目次 / 図形と方程式 / 数学II

第8章 領域と最大・最小

—— 「式 = k」の図形を動かして、領域に最後に触れる位置を探す ——

この章では、点 $(x,\ y)$ が第7章の領域の中を動くとき、$x + y$ や $x^2 + y^2$ のような式がとる最大値・最小値を求めます。鍵になるのは「式の値を $k$ とおくと、$k$ ごとに直線や円が 1 つ決まる」という見方です。その図形が領域と共有点をもつような $k$ の範囲を調べれば、両端が最大値と最小値になります。多角形の領域では頂点で最大・最小になること、生産計画のような文章題(線形計画法)、距離の 2 乗や傾きの形の式、境界が曲線のときの「接する」位置までを扱い、図形と方程式の分野を締めくくります。

問題マップ記録を読み込み中…
未回答 25× 0○ 01か月定着 0

「式 = k」とおいて図形を動かす

第7章では、不等式を満たす点を集めた領域を描きました。この章では、点 (x, y)(x,\ y) がその領域 D の中を動くとき、xx+y{}+ y のような式の値がどこまで大きく(小さく)なるかを調べます。

xx,yy の 2 つが同時に動くので、二次関数のように「1 つの文字の関数」として扱うことはできません。そこで見方を逆にします。式の値を kk とおき、

x\displaystyle x+y\displaystyle {}+ y=k\displaystyle {}= k

を満たす点を考えるのです。kk を 1 つ決めると、これは傾き −1-1,yy 切片 kk の直線です。そして

D の中に x\displaystyle \text{D の中に}\ x+y\displaystyle {}+ y=k となる点がある\displaystyle {}= k\ \text{となる点がある}  ⟺  直線 x\displaystyle {}\iff \text{直線}\ x+y\displaystyle {}+ y=k が D と共有点をもつ\displaystyle {}= k\ \text{が D と共有点をもつ}

が成り立ちます。第7章の最後で予告した「式の値が kk になる点が領域の中に存在するか」という考え方です。

kk を変えると、直線は傾きを保ったまま平行に動きます。kk を大きくすると上へ、小さくすると下へずれていきます。したがって、D と共有点をもつ範囲で直線をいちばん上までずらしたときの kk が最大値、いちばん下までずらしたときの kk が最小値です。

公式1:一次式の最大・最小(直線を平行に動かす)

点 (x, y)(x,\ y) が領域 D を動くときの axax+by{}+ by(bb≠0{}\neq 0)の最大値・最小値は、次の手順で求める。

  1. axax+by{}+ by=k{}= k とおく。これは傾き −ab-\dfrac{a}{b},yy 切片 kb\dfrac{k}{b} の直線である。
  2. この直線が D と共有点をもつような kk の範囲を、直線を平行に動かして調べる。
  3. その範囲の最大の kk が最大値、最小の kk が最小値である。そのときの共有点が、最大・最小を与える点 (x, y)(x,\ y) である。

bb>0{}> 0 なら yy 切片が大きいほど kk は大きく、bb<0{}< 0 なら逆になる。

bb<0{}< 0 の場合に注意しましょう。たとえば xx−y{}- y=k{}= k は yy=x{}= x−k{}- k なので、直線を上へずらすと kk は小さくなります。bb=0{}= 0(axax だけの式)なら、縦の直線 xx=ka{}= \dfrac{k}{a} を左右に動かします。

遠浅の海岸で潮が満ちてくる場面を思い浮かべてください。浜がまっすぐな一定の傾きなら、水際の線は平行を保ったまま陸へ進んでいきます。砂浜に置いたビーチシートのうち、最後まで水につからずに残るのは「いちばん高いところ」です。水際の線を xx+y{}+ y=k{}= k、シートを D と見れば、最後に残る点が xx+y{}+ y を最大にする点です。

x y O k = 3 k = 4 x + y = 5 (2, 3) (0, 4) (3, 0) D

一次式の最大・最小は、式 =k= k の直線を平行に動かし、領域と共有点をもつ kk の範囲の両端を読めば求められるということです。

例題1:一次式の最大・最小

連立不等式

x\displaystyle x≧0,\displaystyle {}\geqq 0,y\displaystyle y≧0,\displaystyle {}\geqq 0,x\displaystyle x+2y\displaystyle {}+ 2y≦8,\displaystyle {}\leqq 8,3x\displaystyle 3x+y\displaystyle {}+ y≦9\displaystyle {}\leqq 9

の表す領域を D とします。点 (x, y)(x,\ y) が D を動くとき、xx+y{}+ y の最大値と最小値を求めなさい。


【解答】

まず D を描きます。境界線の交点は

  • xx+2y{}+ 2y=8{}= 8 と xx=0{}= 0:(0, 4)(0,\ 4)
  • 3x3x+y{}+ y=9{}= 9 と yy=0{}= 0:(3, 0)(3,\ 0)
  • xx+2y{}+ 2y=8{}= 8 と 3x3x+y{}+ y=9{}= 9:2 つ目から yy=9{}= 9−3x{}- 3x、これを 1 つ目に代入して xx+18{}+ 18−6x{}- 6x=8{}= 8 より xx=2{}= 2,yy=3{}= 3

なので、D は 4 点 (0, 0)(0,\ 0),(3, 0)(3,\ 0),(2, 3)(2,\ 3),(0, 4)(0,\ 4) を頂点とする四角形の周および内部です。

xx+y{}+ y=k{}= k とおくと yy=−x{}= -x+k{}+ k で、傾き −1-1,yy 切片 kk の直線です。

D の辺の傾きは、xx+2y{}+ 2y=8{}= 8 が −12-\dfrac{1}{2}、3x3x+y{}+ y=9{}= 9 が −3-3 です。

−3\displaystyle -3<−1\displaystyle {}< -1<−12\displaystyle {}< -\frac{1}{2}

なので、直線 yy=−x{}= -x+k{}+ k は 2 本の辺の間の傾きをもっています。この直線を上へ平行に動かすと、最後に D に触れるのは 2 本の辺が出会う頂点 (2, 3)(2,\ 3) です(図)。このとき kk=2{}= 2+3{}+ 3=5{}= 5 です。

下へ動かすと、最後に触れるのは原点で、kk=0{}= 0 です。

よって、x=2,y=3‾\underline{x = 2,y = 3} のとき 最大値 5‾\underline{\text{最大値}\ 5},x=0,y=0‾\underline{x = 0,y = 0} のとき 最小値 0‾\underline{\text{最小値}\ 0} です。

頂点の値による確かめ 4 つの頂点で xx+y{}+ y は 00,33,55,44 です。いちばん大きいのが (2, 3)(2,\ 3) の 55、小さいのが原点の 00 で、一致します。

多角形の領域は頂点で決まる

例題1の最後の確かめでは、頂点の値だけを比べました。これで済むのは偶然ではありません。

D が多角形のとき、一次式 axax+by{}+ by=k{}= k の直線を平行に動かしていくと、D から離れる直前に触れているのは、頂点 1 つか、直線と平行な辺 1 本のどちらかです。辺の途中の点だけで最後に触れることはありません。辺全体で触れる場合も、その辺の両端は頂点です。したがって、一次式の最大値・最小値は必ずどこかの頂点でとられます(厳密定義 定理3)。

どの頂点になるかは、直線の傾きと辺の傾きの比較で決まります。例題1では、目的の直線の傾き −1-1 が、頂点 (2, 3)(2,\ 3) に集まる 2 辺の傾き −3-3 と −12-\dfrac{1}{2} の間にあったので、その頂点で最大になりました。式の係数に文字が入っていると傾きが変わるので、どの頂点になるかを場合分けします。

公式2:多角形の領域での一次式の最大・最小

D が多角形(周および内部)のとき、一次式 axax+by{}+ by の最大値・最小値は、D の頂点のどれかでとられる。

  • 最大(最小)を与える頂点は、式 =k= k の直線の傾きと、その頂点に集まる 2 辺の傾きの比較で決まる。
  • 直線の傾きが辺の傾きと一致するときは、その辺上のすべての点で最大(最小)になる。
  • 式の係数に文字を含むときは、傾きが辺の傾きのどこに入るかで場合分けする。

頂点の値を全部計算して比べるのは確実な方法です。ただし、場合分けが必要な問題や、最大を与える点が 1 つに決まるかを問う問題では、傾きの比較が見通しをよくします。

折りたたみテーブルの天板にビー玉を置いて、テーブルを少し傾けてみます。ビー玉は転がって、天板の角で止まります。傾ける向きを変えると、止まる角が変わります。ちょうど 1 本の縁と平行な向きに傾けたときだけ、ビー玉はその縁のどこにでも止まれます。傾ける向きが式の係数、止まる場所が最大を与える点です。

多角形の領域では一次式の最大・最小は頂点で起こり、どの頂点かは式の直線と辺の傾きの比較で決まるということです。

例題2:係数に文字を含む一次式の最大値

例題1の領域 D で、aa を正の定数とします。点 (x, y)(x,\ y) が D を動くとき、axax+y{}+ y の最大値を求めなさい。


【解答】

axax+y{}+ y=k{}= k とおくと yy=−ax{}= -ax+k{}+ k で、傾き −a-a(負),yy 切片 kk の直線です。yy 切片が大きいほど kk も大きくなります。

D の頂点 (0, 4)(0,\ 4),(2, 3)(2,\ 3),(3, 0)(3,\ 0) をつなぐ辺の傾きは、(0, 4)(0,\ 4) と (2, 3)(2,\ 3) の間が −12-\dfrac{1}{2}、(2, 3)(2,\ 3) と (3, 0)(3,\ 0) の間が −3-3 です。直線の傾き −a-a がこれらとどう並ぶかで場合分けします。

  • −12-\dfrac{1}{2}<−a{}< -a<0{}< 0,つまり 00<a{}< a<12{}< \dfrac{1}{2} のとき:傾きが上の辺よりゆるやかなので、最後に触れるのは (0, 4)(0,\ 4) で、最大値は 44
  • aa=12{}= \dfrac{1}{2} のとき:直線が上の辺と平行なので、(0, 4)(0,\ 4) と (2, 3)(2,\ 3) を結ぶ線分上のすべての点で、最大値 44
  • −3-3<−a{}< -a<−12{}< -\dfrac{1}{2},つまり 12\dfrac{1}{2}<a{}< a<3{}< 3 のとき:(2, 3)(2,\ 3) で、最大値 2a2a+3{}+ 3
  • aa=3{}= 3 のとき:(2, 3)(2,\ 3) と (3, 0)(3,\ 0) を結ぶ線分上のすべての点で、最大値 99
  • −a-a<−3{}< -3,つまり aa>3{}> 3 のとき:(3, 0)(3,\ 0) で、最大値 3a3a

まとめると

{0<a≦12 のとき最大値 412≦a≦3 のとき最大値 2a+3a≧3 のとき最大値 3a‾\underline{ \begin{cases} 0 < a \leqq \dfrac{1}{2}\ \text{のとき最大値}\ 4 \\[8pt] \dfrac{1}{2} \leqq a \leqq 3\ \text{のとき最大値}\ 2a + 3 \\[8pt] a \geqq 3\ \text{のとき最大値}\ 3a \end{cases} }

境目の aa=12{}= \dfrac{1}{2} では 44=2⋅12{}= 2 \cdot \dfrac{1}{2}+3{}+ 3,aa=3{}= 3 では 2⋅32 \cdot 3+3{}+ 3=9{}= 9=3⋅3{}= 3 \cdot 3 で、どちらの式でも同じ値になります。

頂点の値による確かめ 頂点での値は (0, 0)(0,\ 0) で 00、(3, 0)(3,\ 0) で 3a3a、(2, 3)(2,\ 3) で 2a2a+3{}+ 3、(0, 4)(0,\ 4) で 44 です。2a2a+3{}+ 3≧4{}\geqq 4  ⟺  a{}\iff a≧12{}\geqq \dfrac{1}{2},2a2a+3{}+ 3≧3a{}\geqq 3a  ⟺  a{}\iff a≦3{}\leqq 3 なので、上の場合分けと一致します。

文章題への応用——線形計画法

材料や時間に限りがあるとき、利益が最大になる作り方を決める問題は、この章の方法でそのまま解けます。条件が一次不等式、目的の量が一次式で表せる最大・最小の問題を線形計画法といいます(「線形」は一次式のことです)。

公式3:線形計画法の手順
  1. 決めたい量(作る個数など)を xx,yy とおく。
  2. 制限を xx,yy の一次不等式で表す。xx≧0{}\geqq 0,yy≧0{}\geqq 0 を忘れない。
  3. 最大(最小)にしたい量を xx,yy の一次式で表し、公式1・公式2で求める。
  4. xx,yy が整数に限られるときは、最大値の候補を実数の最大値以下の整数から順に調べ、その値をとる格子点が D にあるかを確かめる。

4 の整数の場合、実数での最適な頂点の座標が整数ならそのまま答えです。整数でないときは、座標を四捨五入した点が D の外に出たり、最大でなかったりすることがあるので、値の候補を 1 つずつ確かめます(実践 j10・j19)。

旅行の荷造りでは、スーツケースの「容量」と航空会社の「重さの上限」の 2 つを同時に守りながら、できるだけ多くのお土産を詰めたくなります。制限ごとに 1 本の不等式、守るべき制限が増えるほど詰め方の候補(領域)は狭まり、その中で満足度(目的の式)がいちばん高い詰め方を探す、というのが線形計画法の形です。

線形計画法は、制限を一次不等式の領域に、目的を一次式に直し、公式1・公式2で最大・最小を求める方法だということです。

例題3:利益を最大にする作り方

ある洋菓子店では、クッキー缶 A と B を作っています。

  • A を 1 缶作るには、バターを 3 パックと化粧箱を 1 個使い、利益は 5 千円です。
  • B を 1 缶作るには、バターを 1 パックと化粧箱を 1 個使い、利益は 3 千円です。

バターは 15 パック、化粧箱は 7 個しかありません。利益を最大にするには A,B をそれぞれ何缶作ればよいかを求めなさい。また、そのときの利益を求めなさい。


【解答】

A を xx 缶、B を yy 缶作るとします。条件は

x\displaystyle x≧0,\displaystyle {}\geqq 0,y\displaystyle y≧0,\displaystyle {}\geqq 0,3x\displaystyle 3x+y\displaystyle {}+ y≦15,\displaystyle {}\leqq 15,x\displaystyle x+y\displaystyle {}+ y≦7\displaystyle {}\leqq 7

で、この領域を D とします。境界線 3x3x+y{}+ y=15{}= 15 と xx+y{}+ y=7{}= 7 の交点は、2 式を引いて 2x2x=8{}= 8 より (4, 3)(4,\ 3) です。D は 4 点 (0, 0)(0,\ 0),(5, 0)(5,\ 0),(4, 3)(4,\ 3),(0, 7)(0,\ 7) を頂点とする四角形の周および内部です。

利益(千円)は 5x5x+3y{}+ 3y です。5x5x+3y{}+ 3y=k{}= k とおくと

y\displaystyle y=−53x\displaystyle {}= -\frac{5}{3}x+k3\displaystyle {}+ \frac{k}{3}

で、傾きは −53-\dfrac{5}{3} です。頂点 (4, 3)(4,\ 3) に集まる 2 辺の傾きは −3-3 と −1-1 で

−3\displaystyle -3<−53\displaystyle {}< -\frac{5}{3}<−1\displaystyle {}< -1

なので、直線を上へ動かしたとき最後に触れるのは (4, 3)(4,\ 3) です。このとき kk=20{}= 20+9{}+ 9=29{}= 29 です。

座標はどちらも整数なので、そのまま答えになります。

よって、A を 4 缶‾\underline{4\ \text{缶}},B を 3 缶‾\underline{3\ \text{缶}} 作ればよく,そのときの利益は 2 万 9 千円‾\underline{2\ \text{万}\ 9\ \text{千円}} です。

確かめ ほかの頂点では、(5, 0)(5,\ 0) で 2525、(0, 7)(0,\ 7) で 2121 で、どちらも 2929 より小さくなります。「利益の高い A だけ」「箱を使い切れる B だけ」のどちらでもなく、両方を組み合わせるのが最もよいわけです。

距離の 2 乗の形 (x−a)2(x - a)^2+(y−b)2{}+ (y - b)^2

x2x^2+y2{}+ y^2 は、原点 O と点 P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) の距離の 2 乗 OP2\mathrm{OP}^2 です。x2x^2+y2{}+ y^2=k{}= k(kk>0{}> 0)とおくと、これは原点を中心とする半径 k\sqrt{k} の円です。kk を変えると、円は中心を保ったまま大きさを変えます(同心円)。

したがって、D と共有点をもつ範囲で円をいちばん大きくしたときが最大、いちばん小さくしたときが最小です。これは「D の点のうち、原点からいちばん遠い点といちばん近い点を探す」ことと同じです。

一般に (x−a)2(x - a)^2+(y−b)2{}+ (y - b)^2 は、点 A(a, b)\mathrm{A}(a,\ b) との距離 AP\mathrm{AP} の 2 乗です。x2x^2+y2{}+ y^2−2x{}- 2x のような式も、平方完成すれば (x−1)2(x - 1)^2+y2{}+ y^2−1{}- 1 となり、点 (1, 0)(1,\ 0) との距離の 2 乗から 11 を引いたものと読めます。

公式4:距離の 2 乗の最大・最小(同心円を広げる)

A(a, b)\mathrm{A}(a,\ b) とする。点 P が D を動くときの (x−a)2(x - a)^2+(y−b)2{}+ (y - b)^2=AP2{}= \mathrm{AP}^2 について

  • 最小値:A が D に含まれれば 00。含まれなければ、D の点のうち A に最も近い点で最小。D の辺が線分のときは、A からその直線に下ろした垂線の足が線分上にあればそこ、なければ線分の端点が候補である。
  • 最大値:D の点のうち A から最も遠い点で最大。D が多角形なら、いずれかの頂点でとられる。

垂線の足までの距離は、点と直線の距離(第3章 公式5)で求められます。ただし、足が辺の外(延長線上)に出ていたら、その辺の上では最も近い点になりません。必ず位置を確かめます。

部屋の隅に置いた Wi-Fi ルーターを A とします。電波は遠くほど弱くなるので、部屋 D の中で電波がいちばん弱い席を探すと、ルーターからいちばん遠い部屋の角に行き着きます(※実際の電波は壁や家具の影響も受けます)。反対に、ルーターが隣の部屋にあるなら、この部屋でいちばん強いのは、ルーターとの間の壁に向かってまっすぐ進んだ点です。それが垂線の足です。

(x−a)2(x - a)^2+(y−b)2{}+ (y - b)^2 は点 A との距離の 2 乗なので、A を中心とする円を広げて、D に最初に触れる点と最後に触れる点を探せばよいということです。

例題4:x2x^2+y2{}+ y^2 の最大・最小

連立不等式 xx+2y{}+ 2y≧4{}\geqq 4,xx≦4{}\leqq 4,yy≦3{}\leqq 3 の表す領域を D とします。点 (x, y)(x,\ y) が D を動くとき、x2x^2+y2{}+ y^2 の最大値と最小値を求めなさい。


【解答】

境界線の交点は

  • xx+2y{}+ 2y=4{}= 4 と xx=4{}= 4:(4, 0)(4,\ 0)
  • xx+2y{}+ 2y=4{}= 4 と yy=3{}= 3:(−2, 3)(-2,\ 3)
  • xx=4{}= 4 と yy=3{}= 3:(4, 3)(4,\ 3)

で、D はこの 3 点を頂点とする三角形の周および内部です。原点は 00≧4{}\geqq 4 を満たさないので、D に含まれません。

x2x^2+y2{}+ y^2=k{}= k とおくと、これは原点を中心とする半径 k\sqrt{k} の円です(kk>0{}> 0)。

最大値 頂点での値は、(4, 0)(4,\ 0) で 1616、(−2, 3)(-2,\ 3) で 1313、(4, 3)(4,\ 3) で 2525 です。D は多角形なので、公式4より最大値は (4, 3)(4,\ 3) での 2525 です。

最小値 D の点はすべて xx+2y{}+ 2y≧4{}\geqq 4 を満たし、原点とは直線 xx+2y{}+ 2y−4{}- 4=0{}= 0 をはさんで反対側にあります。原点とこの直線の距離は

d\displaystyle d=∣0+0−4∣12+22\displaystyle {}= \frac{\lvert 0 + 0 - 4 \rvert}{\sqrt{1^2 + 2^2}}=45\displaystyle {}= \frac{4}{\sqrt{5}}

なので、D のどの点も原点から 45\dfrac{4}{\sqrt{5}} 以上離れています。

原点からこの直線に下ろした垂線の足は、方向 (1, 2)(1,\ 2) に進んだ点なので (t, 2t)(t,\ 2t) とおけて、tt+4t{}+ 4t=4{}= 4 より (45, 85)\left(\dfrac{4}{5},\ \dfrac{8}{5}\right) です。この点は 45\dfrac{4}{5}≦4{}\leqq 4,85\dfrac{8}{5}≦3{}\leqq 3 を満たすので D に含まれ(辺の両端 (−2, 3)(-2,\ 3),(4, 0)(4,\ 0) の間にあり)、ちょうど距離 dd の点が D にあります。よって最小値は d2d^2=165{}= \dfrac{16}{5} です。

よって、x=4,y=3‾\underline{x = 4,y = 3} のとき 最大値 25‾\underline{\text{最大値}\ 25},x=45,y=85‾\underline{x = \dfrac{4}{5},y = \dfrac{8}{5}} のとき 最小値 165‾\underline{\text{最小値}\ \dfrac{16}{5}} です。

最小値は頂点ではなく、辺の途中でとられています。x2x^2+y2{}+ y^2 は一次式ではないので、公式2の「頂点で決まる」は最小値には使えません。

x y O (4/5, 8/5) (4, 3) (−2, 3) (4, 0) D x² + y² = 25 x² + y² = 16/5

傾きの形 y−bx−a\dfrac{y - b}{x - a}

yx\dfrac{y}{x} は、原点 O と点 P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) を結ぶ直線の傾きです。yx\dfrac{y}{x}=k{}= k とおくと yy=kx{}= kx で、原点を通る傾き kk の直線になります(xx≠0{}\neq 0)。kk を変えると、直線は原点を中心にくるりと回ります。

一般に y−bx−a\dfrac{y - b}{x - a} は、定点 A(a, b)\mathrm{A}(a,\ b) と P を結ぶ直線の傾きです。=k= k とおくと yy−b{}- b=k(x−a){}= k(x - a) で、A を通る直線の族になります。

公式5:傾きの形の最大・最小(定点のまわりに直線を回す)

A(a, b)\mathrm{A}(a,\ b) とし、D の点はすべて xx>a{}> a を満たすとする。点 P が D を動くときの y−bx−a\dfrac{y - b}{x - a} は、直線 AP の傾きである。

yy−b{}- b=k(x−a){}= k(x - a) の直線を A のまわりに回し、D と共有点をもつ kk の範囲を求めると、その両端が最大値・最小値である。D が多角形なら頂点で、円なら接線の位置でとられる。

「xx>a{}> a」の条件は、分母の符号を一定にして、傾きが途中で無限大にならないようにするためのものです。D に xx=a{}= a の点が含まれるときは、この方法をそのまま使えません。

三脚に固定したカメラで、遠くの観覧車を撮る場面を考えます。三脚の位置 A は動かさず、カメラを上下に振って、観覧車のてっぺんが見える角度と、いちばん下が見える角度を探します。観覧車全体(D)が見える向きの範囲の上端と下端が、傾きの最大値と最小値にあたります。観覧車が円なら、上端と下端の視線はちょうど観覧車の縁をかすめます(接線)。

y−bx−a\dfrac{y - b}{x - a} は定点 A と P を結ぶ直線の傾きなので、A を通る直線を回して、領域をはさむ 2 本の位置を探せばよいということです。

例題5:yx\dfrac{y}{x} の値の範囲

(1) 3 点 (1, 2)(1,\ 2),(4, 1)(4,\ 1),(3, 4)(3,\ 4) を頂点とする三角形の周および内部を点 (x, y)(x,\ y) が動くとき、yx\dfrac{y}{x} の最大値と最小値を求めなさい。

(2) 点 (x, y)(x,\ y) が不等式 x2x^2+y2{}+ y^2−4x{}- 4x+3{}+ 3≦0{}\leqq 0 の表す領域を動くとき、yx\dfrac{y}{x} の値の範囲を求めなさい。


【解答】

(1) 三角形のどの点も xx≧1{}\geqq 1>0{}> 0 です。yx\dfrac{y}{x}=k{}= k とおくと、原点を通る傾き kk の直線 yy=kx{}= kx です。

三角形は多角形なので、原点を通る直線を回したとき、三角形と共有点をもつ範囲の両端は頂点を通ります。頂点と原点を結ぶ直線の傾きは

(1, 2):2,\displaystyle (1,\ 2) : 2,(4, 1):14,\displaystyle (4,\ 1) : \frac{1}{4},(3, 4):43\displaystyle (3,\ 4) : \frac{4}{3}

よって、x=1,y=2‾\underline{x = 1,y = 2} のとき 最大値 2‾\underline{\text{最大値}\ 2},x=4,y=1‾\underline{x = 4,y = 1} のとき 最小値 14‾\underline{\text{最小値}\ \dfrac{1}{4}} です。

(2) 平方完成すると (x−2)2(x - 2)^2+y2{}+ y^2≦1{}\leqq 1 で、D は中心 (2, 0)(2,\ 0),半径 11 の円の周および内部です。D の点は 11≦x{}\leqq x≦3{}\leqq 3 なので、xx>0{}> 0 です。

yx\dfrac{y}{x}=k{}= k とおくと kxkx−y{}- y=0{}= 0 です。この直線が D と共有点をもつ条件は、中心 (2, 0)(2,\ 0) との距離が半径 11 以下であることです(第5章 公式1)。

∣2k∣k2+1\displaystyle \frac{\lvert 2k \rvert}{\sqrt{k^2 + 1}}≦1\displaystyle {}\leqq 1

両辺とも 00 以上なので、2 乗しても同値です。

4k2\displaystyle 4k^2≦k2\displaystyle {}\leqq k^2+1\displaystyle {}+ 1⟹k2\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad k^2≦13\displaystyle {}\leqq \frac{1}{3}⟹−33\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad -\frac{\sqrt{3}}{3}≦k\displaystyle {}\leqq k≦33\displaystyle {}\leqq \frac{\sqrt{3}}{3}

よって、−33≦yx≦33‾\underline{-\dfrac{\sqrt{3}}{3} \leqq \dfrac{y}{x} \leqq \dfrac{\sqrt{3}}{3}} です。

両端では直線が円に接していて、接点は (32, 32)\left(\dfrac{3}{2},\ \dfrac{\sqrt{3}}{2}\right) と (32, −32)\left(\dfrac{3}{2},\ -\dfrac{\sqrt{3}}{2}\right) です(中心から直線 xx−3 y{}- \sqrt{3}\,y=0{}= 0 に下ろした垂線の足)。傾き 33\dfrac{\sqrt{3}}{3} は、xx 軸の正の向きと 30∘30^\circ の角をなす直線の傾きです。

x y O (2, 0) (3/2, √3/2) y = (√3/3)x y = −(√3/3)x D

境界が曲線のとき——接する位置を探す

D の境界に円や放物線が含まれると、式 =k= k の図形が最後に D に触れる位置は、頂点とは限りません。曲線に接する位置で最大・最小になることがあります。接する条件は、円なら「中心と直線の距離 == 半径」、放物線なら「連立した二次方程式の判別式 =0= 0」です(第5章・二次関数 第6章)。

ただし、接点が D の境界のうち実際に使われている部分にあるとは限りません。接点が D の外にあるときは、その接線の位置まで直線を動かす前に D から離れてしまうので、頂点(境界の曲線と直線の交点)などの端点が答えになります。

公式6:境界が曲線のときの最大・最小

式 =k= k の図形が D の境界の曲線に接するときの kk が、最大値・最小値の候補になる。

  • 円 (x−p)2(x - p)^2+(y−q)2{}+ (y - q)^2=r2{}= r^2 と直線 axax+by{}+ by=k{}= k が接する   ⟺  ∣ap+bq−k∣a2+b2\iff \dfrac{\lvert ap + bq - k \rvert}{\sqrt{a^2 + b^2}}=r{}= r
  • 放物線と直線が接する   ⟺  \iff 連立した二次方程式の判別式 DD=0{}= 0

接点が D に含まれるかを必ず確かめ、含まれなければ境界の端点(頂点)の値と比べる。

円板 x2x^2+y2{}+ y^2≦r2{}\leqq r^2 全体なら、axax+by{}+ by の最大値は ra2+b2r\sqrt{a^2 + b^2}、最小値は −ra2+b2-r\sqrt{a^2 + b^2} で、どちらも接点でとられます(厳密定義 定理5)。

ボウリングのボールの上から、水平を保ったまま板をそっと下ろしていくと、板が最初に触れるのはボールのてっぺんの 1 点です。板を斜めに傾けて下ろせば、触れる点は横にずれます。ただし、ボールが半分だけ台に埋め込まれていたら、傾けた板が触れるはずの点は台の中に隠れていて、板は先に台とボールの境目に当たります。これが「接点が D に含まれない」場合です。

境界が曲線なら、式 =k= k の直線が曲線に接する位置が候補になり、その接点が本当に領域の中にあるかを確かめる必要があるということです。

例題6:放物線で囲まれた領域での最大・最小

連立不等式 yy≧x2{}\geqq x^2,yy≦4{}\leqq 4 の表す領域を D とします。点 (x, y)(x,\ y) が D を動くとき、yy−2x{}- 2x の最大値と最小値を求めなさい。


【解答】

D は、放物線 yy=x2{}= x^2 と直線 yy=4{}= 4 で囲まれた部分(境界線を含む)で、2 つの境界線の交点は (−2, 4)(-2,\ 4),(2, 4)(2,\ 4) です。

yy−2x{}- 2x=k{}= k とおくと yy=2x{}= 2x+k{}+ k で、傾き 22,yy 切片 kk の直線です。yy 切片が大きいほど kk は大きくなります。

最小値 直線を下へ動かすと、最後は放物線に接する位置で D から離れます。x2x^2=2x{}= 2x+k{}+ k,つまり x2x^2−2x{}- 2x−k{}- k=0{}= 0 の判別式を D1D_1 とすると

D14\displaystyle \frac{D_1}{4}=1\displaystyle {}= 1+k\displaystyle {}+ k=0\displaystyle {}= 0⟹k\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad k=−1\displaystyle {}= -1

このとき重解は xx=1{}= 1 で、接点は (1, 1)(1,\ 1) です。11≦4{}\leqq 4 なので、接点は D に含まれます。よって最小値は −1-1 です。

最大値 直線を上へ動かすと、傾きが正の直線は D の左上の頂点 (−2, 4)(-2,\ 4) で最後に触れます。このとき kk=4{}= 4−2⋅(−2){}- 2 \cdot (-2)=8{}= 8 です。

(放物線の接線は kk=−1{}= -1 の 1 本だけなので、上側では接する位置は候補になりません。)

よって、x=−2,y=4‾\underline{x = -2,y = 4} のとき 最大値 8‾\underline{\text{最大値}\ 8},x=1,y=1‾\underline{x = 1,y = 1} のとき 最小値‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7667em}\text{最小値}} −1‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7667em}{}\ -1} です。

式による確かめ D の点は x2x^2≦y{}\leqq y≦4{}\leqq 4 より −2-2≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2 です。

  • yy−2x{}- 2x≧x2{}\geqq x^2−2x{}- 2x=(x−1)2{}= (x - 1)^2−1{}- 1≧−1{}\geqq -1(等号は xx=1{}= 1,yy=1{}= 1)
  • yy−2x{}- 2x≦4{}\leqq 4−2x{}- 2x≦4{}\leqq 4+4{}+ 4=8{}= 8(等号は xx=−2{}= -2,yy=4{}= 4)

最小値は「xx を固定すると yy が小さいほど小さい」ので下の境界(放物線)で、最大値は上の境界(yy=4{}= 4)でとられる、と 1 文字ずつ固定して考えることもできます(第7章 j18 と同じ考え方)。

この章で、図形と方程式の分野はひと区切りです。点の座標から始まり、直線・円・軌跡・領域と進んできた道具を、最後は「式の値を図形に置きかえて動かす」ことで最大・最小の問題に使いました。同じ発想は、数学Ⅲの微分での最大・最小や、二次曲線の章でも形を変えて登場します。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

点 (x, y)(x,\ y) が連立不等式 xx≧0{}\geqq 0,yy≧0{}\geqq 0,xx+y{}+ y≦4{}\leqq 4 の表す領域を動くとき、2x2x+y{}+ y の最大値を求めなさい。

答えを見る
答え

xx=4{}= 4,yy=0{}= 0 のとき最大値 88(頂点 (0, 0)(0,\ 0),(4, 0)(4,\ 0),(0, 4)(0,\ 4) での値は 00,88,44)

自己採点:
記録を読み込み中…

問2

点 (x, y)(x,\ y) が 3 点 (0, 0)(0,\ 0),(4, 0)(4,\ 0),(1, 3)(1,\ 3) を頂点とする三角形の周および内部を動くとき、xx−y{}- y の最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=1{}= 1,yy=3{}= 3 のとき最小値 −2-2(頂点での値は 00,44,−2-2)

自己採点:
記録を読み込み中…

問3

点 (x, y)(x,\ y) が不等式 xx+y{}+ y≧2{}\geqq 2 の表す領域を動くとき、x2x^2+y2{}+ y^2 の最小値を求めなさい。

答えを見る
答え

xx=1{}= 1,yy=1{}= 1 のとき最小値 22(原点と直線 xx+y{}+ y=2{}= 2 の距離 2\sqrt{2} の 2 乗。垂線の足が (1, 1)(1,\ 1))

自己採点:
記録を読み込み中…

問4

点 (x, y)(x,\ y) が 2 点 (1, 3)(1,\ 3),(3, 1)(3,\ 1) を結ぶ線分上を動くとき、yx\dfrac{y}{x} の値の範囲を求めなさい。

答えを見る
答え

13\dfrac{1}{3}≦yx{}\leqq \dfrac{y}{x}≦3{}\leqq 3(原点と結ぶ直線の傾きは、端点 (3, 1)(3,\ 1) で 13\dfrac{1}{3}、(1, 3)(1,\ 3) で 33)

自己採点:
記録を読み込み中…

問5

点 (x, y)(x,\ y) が不等式 x2x^2+y2{}+ y^2≦1{}\leqq 1 の表す領域を動くとき、3x3x+4y{}+ 4y の最大値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=35{}= \dfrac{3}{5},yy=45{}= \dfrac{4}{5} のとき最大値 55(∣k∣5\dfrac{\lvert k \rvert}{5}≦1{}\leqq 1 より kk≦5{}\leqq 5)

自己採点:
記録を読み込み中…

実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

点 (x, y)(x,\ y) が連立不等式 xx≧0{}\geqq 0,yy≧0{}\geqq 0,2x2x+y{}+ y≦8{}\leqq 8,xx+y{}+ y≦5{}\leqq 5 の表す領域を動くとき、3x3x+2y{}+ 2y の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=3{}= 3,yy=2{}= 2 のとき最大値 1313,xx=0{}= 0,yy=0{}= 0 のとき最小値 00

解説

境界線 2x2x+y{}+ y=8{}= 8 と xx+y{}+ y=5{}= 5 の交点は、2 式を引いて xx=3{}= 3,yy=2{}= 2 です。領域 D は 4 点 (0, 0)(0,\ 0),(4, 0)(4,\ 0),(3, 2)(3,\ 2),(0, 5)(0,\ 5) を頂点とする四角形の周および内部です。

3x3x+2y{}+ 2y=k{}= k とおくと yy=−32x{}= -\dfrac{3}{2}x+k2{}+ \dfrac{k}{2} で、傾きは −32-\dfrac{3}{2} です。頂点 (3, 2)(3,\ 2) に集まる 2 辺の傾きは −2-2 と −1-1 で

−2\displaystyle -2<−32\displaystyle {}< -\frac{3}{2}<−1\displaystyle {}< -1

なので、直線を上へ動かすと最後に (3, 2)(3,\ 2) で触れます(公式2)。このとき kk=9{}= 9+4{}+ 4=13{}= 13 です。下へ動かすと最後は原点で kk=0{}= 0 です。

よって、x=3,y=2‾\underline{x = 3,y = 2} のとき 最大値 13‾\underline{\text{最大値}\ 13},x=0,y=0‾\underline{x = 0,y = 0} のとき 最小値 0‾\underline{\text{最小値}\ 0} です。

頂点での値 00,1212,1313,1010 を比べても同じ結論になります。

自己採点:
記録を読み込み中…

問2 ★

点 (x, y)(x,\ y) が連立不等式 xx≧0{}\geqq 0,yy≧0{}\geqq 0,xx+2y{}+ 2y≧6{}\geqq 6,3x3x+y{}+ y≧8{}\geqq 8 の表す領域を動くとき、xx+y{}+ y の最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=2{}= 2,yy=2{}= 2 のとき最小値 44

解説

境界線 xx+2y{}+ 2y=6{}= 6 と 3x3x+y{}+ y=8{}= 8 の交点は、2 つ目から yy=8{}= 8−3x{}- 3x、1 つ目に代入して xx+16{}+ 16−6x{}- 6x=6{}= 6 より xx=2{}= 2,yy=2{}= 2 です。

3x3x+y{}+ y=8{}= 8 と xx=0{}= 0 の交点は (0, 8)(0,\ 8)、xx+2y{}+ 2y=6{}= 6 と yy=0{}= 0 の交点は (6, 0)(6,\ 0) です。領域 D は、折れ線 (0, 8)(0,\ 8) → (2, 2)(2,\ 2) → (6, 0)(6,\ 0) の右上に広がる、限りなく続く部分です。

xx+y{}+ y=k{}= k とおくと傾き −1-1 の直線で、(2, 2)(2,\ 2) に集まる 2 辺の傾きは −3-3 と −12-\dfrac{1}{2} です。−3-3<−1{}< -1<−12{}< -\dfrac{1}{2} なので、直線を下へ動かすと最後に (2, 2)(2,\ 2) で D に触れます。

よって、x=2,y=2‾\underline{x = 2,y = 2} のとき 最小値 4‾\underline{\text{最小値}\ 4} です。

頂点での値は (0, 8)(0,\ 8) で 88、(6, 0)(6,\ 0) で 66 で、どちらも 44 より大きくなります。なお、D は右上にいくらでも広がっているので、xx+y{}+ y はいくらでも大きくなり、最大値はありません。

自己採点:
記録を読み込み中…

問3 ★

点 (x, y)(x,\ y) が連立不等式 yy≧1{}\geqq 1,3x3x−2y{}- 2y−1{}- 1≧0{}\geqq 0,3x3x+2y{}+ 2y−17{}- 17≦0{}\leqq 0 の表す領域を動くとき、xx−y{}- y の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=5{}= 5,yy=1{}= 1 のとき最大値 44,xx=3{}= 3,yy=4{}= 4 のとき最小値 −1-1

解説

境界線の交点を求めます。

  • yy=1{}= 1 と 3x3x−2y{}- 2y−1{}- 1=0{}= 0:3x3x=3{}= 3 より (1, 1)(1,\ 1)
  • yy=1{}= 1 と 3x3x+2y{}+ 2y−17{}- 17=0{}= 0:3x3x=15{}= 15 より (5, 1)(5,\ 1)
  • 3x3x−2y{}- 2y−1{}- 1=0{}= 0 と 3x3x+2y{}+ 2y−17{}- 17=0{}= 0:足して 6x6x=18{}= 18 より xx=3{}= 3,yy=4{}= 4

原点を代入すると 3x3x−2y{}- 2y−1{}- 1≧0{}\geqq 0 を満たさないので、D は 3 点 (1, 1)(1,\ 1),(5, 1)(5,\ 1),(3, 4)(3,\ 4) を頂点とする三角形の周および内部です(たとえば (3, 2)(3,\ 2) は 3 つの不等式をすべて満たします)。

xx−y{}- y=k{}= k とおくと yy=x{}= x−k{}- k で、yy 切片は −k-k です。yy 切片が大きいほど kk は小さくなります(公式1、bb<0{}< 0 の場合)。

D は多角形なので、公式2より頂点の値を比べます。

(1, 1):0,\displaystyle (1,\ 1) : 0,(5, 1):4,\displaystyle (5,\ 1) : 4,(3, 4):\displaystyle (3,\ 4) :−1\displaystyle {}-1

よって、x=5,y=1‾\underline{x = 5,y = 1} のとき 最大値 4‾\underline{\text{最大値}\ 4},x=3,y=4‾\underline{x = 3,y = 4} のとき 最小値‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7667em}\text{最小値}} −1‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7667em}{}\ -1} です。

直線 yy=x{}= x−k{}- k を下へ動かしたとき最後に触れるのが右下の頂点 (5, 1)(5,\ 1)(kk 最大)、上へ動かしたとき最後に触れるのが上の頂点 (3, 4)(3,\ 4)(kk 最小)です。

自己採点:
記録を読み込み中…

問4 ★

点 (x, y)(x,\ y) が連立不等式 xx≧1{}\geqq 1,yy≧1{}\geqq 1,xx+y{}+ y≦4{}\leqq 4 の表す領域を動くとき、x2x^2+y2{}+ y^2 の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

(x, y)(x,\ y)=(1, 3),(3, 1){}= (1,\ 3),(3,\ 1) のとき最大値 1010,xx=1{}= 1,yy=1{}= 1 のとき最小値 22

解説

D は 3 点 (1, 1)(1,\ 1),(3, 1)(3,\ 1),(1, 3)(1,\ 3) を頂点とする三角形の周および内部です。x2x^2+y2{}+ y^2 は原点からの距離の 2 乗です(公式4)。

最大値 D は多角形なので、最も遠い点は頂点です。頂点での値は 22,1010,1010 なので、最大値は 1010 で、(1, 3)(1,\ 3) と (3, 1)(3,\ 1) の 2 点でとられます。

最小値 D の点は xx≧1{}\geqq 1,yy≧1{}\geqq 1 なので x2x^2≧1{}\geqq 1,y2y^2≧1{}\geqq 1 で、x2x^2+y2{}+ y^2≧2{}\geqq 2 です。等号は (1, 1)(1,\ 1) のときで、この点は D に含まれます。

よって、(x, y)=(1, 3),(3, 1)‾\underline{(x,\ y) = (1,\ 3),(3,\ 1)} のとき 最大値 10‾\underline{\text{最大値}\ 10},x=1,y=1‾\underline{x = 1,y = 1} のとき 最小値 2‾\underline{\text{最小値}\ 2} です。

原点を中心とする円を広げると、半径 2\sqrt{2} で頂点 (1, 1)(1,\ 1) に最初に触れ、半径 10\sqrt{10} で 2 つの頂点に同時に最後に触れます。

自己採点:
記録を読み込み中…

問5 ★

点 (x, y)(x,\ y) が連立不等式 xx≧1{}\geqq 1,yy≧1{}\geqq 1,xx+y{}+ y≦5{}\leqq 5 の表す領域を動くとき、yx\dfrac{y}{x} の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=1{}= 1,yy=4{}= 4 のとき最大値 44,xx=4{}= 4,yy=1{}= 1 のとき最小値 14\dfrac{1}{4}

解説

D は 3 点 (1, 1)(1,\ 1),(4, 1)(4,\ 1),(1, 4)(1,\ 4) を頂点とする三角形の周および内部で、どの点も xx≧1{}\geqq 1>0{}> 0 です。

yx\dfrac{y}{x}=k{}= k とおくと、原点を通る傾き kk の直線 yy=kx{}= kx です(公式5)。D は多角形なので、この直線を回したとき D と共有点をもつ範囲の両端は頂点を通ります。原点と各頂点を結ぶ直線の傾きは

(1, 1):1,\displaystyle (1,\ 1) : 1,(4, 1):14,\displaystyle (4,\ 1) : \frac{1}{4},(1, 4):4\displaystyle (1,\ 4) : 4

よって、x=1,y=4‾\underline{x = 1,y = 4} のとき 最大値 4‾\underline{\text{最大値}\ 4},x=4,y=1‾\underline{x = 4,y = 1} のとき 最小値 14‾\underline{\text{最小値}\ \dfrac{1}{4}} です。

自己採点:
記録を読み込み中…

問6 ★

点 (x, y)(x,\ y) が不等式 x2x^2+y2{}+ y^2≦10{}\leqq 10 の表す領域を動くとき、xx+3y{}+ 3y の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=1{}= 1,yy=3{}= 3 のとき最大値 1010,xx=−1{}= -1,yy=−3{}= -3 のとき最小値 −10-10

解説

xx+3y{}+ 3y=k{}= k とおきます。この直線が円板 x2x^2+y2{}+ y^2≦10{}\leqq 10 と共有点をもつ条件は、原点との距離が半径 10\sqrt{10} 以下であることです(第5章 公式1)。

∣k∣12+32\displaystyle \frac{\lvert k \rvert}{\sqrt{1^2 + 3^2}}≦10\displaystyle {}\leqq \sqrt{10}⟹∣k∣\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad \lvert k \rvert≦10\displaystyle {}\leqq 10

kk=±10{}= \pm 10 のとき直線は円に接し、接点は原点から直線に下ろした垂線の足です。方向 (1, 3)(1,\ 3) に進んだ点 (t, 3t)(t,\ 3t) とおくと tt+9t{}+ 9t=k{}= k より tt=k10{}= \dfrac{k}{10} なので、kk=10{}= 10 で (1, 3)(1,\ 3)、kk=−10{}= -10 で (−1, −3)(-1,\ -3) です。

よって、x=1,y=3‾\underline{x = 1,y = 3} のとき 最大値 10‾\underline{\text{最大値}\ 10},x=−1,y=−3‾\underline{x = -1,y = -3} のとき 最小値‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7667em}\text{最小値}} −10‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7667em}{}\ -10} です。

ra2+b2r\sqrt{a^2 + b^2}=10⋅10{}= \sqrt{10} \cdot \sqrt{10}=10{}= 10 と、公式6の後の形でも確かめられます。

自己採点:
記録を読み込み中…

問7 ★

ある工場では、製品 P,Q を 2 台の機械 α,β を使って作ります。P を 1 個作るには α を 1 時間、β を 2 時間使い、利益は 4 万円です。Q を 1 個作るには α を 3 時間、β を 1 時間使い、利益は 5 万円です。1 日に使える時間は α が 15 時間、β が 10 時間までです。1 日の利益を最大にするための P,Q の個数と、そのときの利益を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

P を 3 個,Q を 4 個作るとき、利益は最大で 32 万円

解説

P を xx 個、Q を yy 個作るとします。条件は

x\displaystyle x≧0,\displaystyle {}\geqq 0,y\displaystyle y≧0,\displaystyle {}\geqq 0,x\displaystyle x+3y\displaystyle {}+ 3y≦15,\displaystyle {}\leqq 15,2x\displaystyle 2x+y\displaystyle {}+ y≦10\displaystyle {}\leqq 10

境界線 xx+3y{}+ 3y=15{}= 15 と 2x2x+y{}+ y=10{}= 10 の交点は、2 つ目から yy=10{}= 10−2x{}- 2x、1 つ目に代入して xx+30{}+ 30−6x{}- 6x=15{}= 15 より xx=3{}= 3,yy=4{}= 4 です。D は 4 点 (0, 0)(0,\ 0),(5, 0)(5,\ 0),(3, 4)(3,\ 4),(0, 5)(0,\ 5) を頂点とする四角形の周および内部です。

利益(万円)は 4x4x+5y{}+ 5y です。4x4x+5y{}+ 5y=k{}= k の傾きは −45-\dfrac{4}{5} で、(3, 4)(3,\ 4) に集まる 2 辺の傾き −2-2,−13-\dfrac{1}{3} の間にあります。

−2\displaystyle -2<−45\displaystyle {}< -\frac{4}{5}<−13\displaystyle {}< -\frac{1}{3}

よって、(3, 4)(3,\ 4) で最大となり、kk=12{}= 12+20{}+ 20=32{}= 32 です。座標は整数なので、そのまま答えになります。

P を 3 個‾\underline{3\ \text{個}},Q を 4 個‾\underline{4\ \text{個}} 作るとき,利益は最大で 32 万円‾\underline{32\ \text{万円}} です。

ほかの頂点では (5, 0)(5,\ 0) で 2020、(0, 5)(0,\ 5) で 2525 です。

自己採点:
記録を読み込み中…

問8 ★

点 (x, y)(x,\ y) が連立不等式 xx≧0{}\geqq 0,yy≧0{}\geqq 0,xx+2y{}+ 2y≦6{}\leqq 6,2x2x+y{}+ y≦6{}\leqq 6 の表す領域を動くとき、yy−2x{}- 2x の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=0{}= 0,yy=3{}= 3 のとき最大値 33,xx=3{}= 3,yy=0{}= 0 のとき最小値 −6-6

解説

境界線 xx+2y{}+ 2y=6{}= 6 と 2x2x+y{}+ y=6{}= 6 の交点は (2, 2)(2,\ 2) です。D は 4 点 (0, 0)(0,\ 0),(3, 0)(3,\ 0),(2, 2)(2,\ 2),(0, 3)(0,\ 3) を頂点とする四角形の周および内部です。

yy−2x{}- 2x=k{}= k とおくと yy=2x{}= 2x+k{}+ k で、傾き 22,yy 切片 kk の直線です。傾きが正なので、上へ動かすと左上の頂点、下へ動かすと右下の頂点で最後に触れます。

頂点での値は

(0, 0):0,\displaystyle (0,\ 0) : 0,(3, 0):\displaystyle (3,\ 0) :−6,\displaystyle {}-6,(2, 2):\displaystyle (2,\ 2) :−2,\displaystyle {}-2,(0, 3):3\displaystyle (0,\ 3) : 3

よって、x=0,y=3‾\underline{x = 0,y = 3} のとき 最大値 3‾\underline{\text{最大値}\ 3},x=3,y=0‾\underline{x = 3,y = 0} のとき 最小値‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7667em}\text{最小値}} −6‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7667em}{}\ -6} です。

自己採点:
記録を読み込み中…

問9 ★★

連立不等式 xx≧0{}\geqq 0,yy≧0{}\geqq 0,2x2x+y{}+ y≦8{}\leqq 8,xx+2y{}+ 2y≦10{}\leqq 10 の表す領域を D とし、aa を正の定数とします。点 (x, y)(x,\ y) が D を動くとき、xx+ay{}+ ay が点 (2, 4)(2,\ 4) だけで最大値をとるような aa の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

12\dfrac{1}{2}<a{}< a<2{}< 2

解説

境界線 2x2x+y{}+ y=8{}= 8 と xx+2y{}+ 2y=10{}= 10 の交点は、2 つ目の 2 倍から 1 つ目を引いて 3y3y=12{}= 12 より (2, 4)(2,\ 4) です。D は 4 点 (0, 0)(0,\ 0),(4, 0)(4,\ 0),(2, 4)(2,\ 4),(0, 5)(0,\ 5) を頂点とする四角形の周および内部です。

xx+ay{}+ ay=k{}= k とおくと yy=−1ax{}= -\dfrac{1}{a}x+ka{}+ \dfrac{k}{a} で、aa>0{}> 0 なので yy 切片が大きいほど kk も大きくなります。傾きは −1a-\dfrac{1}{a} です。

(2, 4)(2,\ 4) に集まる 2 辺の傾きは、(0, 5)(0,\ 5) との間が −12-\dfrac{1}{2}、(4, 0)(4,\ 0) との間が −2-2 です。(2, 4)(2,\ 4) だけで最大になるのは、直線の傾きがこの 2 つの真ん中に厳密に入るときです(等しいと辺全体で最大になる)。

−2\displaystyle -2<−1a\displaystyle {}< -\frac{1}{a}<−12\displaystyle {}< -\frac{1}{2}⟹12\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad \frac{1}{2}<1a\displaystyle {}< \frac{1}{a}<2\displaystyle {}< 2⟹12<a<2‾\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad \underline{\frac{1}{2} < a < 2}

頂点の値による確かめ 値は (0, 0)(0,\ 0) で 00、(4, 0)(4,\ 0) で 44、(2, 4)(2,\ 4) で 22+4a{}+ 4a、(0, 5)(0,\ 5) で 5a5a です。(2, 4)(2,\ 4) だけで最大になる条件は

2\displaystyle 2+4a\displaystyle {}+ 4a>4  かつ  2\displaystyle {}> 4\ \ \text{かつ}\ \ 2+4a\displaystyle {}+ 4a>5a\displaystyle {}> 5a  ⟺  a\displaystyle {}\iff a>12  かつ  a\displaystyle {}> \frac{1}{2}\ \ \text{かつ}\ \ a<2\displaystyle {}< 2

で、一致します(22+4a{}+ 4a>0{}> 0 は aa>0{}> 0 で成り立ちます)。

自己採点:
記録を読み込み中…

問10 ★★

xx,yy が整数で、xx≧0{}\geqq 0,yy≧0{}\geqq 0,3x3x+2y{}+ 2y≦12{}\leqq 12,xx+3y{}+ 3y≦9{}\leqq 9 を満たすとき、xx+y{}+ y の最大値と、そのときの (x, y)(x,\ y) をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

最大値 44。そのときの (x, y)(x,\ y) は (2, 2)(2,\ 2),(3, 1)(3,\ 1),(4, 0)(4,\ 0) の 3 つ

解説

まず xx,yy を実数として考えます。境界線 3x3x+2y{}+ 2y=12{}= 12 と xx+3y{}+ 3y=9{}= 9 の交点は、2 つ目から xx=9{}= 9−3y{}- 3y、1 つ目に代入して 2727−9y{}- 9y+2y{}+ 2y=12{}= 12 より yy=157{}= \dfrac{15}{7},xx=187{}= \dfrac{18}{7} です。

D の頂点は (0, 0)(0,\ 0),(4, 0)(4,\ 0),(187, 157)\left(\dfrac{18}{7},\ \dfrac{15}{7}\right),(0, 3)(0,\ 3) で、xx+y{}+ y の値は 00,44,337\dfrac{33}{7},33 です。xx+y{}+ y=k{}= k の傾き −1-1 は、交点に集まる 2 辺の傾き −32-\dfrac{3}{2},−13-\dfrac{1}{3} の間にあるので、実数の範囲での最大値は 337\dfrac{33}{7} です。

整数の (x, y)(x,\ y) では xx+y{}+ y も整数で、337\dfrac{33}{7}=4.71⋯{}= 4.71\cdots 以下なので xx+y{}+ y≦4{}\leqq 4 です(公式3の 4)。xx+y{}+ y=4{}= 4 となる 0 以上の整数の組を調べます。

(x, y)(x,\ y)3x+2y≦123x + 2y \leqq 12x+3y≦9x + 3y \leqq 9
(4, 0)(4,\ 0)1212 ○44 ○
(3, 1)(3,\ 1)1111 ○66 ○
(2, 2)(2,\ 2)1010 ○88 ○
(1, 3)(1,\ 3)99 ○1010 ×
(0, 4)(0,\ 4)88 ○1212 ×

よって、最大値 4‾\underline{\text{最大値}\ 4} で、そのときの (x, y)(x,\ y) は (2, 2),(3, 1),(4, 0)‾\underline{(2,\ 2),(3,\ 1),(4,\ 0)} です。

実数での最適な点 (187, 157)\left(\dfrac{18}{7},\ \dfrac{15}{7}\right)≒(2.57, 2.14){}\fallingdotseq (2.57,\ 2.14) を四捨五入した (3, 2)(3,\ 2) は、3x3x+2y{}+ 2y=13{}= 13>12{}> 12 で D の外に出てしまいます。

自己採点:
記録を読み込み中…

問11 ★★

点 (x, y)(x,\ y) が連立不等式 xx≧0{}\geqq 0,yy≧0{}\geqq 0,xx+y{}+ y≦2{}\leqq 2 の表す領域を動くとき、(x−3)2(x - 3)^2+(y−2)2{}+ (y - 2)^2 の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=0{}= 0,yy=0{}= 0 のとき最大値 1313,xx=32{}= \dfrac{3}{2},yy=12{}= \dfrac{1}{2} のとき最小値 92\dfrac{9}{2}

解説

D は 3 点 (0, 0)(0,\ 0),(2, 0)(2,\ 0),(0, 2)(0,\ 2) を頂点とする三角形の周および内部です。式は点 A(3, 2)\mathrm{A}(3,\ 2) との距離の 2 乗です(公式4)。A は 33+2{}+ 2=5{}= 5>2{}> 2 なので D の外にあります。

最大値 頂点での値は、(0, 0)(0,\ 0) で 99+4{}+ 4=13{}= 13、(2, 0)(2,\ 0) で 11+4{}+ 4=5{}= 5、(0, 2)(0,\ 2) で 99+0{}+ 0=9{}= 9 です。D は多角形なので、最大値は 1313 です。

最小値 D の点はすべて xx+y{}+ y≦2{}\leqq 2 を満たし、A は直線 xx+y{}+ y−2{}- 2=0{}= 0 の反対側にあります。A とこの直線の距離は

d\displaystyle d=∣3+2−2∣2\displaystyle {}= \frac{\lvert 3 + 2 - 2 \rvert}{\sqrt{2}}=32\displaystyle {}= \frac{3}{\sqrt{2}}

なので、D のどの点も A から 32\dfrac{3}{\sqrt{2}} 以上離れています。垂線の足は、A から方向 (1, 1)(1,\ 1) に戻った点 (3−t, 2−t)(3 - t,\ 2 - t) で、55−2t{}- 2t=2{}= 2 より tt=32{}= \dfrac{3}{2}、つまり (32, 12)\left(\dfrac{3}{2},\ \dfrac{1}{2}\right) です。xx 座標が 00 と 22 の間にあるので、足は辺の上(D の中)にあります。よって最小値は d2d^2=92{}= \dfrac{9}{2} です。

x=0,y=0‾\underline{x = 0,y = 0} のとき 最大値 13‾\underline{\text{最大値}\ 13},x=32,y=12‾\underline{x = \dfrac{3}{2},y = \dfrac{1}{2}} のとき 最小値 92‾\underline{\text{最小値}\ \dfrac{9}{2}}

自己採点:
記録を読み込み中…

問12 ★★

点 (x, y)(x,\ y) が連立不等式 xx≧0{}\geqq 0,yy≧0{}\geqq 0,xx+y{}+ y≦3{}\leqq 3 の表す領域を動くとき、y+1x+2\dfrac{y + 1}{x + 2} の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=0{}= 0,yy=3{}= 3 のとき最大値 22,xx=3{}= 3,yy=0{}= 0 のとき最小値 15\dfrac{1}{5}

解説

D は 3 点 (0, 0)(0,\ 0),(3, 0)(3,\ 0),(0, 3)(0,\ 3) を頂点とする三角形の周および内部で、どの点も xx+2{}+ 2≧2{}\geqq 2>0{}> 0 です。

y+1x+2\dfrac{y + 1}{x + 2}=y−(−1)x−(−2){}= \dfrac{y - (-1)}{x - (-2)} は、点 A(−2, −1)\mathrm{A}(-2,\ -1) と P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) を結ぶ直線の傾きです(公式5)。=k= k とおくと yy+1{}+ 1=k(x+2){}= k(x + 2) で、A を通る直線です。

D は多角形なので、A のまわりに直線を回したとき、D と共有点をもつ範囲の両端は頂点を通ります。A と各頂点を結ぶ直線の傾きは

(0, 0):12,\displaystyle (0,\ 0) : \frac{1}{2},(3, 0):15,\displaystyle (3,\ 0) : \frac{1}{5},(0, 3):42\displaystyle (0,\ 3) : \frac{4}{2}=2\displaystyle {}= 2

よって、x=0,y=3‾\underline{x = 0,y = 3} のとき 最大値 2‾\underline{\text{最大値}\ 2},x=3,y=0‾\underline{x = 3,y = 0} のとき 最小値 15‾\underline{\text{最小値}\ \dfrac{1}{5}} です。

自己採点:
記録を読み込み中…

問13 ★★

点 (x, y)(x,\ y) が不等式 (x−2)2(x - 2)^2+(y−2)2{}+ (y - 2)^2≦2{}\leqq 2 の表す領域を動くとき、yx\dfrac{y}{x} の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

22−3{}- \sqrt{3}≦yx{}\leqq \dfrac{y}{x}≦2{}\leqq 2+3{}+ \sqrt{3}

解説

D は中心 (2, 2)(2,\ 2),半径 2\sqrt{2} の円の周および内部です。D の点の xx 座標は 22−2{}- \sqrt{2}≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2+2{}+ \sqrt{2} で、22−2{}- \sqrt{2}>0{}> 0 なので xx>0{}> 0 です。

yx\dfrac{y}{x}=k{}= k とおくと kxkx−y{}- y=0{}= 0 です。この直線が D と共有点をもつ条件は、中心との距離が半径以下であることです。

∣2k−2∣k2+1\displaystyle \frac{\lvert 2k - 2 \rvert}{\sqrt{k^2 + 1}}≦2\displaystyle {}\leqq \sqrt{2}

両辺とも 00 以上なので 2 乗して

4(k−1)2\displaystyle 4(k - 1)^2≦2(k2+1)\displaystyle {}\leqq 2(k^2 + 1)⟹2k2\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad 2k^2−8k\displaystyle {}- 8k+2\displaystyle {}+ 2≦0\displaystyle {}\leqq 0⟹k2\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad k^2−4k\displaystyle {}- 4k+1\displaystyle {}+ 1≦0\displaystyle {}\leqq 0

k2k^2−4k{}- 4k+1{}+ 1=0{}= 0 の解は kk=2{}= 2±3{}\pm \sqrt{3} なので

2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{1.7936em}2}−3≦yx≦2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{1.7936em}{}- \sqrt{3} \leqq \frac{y}{x} \leqq 2}+3‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{1.7936em}{}+ \sqrt{3}}

両端では直線が円に接しています。中心 (2, 2)(2,\ 2) が直線 yy=x{}= x 上にあるので、2 本の接線は yy=x{}= x に関して対称で、傾きの積は (2−3)(2+3)(2 - \sqrt{3})(2 + \sqrt{3})=1{}= 1 になっています。

自己採点:
記録を読み込み中…

問14 ★★

点 (x, y)(x,\ y) が連立不等式 yy≦−x2{}\leqq -x^2+4{}+ 4,yy≧0{}\geqq 0 の表す領域を動くとき、xx+y{}+ y の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=12{}= \dfrac{1}{2},yy=154{}= \dfrac{15}{4} のとき最大値 174\dfrac{17}{4},xx=−2{}= -2,yy=0{}= 0 のとき最小値 −2-2

解説

D は、放物線 yy=−x2{}= -x^2+4{}+ 4 と xx 軸で囲まれた部分(境界線を含む)で、境界線の交点は (−2, 0)(-2,\ 0),(2, 0)(2,\ 0) です。

xx+y{}+ y=k{}= k とおくと yy=−x{}= -x+k{}+ k で、傾き −1-1,yy 切片 kk の直線です。

最大値 直線を上へ動かすと、最後は放物線に接する位置で D から離れます(公式6)。−x2-x^2+4{}+ 4=−x{}= -x+k{}+ k,つまり x2x^2−x{}- x+(k−4){}+ (k - 4)=0{}= 0 の判別式を D1D_1 とすると

D1\displaystyle D_1=1\displaystyle {}= 1−4(k−4)\displaystyle {}- 4(k - 4)=17\displaystyle {}= 17−4k\displaystyle {}- 4k=0\displaystyle {}= 0⟹k\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad k=174\displaystyle {}= \frac{17}{4}

重解は xx=12{}= \dfrac{1}{2} で、接点は (12, 154)\left(\dfrac{1}{2},\ \dfrac{15}{4}\right) です。−2-2≦12{}\leqq \dfrac{1}{2}≦2{}\leqq 2 で yy≧0{}\geqq 0 なので、接点は D の境界の放物線の部分にあります。最大値は 174\dfrac{17}{4} です。

最小値 D の点は yy≧0{}\geqq 0,xx≧−2{}\geqq -2 なので xx+y{}+ y≧−2{}\geqq -2 で、等号は (−2, 0)(-2,\ 0) のときです。直線を下へ動かすと、最後は左端の頂点 (−2, 0)(-2,\ 0) で触れます。

よって、x=12,y=154‾\underline{x = \dfrac{1}{2},y = \dfrac{15}{4}} のとき 最大値 174‾\underline{\text{最大値}\ \dfrac{17}{4}},x=−2,y=0‾\underline{x = -2,y = 0} のとき 最小値‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7667em}\text{最小値}} −2‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7667em}{}\ -2} です。

(xx を固定すると yy が大きいほど xx+y{}+ y は大きいので、最大値は −x2-x^2+x{}+ x+4{}+ 4=−(x−12)2{}= -\left(x - \dfrac{1}{2}\right)^2+174{}+ \dfrac{17}{4} の最大、と考えても同じです。)

自己採点:
記録を読み込み中…

問15 ★★

食品 A,B があります。A 1 袋にはたんぱく質が 2 単位、ビタミンが 1 単位含まれ、価格は 300 円です。B 1 袋にはたんぱく質が 1 単位、ビタミンが 3 単位含まれ、価格は 200 円です。袋は分けて使えるものとし、使う袋数は 0 以上の実数とします。たんぱく質を 8 単位以上、ビタミンを 9 単位以上とるとき、費用を最小にするための A,B の袋数と、そのときの費用を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

A を 3 袋,B を 2 袋使うとき、費用は最小で 1300 円

解説

A を xx 袋、B を yy 袋使うとします。条件は

x\displaystyle x≧0,\displaystyle {}\geqq 0,y\displaystyle y≧0,\displaystyle {}\geqq 0,2x\displaystyle 2x+y\displaystyle {}+ y≧8,\displaystyle {}\geqq 8,x\displaystyle x+3y\displaystyle {}+ 3y≧9\displaystyle {}\geqq 9

境界線 2x2x+y{}+ y=8{}= 8 と xx+3y{}+ 3y=9{}= 9 の交点は、1 つ目から yy=8{}= 8−2x{}- 2x、2 つ目に代入して xx+24{}+ 24−6x{}- 6x=9{}= 9 より xx=3{}= 3,yy=2{}= 2 です。D は折れ線 (0, 8)(0,\ 8) → (3, 2)(3,\ 2) → (9, 0)(9,\ 0) の右上に広がる部分です。

費用(百円)は 3x3x+2y{}+ 2y です。3x3x+2y{}+ 2y=k{}= k の傾き −32-\dfrac{3}{2} は、(3, 2)(3,\ 2) に集まる 2 辺の傾き −2-2,−13-\dfrac{1}{3} の間にあります。

−2\displaystyle -2<−32\displaystyle {}< -\frac{3}{2}<−13\displaystyle {}< -\frac{1}{3}

直線を下へ動かすと、最後に (3, 2)(3,\ 2) で D に触れます。このとき kk=9{}= 9+4{}+ 4=13{}= 13 です。

よって、A を 3 袋‾\underline{3\ \text{袋}},B を 2 袋‾\underline{2\ \text{袋}} 使うとき,費用は最小で 1300 円‾\underline{1300\ \text{円}} です。

ほかの頂点では、(0, 8)(0,\ 8) で 1616(1600 円)、(9, 0)(9,\ 0) で 2727(2700 円)です。D は右上に広がっているので、費用の最大値はありません。

自己採点:
記録を読み込み中…

問16 ★★

点 (x, y)(x,\ y) が不等式 x2x^2+y2{}+ y^2≦1{}\leqq 1 の表す領域を動くとき、x2x^2+y{}+ y の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=±32{}= \pm\dfrac{\sqrt{3}}{2},yy=12{}= \dfrac{1}{2} のとき最大値 54\dfrac{5}{4},xx=0{}= 0,yy=−1{}= -1 のとき最小値 −1-1

解説

yy を固定して考えます。D の点の yy 座標は −1-1≦y{}\leqq y≦1{}\leqq 1 で、yy を決めると x2x^2 は 00≦x2{}\leqq x^2≦1{}\leqq 1−y2{}- y^2 の範囲を動きます。

最大値 yy を固定すると、x2x^2+y{}+ y は x2x^2=1{}= 1−y2{}- y^2(円周上)のとき最大で、その値は

1\displaystyle 1−y2\displaystyle {}- y^2+y\displaystyle {}+ y=−(y−12)2\displaystyle {}= -\left(y - \frac{1}{2}\right)^2+54\displaystyle {}+ \frac{5}{4}

です。−1-1≦y{}\leqq y≦1{}\leqq 1 の範囲で、これは yy=12{}= \dfrac{1}{2} のとき最大値 54\dfrac{5}{4} をとります。このとき x2x^2=34{}= \dfrac{3}{4} より xx=±32{}= \pm\dfrac{\sqrt{3}}{2} です。

最小値 yy を固定すると、x2x^2+y{}+ y は xx=0{}= 0 のとき最小で、その値は yy です。−1-1≦y{}\leqq y≦1{}\leqq 1 なので、yy=−1{}= -1 のとき最小値 −1-1 です。

よって、x=±32,y=12‾\underline{x = \pm\dfrac{\sqrt{3}}{2},y = \dfrac{1}{2}} のとき 最大値 54‾\underline{\text{最大値}\ \dfrac{5}{4}},x=0,y=−1‾\underline{x = 0,y = -1} のとき 最小値‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7667em}\text{最小値}} −1‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7667em}{}\ -1} です。

図で見ると、x2x^2+y{}+ y=k{}= k は放物線 yy=−x2{}= -x^2+k{}+ k で、kk を変えると上下に平行移動します。最大は放物線が円に 2 点で接するとき、最小は頂点 (0, −1)(0,\ -1) で円に触れるときです。

自己採点:
記録を読み込み中…

問17 ★★★

点 (x, y)(x,\ y) が連立不等式 x2x^2+y2{}+ y^2≦4{}\leqq 4,yy≧0{}\geqq 0 の表す領域を動くとき、2x2x+y{}+ y の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=455{}= \dfrac{4\sqrt{5}}{5},yy=255{}= \dfrac{2\sqrt{5}}{5} のとき最大値 252\sqrt{5},xx=−2{}= -2,yy=0{}= 0 のとき最小値 −4-4

解説

D は、原点を中心とする半径 22 の円の周および内部のうち、xx 軸とその上側の部分(半円板)です。

2x2x+y{}+ y=k{}= k とおくと yy=−2x{}= -2x+k{}+ k で、yy 切片が大きいほど kk も大きくなります。

最大値 直線を上へ動かすと、最後は円周に接する位置で離れます。原点との距離が半径に等しい条件は

∣k∣5\displaystyle \frac{\lvert k \rvert}{\sqrt{5}}=2\displaystyle {}= 2⟹k\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad k=±25\displaystyle {}= \pm 2\sqrt{5}

kk=25{}= 2\sqrt{5} の接点は、原点から方向 (2, 1)(2,\ 1) に進んだ垂線の足 (2t, t)(2t,\ t) で、5t5t=25{}= 2\sqrt{5} より (455, 255)\left(\dfrac{4\sqrt{5}}{5},\ \dfrac{2\sqrt{5}}{5}\right) です。yy>0{}> 0 なので、接点は D に含まれます。最大値は 252\sqrt{5} です。

最小値 kk=−25{}= -2\sqrt{5} の接点は (−455, −255)\left(-\dfrac{4\sqrt{5}}{5},\ -\dfrac{2\sqrt{5}}{5}\right) で、yy<0{}< 0 なので D に含まれません(公式6)。直線を下へ動かすと、この接線の位置に届く前に D の端で離れます。

D の点は yy≧0{}\geqq 0 で、また x2x^2≦4{}\leqq 4 より xx≧−2{}\geqq -2 なので

2x\displaystyle 2x+y\displaystyle {}+ y≧2x\displaystyle {}\geqq 2x≧−4\displaystyle {}\geqq -4

で、等号は xx=−2{}= -2,yy=0{}= 0 のときです。この点は D に含まれるので、最小値は −4-4 です。

よって、x=455,y=255‾\underline{x = \dfrac{4\sqrt{5}}{5},y = \dfrac{2\sqrt{5}}{5}} のとき 最大値 25‾\underline{\text{最大値}\ 2\sqrt{5}},x=−2,y=0‾\underline{x = -2,y = 0} のとき 最小値‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7667em}\text{最小値}} −4‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7667em}{}\ -4} です。

接点の確認を省いて「最小値 −25-2\sqrt{5}」とすると誤りになります(−25-2\sqrt{5}≒−4.47{}\fallingdotseq -4.47<−4{}< -4 で、D の中にその値をとる点はありません)。

自己採点:
記録を読み込み中…

問18 ★★★

点 (x, y)(x,\ y) が連立不等式 xx≧0{}\geqq 0,yy≧0{}\geqq 0,xx+2y{}+ 2y≦8{}\leqq 8,3x3x+2y{}+ 2y≦15{}\leqq 15 の表す領域を動くとき、xyxy の最大値と、そのときの xx,yy の値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=72{}= \dfrac{7}{2},yy=94{}= \dfrac{9}{4} のとき最大値 638\dfrac{63}{8}

解説

境界線 xx+2y{}+ 2y=8{}= 8 と 3x3x+2y{}+ 2y=15{}= 15 の交点は、2 式を引いて 2x2x=7{}= 7 より (72, 94)\left(\dfrac{7}{2},\ \dfrac{9}{4}\right) です。D は 4 点 (0, 0)(0,\ 0),(5, 0)(5,\ 0),(72, 94)\left(\dfrac{7}{2},\ \dfrac{9}{4}\right),(0, 4)(0,\ 4) を頂点とする四角形の周および内部です。

xx を 00≦x{}\leqq x≦5{}\leqq 5 の範囲で固定します。xx≧0{}\geqq 0 なので、xyxy は yy が大きいほど大きく(xx=0{}= 0 なら常に 00)、yy が上の境界にあるとき最大です。上の境界は

8−x2\displaystyle \frac{8 - x}{2}≦15−3x2\displaystyle {}\leqq \frac{15 - 3x}{2}  ⟺  x\displaystyle {}\iff x≦72\displaystyle {}\leqq \frac{7}{2}

より、00≦x{}\leqq x≦72{}\leqq \dfrac{7}{2} では yy=8−x2{}= \dfrac{8 - x}{2}、72\dfrac{7}{2}≦x{}\leqq x≦5{}\leqq 5 では yy=15−3x2{}= \dfrac{15 - 3x}{2} です。

(i) 00≦x{}\leqq x≦72{}\leqq \dfrac{7}{2} のとき

xy\displaystyle xy=x(8−x)2\displaystyle {}= \frac{x(8 - x)}{2}=−12(x−4)2\displaystyle {}= -\frac{1}{2}(x - 4)^2+8\displaystyle {}+ 8

軸 xx=4{}= 4 は範囲の右外にあるので、この範囲では増加し、xx=72{}= \dfrac{7}{2} で最大 12⋅72⋅92\dfrac{1}{2} \cdot \dfrac{7}{2} \cdot \dfrac{9}{2}=638{}= \dfrac{63}{8} です。

(ii) 72\dfrac{7}{2}≦x{}\leqq x≦5{}\leqq 5 のとき

xy\displaystyle xy=x(15−3x)2\displaystyle {}= \frac{x(15 - 3x)}{2}=−32(x−52)2\displaystyle {}= -\frac{3}{2}\left(x - \frac{5}{2}\right)^2+758\displaystyle {}+ \frac{75}{8}

軸 xx=52{}= \dfrac{5}{2} は範囲の左外にあるので、この範囲では減少し、xx=72{}= \dfrac{7}{2} で最大 638\dfrac{63}{8} です。

よって、x=72,y=94‾\underline{x = \dfrac{7}{2},y = \dfrac{9}{4}} のとき 最大値 638‾\underline{\text{最大値}\ \dfrac{63}{8}} です。

xyxy=k{}= k(kk>0{}> 0)の曲線 yy=kx{}= \dfrac{k}{x} は、どちらの辺の直線とも、接する点が辺の外(xx=4{}= 4 と xx=52{}= \dfrac{5}{2})にあります。そのため、最大は接点ではなく頂点でとられます。一次式ではないのに頂点で最大になる例です。

自己採点:
記録を読み込み中…

問19 ★★★

ある工房では、製品 P,Q を作ります。P を 1 個作るには材料を 4 kg、作業時間を 3 時間使い、利益は 3 万円です。Q を 1 個作るには材料を 5 kg、作業時間を 1 時間使い、利益は 2 万円です。材料は 40 kg、作業時間は 20 時間までしか使えません。P,Q の個数はどちらも 0 以上の整数とします。利益を最大にする P,Q の個数と、そのときの利益を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

P を 5 個,Q を 4 個作るとき、利益は最大で 23 万円

解説

P を xx 個、Q を yy 個作るとします。条件は

x\displaystyle x≧0,\displaystyle {}\geqq 0,y\displaystyle y≧0,\displaystyle {}\geqq 0,4x\displaystyle 4x+5y\displaystyle {}+ 5y≦40,\displaystyle {}\leqq 40,3x\displaystyle 3x+y\displaystyle {}+ y≦20\displaystyle {}\leqq 20

で、利益(万円)は 3x3x+2y{}+ 2y です。

実数で考える 境界線 4x4x+5y{}+ 5y=40{}= 40 と 3x3x+y{}+ y=20{}= 20 の交点は、2 つ目から yy=20{}= 20−3x{}- 3x、1 つ目に代入して 4x4x+100{}+ 100−15x{}- 15x=40{}= 40 より xx=6011{}= \dfrac{60}{11},yy=4011{}= \dfrac{40}{11} です。3x3x+2y{}+ 2y=k{}= k の傾き −32-\dfrac{3}{2} は、この交点に集まる 2 辺の傾き −3-3,−45-\dfrac{4}{5} の間にあるので、実数の範囲では交点で最大となり

k\displaystyle k=18011\displaystyle {}= \frac{180}{11}+8011\displaystyle {}+ \frac{80}{11}=26011\displaystyle {}= \frac{260}{11}=23.6⋯\displaystyle {}= 23.6\cdots

整数で考える 整数の (x, y)(x,\ y) では 3x3x+2y{}+ 2y も整数なので、3x3x+2y{}+ 2y≦23{}\leqq 23 です。3x3x+2y{}+ 2y=23{}= 23 となる 0 以上の整数の組は、xx が奇数で

(1, 10),\displaystyle (1,\ 10),(3, 7),\displaystyle (3,\ 7),(5, 4),\displaystyle (5,\ 4),(7, 1)\displaystyle (7,\ 1)

です。条件を確かめると

  • (1, 10)(1,\ 10):44+50{}+ 50=54{}= 54>40{}> 40 で不適
  • (3, 7)(3,\ 7):1212+35{}+ 35=47{}= 47>40{}> 40 で不適
  • (5, 4)(5,\ 4):2020+20{}+ 20=40{}= 40≦40{}\leqq 40,1515+4{}+ 4=19{}= 19≦20{}\leqq 20 で適する
  • (7, 1)(7,\ 1):2828+5{}+ 5=33{}= 33≦40{}\leqq 40 ですが、2121+1{}+ 1=22{}= 22>20{}> 20 で不適

よって、P を 5 個‾\underline{5\ \text{個}},Q を 4 個‾\underline{4\ \text{個}} 作るとき,利益は最大で 23 万円‾\underline{23\ \text{万円}} です。

実数の最適な点 (6011, 4011)\left(\dfrac{60}{11},\ \dfrac{40}{11}\right)≒(5.45, 3.64){}\fallingdotseq (5.45,\ 3.64) を四捨五入した (5, 4)(5,\ 4) が今回は答えになりましたが、たまたまです。四捨五入した点が条件を満たすか、もっと利益の大きい整数の組がないかは、このように値の候補から確かめる必要があります(j10 では四捨五入した点が条件を満たしませんでした)。

自己採点:
記録を読み込み中…

問20 ★★★

連立不等式 yy≧x2{}\geqq x^2−2x{}- 2x,yy≦x{}\leqq x の表す領域を D とします。点 (x, y)(x,\ y) が D を動くとき、y+2x+1\dfrac{y + 2}{x + 1} の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx=0{}= 0,yy=0{}= 0 のとき最大値 22,xx=5{}= \sqrt{5}−1{}- 1,yy=8{}= 8−45{}- 4\sqrt{5} のとき最小値 252\sqrt{5}−4{}- 4

解説

境界線 yy=x2{}= x^2−2x{}- 2x と yy=x{}= x の交点は、x2x^2−3x{}- 3x=0{}= 0 より (0, 0)(0,\ 0),(3, 3)(3,\ 3) です。00<x{}< x<3{}< 3 では x2x^2−2x{}- 2x<x{}< x なので、D は放物線と直線で囲まれた部分(境界線を含む)で、D の点は 00≦x{}\leqq x≦3{}\leqq 3 を満たします。したがって xx+1{}+ 1>0{}> 0 です。

式は、点 A(−1, −2)\mathrm{A}(-1,\ -2) と P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) を結ぶ直線の傾きです(公式5)。=k= k とおくと yy+2{}+ 2=k(x+1){}= k(x + 1) です。

最大値 D の点は yy≦x{}\leqq x なので

y+2x+1\displaystyle \frac{y + 2}{x + 1}≦x+2x+1\displaystyle {}\leqq \frac{x + 2}{x + 1}=1\displaystyle {}= 1+1x+1\displaystyle {}+ \frac{1}{x + 1}≦1\displaystyle {}\leqq 1+1\displaystyle {}+ 1=2\displaystyle {}= 2

(xx≧0{}\geqq 0 より 1x+1\dfrac{1}{x + 1}≦1{}\leqq 1)で、等号は xx=0{}= 0,yy=0{}= 0 のときです。原点は D に含まれるので、最大値は 22 です。A を通る直線を回していくと、傾き 22 の直線 yy=2x{}= 2x が原点だけで D に触れます。

最小値 直線 yy+2{}+ 2=k(x+1){}= k(x + 1) が放物線 yy=x2{}= x^2−2x{}- 2x に接する条件を調べます。

x2\displaystyle x^2−2x\displaystyle {}- 2x=kx\displaystyle {}= kx+k\displaystyle {}+ k−2\displaystyle {}- 2⟹x2\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad x^2−(k+2)x\displaystyle {}- (k + 2)x+(2−k)\displaystyle {}+ (2 - k)=0\displaystyle {}= 0

判別式を D1D_1 とすると

D1\displaystyle D_1=(k+2)2\displaystyle {}= (k + 2)^2−4(2−k)\displaystyle {}- 4(2 - k)=k2\displaystyle {}= k^2+8k\displaystyle {}+ 8k−4\displaystyle {}- 4=0\displaystyle {}= 0⟹k\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad k=−4\displaystyle {}= -4±25\displaystyle {}\pm 2\sqrt{5}

接点の xx 座標は重解 xx=k+22{}= \dfrac{k + 2}{2} です。

  • kk=−4{}= -4+25{}+ 2\sqrt{5} のとき、xx=5{}= \sqrt{5}−1{}- 1≒1.24{}\fallingdotseq 1.24 で、00≦x{}\leqq x≦3{}\leqq 3 にあるので接点は D の境界上にあります。
  • kk=−4{}= -4−25{}- 2\sqrt{5} のとき、xx=−1{}= -1−5{}- \sqrt{5} で、D の外です(公式6の確認)。

接点の yy 座標は、xx−1{}- 1=5{}= \sqrt{5}−2{}- 2 より

y\displaystyle y=(x−1)2\displaystyle {}= (x - 1)^2−1\displaystyle {}- 1=(9−45)\displaystyle {}= (9 - 4\sqrt{5})−1\displaystyle {}- 1=8\displaystyle {}= 8−45\displaystyle {}- 4\sqrt{5}

です。k0k_0=25{}= 2\sqrt{5}−4{}- 4 とおくと、直線 yy=k0(x+1){}= k_0(x + 1)−2{}- 2 はこの点における放物線の接線で、放物線は接線の上側にあります(接線との差が (x−x0)2(x - x_0)^2≧0{}\geqq 0、第7章 厳密定義 定理6 と同じ)。D の点は放物線の上側にあるので

y\displaystyle y≧x2\displaystyle {}\geqq x^2−2x\displaystyle {}- 2x≧k0(x+1)\displaystyle {}\geqq k_0(x + 1)−2\displaystyle {}- 2⟹y+2x+1\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad \frac{y + 2}{x + 1}≧k0\displaystyle {}\geqq k_0

(xx+1{}+ 1>0{}> 0 で割った)で、等号は接点のときです。よって最小値は 252\sqrt{5}−4{}- 4 です。

x=0,y=0‾\underline{x = 0,y = 0} のとき 最大値 2‾\underline{\text{最大値}\ 2},x=5‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.1016em}x = \sqrt{5}}−1,y=8‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.1016em}{}- 1,y = 8}−45‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.1016em}{}- 4\sqrt{5}} のとき 最小値 25‾\underline{\rule[-0.1328em]{0em}{1.0400em}\text{最小値}\ 2\sqrt{5}}−4‾\underline{\rule[-0.1328em]{0em}{1.0400em}{}- 4}

もう 1 つの解 kk=−4{}= -4−25{}- 2\sqrt{5} を答えにすると誤りです。その接点は D から離れた放物線の部分にあり、D の中にその傾きの直線 AP をつくる点はありません。

自己採点:
記録を読み込み中…

数学小話コーナー

合板工場からノーベル賞へ——カントロビッチの「割り当て」

1938 年ごろ、ソ連のレニングラード(いまのサンクトペテルブルク)で、合板を作る工場の技術者たちが大学の若い数学者レオニード・カントロビッチに相談を持ちかけました。何種類かの材料を何台かの機械に割り当てるとき、製品の出来高をいちばん多くするにはどうすればよいか、という問題です(※相談の細かな経緯は資料によって少しずつ違います)。

割り当て方の組合せは膨大で、全部を試すことはできません。カントロビッチは、この問題が「一次不等式の条件のもとで一次式を最大にする」形をしていることに気づき、1939 年に『生産の組織と計画の数学的方法』という小冊子にまとめました。この章の例題3や j07 は、その形をぐっと小さくしたものです。

同じころ、アメリカでは経済学者のチャリング・クープマンスが、船で荷物を運ぶ経路の問題から同じ種類の数学にたどり着いていました。2 人は 1975 年に「資源の最適配分の理論への貢献」でノーベル経済学賞をそろって受賞しています。解き方の決定版となる単体法が登場するのは、第二次世界大戦のあとのことです(数と式 第4章の小話)。

豆知識

カントロビッチの研究には、材料 1 単位の「値打ち」を表す数も登場します。いまでは影の価格(シャドープライス)と呼ばれるものです。例題3でバターを 1 パック増やして 16 パックにすると、最適な点は (4.5, 2.5)(4.5,\ 2.5) に移り、利益は 29 千円から 30 千円へ 1 千円増えます。化粧箱を 1 個増やして 8 個にすると、最適な点は (3.5, 4.5)(3.5,\ 4.5) で、利益は 31 千円へ 2 千円増えます。「バター 1 パックは 1 千円、箱 1 個は 2 千円の値打ち」というわけで、実際に 5x5x+3y{}+ 3y=2(x+y){}= 2(x + y)+1⋅(3x+y){}+ 1 \cdot (3x + y) と、利益の式が 2 つの制限の式の組合せで書けます。追加の材料をいくらまでなら買ってよいかの目安になる数です。

いちばん安い献立——スティグラーの食事問題

1945 年、アメリカの経済学者ジョージ・スティグラーは、ちょっと変わった論文を発表しました。「1 年間、必要な栄養をすべてとりながら、食費をいちばん安くするには何を食べればよいか」という問題です。

候補の食品は 77 種類、満たすべき栄養素はカロリー・たんぱく質・カルシウム・鉄・いくつかのビタミンなど 9 種類でした。「食品 A を x1x_1,食品 B を x2x_2,…… とる」とおくと、栄養ごとに「〜以上」という一次不等式が 1 本ずつ、費用は一次式になります。j15 の食品 A,B の問題を、変数 77 個・不等式 9 本に広げたものです。

当時は計算の方法が整っていなかったので、スティグラーは工夫を重ねて、1939 年の物価で年に約 40 ドル(39.93 ドル)の献立を見つけました。のちに単体法で厳密に解くと、最安値は 39.69 ドルで、スティグラーの答えはほとんど最適だったことがわかります。この計算は、何人もの計算係が卓上計算機を使って、延べでおよそ 120 人日かかったと伝えられています(※人数や日数の数字は資料によって違います)。

ただし、最安の献立は小麦粉・エバミルク・キャベツ・ほうれん草・乾燥豆などを大量に食べ続ける、とても味気ないものでした。「おいしさ」や「飽きない」は不等式に入っていなかったからです。数式が答えるのは、条件として書いたことだけです。

豆知識

図形の性質 第4章の小話に出てくる「スティグラーの法則」を唱えた統計学者スティーブン・スティグラーは、ジョージ・スティグラーの息子です。父のジョージは、1982 年にノーベル経済学賞を受賞しています。

地形図の等高線——「値が k の線」を並べた地図

登山で使う地形図には、茶色の細い線が何本も描かれています。等高線です。1 本の線の上では、どこでも標高が同じです。国土地理院の 2 万 5 千分の 1 地形図では、ふつう 10 m ごとに線が引かれています(※地形によっては補助の線も加わります)。

この章で使った「式 =k= k の図形」は、まさに等高線です。平面の各点 (x, y)(x,\ y) に「標高」xx+y{}+ y を割り当てたと考えると、標高がちょうど kk の点の集まりが直線 xx+y{}+ y=k{}= k で、kk を 11 ずつ変えた直線を並べると、等間隔の平行線の地図ができます。これは、一定の向きに一様に傾いた坂の地形図です。x2x^2+y2{}+ y^2=k{}= k の同心円を並べれば、原点を谷底とするすり鉢の地形図になります。

地形図を見て「この区域でいちばん高い場所」を探すとき、私たちは区域に触れる等高線のうち、いちばん標高の大きい線を探します。これは公式1の手順そのものです。坂が一様なら、いちばん高い場所は区域の角(頂点)にあり、山頂のような丸い地形なら、等高線が区域の境界に接するところが候補になります。

等高線の間隔が狭いところは急な斜面です。axax+by{}+ by=k{}= k の平行線どうしの間隔は、kk が 11 変わるごとに 1a2+b2\dfrac{1}{\sqrt{a^2 + b^2}}(第3章の平行な 2 直線の距離)なので、係数が大きい式ほど「急な坂」になります。そして、いちばん急に登る向きは等高線に垂直な向き (a, b)(a,\ b) です。

豆知識

天気図の等圧線も同じ仕組みで、気圧が等しい地点を結んでいます。日本の天気図では 4 hPa ごとに引くのが基本です(※20 hPa ごとに太い線にします)。等圧線の間隔が狭いところほど気圧の「坂」が急で、強い風が吹きやすくなります。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。高校の範囲では、本文の公式1〜6が使えれば十分です。「直線を動かして最後に触れる位置が最大、はなぜ言えるの?」「多角形ではなぜ頂点だけ調べればよいの?」「円板の上の一次式の最大値に公式はあるの?」が気になる人のために、根拠を紹介します。

この章では、第7章の厳密定義(領域・半平面、線分上の点 Pt\mathrm{P}_t での f(Pt)f(\mathrm{P}_t)=(1−t)f(A){}= (1 - t)f(\mathrm{A})+tf(B){}+ tf(\mathrm{B})、凸集合)と、第3章 定理3(2 直線がただ 1 点で交わる条件 a1b2a_1 b_2−a2b1{}- a_2 b_1≠0{}\neq 0)・定理4(恒等式 (a2+b2)(s2+t2)(a^2 + b^2)(s^2 + t^2)=(as+bt)2{}= (as + bt)^2+(bs−at)2{}+ (bs - at)^2)を前提にします。

最大値・最小値と「値の集合」

定義1:最大値・最小値、値の集合

D を空でない領域、f(x, y)f(x,\ y) を xx,yy の式とする。

D の点 P0\mathrm{P}_0 があって、D のすべての点 P について f(P)f(\mathrm{P})≦f(P0){}\leqq f(\mathrm{P}_0) が成り立つとき、f(P0)f(\mathrm{P}_0) を D における ff の最大値といい、P0\mathrm{P}_0 で最大値をとるという。不等号の向きを逆にしたものが最小値である。

また

K\displaystyle K={f(P)∣P∈D}\displaystyle {}= \{f(\mathrm{P}) \mid \mathrm{P} \in \mathrm{D}\}

を、D における ff の値の集合という。すなわち、実数 kk が KK に属するのは、f(x, y)f(x,\ y)=k{}= k を満たす点 (x, y)(x,\ y) が D に存在するとき、またそのときに限る。

「すなわち」以下の言いかえは、「kk がどこかの点での値である」ことと「ff=k{}= k の図形が D と共有点をもつ」ことが同じ意味だから成り立ちます。第6章の「軌跡は条件を満たす点の集合」、第7章の「通過領域は tt が存在する点の集合」と同じ言いかえです。

定理1:本文の手順の根拠

MM が D における ff の最大値であることは、「MM∈K{}\in K であり、KK のどの要素も MM 以下である」こと、つまり MM が集合 KK の最大の要素であることと同値である。最小値についても同様である。

証明 MM が最大値なら、MM=f(P0){}= f(\mathrm{P}_0) で P0\mathrm{P}_0∈D{}\in \mathrm{D} なので MM∈K{}\in K であり、KK の要素 kk=f(P){}= f(\mathrm{P}) は MM 以下である。逆に、MM∈K{}\in K なら MM=f(P0){}= f(\mathrm{P}_0) となる P0\mathrm{P}_0∈D{}\in \mathrm{D} があり、D のすべての点 P で f(P)f(\mathrm{P})∈K{}\in K だから f(P)f(\mathrm{P})≦M{}\leqq M である。(証明終)

本文の「式 =k= k の図形が D と共有点をもつ kk の範囲を求め、その端を読む」は、KK を求めてその最大・最小の要素を探すことにほかなりません。

凸な領域では値が途切れない

定理2:一次式の値の集合は区間

D を凸集合(D の任意の 2 点を結ぶ線分が D に含まれる集合)、f(x, y)f(x,\ y)=ax{}= ax+by{}+ by+c{}+ c とする。D の 2 点 A,B について f(A)f(\mathrm{A})≦k{}\leqq k≦f(B){}\leqq f(\mathrm{B}) ならば、線分 AB 上に ff=k{}= k となる点がある。したがって、ff の値の集合 KK は「間が抜けていない」。

証明 f(A)f(\mathrm{A})=f(B){}= f(\mathrm{B}) なら kk=f(A){}= f(\mathrm{A}) で、A 自身がその点である。f(A)f(\mathrm{A})<f(B){}< f(\mathrm{B}) のとき

t\displaystyle t=k−f(A)f(B)−f(A)\displaystyle {}= \frac{k - f(\mathrm{A})}{f(\mathrm{B}) - f(\mathrm{A})}

とおくと 00≦t{}\leqq t≦1{}\leqq 1 である。線分 AB 上の点 Pt\mathrm{P}_t=(1−t)A{}= (1 - t)\mathrm{A}+tB{}+ t\mathrm{B} について、第7章 定理1の計算から

f(Pt)\displaystyle f(\mathrm{P}_t)=(1−t)f(A)\displaystyle {}= (1 - t)f(\mathrm{A})+tf(B)\displaystyle {}+ tf(\mathrm{B})=f(A)\displaystyle {}= f(\mathrm{A})+t{f(B)−f(A)}\displaystyle {}+ t\{f(\mathrm{B}) - f(\mathrm{A})\}=k\displaystyle {}= k

であり、D が凸なので Pt\mathrm{P}_t∈D{}\in \mathrm{D} である。(証明終)

このため、D が凸で最大値 MM と最小値 mm があれば、KK はちょうど区間 mm≦k{}\leqq k≦M{}\leqq M になります。例題5 (2) の答えを「値の範囲」として区間で書けたのはこのためです。D が凸でないと、KK に抜けが生じることがあります(たとえば D が離れた 2 つの円板なら、xx の値の集合は 2 つの区間に分かれます)。

多角形では頂点を調べれば十分

三角形の周および内部を、第7章の半平面の言葉で定めておきます。一直線上にない 3 点 A,B,C に対し、「直線 BC について A と同じ側または直線 BC 上」「直線 CA について B と同じ側または直線 CA 上」「直線 AB について C と同じ側または直線 AB 上」の 3 条件をすべて満たす点の集合を、三角形 ABC の周および内部といいます。

定理3:三角形の点は頂点の重みつき平均

一直線上にない 3 点 A,B,C について、次が成り立つ。

(1) 平面上の任意の点 P は、α\alpha+β{}+ \beta+γ{}+ \gamma=1{}= 1 を満たす実数 α\alpha,β\beta,γ\gamma によって、ただ 1 通りに

P\displaystyle \mathrm{P}=αA\displaystyle {}= \alpha\mathrm{A}+βB\displaystyle {}+ \beta\mathrm{B}+γC\displaystyle {}+ \gamma\mathrm{C}

と表せる(座標ごとの等式)。さらに、P が三角形 ABC の周および内部にある   ⟺  α\iff \alpha≧0,{}\geqq 0,β\beta≧0,{}\geqq 0,γ\gamma≧0{}\geqq 0 である。

(2) g(x, y)g(x,\ y)=ax{}= ax+by{}+ by+c{}+ c とすると、三角形 ABC の周および内部の点 P について

min⁡{g(A), g(B), g(C)}\displaystyle \min\{g(\mathrm{A}),\ g(\mathrm{B}),\ g(\mathrm{C})\}≦g(P)\displaystyle {}\leqq g(\mathrm{P})≦max⁡{g(A), g(B), g(C)}\displaystyle {}\leqq \max\{g(\mathrm{A}),\ g(\mathrm{B}),\ g(\mathrm{C})\}

が成り立つ。つまり、三角形の上での一次式の最大値・最小値は頂点でとられる。

証明 まず、α\alpha+β{}+ \beta+γ{}+ \gamma=1{}= 1 のとき、任意の一次式 gg について

g(αA+βB+γC)\displaystyle g(\alpha\mathrm{A} + \beta\mathrm{B} + \gamma\mathrm{C})=αg(A)\displaystyle {}= \alpha g(\mathrm{A})+βg(B)\displaystyle {}+ \beta g(\mathrm{B})+γg(C)\displaystyle {}+ \gamma g(\mathrm{C})(∗)\displaystyle (\ast)

が成り立つ。xx,yy の係数の部分はそのまま分配でき、定数項は cc=(α+β+γ)c{}= (\alpha + \beta + \gamma)c と書けるからである。

(1) A(x1, y1)\mathrm{A}(x_1,\ y_1),B(x2, y2)\mathrm{B}(x_2,\ y_2),C(x3, y3)\mathrm{C}(x_3,\ y_3),P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) とする。β\beta=s{}= s,γ\gamma=t{}= t,α\alpha=1{}= 1−s{}- s−t{}- t とおくと、表したい等式は

(x2−x1)s\displaystyle (x_2 - x_1)s+(x3−x1)t\displaystyle {}+ (x_3 - x_1)t=x\displaystyle {}= x−x1,\displaystyle {}- x_1,(y2−y1)s\displaystyle (y_2 - y_1)s+(y3−y1)t\displaystyle {}+ (y_3 - y_1)t=y\displaystyle {}= y−y1\displaystyle {}- y_1

という ss,tt の連立一次方程式になる。3 点が一直線上にないので (x2−x1)(y3−y1)(x_2 - x_1)(y_3 - y_1)−(x3−x1)(y2−y1){}- (x_3 - x_1)(y_2 - y_1)≠0{}\neq 0(第2章 公式2の交差形)であり、第3章 定理3と同じ計算で ss,tt はただ 1 組に定まる。

次に、直線 BC を表す一次式を hh とし、h(A)h(\mathrm{A})>0{}> 0 となるように符号を選ぶ(A は直線 BC 上にないので h(A)h(\mathrm{A})≠0{}\neq 0)。h(B)h(\mathrm{B})=h(C){}= h(\mathrm{C})=0{}= 0 なので、(∗)(\ast) より

h(P)\displaystyle h(\mathrm{P})=αh(A)\displaystyle {}= \alpha h(\mathrm{A})

である。よって「P が直線 BC について A と同じ側または直線上」  ⟺  h(P)\iff h(\mathrm{P})≧0{}\geqq 0  ⟺  α{}\iff \alpha≧0{}\geqq 0。ほかの 2 辺についても同様で、β\beta≧0{}\geqq 0,γ\gamma≧0{}\geqq 0 が得られる。

(2) MM=max⁡{g(A), g(B), g(C)}{}= \max\{g(\mathrm{A}),\ g(\mathrm{B}),\ g(\mathrm{C})\} とする。(1) の α\alpha,β\beta,γ\gamma は 00 以上なので、(∗)(\ast) より

g(P)\displaystyle g(\mathrm{P})=αg(A)\displaystyle {}= \alpha g(\mathrm{A})+βg(B)\displaystyle {}+ \beta g(\mathrm{B})+γg(C)\displaystyle {}+ \gamma g(\mathrm{C})≦(α+β+γ)M\displaystyle {}\leqq (\alpha + \beta + \gamma)M=M\displaystyle {}= M

最小値も同様である。(証明終)

凸多角形は、1 つの頂点から対角線を引いて三角形に分けられます(この事実は認めて使います)。分けた三角形の頂点はすべてもとの多角形の頂点なので、定理3 (2) を三角形ごとに使えば、凸多角形の上での一次式の最大値・最小値は頂点でとられることがわかります。これが公式2の根拠です。

定理4:最大値をとる点の集まり

aa,bb の少なくとも一方は 00 でないとし、gg=ax{}= ax+by{}+ by+c{}+ c の三角形 ABC(周および内部)での最大値を MM とする。g(P)g(\mathrm{P})=M{}= M となる点 P の集合は、1 つの頂点か、1 本の辺(両端を含む)のどちらかである。

証明 g(P)g(\mathrm{P})=M{}= M のとき、定理3の α\alpha,β\beta,γ\gamma について

α{M−g(A)}\displaystyle \alpha\{M - g(\mathrm{A})\}+β{M−g(B)}\displaystyle {}+ \beta\{M - g(\mathrm{B})\}+γ{M−g(C)}\displaystyle {}+ \gamma\{M - g(\mathrm{C})\}=M\displaystyle {}= M−g(P)\displaystyle {}- g(\mathrm{P})=0\displaystyle {}= 0

各項は 00 以上なので、すべて 00 である。したがって、α\alpha>0{}> 0 なら g(A)g(\mathrm{A})=M{}= M であり、B,C についても同様である。

gg=M{}= M を満たす頂点の集合を V とする。gg=M{}= M は直線なので、一直線上にない 3 頂点がすべて V に入ることはない。

  • V が 1 つの頂点、たとえば A だけなら、β\beta=γ{}= \gamma=0{}= 0 となり P\mathrm{P}=A{}= \mathrm{A} である。
  • V が 2 つの頂点、たとえば A,B なら、γ\gamma=0{}= 0 となり P は辺 AB 上にある。逆に辺 AB 上の点では (∗)(\ast) より gg=M{}= M である。(証明終)

例題2の aa=12{}= \dfrac{1}{2},aa=3{}= 3 で「線分上のすべての点」が答えになったのは、この定理の 2 つ目の場合です。

円板の上の一次式

定理5:円板上の一次式の最大値・最小値

aa,bb の少なくとも一方は 00 でないとし、s0s_0=a2+b2{}= \sqrt{a^2 + b^2} とおく。点 (x, y)(x,\ y) が円板 (x−p)2(x - p)^2+(y−q)2{}+ (y - q)^2≦r2{}\leqq r^2 を動くとき、axax+by{}+ by の

  • 最大値は apap+bq{}+ bq+rs0{}+ rs_0 で、点 (p+ras0, q+rbs0)\left(p + \dfrac{ra}{s_0},\ q + \dfrac{rb}{s_0}\right) だけでとる。
  • 最小値は apap+bq{}+ bq−rs0{}- rs_0 で、点 (p−ras0, q−rbs0)\left(p - \dfrac{ra}{s_0},\ q - \dfrac{rb}{s_0}\right) だけでとる。

証明 ss=x{}= x−p{}- p,tt=y{}= y−q{}- q とおくと axax+by{}+ by=ap{}= ap+bq{}+ bq+(as+bt){}+ (as + bt) で、条件は s2s^2+t2{}+ t^2≦r2{}\leqq r^2 である。第3章 定理4の恒等式より

(as+bt)2\displaystyle (as + bt)^2=(a2+b2)(s2+t2)\displaystyle {}= (a^2 + b^2)(s^2 + t^2)−(bs−at)2\displaystyle {}- (bs - at)^2≦s02r2\displaystyle {}\leqq s_0^2 r^2

なので −rs0-rs_0≦as{}\leqq as+bt{}+ bt≦rs0{}\leqq rs_0 である。

asas+bt{}+ bt=rs0{}= rs_0 となるのは、上の不等号がすべて等号、つまり bsbs−at{}- at=0{}= 0 かつ s2s^2+t2{}+ t^2=r2{}= r^2 で、しかも asas+bt{}+ bt>0{}> 0 のときである。bsbs−at{}- at=0{}= 0 から (s, t)(s,\ t)=λ(a, b){}= \lambda(a,\ b) と書け(aa≠0{}\neq 0 なら λ\lambda=sa{}= \dfrac{s}{a} とすればよい。aa=0{}= 0 のときは bb≠0{}\neq 0 で同様)、asas+bt{}+ bt=λs02{}= \lambda s_0^2=rs0{}= rs_0 より λ\lambda=rs0{}= \dfrac{r}{s_0} である。このとき s2s^2+t2{}+ t^2=λ2s02{}= \lambda^2 s_0^2=r2{}= r^2 も満たす。最小値も同様である。(証明終)

最大値をとる点は、中心から (a, b)(a,\ b) の向きに半径 rr だけ進んだ点です。実践 j06・j17 で「垂線の足の方向 (a, b)(a,\ b) に進んだ点」を接点として求めたのは、この定理の具体例です。数と式 第10章のコーシー・シュワルツの不等式を、円板の上の最大値として読みかえたものでもあります。

最大値がない場合

定理6:限りなく続く領域と最大値

gg=ax{}= ax+by{}+ by+c{}+ c とする。D が、点 P0(x0, y0)\mathrm{P}_0(x_0,\ y_0) から向き (u, v)(u,\ v) に出る半直線

{(x0+tu, y0+tv)∣t≧0}\{(x_0 + tu,\ y_0 + tv) \mid t \geqq 0\}

をすべて含み、auau+bv{}+ bv>0{}> 0 であるとき、D における gg の最大値は存在しない。

証明 半直線上の点で g(x0+tu, y0+tv)g(x_0 + tu,\ y_0 + tv)=g(P0){}= g(\mathrm{P}_0)+t(au+bv){}+ t(au + bv) である。auau+bv{}+ bv>0{}> 0 なので、どんな実数 LL に対しても tt を十分大きくとれば gg>L{}> L となる点が D にある。とくに、D のどの点 P1\mathrm{P}_1 に対しても g(P)g(\mathrm{P})>g(P1){}> g(\mathrm{P}_1) となる点 P が D にあるので、最大値をとる点は存在しない。(証明終)

実践 j02 の領域は、点 (2, 2)(2,\ 2) から向き (1, 1)(1,\ 1) に出る半直線を含みます(tt≧0{}\geqq 0 で xx+2y{}+ 2y=6{}= 6+3t{}+ 3t≧6{}\geqq 6,3x3x+y{}+ y=8{}= 8+4t{}+ 4t≧8{}\geqq 8)。1⋅11 \cdot 1+1⋅1{}+ 1 \cdot 1=2{}= 2>0{}> 0 なので、xx+y{}+ y に最大値はありません。一方、最小値は存在しました。線形計画法で「最小化」の問題(j15 の費用)がよく現れるのは、「〜以上」の条件が限りなく続く領域をつくりやすいからです。

整数の条件について

aa,bb が整数のとき、格子点(座標がともに整数の点)での axax+by{}+ by の値は整数です。したがって、D での実数の最大値を MM とすると、D の格子点での最大値は MM 以下の最大の整数 ⌊M⌋\lfloor M \rfloor 以下です。j10・j19 では、この上限の値 ⌊M⌋\lfloor M \rfloor をとる格子点が D にあるかを直接調べました。

もし ⌊M⌋\lfloor M \rfloor をとる格子点がなければ、⌊M⌋\lfloor M \rfloor−1{}- 1,⌊M⌋\lfloor M \rfloor−2{}- 2,…… と順に調べます。直線 axax+by{}+ by=k{}= k の上の格子点は、1 つ見つかれば「xx を b′b' ずつ、yy を −a′-a' ずつずらす」(a′a',b′b' は aa,bb をその最大公約数で割ったもの)ことですべて得られるので、候補を順に並べて条件を確かめられます(整数の性質 第3章の一次不定方程式)。j19 で xx を 22 ずつ、yy を 33 ずつずらして 4 組を並べたのは、このしくみです。

整数の条件がつくと、定理2や定理3のような「頂点で決まる」性質は成り立たなくなり、一般には効率よく解く方法が知られていない難しい問題になります(整数計画法)。実用の場面では、まず実数の問題として解いて目安 MM を得てから、整数の候補を絞り込む、という手順がよく使われます。

この章の学習が終わったら

学習完了テストを受ける