問1 ★
10 人がダーツを 10 本ずつ投げたとき、的の中心に当たった本数は次のとおりでした。
このデータの平均値、中央値、最頻値を求めなさい。
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平均値 本,中央値 本,最頻値 本
小さい順に並べると
- 平均値:総和は なので (本)。
- 中央値:10 個なので 5 番目と 6 番目の平均で (本)。
- 最頻値: が 3 回でもっとも多く、(本)。
よって 平均値 ,中央値 ,最頻値 です。
目次 / 数検対策(準2級・2級・準1級) / 数検準2級
—— データの分析と統計 第1〜5章の「代表値・箱ひげ図・分散・相関係数・仮説検定の考え方」を、数検準2級の出題形式で ——
数検準2級の「データの分析」の類題です。平均値・中央値・最頻値、四分位数と箱ひげ図、外れ値、分散と標準偏差、変量の変換、共分散と相関係数、仮説検定の考え方までを20問にまとめました。2次(数理技能)では、偏差や $u$ の値を表に並べてから計算すること、「総和」と「2 乗の総和」に戻して値の追加や削除を扱うこと、仮説検定では確率と有意水準を比べた根拠を書いてから結論を述べることを練習します。仮説検定の「実験の表」は、実際に乱数でシミュレーションした値です。
この章の問題は、「データを並べ直す・偏差を表にする」という下ごしらえと、「総和に戻す」「確率と有意水準を比べる」という根拠の書き方で差がつきます。
難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=難問です。★から順に取り組みましょう。
問1 ★
10 人がダーツを 10 本ずつ投げたとき、的の中心に当たった本数は次のとおりでした。
このデータの平均値、中央値、最頻値を求めなさい。
平均値 本,中央値 本,最頻値 本
小さい順に並べると
よって 平均値 ,中央値 ,最頻値 です。
問2 ★
11 人の 1 か月の図書館の利用回数は次のとおりでした。
このデータの第1四分位数、第2四分位数、第3四分位数と四分位範囲を求めなさい。
,,,四分位範囲
小さい順に並べます。
11 個なので中央値 は 6 番目の です。これを除いた下位 5 個 の中央値が 、上位 5 個 の中央値が です。
四分位範囲は なので、 です。
問3 ★
5 個のデータ の分散と標準偏差を求めなさい。
分散 ,標準偏差
平均値は です。偏差を表にします。
| 値 | 6 | 10 | 4 | 12 | 8 |
|---|---|---|---|---|---|
| 偏差 | −2 | 2 | −4 | 4 | 0 |
| 偏差の 2 乗 | 4 | 4 | 16 | 16 | 0 |
分散は 、標準偏差は です。
よって です。
問4 ★
ペットボトルロケットを 5 回飛ばし、入れた水の量 (百 mL)と飛んだ距離 (十 m)を調べると、次のようになりました。
| 水の量 | 2 | 4 | 6 | 8 | 10 |
|---|---|---|---|---|---|
| 距離 | 5 | 3 | 7 | 11 | 9 |
と の相関係数を求めなさい。
, です。偏差を並べます。
| −4 | −2 | 0 | 2 | 4 | |
|---|---|---|---|---|---|
| −2 | −4 | 0 | 4 | 2 | |
| 積 | 8 | 8 | 0 | 8 | 8 |
なので
よって です。
問5 ★
変量 のデータの平均値が 、標準偏差が である。変量 を で定めるとき、 のデータの平均値、分散、標準偏差を求めなさい。
平均値 ,分散 ,標準偏差
のとき , です。
よって です。標準偏差は 倍ではなく 倍になることに注意します。
問6 ★
A 組、B 組(どちらも 20 人)の数学のテストの得点について、箱ひげ図から次の値が読み取れた。
| 最小値 | 第1四分位数 | 中央値 | 第3四分位数 | 最大値 | |
|---|---|---|---|---|---|
| A 組 | 28 | 45 | 62 | 74 | 95 |
| B 組 | 20 | 42 | 55 | 70 | 88 |
(ア) 範囲は A 組のほうが大きい。
(イ) 四分位範囲は A 組のほうが大きい。
(ウ) A 組には、60 点以上の生徒が 10 人以上いる。
(エ) B 組には、70 点以上の生徒がちょうど 5 人いる。
上の (ア)〜(エ) のうちから、箱ひげ図から必ず正しいといえるものをすべて求めなさい。
(イ),(ウ)
20 人なので、 は 5 番目と 6 番目、中央値は 10 番目と 11 番目、 は 15 番目と 16 番目の平均です(小さい順)。
よって です。
問7 ★
ある公園の 10 日間の来園者数(十人)は次のとおりでした。
このデータに外れ値があれば、それをすべて求めなさい。
と
小さい順に並べると です。
下位 5 個 の中央値が 、上位 5 個 の中央値が で、四分位範囲は です。外れ値の基準は
以下の と、 以上の が外れ値です。よって です。
問8 ★
あるコインを 12 回投げたところ、表が 10 回出ました。偏りのないコインを 12 回投げて表の回数を数える実験を 1000 セット行った結果は、次のとおりです。
| 表の回数 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| セット数 | 0 | 3 | 16 | 49 | 116 | 192 | 230 | 204 | 123 | 44 | 17 | 6 | 0 | 1000 |
この結果を使い、有意水準 で「このコインは表が出やすい」といえるかどうかを求めなさい。
いえる(表が 10 回以上の確率はおよそ で、 以下)
帰無仮説は「このコインに偏りはない」、対立仮説は「このコインは表が出やすい」です。
表が 10 回以上になったのは セットなので、その確率はおよそ です。
なので帰無仮説は棄却され、このコインは です。
問9 ★★
次の表は、20 人の垂直とびの記録をまとめた度数分布表です。
| 記録(cm) | 度数(人) |
|---|---|
| 40 以上 50 未満 | 1 |
| 50 以上 60 未満 | 3 |
| 60 以上 70 未満 | 9 |
| 70 以上 80 未満 | 5 |
| 80 以上 90 未満 | 2 |
| 計 | 20 |
各階級に入る値はすべて階級値に等しいものとする。
(1) 記録の平均値
(2) 記録の分散と標準偏差
(3) 中央値が含まれる階級
上の (1)〜(3) をそれぞれ求めなさい。
(1) cm (2) 分散 ,標準偏差 cm (3) 60 cm 以上 70 cm 未満
階級値を とし、 とおいて表にします。
| 階級値 | 45 | 55 | 65 | 75 | 85 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| −2 | −1 | 0 | 1 | 2 | ||
| 度数 | 1 | 3 | 9 | 5 | 2 | 20 |
| −2 | −3 | 0 | 5 | 4 | 4 | |
| 4 | 3 | 0 | 5 | 8 | 20 |
(1) で、 より
(2) なので です。 より
(3) 小さい順に 10 番目と 11 番目の平均が中央値です。累積度数は で、10 番目と 11 番目はどちらも 60 cm 以上 70 cm 未満の階級に入ります。
よって (1) (2) 分散 ,標準偏差 (3) です。
問10 ★★
大きさ のデータの平均値が 、分散が である。このデータには値 と値 が 1 個ずつ含まれている。この 2 個を取り除いた大きさ のデータの平均値、分散、標準偏差を求めなさい。
平均値 ,分散 ,標準偏差
総和と 2 乗の総和に戻します。 なので
2 個を取り除くと
よって、大きさ のデータについて
答えは です。平均値から遠い 2 個を取り除いたので、分散は から小さくなっています。
問11 ★★
5 本の苗について、1 日の日照時間 (時間)と 1 か月後の草丈 (cm)を調べると、次のようになりました。
| 日照時間 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 |
|---|---|---|---|---|---|
| 草丈 | 30 | 26 | 32 | 28 | 34 |
変量 , を , で定める。
(1) と の共分散と相関係数
(2) と の共分散と相関係数
上の (1)、(2) の値をそれぞれ求めなさい。
(1) 共分散 ,相関係数 (2) 共分散 ,相関係数
(1) , です。
| −4 | −2 | 0 | 2 | 4 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 0 | −4 | 2 | −2 | 4 | |
| 積 | 0 | 8 | 0 | −4 | 16 |
なので です。
(2) , なので、 の係数 と の係数 を掛けて
また , なので
係数の積が負なので、相関係数は符号だけが変わります。
答えは です。
問12 ★★
新しいボールペン B と今までのボールペン A を 12 人に使ってもらい、どちらが書きやすいかを聞きます(全員がどちらか一方を選びます)。「B のほうが書きやすいと感じられる」かどうかを、有意水準 で判断します。コインを 12 回投げて表の回数を数える実験を 1000 セット行った結果は、次のとおりです。
| 表の回数 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| セット数 | 0 | 3 | 16 | 49 | 116 | 192 | 230 | 204 | 123 | 44 | 17 | 6 | 0 | 1000 |
B を選んだ人が何人以上なら「B のほうが書きやすいと感じられる」と判断されるかを求めなさい。
人以上
帰無仮説は「A と B の書きやすさに差はない(どちらを選ぶかは半々)」、対立仮説は「B のほうが書きやすいと感じられる」です。帰無仮説のもとでは、B を選ぶ人数はコインを 12 回投げたときの表の回数と同じように考えられます。
B を選んだ人が 人のとき、「 人以上」の確率を表から見積もります。
が大きいほど確率は小さくなるので、 のとき「B のほうが書きやすいと感じられる」と判断されます。
※実験による見積もりです。偏りのないコインの本当の確率は、10 回以上が 、9 回以上が で、結論は変わりません。
問13 ★★
あるテストの得点 の平均値は 点、標準偏差は 点である。得点を ()で換算して、 の平均値が 、標準偏差が になるようにする。
(1) 定数 , の値
(2) 得点 と を換算した の値
上の (1)、(2) をそれぞれ求めなさい。
(1) , (2) のとき , のとき
(1) なので です。
平均値について なので
(2) に代入します。
答えは です。 は偏差値と同じ換算で、平均より標準偏差 2 つ分高い 点が になっています。
問14 ★★
を実数とする。7 個のデータ の平均値が中央値より大きくなるような の値の範囲を求めなさい。
平均値は です。中央値は、小さい順に並べた 4 番目の値で、 の位置によって変わります。
3 つを合わせて、 です。
確かめ: のとき、平均値は 、中央値は で、平均値のほうが小さくなります。
問15 ★★
5 人について、前日の勉強時間 (時間)と小テスト(10 点満点)の得点 (点)を調べると、次のようになりました。E さんは、テスト中に体調をくずして途中で退室していました。
| A | B | C | D | E | |
|---|---|---|---|---|---|
| 勉強時間 | 2 | 4 | 6 | 8 | 10 |
| 得点 | 3 | 5 | 9 | 7 | 1 |
(1) 5 人全員のデータでの、 と の相関係数
(2) E さんを除いた 4 人のデータでの、 と の相関係数
上の (1)、(2) の値をそれぞれ求めなさい。
(1) (2)
(1) , です。
| −4 | −2 | 0 | 2 | 4 | |
|---|---|---|---|---|---|
| −2 | 0 | 4 | 2 | −4 | |
| 積 | 8 | 0 | 0 | 4 | −16 |
なので です。
(2) 4 人では , です。
| −3 | −1 | 1 | 3 | |
|---|---|---|---|---|
| −3 | −1 | 3 | 1 | |
| 積 | 9 | 1 | 3 | 3 |
なので です。
答えは です。E さん 1 人の外れた値のために、強い正の相関()が「ほとんど相関がない」()に見えていました。相関係数は外れ値の影響を大きく受けるので、散布図で確かめてから使います。
問16 ★★
5 択の問題 10 問に、ある人が答えました。1 から 5 の数字を書いた 5 枚のカードをよく混ぜて 1 枚引き、1 なら正解とする(当てずっぽうで答える)実験を、10 問を 1 セットとして 1000 セット行った結果は、次のとおりです。
| 正解の数 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 以上 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| セット数 | 93 | 269 | 309 | 197 | 95 | 28 | 8 | 0 | 1 | 0 | 1000 |
(1) 正解が 5 問だったときに、有意水準 で「当てずっぽうで答えたのではない」といえるかどうか
(2) 有意水準を にしたとき、「当てずっぽうで答えたのではない」と判断される正解の数の最小値
上の (1)、(2) をそれぞれ求めなさい。
(1) いえる(5 問以上の確率はおよそ ) (2) 問
帰無仮説は「当てずっぽうで答えた(1 問ごとの正解の確率は )」、対立仮説は「当てずっぽうで答えたのではない」です。
(1) 正解が 5 問以上のセットは で、確率はおよそ です。 なので帰無仮説は棄却され、「当てずっぽうで答えたのではない」といえます。
(2) 有意水準 で比べます。
よって です。有意水準を小さくすると、判断の基準が厳しくなります。
※実験による見積もりです。本当の確率は 5 問以上がおよそ 、6 問以上がおよそ で、結論は変わりません。
問17 ★★★
大きさ のデータの平均値が 、分散が である。このデータに値 を 1 個加えて、大きさ のデータをつくる。
(1) 大きさ のデータの分散を の式で表したもの
(2) 分散がもとの と変わらないような の値
(3) 分散が最小になる の値と、そのときの分散
上の (1)〜(3) をそれぞれ求めなさい。
(1) (2) (3) のとき
(1) もとのデータの総和は 、2 乗の総和は です。 を加えると、総和は 、2 乗の総和は になるので
(2) より 、 です。よって です。
(3) なので、 のとき最小で、分散は です。
答えは (1) (2) (3) です。
平均値ちょうどの値を加えると、散らばりの合計は変わらずに個数だけが増えるので、分散は小さくなります。平均値から標準偏差 より少し遠い の値を加えると、分散は元に戻ります。
問18 ★★★
9 人が 1 か月に読んだ本の冊数(整数)について、箱ひげ図から、最小値 、第1四分位数 、中央値 、第3四分位数 、最大値 と読み取れた。このデータの平均値のとりうる最大値と最小値を求めなさい。
最大値 ,最小値
冊数を小さい順に とします。9 個なので
よって , で、総和は
残りの , の範囲を調べます。
最大:, のとき 。例えば で実現でき、平均値は 。
最小:, のとき 。例えば で実現でき、平均値は 。
よって です。例を 1 つずつ示して、その値が実際にとれることまで書くのが記述のポイントです。
問19 ★★★
あるコインを 8 回投げ、表が 回以上出たら「このコインは表が出やすい」と判断することにします。コインに偏りがないとき、8 回の表裏の出方は 通りあり、どれも同じ程度に起こると考えます。表がちょうど 回になる出方の数は、次のとおりです。
| 表の回数 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 出方の数 | 1 | 8 | 28 | 56 | 70 | 56 | 28 | 8 | 1 |
(1) 有意水準 の仮説検定になるような、 の最小値
(2) (1) の で判断するとき、偏りのないコインを誤って「表が出やすい」と判断してしまう確率
(3) 有意水準 の仮説検定になるような、 の最小値
上の (1)〜(3) をそれぞれ求めなさい。
(1) (2) (3)
帰無仮説は「コインに偏りはない」、対立仮説は「表が出やすい」です。表が 回以上になる確率を とし、帰無仮説のもとで求めます。
(1) 「 回以上なら棄却」が有意水準 の検定になるのは、 のときです。 なので、最小の は です。
(2) 偏りのないコインでも、表が 7 回以上出れば「表が出やすい」と判断されます。その確率は です。
(3) なので、最小の は です。
答えは です。
(2) の確率は「帰無仮説が正しいのに棄却してしまう」確率で、有意水準 以下に収まっています。有意水準は、この誤りをどこまで許すかの上限だと読めます。
問20 ★★★
2 人の審査員 P、Q が、5 つの作品にそれぞれ 1 位から 5 位までの順位を重複なくつけた。作品 ()の P の順位を 、Q の順位を とし、 とおく。 と の相関係数を とする。
(1) が成り立つこと
(2) にはならないこと
(3) 作品に対する P の順位を 1 つ決めたとき、 となるような Q の順位のつけ方の数
上の (1)、(2) を示し、(3) を求めなさい。
(1)(2) 解説を参照 (3) 通り
(1) も も の並べかえなので
とすると です。一方
より です。したがって
(2) とすると です。ところで とおくと で偶数です。 と は偶奇が等しい( は連続する 2 整数の積で偶数)ので、 も偶数です。 は奇数なので矛盾し、 にはなりません。
(3) は と同じです。 は整数なので、 となるのは、2 つの が で残りが のときだけです。和が なので一方が 、他方が で、Q は P の順位のうち隣り合う 2 つの順位を入れかえたつけ方になります。入れかえる組は (1 位, 2 位),(2 位, 3 位),(3 位, 4 位),(4 位, 5 位) の です。
このように順位だけから求めた相関係数を、順位相関係数(スピアマンの順位相関係数)といいます。
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