geqq 1、yy≧1{}\geqq 1 より 19s19s≦59{}\leqq 59 で ss≦3{}\leqq 3 です。ss=1,{}= 1, 2,\ 2, 3\ 3 で、(大人,子ども,幼児)の人数の組は

(3, 41, 16),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(3,\ 41,\ 16),} (6, 22, 32),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (6,\ 22,\ 32),} (9, 3, 48)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (9,\ 3,\ 48)}

です。(確かめ)ss=1{}= 1 なら 15001500+4100{}+ 4100+400{}+ 400=6000{}= 6000 です。

文字が3つでも、式を1つ使って文字を1つ消せば、ここまでの一次不定方程式に帰着します(小話1の「百鶏問題」と同じ形です)。

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問19 ★★★

aa,bb を互いに素な自然数とし、aa≧2{}\geqq 2 とする。

(1) aa 個の数 0,0, b,\ b, 2b,\ 2b, …,\ \ldots, (a−1)b\ (a - 1)b を aa で割った余りは、すべて異なることを示しなさい。

(2) (1) を用いて、方程式 axax+by{}+ by=1{}= 1 が整数解をもつことを、互除法を使わずに示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1)(2) 解説を参照((1) 余りが等しい2つの差 (j−i)b(j - i)b が aa の倍数になり矛盾 (2) 余りが aa 通りすべて現れるので、余り 11 のものがある)

解説

(1) 00≦i{}\leqq i<j{}< j≦a{}\leqq a−1{}- 1 として、ibib と jbjb を aa で割った余りが等しかったとします。余りを rr として ibib=aq{}= aq+r{}+ r,jbjb=aq′{}= aq'+r{}+ r と書くと、引いて

(j−i)b\displaystyle (j - i)b=a(q′−q)\displaystyle {}= a(q' - q)

なので、(j−i)b(j - i)b は aa の倍数です。aa と bb は互いに素なので、aa の素因数はすべて jj−i{}- i に含まれ、jj−i{}- i は aa の倍数になります(第1章の厳密定義 定理5(2))。ところが 00<j{}< j−i{}- i<a{}< a なので、jj−i{}- i は aa の倍数ではありません。これは矛盾です。よって余りはすべて異なります。(証明終)

(2) aa で割った余りは 0,0, 1,\ 1, …,\ \ldots, a\ a−1{}- 1 の aa 通りしかありません。(1) より aa 個の数 0,0, b,\ b, …,\ \ldots, (a−1)b\ (a - 1)b の余りはすべて異なるので、aa 通りの余りがちょうど1回ずつ現れます。とくに、余りが 11 になる kbkb(00≦k{}\leqq k≦a{}\leqq a−1{}- 1)があります。kbkb=aq{}= aq+1{}+ 1 とすると

a×(−q)\displaystyle a \times (-q)+b×k\displaystyle {}+ b \times k=1\displaystyle {}= 1

なので、xx=−q{}= -q,yy=k{}= k が axax+by{}+ by=1{}= 1 の整数解です。(証明終)

たとえば aa=7{}= 7,bb=3{}= 3 なら、0,0, 3,\ 3, 6,\ 6, 9,\ 9, 12,\ 12, 15,\ 15, 18\ 18 を 77 で割った余りは 0,0, 3,\ 3, 6,\ 6, 2,\ 2, 5,\ 5, 1,\ 1, 4\ 4 で、すべて異なります。余り 11 の 1515=7×2{}= 7 \times 2+1{}+ 1 から、7×(−2)7 \times (-2)+3×5{}+ 3 \times 5=1{}= 1 が得られます。

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問20 ★★★

44 で割ると 33 余り、77 で割ると 55 余り、99 で割ると 22 余る自然数について、次の問いに答えなさい。

(1) このような自然数のうち、最小のものを求めなさい。

(2) このような 10001000 以下の自然数の個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 4747 (2) 44 個

解説

(1) 条件を2つずつ組み合わせていきます。求める数を nn とします。

4 と 7 の条件 nn=4x{}= 4x+3{}+ 3=7y{}= 7y+5{}+ 5 より 4x4x−7y{}- 7y=2{}= 2 です。xx=4{}= 4,yy=2{}= 2 が1組の解で、辺ごとに引くと 4(x−4)4(x - 4)=7(y−2){}= 7(y - 2) なので xx−4{}- 4=7t{}= 7t とおけます。

n\displaystyle n=4(7t+4)\displaystyle {}= 4(7t + 4)+3\displaystyle {}+ 3=28t\displaystyle {}= 28t+19\displaystyle {}+ 19

9 の条件を加える nn=28t{}= 28t+19{}+ 19=9u{}= 9u+2{}+ 2 より 28t28t−9u{}- 9u=−17{}= -17 です。tt=1{}= 1 とすると 9u9u=45{}= 45 で uu=5{}= 5 なので、これが1組の解です。辺ごとに引くと 28(t−1)28(t - 1)=9(u−5){}= 9(u - 5) で、2828 と 99 は互いに素なので tt−1{}- 1=9s{}= 9s とおけます。

n\displaystyle n=28(9s+1)\displaystyle {}= 28(9s + 1)+19\displaystyle {}+ 19=252s\displaystyle {}= 252s+47\displaystyle {}+ 47(s は整数)\displaystyle (s \ \text{は整数})

nn が自然数となる最小のものは ss=0{}= 0 のときで、n=47‾\underline{n = 47} です。(確かめ)4747=4×11{}= 4 \times 11+3{}+ 3=7×6{}= 7 \times 6+5{}+ 5=9×5{}= 9 \times 5+2{}+ 2 です。

(2) 11≦252s{}\leqq 252s+47{}+ 47≦1000{}\leqq 1000 より 00≦s{}\leqq s≦953252{}\leqq \dfrac{953}{252}=3.7⋯{}= 3.7\cdots なので、ss=0,{}= 0, 1,\ 1, 2,\ 2, 3\ 3 で、nn=47,{}= 47, 299,\ 299, 551,\ 551, 803\ 803 の 4 個‾\underline{4 \ \text{個}} です。

252252=4×7×9{}= 4 \times 7 \times 9 で、44,77,99 はどの2つも互いに素なので、条件を満たす数は 252252 ごとにちょうど1つずつ現れます(厳密定義 定理4)。

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数学小話コーナー

百羽のにわとりを百枚の銭で——百鶏問題

中国の数学書『張丘建算経』(5世紀ごろ ※成立年代は諸説あり)に、次のような問題があります。

「おんどりは1羽5銭、めんどりは1羽3銭、ひよこは3羽で1銭。100銭で、ちょうど100羽のにわとりを買いたい。おんどり、めんどり、ひよこをそれぞれ何羽買えばよいか。」

これが「百鶏問題」と呼ばれる有名な問題です。おんどりを xx 羽、めんどりを yy 羽、ひよこを zz 羽とすると

x\displaystyle x+y\displaystyle {}+ y+z\displaystyle {}+ z=100,\displaystyle {}= 100,5x\displaystyle 5x+3y\displaystyle {}+ 3y+z3\displaystyle {}+ \dfrac{z}{3}=100\displaystyle {}= 100

と、文字が3つなのに式は2つしかありません。2つめの式を3倍して1つめの式を引くと、zz が消えて

14x\displaystyle 14x+8y\displaystyle {}+ 8y=200\displaystyle {}= 200すなわち\displaystyle \text{すなわち}7x\displaystyle 7x+4y\displaystyle {}+ 4y=100\displaystyle {}= 100

という、この章の一次不定方程式になります。xx=0{}= 0,yy=25{}= 25 が1組の解なので、一般解は xx=4t{}= 4t,yy=25{}= 25−7t{}- 7t で、ひよこは zz=100{}= 100−x{}- x−y{}- y=75{}= 75+3t{}+ 3t 羽です。3種類とも1羽以上買うとすると tt=1,{}= 1, 2,\ 2, 3\ 3 で

(x, y, z)\displaystyle (x,\ y,\ z)=(4, 18, 78),\displaystyle {}= (4,\ 18,\ 78), (8, 11, 81),\displaystyle \ (8,\ 11,\ 81), (12, 4, 84)\displaystyle \ (12,\ 4,\ 84)

の3通りになります。『張丘建算経』にも、この3通りの答えが載っています。答えが1つに決まらない問題に、きちんとすべての答えを挙げている点がみごとです。

中国ではその後、13世紀の秦九韶が『数書九章』(1247年)で「大衍求一術」という方法をまとめました(数と式 第12章の小話で、組立除法の話に登場した人物です)。「ある数を掛けて、別の数で割ると 11 余るようにする」数を求める手順で、中身は axax+by{}+ by=1{}= 1 の解を互除法で見つける公式2とほとんど同じです(※手順の細部は解釈に諸説あり)。

豆知識

一次不定方程式のように整数解を求める方程式は、英語で Diophantine equation(ディオファントス方程式)と呼ばれます。3世紀ごろのアレクサンドリアの数学者ディオファントスの『算術』にちなむ名前です(ただし『算術』が扱ったのは、おもに有理数の解でした)。17世紀のフェルマーは、この『算術』の本の余白に「この定理の驚くべき証明を見つけたが、余白が狭すぎて書けない」と書き込みました。これが、350年以上も解かれなかった「フェルマーの最終定理」の始まりです。

3リットルと5リットルで4リットルを量る——水がめパズル

目盛りのない3リットルの容器と5リットルの容器があり、水はいくらでも使えます。ちょうど4リットルの水を量るにはどうすればよいでしょうか。

映画『ダイ・ハード3』(1995年)では、主人公たちが公園の噴水の前でこの問題を出され、時限爆弾を止めるために大急ぎで解く場面があります(映画では単位がガロンです)。答えの1つは次のとおりです。

  1. 5リットルの容器を満たし、3リットルの容器に注ぐ(5リットルの容器に2リットル残る)。
  2. 3リットルの容器を空にし、残りの2リットルを移す。
  3. 5リットルの容器をもう一度満たし、3リットルの容器がいっぱいになるまで注ぐ(3リットルの容器にはあと1リットルしか入らない)。
  4. 5リットルの容器に、ちょうど4リットルが残る。

この手順では、5リットルの容器を2回満たし、3リットル分を2回捨てています。つまり 5×25 \times 2−3×2{}- 3 \times 2=4{}= 4 で、方程式 3x3x+5y{}+ 5y=4{}= 4 の解 xx=−2{}= -2,yy=2{}= 2 にあたります。別の解 xx=3{}= 3,yy=−1{}= -1(3×33 \times 3−5×1{}- 5 \times 1=4{}= 4)を使うと、「3リットルの容器で3回くみ、5リットル分を1回捨てる」という別の手順も作れます。容器で水を足したり捨てたりする操作が、そのまま一次不定方程式の xx,yy になっているのです。

日本でも、江戸時代の算術書『塵劫記』(1627年)に、よく似た「油分け算」が載っています。1斗(10升)の油を、7升ますと3升ますだけを使って5升ずつに分ける、という問題です(『塵劫記』は、指数関数・対数関数 第2章の小話の「ねずみ算」や、数列 第1章の小話の「俵杉算」でも登場しました)。

豆知識

容器が6リットルと9リットルだったら、どうがんばっても4リットルは量れません。何回注いでも捨てても、扱う水の量は 6x6x+9y{}+ 9y の形で、いつも 33 の倍数だからです(公式1)。逆に、2つの容器の大きさが互いに素なら、大きいほうの容器の大きさ以下の量は、1リットル単位で何でも量れることが知られています。

2026年は丙午——干支が60通りしかないわけ

今年、2026年の干支は「丙午(ひのえうま)」です。干支は、10種類の十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)と、12種類の十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)を、1年ごとに1つずつずらしながら組み合わせたものです。

西暦からは、次のように割り算で干支が分かります。

  • 十干:西暦を 1010 で割った余りが 44 なら甲、55 なら乙、66 なら丙、……(00 なら庚)
  • 十二支:西暦から 44 を引いて 1212 で割った余りが 00 なら子、11 なら丑、……、66 なら午

20262026 を 1010 で割った余りは 66 で丙、20262026−4{}- 4=2022{}= 2022 を 1212 で割った余りは 66 で午なので、丙午です。

では、丙午の年はほかにいつあるのでしょうか。西暦 nn 年が丙午になる条件は、整数 xx,yy を用いて

n\displaystyle n=10x\displaystyle {}= 10x+6\displaystyle {}+ 6=12y\displaystyle {}= 12y+10\displaystyle {}+ 10

と書けることです。整理すると 10x10x−12y{}- 12y=4{}= 4、両辺を 22 で割って 5x5x−6y{}- 6y=2{}= 2 という一次不定方程式になります。xx=4{}= 4,yy=3{}= 3 が1組の解なので、一般解は xx=6t{}= 6t+4{}+ 4 で、nn=10(6t+4){}= 10(6t + 4)+6{}+ 6=60t{}= 60t+46{}+ 46 です。丙午は 6060 年ごとにめぐってきて、前回は1966年でした。60歳を「還暦」と呼ぶのは、生まれた年の干支に還る(戻る)からです。

十干が10種類、十二支が12種類なら、組み合わせは 10×1210 \times 12=120{}= 120 通りありそうです。ところが干支は60通りしかありません。たとえば「甲丑」という年は決して来ないのです。甲の年を nn=10x{}= 10x+4{}+ 4、丑の年を nn=12y{}= 12y+5{}+ 5 とおくと、10x10x−12y{}- 12y=1{}= 1 となりますが、左辺はいつも偶数なので解がありません。1010 と 1212 の最大公約数が 22 なので、公式1により、上の割り算の余りが「十干も十二支も偶数」か「どちらも奇数」の組み合わせしか現れないのです。互いに素でない 1010 と 1212 の最小公倍数が 6060 であることが、干支のひと回りが60年である理由です。

1966年の丙午には、「この年に生まれた女性は気性が激しい」という根拠のない迷信が広まり、この年の出生数は約136万人と、前の年より4分の1ほども減りました。数の組み合わせの周期が、社会に大きな影響を与えた例です。

豆知識

歴史の出来事の名前にも干支が残っています。1868年の「戊辰戦争」、672年の「壬申の乱」は、それぞれ起きた年の干支です。兵庫県の阪神甲子園球場は、甲子の年である1924年に完成したことからこの名前がつきました。甲子は干支の1番目で、nn=60t{}= 60t+4{}+ 4 の年、つまり1924年・1984年・2044年……です。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。本文では、公式1〜3を具体的な数で確かめながら使いました。ここでは、係数が負の場合も含めてそれらを定理として証明し、さらに2つの応用として、割り算の余りの条件を組み合わせる「中国の剰余定理」と、「00 以上の整数 xx,yy で axax+by{}+ by と表せない最大の数」を求める定理を扱います。

このページでは、とくに断らないかぎり文字は整数を表します。第1章・第2章の厳密定義で導入した整除の記号 b∣ab \mid a と、第2章 定理4(最大公約数は axax+by{}+ by の形に書ける)を使います。

一次不定方程式と解の存在

定義1:一次不定方程式

aa,bb を 00 でない整数、cc を整数とする。等式 axax+by{}+ by=c{}= c を満たす整数の組 (x, y)(x,\ y) を求める問題を一次不定方程式といい、そのような組を整数解という。整数解の1つを特殊解、整数解全体を1つの文字 tt を用いて表したものを一般解という。

aa と bb の最大公約数は、第2章 定義1 のとおり ∣a∣|a| と ∣b∣|b| の最大公約数です。また xx を −x-x におきかえれば aa の符号を変えられるので、係数の符号は整数解の有無には影響しません。

定理1:整数解をもつ条件

aa,bb の最大公約数を gg とする。axax+by{}+ by=c{}= c が整数解をもつための必要十分条件は、g∣cg \mid c である。

証明 (必要性)整数解 (x, y)(x,\ y) があるとする。g∣ag \mid a,g∣bg \mid b なので、第1章 定理1(2) より g∣axg \mid ax+by{}+ by、すなわち g∣cg \mid c である。

(十分性)g∣cg \mid c とし、cc=gk{}= gk とおく。第2章 定理4 を自然数 ∣a∣|a|,∣b∣|b| に使うと、∣a∣x′|a|x'+∣b∣y′{}+ |b|y'=g{}= g を満たす整数 x′x',y′y' がある。aa が負なら x′x' の符号を、bb が負なら y′y' の符号を変えたものを x′′x'',y′′y'' とすると ax′′ax''+by′′{}+ by''=g{}= g である。両辺を kk 倍して、(x, y)(x,\ y)=(kx′′, ky′′){}= (kx'',\ ky'') は axax+by{}+ by=c{}= c の整数解である。(証明終)

本文 公式2 の手順は、第2章 定理4 の証明で「余りがすべて a×(整数)a \times (\text{整数})+b×(整数){}+ b \times (\text{整数}) の形に書ける」ことを示した道すじを、そのまま計算に移したものです。

一般解

定理2:一般解(係数が互いに素な場合)

aa と bb が互いに素で、(x0, y0)(x_0,\ y_0) が axax+by{}+ by=c{}= c の整数解の1つであるとする。このとき、(x, y)(x,\ y) が整数解であることと、ある整数 tt を用いて

x\displaystyle x=x0\displaystyle {}= x_0+bt,\displaystyle {}+ bt,y\displaystyle y=y0\displaystyle {}= y_0−at\displaystyle {}- at

と表されることは同値である。さらに、異なる tt からは異なる解が得られる。

証明 (表されるなら解)a(x0+bt)a(x_0 + bt)+b(y0−at){}+ b(y_0 - at)=ax0{}= ax_0+by0{}+ by_0=c{}= c である。

(解なら表される)axax+by{}+ by=c{}= c と ax0ax_0+by0{}+ by_0=c{}= c を辺ごとに引いて

a(x−x0)\displaystyle a(x - x_0)=b(y0−y)\displaystyle {}= b(y_0 - y)

を得る。y0y_0−y{}- y=0{}= 0 なら、aa≠0{}\neq 0 より xx=x0{}= x_0 で、tt=0{}= 0 とすればよい。y0y_0−y{}- y≠0{}\neq 0 のとき、両辺の絶対値をとると ∣a∣⋅∣x−x0∣|a| \cdot |x - x_0|=∣b∣⋅∣y0−y∣{}= |b| \cdot |y_0 - y| で、∣a∣|a| は自然数 ∣b∣⋅∣y0−y∣|b| \cdot |y_0 - y| を割り切る。∣a∣|a| と ∣b∣|b| は互いに素なので、第2章 定理5(1)(または第1章 定理5(2))より ∣a∣∣∣y0−y∣|a| \mid |y_0 - y|、したがって a∣y0a \mid y_0−y{}- y である。y0y_0−y{}- y=at{}= at とおくと a(x−x0)a(x - x_0)=abt{}= abt で、aa≠0{}\neq 0 より xx−x0{}- x_0=bt{}= bt である。

(異なる tt は異なる解)tt≠t′{}\neq t' なら、bb≠0{}\neq 0 より x0x_0+bt{}+ bt≠x0{}\neq x_0+bt′{}+ bt' である。(証明終)

一般解の表し方は1通りではありません。特殊解を別のもの (x0+bs, y0−as)(x_0 + bs,\ y_0 - as) に取りかえても、tt が tt−s{}- s にずれるだけで、表している解の集まりは同じです。本文 例題3(1) で tt を tt−1{}- 1 におきかえたのは、この取りかえにあたります。

定理3:一般解(一般の場合)

aa,bb の最大公約数を gg とし、aa=ga′{}= ga',bb=gb′{}= gb' とおく。g∣cg \mid c のとき、axax+by{}+ by=c{}= c の整数解全体は、a′xa'x+b′y{}+ b'y=cg{}= \dfrac{c}{g} の整数解全体と一致する。したがって、特殊解の1つを (x0, y0)(x_0,\ y_0) とすると、一般解は

x\displaystyle x=x0\displaystyle {}= x_0+b′t,\displaystyle {}+ b't,y\displaystyle y=y0\displaystyle {}= y_0−a′t\displaystyle {}- a't(t は整数)\displaystyle (t \ \text{は整数})

である。

証明 axax+by{}+ by=c{}= c の両辺を gg≠0{}\neq 0 で割ると a′xa'x+b′y{}+ b'y=cg{}= \dfrac{c}{g} となり、逆に後者の両辺に gg を掛けると前者になるので、2つの方程式は同じ整数解をもつ。a′a' と b′b' は互いに素なので(第1章 公式6。a′a' と b′b' に公約数 dd≧2{}\geqq 2 があれば gdgd が aa,bb の公約数になり、gg の最大性に反する)、定理2 を a′xa'x+b′y{}+ b'y=cg{}= \dfrac{c}{g} に使えばよい。(証明終)

gg≧2{}\geqq 2 なのに xx=x0{}= x_0+bt{}+ bt としてしまうと、tt が1つ進むごとに解を gg−1{}- 1 個飛ばしてしまいます。本文で「先に両辺を最大公約数で割る」としたのは、このためです。

中国の剰余定理

本文の実践問題 j09・j20 では、「mm で割ると rr 余り、nn で割ると ss 余る数」を一次不定方程式で求めました。これを一般の形で述べたものが、次の定理です。3〜5世紀ごろの中国の数学書『孫子算経』に「3で割ると2余り、5で割ると3余り、7で割ると2余る数は何か」(答えは 2323)という問題があることから、中国の剰余定理と呼ばれます(※成立年代は諸説あり)。

定理4:中国の剰余定理

mm,nn を互いに素な自然数、rr,ss を整数とする。「NN−r{}- r が mm の倍数で、かつ NN−s{}- s が nn の倍数」である整数 NN が存在する。さらに、そのような NN の1つを N0N_0 とすると、条件を満たす整数全体は

N\displaystyle N=N0\displaystyle {}= N_0+mnk\displaystyle {}+ mnk(k は整数)\displaystyle (k \ \text{は整数})

である。とくに、00≦N{}\leqq N<mn{}< mn の範囲に、条件を満たす NN はちょうど1つある。

証明 (存在)条件は、整数 uu,vv を用いて NN=mu{}= mu+r{}+ r=nv{}= nv+s{}+ s と書けること、すなわち

mu\displaystyle mu−nv\displaystyle {}- nv=s\displaystyle {}= s−r\displaystyle {}- r

が整数解 (u, v)(u,\ v) をもつことである。mm と nn は互いに素なので、定理1 より整数解がある。

(全体の形)N0N_0 と NN がともに条件を満たすとすると、NN−N0{}- N_0=(N−r){}= (N - r)−(N0−r){}- (N_0 - r) は mm の倍数で、同様に nn の倍数でもある。NN−N0{}- N_0=0{}= 0 なら mnmn の倍数である。NN−N0{}- N_0≠0{}\neq 0 なら、その絶対値は mm と nn の公倍数である自然数なので、mm と nn が互いに素であることと第1章 定理5(3) より mnmn の倍数であり、NN−N0{}- N_0 も mnmn の倍数である。逆に NN=N0{}= N_0+mnk{}+ mnk なら、NN−r{}- r=(N0−r){}= (N_0 - r)+mnk{}+ mnk は mm の倍数、NN−s{}- s も nn の倍数なので条件を満たす。

(ちょうど1つ)N0N_0 を mnmn で割った余りを N1N_1 とすると、N1N_1=N0{}= N_0+mn×(−商){}+ mn \times (-\text{商}) は条件を満たし 00≦N1{}\leqq N_1<mn{}< mn である。条件を満たす2つの数の差は mnmn の倍数なので、この範囲には N1N_1 しかない。(証明終)

条件が3つ以上でも、どの2つの割る数も互いに素なら、この定理をくり返し使えます。実践問題 j20 は、44 と 77 の条件を先に「2828 で割ると 1919 余る」にまとめ、それと 99 の条件を組み合わせて、252252=4×7×9{}= 4 \times 7 \times 9 ごとに1つずつ解が現れることを示したものでした。この定理は、第5章の合同式を使うと、より簡潔に書き表せます。

表せない最大の数

小話2の水がめパズルや、実践問題 j17 のように、xx,yy を 00 以上に限ると、axax+by{}+ by の形に表せない数が出てきます。どこから先はすべて表せるのかを教えてくれるのが、次の定理です。イギリスの数学者シルベスターが1884年に問題として出したことで知られています(※初出には諸説あり)。

定理5:0 以上の整数で表せない最大の数

aa,bb を互いに素な自然数とする。

(1) abab−a{}- a−b{}- b は、00 以上の整数 xx,yy を用いて axax+by{}+ by の形に表せない。

(2) abab−a{}- a−b{}- b より大きい整数は、すべて 00 以上の整数 xx,yy を用いて axax+by{}+ by の形に表せる。

証明 (1) axax+by{}+ by=ab{}= ab−a{}- a−b{}- b(xx≧0{}\geqq 0,yy≧0{}\geqq 0)と表せたとすると

a(x+1)\displaystyle a(x + 1)+b(y+1)\displaystyle {}+ b(y + 1)=ab\displaystyle {}= ab

である。b(y+1)b(y + 1)=a{b−(x+1)}{}= a\{b - (x + 1)\} は aa の倍数で、aa と bb は互いに素なので、第1章 定理5(2) より a∣ya \mid y+1{}+ 1 である。yy+1{}+ 1≧1{}\geqq 1 なので yy+1{}+ 1≧a{}\geqq a である。同様に xx+1{}+ 1≧b{}\geqq b である。すると

a(x+1)\displaystyle a(x + 1)+b(y+1)\displaystyle {}+ b(y + 1)≧ab\displaystyle {}\geqq ab+ab\displaystyle {}+ ab=2ab\displaystyle {}= 2ab>ab\displaystyle {}> ab

となって矛盾する。

(2) nn>ab{}> ab−a{}- a−b{}- b とする。定理1 より axax+by{}+ by=n{}= n には整数解があり、定理2 より一般解は xx=x0{}= x_0+bt{}+ bt,yy=y0{}= y_0−at{}- at である。x0x_0+bt{}+ bt は bb ずつ変わるので、tt をうまく選べば 00≦x{}\leqq x≦b{}\leqq b−1{}- 1 となる解 (x, y)(x,\ y) がとれる。このとき

by\displaystyle by=n\displaystyle {}= n−ax\displaystyle {}- ax≧n\displaystyle {}\geqq n−a(b−1)\displaystyle {}- a(b - 1)>(ab−a−b)\displaystyle {}> (ab - a - b)−ab\displaystyle {}- ab+a\displaystyle {}+ a=−b\displaystyle {}= -b

より yy>−1{}> -1、つまり yy≧0{}\geqq 0 である。よって nn は 00 以上の整数 xx,yy で表せる。(証明終)

aa=5{}= 5,bb=8{}= 8 なら abab−a{}- a−b{}- b=27{}= 27 で、実践問題 j17 の結果と一致します。aa=3{}= 3,bb=5{}= 5 なら 77 で、たとえば「3円切手と5円切手だけでは、7円はちょうど払えないが、8円以上ならいくらでも払える」ということです。表せない自然数の個数は、ちょうど (a−1)(b−1)2\dfrac{(a - 1)(b - 1)}{2} 個であることも知られています(aa=5{}= 5,bb=8{}= 8 なら 1414 個)。

こうして、一次不定方程式は「解があるか(定理1)」「すべての解はどう表されるか(定理2・定理3)」がすっかり分かり、その応用として、余りの条件の組み合わせ(定理4)や、00 以上の解の有無(定理5)まで導けました。どれも、第2章の互除法から得た「最大公約数は axax+by{}+ by の形に書ける」という1つの性質が土台になっています。

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