目次 / 指数関数・対数関数 / 数学II

第6章 対数方程式・不等式

—— 真数条件を先に書き、単調性で真数を比べる ——

第5章の最後に、$\log_2 (x - 1) = 3$ や $\log_2 x < 3$ を、対数関数の単調性と真数条件で解くと予告しました。この章ではそれを実行します。基本は第3章の指数方程式と同じで、「底をそろえて、中身(真数)どうしを比べる」だけです。ただし対数には「真数は正」という条件があり、これを忘れると、計算は合っているのに**余分な解**が混じります。第3章の厳密定義で見た「同値変形」が、対数ではどこで崩れるのか。そこを軸に、方程式・不等式・置きかえ・両辺の対数をとる方法まで進みます。

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対数方程式——指数に戻すか、真数どうしを比べる

第5章の最後に予告した方程式から始めます。

log⁡2(x−1)\displaystyle \log_2 (x - 1)=3\displaystyle {}= 3

対数の定義(第4章 公式1)に戻れば、「22 を 33 乗すると xx−1{}- 1 になる」ということです。xx−1{}- 1=23{}= 2^3=8{}= 8 から xx=9{}= 9。これで終わりです。

右辺の 33 を log⁡28\log_2 8 と書き直して、log⁡2(x−1)\log_2 (x - 1)=log⁡28{}= \log_2 8 と見ることもできます。yy=log⁡2x{}= \log_2 x のグラフは右上がりの一本道(第5章 公式3)なので、同じ高さになる真数は 1 つしかありません。だから真数どうしが等しく、xx−1{}- 1=8{}= 8 です。第3章で「底をそろえて指数を比べた」のと同じ形で、今度は底をそろえて真数を比べるわけです。

気をつけたいのは、真数がいつでも正でなければならないことです(第4章の真数条件)。xx−1{}- 1=8{}= 8 のように右辺が正の数と決まっている形なら、真数条件は自動的に満たされます。一方、両辺に xx の式がある log⁡3(x2−3)\log_3 (x^2 - 3)=log⁡32x{}= \log_3 2x では、x2x^2−3{}- 3=2x{}= 2x を解くと xx=3,{}= 3, −1{}\ -1 が出てきますが、xx=−1{}= -1 では真数 2x2x が −2-2 になり、log⁡3(−2)\log_3 (-2) は意味を持ちません。

公式1:対数方程式の基本形

aa>0{}> 0,aa≠1{}\neq 1 とする。

log⁡af(x)\displaystyle \log_a f(x)=b\displaystyle {}= b  ⟺  f(x)\displaystyle {}\iff f(x)=ab\displaystyle {}= a^blog⁡af(x)\displaystyle \log_a f(x)=log⁡ag(x)\displaystyle {}= \log_a g(x)  ⟺  f(x)\displaystyle {}\iff f(x)=g(x) かつ f(x)\displaystyle {}= g(x) \text{ かつ } f(x)>0\displaystyle {}> 0

2 つ目では、f(x)f(x)=g(x){}= g(x) から出た解のうち、真数が正になるものだけを答えにする。

2 つ目の条件が「f(x)f(x)>0{}> 0」の 1 つだけでよいのは、f(x)f(x)=g(x){}= g(x) なので g(x)g(x) も同じ値、つまり自動的に正になるからです。

野球チームの背番号を思い浮かべてください。同じチームの中なら、背番号 18 の選手はただ 1 人です。「背番号が同じなら同じ選手」と言えます。底をそろえるのは同じチームに入れること、log⁡\log の値が背番号、真数が選手です。ただし、背番号をもらえるのはチームに登録された選手だけです。x2x^2−3{}- 3=2x{}= 2x の解 xx=−1{}= -1 は、計算の上では背番号の欄が埋まっても、そもそも登録されていない(真数が正でない)選手でした。

対数方程式は、対数の定義で指数の形に戻すか、底をそろえて真数どうしを等しいとおけば解け、両辺に xx の式があるときは、出てきた解の真数が正かどうかを確かめて選べばよいということです。

例題1:基本形の対数方程式

(1) log⁡3(2x+1)\log_3 (2x + 1)=2{}= 2

(2) log⁡12(x−3)\log_{\frac{1}{2}} (x - 3)=−2{}= -2

(3) log⁡3(x2−3)\log_3 (x^2 - 3)=log⁡32x{}= \log_3 2x

上の各方程式の解を求めなさい。


【解答】

(1) 対数の定義から 2x2x+1{}+ 1=32{}= 3^2=9{}= 9 なので x=4‾\underline{x = 4}

(2) xx−3{}- 3=(12)−2{}= \left(\dfrac{1}{2}\right)^{-2}=4{}= 4 なので x=7‾\underline{x = 7}

(3) 真数どうしを等しいとおくと x2x^2−3{}- 3=2x{}= 2x,x2x^2−2x{}- 2x−3{}- 3=0{}= 0,(x−3)(x+1)(x - 3)(x + 1)=0{}= 0 より xx=3,{}= 3, −1{}\ -1。

xx=3{}= 3 のとき、真数は x2x^2−3{}- 3=6{}= 6,2x2x=6{}= 6 でどちらも正。xx=−1{}= -1 のとき、真数 2x2x=−2{}= -2 は負なので不適です。

x=3‾\underline{x = 3}

(1),(2) は右辺が数なので、真数は 99 や 44 と決まり、確かめる必要はありません。

真数条件を先に書く——まとめると余分な解が混じる

次の方程式はどうでしょう。

log⁡2x\displaystyle \log_2 x+log⁡2(x−2)\displaystyle {}+ \log_2 (x - 2)=3\displaystyle {}= 3

積の対数(第4章 公式3)で左辺を 1 つにまとめると log⁡2x(x−2)\log_2 x(x - 2)=3{}= 3。対数の定義から x(x−2)x(x - 2)=8{}= 8,x2x^2−2x{}- 2x−8{}- 8=0{}= 0,(x−4)(x+2)(x - 4)(x + 2)=0{}= 0 で、xx=4,{}= 4, −2{}\ -2 が出てきます。

ところが xx=−2{}= -2 をもとの式に入れると、log⁡2(−2)\log_2 (-2) と log⁡2(−4)\log_2 (-4) が現れて、式そのものが意味を持ちません。計算はどこも間違っていないのに、余分な解が混じったのです。

原因は「まとめる」変形にあります。もとの式が意味を持つのは xx>0{}> 0 かつ xx−2{}- 2>0{}> 0、つまり xx>2{}> 2 のときだけです。ところが、まとめた log⁡2x(x−2)\log_2 x(x - 2) は、積 x(x−2)x(x - 2) さえ正なら意味を持ちます。xx=−2{}= -2 では xx も xx−2{}- 2 も負ですが、負と負を掛けた (−2)×(−4)(-2) \times (-4)=8{}= 8 は正です。まとめたことで、式が意味を持つ範囲が xx<0{}< 0 の側にまで広がってしまったのです。

x y O −4 −2 2 4 6 −2 3 4 (4, 3) (−2, 3) 余分な解 y = log₂x + log₂(x − 2) y = log₂x(x − 2) y = 3 x = 2 まとめた式(灰色)は x < 0 にも枝があり、そこで y = 3 と交わる

第3章の厳密定義で、解を失うことも余分な解が混じることもない書きかえを「同値変形」と呼びました。底をそろえる指数の変形は、どれも同値変形でした。対数では、積・商・rr 倍の公式が「真数が正のときに限って」成り立つので、左から右へまとめる変形は同値変形になりません。そこで、まとめる前に真数条件を書き出しておき、最後にその条件で解を選ぶのが確実な手順になります。

公式2:真数条件を先に書く

log⁡af(x)\log_a f(x)+log⁡ag(x){}+ \log_a g(x) や log⁡af(x)\log_a f(x)−log⁡ag(x){}- \log_a g(x),rlog⁡af(x)r\log_a f(x) を含む方程式・不等式は、次の順に解く。

  1. もとの式のすべての真数について、真数条件(f(x)f(x)>0{}> 0,g(x)g(x)>0{}> 0 など)を書き出す
  2. 積・商・累乗の対数で 1 つの対数にまとめ、真数どうしの式に直して解く
  3. 1 の条件を満たすものだけを答えにする

2log⁡2(x−3)2\log_2 (x - 3) も要注意です。log⁡2(x−3)2\log_2 (x - 3)^2 にまとめると、xx−3{}- 3 が負でも (x−3)2(x - 3)^2 は正なので、ここでも範囲が広がります。

町の出入り口に関所が 2 つあって、1 つ目で「xx の通行証」、2 つ目で「xx−2{}- 2 の通行証」が本物か(正か)を確かめている、と考えてみてください。手間を省いて 2 つを 1 つにまとめ、「2 枚を重ねて見た結果(積)が正ならよし」としたらどうなるでしょう。2 枚ともニセモノ(負)でも、重ねた結果は正になってしまい、素通りです。まとめる前に 1 枚ずつ確かめておくのが、真数条件を先に書くということです。

積・商・rr 倍の対数を 1 つにまとめる変形では、式が意味を持つ範囲が広がって余分な解が混じることがあるので、まとめる前にもとの式の真数条件を書き出し、最後にその条件で解を選べばよいということです。

例題2:真数条件で解を選ぶ

(1) log⁡3(x−2)\log_3 (x - 2)+log⁡3(x+4){}+ \log_3 (x + 4)=3{}= 3

(2) 2log⁡2(x−3)2\log_2 (x - 3)=log⁡2(x−1){}= \log_2 (x - 1)

上の各方程式の解を求めなさい。


【解答】

(1) 真数条件は xx−2{}- 2>0{}> 0 かつ xx+4{}+ 4>0{}> 0 より xx>2{}> 2。左辺をまとめると log⁡3(x−2)(x+4)\log_3 (x - 2)(x + 4)=3{}= 3 なので

(x−2)(x+4)\displaystyle (x - 2)(x + 4)=27,\displaystyle {}= 27,x2\displaystyle x^2+2x\displaystyle {}+ 2x−35\displaystyle {}- 35=0,\displaystyle {}= 0,(x+7)(x−5)\displaystyle (x + 7)(x - 5)=0\displaystyle {}= 0

xx=−7,{}= -7, 5\ 5 のうち、xx>2{}> 2 を満たすのは x=5‾\underline{x = 5}

(2) 真数条件は xx−3{}- 3>0{}> 0 かつ xx−1{}- 1>0{}> 0 より xx>3{}> 3。左辺を log⁡2(x−3)2\log_2 (x - 3)^2 とまとめると

(x−3)2\displaystyle (x - 3)^2=x\displaystyle {}= x−1,\displaystyle {}- 1,x2\displaystyle x^2−7x\displaystyle {}- 7x+10\displaystyle {}+ 10=0,\displaystyle {}= 0,(x−2)(x−5)\displaystyle (x - 2)(x - 5)=0\displaystyle {}= 0

xx=2,{}= 2, 5\ 5 のうち、xx>3{}> 3 を満たすのは x=5‾\underline{x = 5}

(2) の xx=2{}= 2 は、(x−3)2(x - 3)^2=(−1)2{}= (-1)^2=1{}= 1=x{}= x−1{}- 1 で、まとめた式は満たしています。xx−3{}- 3=−1{}= -1 が負なのに、2 乗して正になったために入りこんだ解です。

底をそろえる・置きかえる

底がそろっていないときは、底の変換公式(第4章 公式4)で小さいほうの底にそろえます。log⁡4M\log_4 M=log⁡2Mlog⁡24{}= \dfrac{\log_2 M}{\log_2 4}=12log⁡2M{}= \dfrac{1}{2}\log_2 M のように、底が累乗の関係なら係数が出てくるだけです。

log⁡3x\log_3 x が 2 乗の形で何度も出てくる式は、tt=log⁡3x{}= \log_3 x とおいて tt の 2 次方程式にします。第3章の置きかえ tt=2x{}= 2^x では tt>0{}> 0 の解だけを残しましたが、第5章で見たとおり log⁡3x\log_3 x の値域は実数全体なので、tt は負でもかまいません。tt の解はどれも、xx=3t{}= 3^t という正の数に戻ります。

公式3:底をそろえる・置きかえる
  1. 底がそろわないときは、底の変換公式で 1 つの底にそろえる(例:log⁡4M\log_4 M=12log⁡2M{}= \dfrac{1}{2}\log_2 M,log⁡Ma\log_M a=1log⁡aM{}= \dfrac{1}{\log_a M})
  2. log⁡ax\log_a x の 2 次式になるときは、tt=log⁡ax{}= \log_a x とおく。tt はすべての実数をとるので、tt の解はすべて使え、xx=at{}= a^t で xx に戻す

log⁡3x\log_3 x という長い名前を何度も書くのは面倒で、式の形も見えにくくなります。クラスに同じ呼び方の長い名前の子がいたら、あだ名を付けて呼ぶでしょう。tt はそのあだ名です。あだ名で呼んでいるあいだに話(計算)を進め、最後に本名(xx)に戻して答えます。

底がそろわない対数は底の変換公式でそろえ、同じ対数が 2 次式の形で出てくるなら tt=log⁡ax{}= \log_a x とおいて 2 次方程式にし、tt の解をすべて xx=at{}= a^t で戻せばよいということです。

例題3:底をそろえる・置きかえる

(1) log⁡2(x−2)\log_2 (x - 2)=log⁡4(x+10){}= \log_4 (x + 10)

(2) (log⁡3x)2(\log_3 x)^2−log⁡3x2{}- \log_3 x^2−3{}- 3=0{}= 0

上の各方程式の解を求めなさい。


【解答】

(1) 真数条件は xx−2{}- 2>0{}> 0 かつ xx+10{}+ 10>0{}> 0 より xx>2{}> 2。右辺の底を 22 にそろえると log⁡4(x+10)\log_4 (x + 10)=12log⁡2(x+10){}= \dfrac{1}{2}\log_2 (x + 10)。両辺を 22 倍して

2log⁡2(x−2)\displaystyle 2\log_2 (x - 2)=log⁡2(x+10),\displaystyle {}= \log_2 (x + 10),(x−2)2\displaystyle (x - 2)^2=x\displaystyle {}= x+10,\displaystyle {}+ 10,x2\displaystyle x^2−5x\displaystyle {}- 5x−6\displaystyle {}- 6=0\displaystyle {}= 0

(x−6)(x+1)(x - 6)(x + 1)=0{}= 0 より xx=6,{}= 6, −1{}\ -1。xx>2{}> 2 を満たすのは x=6‾\underline{x = 6}

(2) 真数条件から xx>0{}> 0 なので、log⁡3x2\log_3 x^2=2log⁡3x{}= 2\log_3 x です。tt=log⁡3x{}= \log_3 x とおくと

t2\displaystyle t^2−2t\displaystyle {}- 2t−3\displaystyle {}- 3=0,\displaystyle {}= 0,(t−3)(t+1)\displaystyle (t - 3)(t + 1)=0,\displaystyle {}= 0,t\displaystyle t=3,\displaystyle {}= 3, −1\displaystyle {}\ -1

log⁡3x\log_3 x=3{}= 3 から xx=27{}= 27、log⁡3x\log_3 x=−1{}= -1 から xx=13{}= \dfrac{1}{3}。

x=27,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}x = 27,} 13‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ \frac{1}{3}}

tt=−1{}= -1 のように負の tt も捨てずに使います。

対数不等式——真数条件と単調性の共通部分

今度は不等式 log⁡2x\log_2 x<3{}< 3 です。右辺を log⁡28\log_2 8 と書けば、底 22>1{}> 1 のグラフは右上がりなので、真数どうしも同じ向きで xx<8{}< 8。

ここで xx<8{}< 8 と答えると間違いです。xx=−1{}= -1 も xx<8{}< 8 を満たしますが、log⁡2(−1)\log_2 (-1) はありません。グラフで見ると、yy=log⁡2x{}= \log_2 x が直線 yy=3{}= 3 より下にあるのは、00<x{}< x<8{}< 8 の部分です。左端の 00 は真数条件から、右端の 88 は単調性から決まります。

x y O 1 2 4 8 −2 −1 1 2 3 (8, 3) y = log₂x y = 3 0 < x < 8 左端 0 は真数条件、右端 8 は単調性から決まる

方程式では「解を出してから真数条件で選ぶ」ことができましたが、不等式の答えは範囲なので、真数条件の範囲と、真数を比べて出した範囲の共通部分をとります。底が 1 より小さいときは、第3章・第5章と同じく不等号の向きが逆になります。

公式4:対数不等式
a\displaystyle a>1 のとき\displaystyle {}> 1 \text{ のとき}log⁡af(x)\displaystyle \log_a f(x)<log⁡ag(x)\displaystyle {}< \log_a g(x)  ⟺  0\displaystyle {}\iff 0<f(x)\displaystyle {}< f(x)<g(x)\displaystyle {}< g(x)0\displaystyle 0<a\displaystyle {}< a<1 のとき\displaystyle {}< 1 \text{ のとき}log⁡af(x)\displaystyle \log_a f(x)<log⁡ag(x)\displaystyle {}< \log_a g(x)  ⟺  f(x)\displaystyle {}\iff f(x)>g(x)\displaystyle {}> g(x)>0\displaystyle {}> 0

手順は、①真数条件を書き出す,②底をそろえて真数どうしの不等式に直す(底が 1 より小さければ向きを逆に),③①と②の共通部分を答えにする。

aa>1{}> 1 の式で条件が「00<f(x){}< f(x)」の 1 つだけで済むのは、f(x)f(x)<g(x){}< g(x) なら g(x)g(x) は f(x)f(x) より大きく、自動的に正になるからです。ただ、慣れないうちは、すべての真数について条件を書き出してから共通部分をとるほうが安全です。

アルバイトの募集に「18 歳以上」と書いてあり、別の欄に「30 歳未満」とあったら、応募できるのは両方を満たす 18 歳以上 30 歳未満の人です。どちらか片方だけを見て「30 歳未満ならだれでも」と読むと、10 歳の子まで入ってしまいます。log⁡2x\log_2 x<3{}< 3 で xx<8{}< 8 とだけ答えるのは、この読み違いと同じです。

対数不等式は、真数条件の範囲と、底をそろえて真数を比べた範囲(底が 1 より小さければ不等号の向きを逆に)の共通部分を答えればよいということです。

例題4:対数不等式

(1) log⁡3(x−1)\log_3 (x - 1)≦2{}\leqq 2

(2) log⁡12(x+1)\log_{\frac{1}{2}} (x + 1)>−3{}> -3

(3) log⁡2(x−1)\log_2 (x - 1)+log⁡2(x−3){}+ \log_2 (x - 3)<3{}< 3

上の各不等式を満たす xx の値の範囲を求めなさい。


【解答】

(1) 真数条件は xx>1{}> 1。22=log⁡39{}= \log_3 9 で、底 33>1{}> 1 なので xx−1{}- 1≦9{}\leqq 9,xx≦10{}\leqq 10。共通部分は

1<x≦10‾\underline{1 < x \leqq 10}

(2) 真数条件は xx>−1{}> -1。−3-3=log⁡128{}= \log_{\frac{1}{2}} 8 で、底 12\dfrac{1}{2}<1{}< 1 なので向きが逆になり、xx+1{}+ 1<8{}< 8,xx<7{}< 7。共通部分は

−1<x<7‾\underline{-1 < x < 7}

(3) 真数条件は xx−1{}- 1>0{}> 0 かつ xx−3{}- 3>0{}> 0 より xx>3{}> 3。左辺をまとめて log⁡2(x−1)(x−3)\log_2 (x - 1)(x - 3)<log⁡28{}< \log_2 8。底 22>1{}> 1 なので

(x−1)(x−3)\displaystyle (x - 1)(x - 3)<8,\displaystyle {}< 8,x2\displaystyle x^2−4x\displaystyle {}- 4x−5\displaystyle {}- 5<0,\displaystyle {}< 0,(x+1)(x−5)\displaystyle (x + 1)(x - 5)<0,\displaystyle {}< 0,−1\displaystyle {}\qquad -1<x\displaystyle {}< x<5\displaystyle {}< 5

xx>3{}> 3 との共通部分をとって 3<x<5‾\underline{3 < x < 5}

(3) で −1-1<x{}< x<5{}< 5 のまま答えると、xx=0{}= 0 のような、もとの式が意味を持たない値まで入ってしまいます。

置きかえの不等式と、両辺の対数をとる方程式

tt=log⁡ax{}= \log_a x の置きかえは、不等式でも使えます。tt の 2 次不等式を解いて tt の範囲を出し、それを xx の範囲に戻すという 2 段です。tt から xx に戻すところで、ふたたび底と 1 の大小を確かめます。

xlog⁡2xx^{\log_2 x}=8x2{}= 8x^2 のように、指数の位置に対数が乗っている式もあります。このままでは手が出ませんが、両辺の底 22 の対数をとると(第4章 公式5)、log⁡2xlog⁡2x\log_2 x^{\log_2 x}=log⁡2x⋅log⁡2x{}= \log_2 x \cdot \log_2 x=(log⁡2x)2{}= (\log_2 x)^2 となり、log⁡2x\log_2 x の 2 次式に変わります。両辺が正であることを確かめてから対数をとるのは、第4章と同じです。

公式5:置きかえの不等式・両辺の対数をとる
  1. log⁡ax\log_a x の 2 次不等式は、tt=log⁡ax{}= \log_a x とおいて tt の範囲を求め、xx の範囲に戻す(底が 1 より小さければ、戻すときに向きが逆になる)
  2. xlog⁡axx^{\log_a x} のような式は、両辺が正であることを確かめて、両辺の底 aa の対数をとる。log⁡axlog⁡ax\log_a x^{\log_a x}=(log⁡ax)2{}= (\log_a x)^2 となり、tt=log⁡ax{}= \log_a x の 2 次式になる

知らない町で友だちの家を探すとき、いきなり番地から探すより、まず「何区か」で範囲を絞り、そのあと区の中で番地をたどるほうが早いでしょう。置きかえの不等式も同じで、まず tt の範囲(区)を決め、それから xx の範囲(番地)に落とします。区の段階で絞り間違えると、そのあといくら丁寧に探しても見つかりません。

log⁡ax\log_a x の 2 次不等式は tt の範囲を先に出してから xx に戻し、指数に対数が乗った式は両辺の対数をとって log⁡ax\log_a x の 2 次式に直せばよいということです。

例題5:置きかえの不等式・両辺の対数

(1) 不等式 (log⁡2x)2(\log_2 x)^2−log⁡2x3{}- \log_2 x^3+2{}+ 2<0{}< 0 を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

(2) 方程式 xlog⁡2xx^{\log_2 x}=8x2{}= 8x^2 の解を求めなさい。


【解答】

(1) 真数条件から xx>0{}> 0 なので、log⁡2x3\log_2 x^3=3log⁡2x{}= 3\log_2 x です。tt=log⁡2x{}= \log_2 x とおくと

t2\displaystyle t^2−3t\displaystyle {}- 3t+2\displaystyle {}+ 2<0,\displaystyle {}< 0,(t−1)(t−2)\displaystyle (t - 1)(t - 2)<0,\displaystyle {}< 0,1\displaystyle 1<t\displaystyle {}< t<2\displaystyle {}< 2

log⁡22\log_2 2<log⁡2x{}< \log_2 x<log⁡24{}< \log_2 4 で、底 22>1{}> 1 なので 2<x<4‾\underline{2 < x < 4}(xx>0{}> 0 を満たしています)

(2) xlog⁡2xx^{\log_2 x} の底 xx は正でなければならないので xx>0{}> 0。このとき両辺はどちらも正なので、底 22 の対数をとれます。

(log⁡2x)2\displaystyle (\log_2 x)^2=log⁡28\displaystyle {}= \log_2 8+log⁡2x2\displaystyle {}+ \log_2 x^2=3\displaystyle {}= 3+2log⁡2x\displaystyle {}+ 2\log_2 x

tt=log⁡2x{}= \log_2 x とおくと t2t^2−2t{}- 2t−3{}- 3=0{}= 0,(t−3)(t+1)(t - 3)(t + 1)=0{}= 0 より tt=3,{}= 3, −1{}\ -1。

x=8,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}x = 8,} 12‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ \frac{1}{2}}

確かめると、xx=8{}= 8 では左辺 838^3=512{}= 512,右辺 8⋅648 \cdot 64=512{}= 512。xx=12{}= \dfrac{1}{2} では左辺 (12)−1\left(\dfrac{1}{2}\right)^{-1}=2{}= 2,右辺 8⋅148 \cdot \dfrac{1}{4}=2{}= 2 です。

xx と yy の連立方程式も、log⁡2x\log_2 x+log⁡2y{}+ \log_2 y=3{}= 3 なら xyxy=8{}= 8(xx>0{}> 0,yy>0{}> 0)のように、真数条件を書いたうえで真数の式に直せば、ふつうの連立方程式になります。

この章のまとめ——真数条件は「最初に書いて、最後に使う」

形直し方と気をつけること
log⁡af(x)=b\log_a f(x) = bf(x)=abf(x) = a^b。右辺が数なら真数条件は自動で満たされる
log⁡af(x)=log⁡ag(x)\log_a f(x) = \log_a g(x)f(x)=g(x)f(x) = g(x)。真数が正になる解だけ残す
和・差・rr 倍を含む式1 つの対数にまとめる。まとめる前に真数条件を書く
底がそろわない式底の変換公式でそろえる。log⁡4M=12log⁡2M\log_4 M = \dfrac{1}{2}\log_2 M
log⁡ax\log_a x の 2 次式t=log⁡axt = \log_a x。tt に正負の制限はない
不等式真数どうしの不等式に直す。底が 1 より小さければ向きが逆。真数条件との共通部分

第3章の指数方程式では、底をそろえる変形がいつも同値変形だったので、条件を気にせず解けました。対数で条件が必要になるのは、真数が正の数しか受け付けないからです。次の第7章では、底が 1010 の対数(常用対数)を使って、2502^{50} が何桁の数かといった、大きな数の大きさを見積もります。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

方程式 log⁡3x\log_3 x=2{}= 2 の解を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

x=9‾\underline{x = 9}(xx=32{}= 3^2)

自己採点:
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問2

方程式 log⁡2(x+1)\log_2 (x + 1)=3{}= 3 の解を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

x=7‾\underline{x = 7}(xx+1{}+ 1=23{}= 2^3=8{}= 8)

自己採点:
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問3

不等式 log⁡2x\log_2 x<2{}< 2 を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

0<x<4‾\underline{0 < x < 4}(真数条件 xx>0{}> 0 と xx<22{}< 2^2 の共通部分)

自己採点:
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問4

不等式 log⁡13x\log_{\frac{1}{3}} x>1{}> 1 を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

0<x<13‾\underline{0 < x < \dfrac{1}{3}}(底 13\dfrac{1}{3}<1{}< 1 で向きが逆、真数条件 xx>0{}> 0)

自己採点:
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問5

方程式 log⁡2x\log_2 x=log⁡2(3x−4){}= \log_2 (3x - 4) の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

x=2‾\underline{x = 2}(xx=3x{}= 3x−4{}- 4。真数は 22>0{}> 0 で適する)

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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

(1) log⁡5(3x+1)\log_5 (3x + 1)=2{}= 2

(2) log⁡12(x+3)\log_{\frac{1}{2}} (x + 3)=−2{}= -2

(3) log⁡2(x2−1)\log_2 (x^2 - 1)=3{}= 3

(4) log⁡x16\log_x 16=2{}= 2

上の各方程式の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) xx=8{}= 8 (2) xx=1{}= 1 (3) xx=3,{}= 3, −3{}\ -3 (4) xx=4{}= 4

解説

対数の定義で指数の形に戻します。

(1) 3x3x+1{}+ 1=52{}= 5^2=25{}= 25 なので x=8‾\underline{x = 8}

(2) xx+3{}+ 3=(12)−2{}= \left(\dfrac{1}{2}\right)^{-2}=4{}= 4 なので x=1‾\underline{x = 1}

(3) x2x^2−1{}- 1=23{}= 2^3=8{}= 8 より x2x^2=9{}= 9 なので x=3,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 3,} −3‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}\ -3}。どちらも真数が 88>0{}> 0 になるので、両方とも解です。

(4) 底の条件は xx>0{}> 0,xx≠1{}\neq 1。x2x^2=16{}= 16 より xx=±4{}= \pm 4 で、xx>0{}> 0 を満たすのは x=4‾\underline{x = 4}

(3) のように xx が負でも、真数 x2x^2−1{}- 1 が正なら解になります。「xx が正」ではなく「真数が正」を確かめます。

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問2 ★

(1) log⁡3(x+5)\log_3 (x + 5)=log⁡3(3x−1){}= \log_3 (3x - 1)

(2) log⁡2x2\log_2 x^2=log⁡2(x+6){}= \log_2 (x + 6)

上の各方程式の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) xx=3{}= 3 (2) xx=3,{}= 3, −2{}\ -2

解説

底がそろっているので、真数どうしを等しいとおき、真数が正かを確かめます。

(1) xx+5{}+ 5=3x{}= 3x−1{}- 1 より xx=3{}= 3。真数は xx+5{}+ 5=8{}= 8>0{}> 0 で適するので x=3‾\underline{x = 3}

(2) x2x^2=x{}= x+6{}+ 6,x2x^2−x{}- x−6{}- 6=0{}= 0,(x−3)(x+2)(x - 3)(x + 2)=0{}= 0 より xx=3,{}= 3, −2{}\ -2。

xx=3{}= 3 のとき真数は 99 と 99、xx=−2{}= -2 のとき真数は 44 と 44 で、どちらも正です。

x=3,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 3,} −2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}\ -2}

(2) では真数条件で消える解がありません。真数条件は「必ず何かが消える」ものではなく、「確かめる」ものです。

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問3 ★

(1) log⁡2(x+1)\log_2 (x + 1)+log⁡2(x−1){}+ \log_2 (x - 1)=3{}= 3

(2) log⁡3x\log_3 x+log⁡3(x−8){}+ \log_3 (x - 8)=2{}= 2

上の各方程式の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) xx=3{}= 3 (2) xx=9{}= 9

解説

まとめる前に真数条件を書きます。

(1) 真数条件は xx+1{}+ 1>0{}> 0 かつ xx−1{}- 1>0{}> 0 より xx>1{}> 1。まとめると log⁡2(x+1)(x−1)\log_2 (x + 1)(x - 1)=3{}= 3 なので

x2\displaystyle x^2−1\displaystyle {}- 1=8,\displaystyle {}= 8,x2\displaystyle x^2=9,\displaystyle {}= 9,x\displaystyle x=±3\displaystyle {}= \pm 3

xx>1{}> 1 を満たすのは x=3‾\underline{x = 3}

(2) 真数条件は xx>0{}> 0 かつ xx−8{}- 8>0{}> 0 より xx>8{}> 8。まとめると log⁡3x(x−8)\log_3 x(x - 8)=2{}= 2 なので

x(x−8)\displaystyle x(x - 8)=9,\displaystyle {}= 9,x2\displaystyle x^2−8x\displaystyle {}- 8x−9\displaystyle {}- 9=0,\displaystyle {}= 0,(x−9)(x+1)\displaystyle (x - 9)(x + 1)=0\displaystyle {}= 0

xx=9,{}= 9, −1{}\ -1 のうち、xx>8{}> 8 を満たすのは x=9‾\underline{x = 9}

xx=−1{}= -1 は、xx と xx−8{}- 8 がどちらも負で、積 (−1)×(−9)(-1) \times (-9)=9{}= 9 が正になったために出てきた余分な解です。

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問4 ★

(1) log⁡3(x+6)\log_3 (x + 6)−log⁡3(x−2){}- \log_3 (x - 2)=1{}= 1

(2) 2log⁡2(x−1)2\log_2 (x - 1)=log⁡2(x+5){}= \log_2 (x + 5)

上の各方程式の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) xx=6{}= 6 (2) xx=4{}= 4

解説

(1) 真数条件は xx+6{}+ 6>0{}> 0 かつ xx−2{}- 2>0{}> 0 より xx>2{}> 2。商の対数でまとめると log⁡3x+6x−2\log_3 \dfrac{x + 6}{x - 2}=1{}= 1 なので

x+6x−2\displaystyle \frac{x + 6}{x - 2}=3,\displaystyle {}= 3,x\displaystyle x+6\displaystyle {}+ 6=3(x−2),\displaystyle {}= 3(x - 2),x\displaystyle x=6\displaystyle {}= 6

xx>2{}> 2 を満たすので x=6‾\underline{x = 6}

(2) 真数条件は xx−1{}- 1>0{}> 0 かつ xx+5{}+ 5>0{}> 0 より xx>1{}> 1。左辺を log⁡2(x−1)2\log_2 (x - 1)^2 とまとめると

(x−1)2\displaystyle (x - 1)^2=x\displaystyle {}= x+5,\displaystyle {}+ 5,x2\displaystyle x^2−3x\displaystyle {}- 3x−4\displaystyle {}- 4=0,\displaystyle {}= 0,(x−4)(x+1)\displaystyle (x - 4)(x + 1)=0\displaystyle {}= 0

xx=4,{}= 4, −1{}\ -1 のうち、xx>1{}> 1 を満たすのは x=4‾\underline{x = 4}

xx=−1{}= -1 では xx−1{}- 1=−2{}= -2 が負ですが、2 乗すると 44=x{}= x+5{}+ 5 となり、まとめた式を満たしてしまいます。

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問5 ★

(1) log⁡2(x−1)\log_2 (x - 1)<3{}< 3

(2) log⁡13(x+2)\log_{\frac{1}{3}} (x + 2)≧−2{}\geqq -2

(3) log⁡3(2x−1)\log_3 (2x - 1)>log⁡3(x+2){}> \log_3 (x + 2)

上の各不等式を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 11<x{}< x<9{}< 9 (2) −2-2<x{}< x≦7{}\leqq 7 (3) xx>3{}> 3

解説

真数条件と、真数を比べた範囲の共通部分をとります。

(1) 真数条件は xx>1{}> 1。33=log⁡28{}= \log_2 8 で、底 22>1{}> 1 なので xx−1{}- 1<8{}< 8,xx<9{}< 9。

1<x<9‾\underline{1 < x < 9}

(2) 真数条件は xx>−2{}> -2。−2-2=log⁡139{}= \log_{\frac{1}{3}} 9 で、底 13\dfrac{1}{3}<1{}< 1 なので向きが逆になり、xx+2{}+ 2≦9{}\leqq 9,xx≦7{}\leqq 7。

−2<x≦7‾\underline{-2 < x \leqq 7}

(3) 真数条件は 2x2x−1{}- 1>0{}> 0 かつ xx+2{}+ 2>0{}> 0 より xx>12{}> \dfrac{1}{2}。底 33>1{}> 1 なので 2x2x−1{}- 1>x{}> x+2{}+ 2,xx>3{}> 3。共通部分は

x>3‾\underline{x > 3}
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問6 ★

不等式 log⁡12(x−1)\log_{\frac{1}{2}} (x - 1)>log⁡12(5−x){}> \log_{\frac{1}{2}} (5 - x) を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

11<x{}< x<3{}< 3

解説

真数条件は xx−1{}- 1>0{}> 0 かつ 55−x{}- x>0{}> 0 より 11<x{}< x<5{}< 5。

底 12\dfrac{1}{2}<1{}< 1 なので、不等号の向きが逆になって

x\displaystyle x−1\displaystyle {}- 1<5\displaystyle {}< 5−x,\displaystyle {}- x,x\displaystyle x<3\displaystyle {}< 3

11<x{}< x<5{}< 5 との共通部分をとって

1<x<3‾\underline{1 < x < 3}
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問7 ★

方程式 (log⁡2x)2(\log_2 x)^2+log⁡2x{}+ \log_2 x−6{}- 6=0{}= 0 の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=4,{}= 4, 18\ \dfrac{1}{8}

解説

tt=log⁡2x{}= \log_2 x とおくと

t2\displaystyle t^2+t\displaystyle {}+ t−6\displaystyle {}- 6=0,\displaystyle {}= 0,(t+3)(t−2)\displaystyle (t + 3)(t - 2)=0,\displaystyle {}= 0,t\displaystyle t=2,\displaystyle {}= 2, −3\displaystyle {}\ -3

log⁡2x\log_2 x=2{}= 2 から xx=4{}= 4、log⁡2x\log_2 x=−3{}= -3 から xx=2−3{}= 2^{-3}=18{}= \dfrac{1}{8}。

x=4,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}x = 4,} 18‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ \frac{1}{8}}

tt=log⁡2x{}= \log_2 x は負にもなれるので、tt=−3{}= -3 も捨てません。

自己採点:
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問8 ★

(1) log⁡2x\log_2 x+log⁡4x{}+ \log_4 x=3{}= 3

(2) log⁡3x\log_3 x=log⁡9(x+2){}= \log_9 (x + 2)

上の各方程式の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) xx=4{}= 4 (2) xx=2{}= 2

解説

底の変換公式で、底を小さいほうにそろえます。

(1) 真数条件は xx>0{}> 0。log⁡4x\log_4 x=log⁡2xlog⁡24{}= \dfrac{\log_2 x}{\log_2 4}=12log⁡2x{}= \dfrac{1}{2}\log_2 x なので

log⁡2x\displaystyle \log_2 x+12log⁡2x\displaystyle {}+ \frac{1}{2}\log_2 x=3,\displaystyle {}= 3,32log⁡2x\displaystyle \frac{3}{2}\log_2 x=3,\displaystyle {}= 3,log⁡2x\displaystyle \log_2 x=2\displaystyle {}= 2

x=4‾\underline{x = 4}

(2) 真数条件は xx>0{}> 0 かつ xx+2{}+ 2>0{}> 0 より xx>0{}> 0。log⁡9(x+2)\log_9 (x + 2)=12log⁡3(x+2){}= \dfrac{1}{2}\log_3 (x + 2) なので、両辺を 22 倍して

2log⁡3x\displaystyle 2\log_3 x=log⁡3(x+2),\displaystyle {}= \log_3 (x + 2),x2\displaystyle x^2=x\displaystyle {}= x+2,\displaystyle {}+ 2,(x−2)(x+1)\displaystyle (x - 2)(x + 1)=0\displaystyle {}= 0

xx=2,{}= 2, −1{}\ -1 のうち、xx>0{}> 0 を満たすのは x=2‾\underline{x = 2}

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問9 ★★

方程式 log⁡2x2\log_2 x^2=2{}= 2 を、ある生徒は「log⁡2x2\log_2 x^2=2log⁡2x{}= 2\log_2 x だから log⁡2x\log_2 x=1{}= 1、よって xx=2{}= 2」と解きました。この方程式の正しい解を求めなさい。また、生徒の解き方で解が失われた理由を示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=2,{}= 2, −2{}\ -2。log⁡2x2\log_2 x^2=2log⁡2x{}= 2\log_2 x は xx>0{}> 0 のときしか成り立たず、この変形で xx<0{}< 0 の解 xx=−2{}= -2 が失われた(解説参照)。

解説

正しい解:真数条件は x2x^2>0{}> 0、すなわち xx≠0{}\neq 0 です。対数の定義から x2x^2=22{}= 2^2=4{}= 4 なので xx=±2{}= \pm 2。どちらも xx≠0{}\neq 0 を満たすので

x=2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 2,} −2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}\ -2}

解が失われた理由:もとの式 log⁡2x2\log_2 x^2 は xx≠0{}\neq 0 のすべての xx で意味を持ちますが、変形後の 2log⁡2x2\log_2 x は xx>0{}> 0 のときしか意味を持ちません。log⁡aMr\log_a M^r=rlog⁡aM{}= r\log_a M は MM>0{}> 0 のときの公式だからです。この変形で、式が意味を持つ範囲が xx<0{}< 0 の分だけ狭くなり、そこにあった解 xx=−2{}= -2 が失われました。

本文の例題2では、まとめる変形で範囲が広がって余分な解が混じりました。この問題は逆向きで、範囲が狭まって解が消えています。どちらも、同値変形ではない変形です。xx の正負をまとめて扱うなら、log⁡2x2\log_2 x^2=2log⁡2∣x∣{}= 2\log_2 |x| と書けば同値に変形できます。

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問10 ★★

方程式 log⁡2(x+1)\log_2 (x + 1)−log⁡4(x+4){}- \log_4 (x + 4)=1{}= 1 の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=5{}= 5

解説

真数条件は xx+1{}+ 1>0{}> 0 かつ xx+4{}+ 4>0{}> 0 より xx>−1{}> -1。

log⁡4(x+4)\log_4 (x + 4)=12log⁡2(x+4){}= \dfrac{1}{2}\log_2 (x + 4) なので、両辺を 22 倍して

2log⁡2(x+1)\displaystyle 2\log_2 (x + 1)−log⁡2(x+4)\displaystyle {}- \log_2 (x + 4)=2,\displaystyle {}= 2,log⁡2(x+1)2x+4\displaystyle \log_2 \frac{(x + 1)^2}{x + 4}=2\displaystyle {}= 2 (x+1)2\displaystyle (x + 1)^2=4(x+4),\displaystyle {}= 4(x + 4),x2\displaystyle x^2−2x\displaystyle {}- 2x−15\displaystyle {}- 15=0,\displaystyle {}= 0,(x−5)(x+3)\displaystyle (x - 5)(x + 3)=0\displaystyle {}= 0

xx=5,{}= 5, −3{}\ -3 のうち、xx>−1{}> -1 を満たすのは x=5‾\underline{x = 5}

確かめると log⁡26\log_2 6−log⁡49{}- \log_4 9=log⁡26{}= \log_2 6−log⁡23{}- \log_2 3=log⁡22{}= \log_2 2=1{}= 1 です。

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問11 ★★

不等式 log⁡2(x−2)\log_2 (x - 2)<log⁡4(x+4){}< \log_4 (x + 4) を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

22<x{}< x<5{}< 5

解説

真数条件は xx−2{}- 2>0{}> 0 かつ xx+4{}+ 4>0{}> 0 より xx>2{}> 2。

右辺を 12log⁡2(x+4)\dfrac{1}{2}\log_2 (x + 4) にそろえ、両辺を 22 倍すると

2log⁡2(x−2)\displaystyle 2\log_2 (x - 2)<log⁡2(x+4),\displaystyle {}< \log_2 (x + 4),log⁡2(x−2)2\displaystyle \log_2 (x - 2)^2<log⁡2(x+4)\displaystyle {}< \log_2 (x + 4)

底 22>1{}> 1 なので

(x−2)2\displaystyle (x - 2)^2<x\displaystyle {}< x+4,\displaystyle {}+ 4,x2\displaystyle x^2−5x\displaystyle {}- 5x<0,\displaystyle {}< 0,0\displaystyle 0<x\displaystyle {}< x<5\displaystyle {}< 5

xx>2{}> 2 との共通部分をとって 2<x<5‾\underline{2 < x < 5}

00<x{}< x≦2{}\leqq 2 の部分は、2 乗の不等式は満たしますが、もとの式の真数 xx−2{}- 2 が正でないので入りません。

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問12 ★★

不等式 log⁡13(x−1)\log_{\frac{1}{3}} (x - 1)+log⁡13(x+1){}+ \log_{\frac{1}{3}} (x + 1)≧−1{}\geqq -1 を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

11<x{}< x≦2{}\leqq 2

解説

真数条件は xx−1{}- 1>0{}> 0 かつ xx+1{}+ 1>0{}> 0 より xx>1{}> 1。

左辺をまとめ、−1-1=log⁡133{}= \log_{\frac{1}{3}} 3 と書くと

log⁡13(x2−1)\displaystyle \log_{\frac{1}{3}} (x^2 - 1)≧log⁡133\displaystyle {}\geqq \log_{\frac{1}{3}} 3

底 13\dfrac{1}{3}<1{}< 1 なので向きが逆になり

x2\displaystyle x^2−1\displaystyle {}- 1≦3,\displaystyle {}\leqq 3,x2\displaystyle x^2≦4,\displaystyle {}\leqq 4,−2\displaystyle {}\qquad -2≦x\displaystyle {}\leqq x≦2\displaystyle {}\leqq 2

xx>1{}> 1 との共通部分をとって 1<x≦2‾\underline{1 < x \leqq 2}

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問13 ★★

不等式 (log⁡12x)2(\log_{\frac{1}{2}} x)^2−log⁡12x{}- \log_{\frac{1}{2}} x−2{}- 2>0{}> 0 を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

00<x{}< x<14,{}< \dfrac{1}{4},22<x{}< x

解説

真数条件は xx>0{}> 0。tt=log⁡12x{}= \log_{\frac{1}{2}} x とおくと

t2\displaystyle t^2−t\displaystyle {}- t−2\displaystyle {}- 2>0,\displaystyle {}> 0,(t+1)(t−2)\displaystyle (t + 1)(t - 2)>0,\displaystyle {}> 0,t\displaystyle t<−1,\displaystyle {}< -1, 2\displaystyle \ 2<t\displaystyle {}< t

xx に戻します。底 12\dfrac{1}{2}<1{}< 1 なので、向きが逆になります。

  • log⁡12x\log_{\frac{1}{2}} x<−1{}< -1=log⁡122{}= \log_{\frac{1}{2}} 2 より xx>2{}> 2
  • log⁡12x\log_{\frac{1}{2}} x>2{}> 2=log⁡1214{}= \log_{\frac{1}{2}} \dfrac{1}{4} より xx<14{}< \dfrac{1}{4}

xx>0{}> 0 と合わせて

0<x<14,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}0 < x < \frac{1}{4},} 2<x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ 2 < x}
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問14 ★★

連立方程式 log⁡2x\log_2 x+log⁡2y{}+ \log_2 y=3{}= 3,xx+y{}+ y=6{}= 6 の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=2,{}= 2,yy=4{}= 4 または xx=4,{}= 4,yy=2{}= 2

解説

真数条件は xx>0{}> 0,yy>0{}> 0。1 つ目の式をまとめると log⁡2xy\log_2 xy=3{}= 3 なので xyxy=8{}= 8。

xx+y{}+ y=6{}= 6,xyxy=8{}= 8 なので、xx,yy は 2 次方程式 u2u^2−6u{}- 6u+8{}+ 8=0{}= 0 の 2 つの解です。(u−2)(u−4)(u - 2)(u - 4)=0{}= 0 より uu=2,{}= 2, 4\ 4。

x=2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8777em}x = 2,} y=4 または x=4,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8777em}\ y = 4 \text{ または } x = 4,} y=2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8777em}\ y = 2}

どちらも xx>0{}> 0,yy>0{}> 0 を満たしています。

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問15 ★★

方程式 log⁡2x\log_2 x−log⁡x4{}- \log_x 4=1{}= 1 の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=4,{}= 4, 12\ \dfrac{1}{2}

解説

log⁡2x\log_2 x の真数条件と log⁡x4\log_x 4 の底の条件から、xx>0{}> 0,xx≠1{}\neq 1。

底を 22 にそろえると log⁡x4\log_x 4=log⁡24log⁡2x{}= \dfrac{\log_2 4}{\log_2 x}=2log⁡2x{}= \dfrac{2}{\log_2 x}。tt=log⁡2x{}= \log_2 x とおくと、xx≠1{}\neq 1 より tt≠0{}\neq 0 で

t\displaystyle t−2t\displaystyle {}- \frac{2}{t}=1,\displaystyle {}= 1,t2\displaystyle t^2−t\displaystyle {}- t−2\displaystyle {}- 2=0,\displaystyle {}= 0,(t−2)(t+1)\displaystyle (t - 2)(t + 1)=0\displaystyle {}= 0

tt=2,{}= 2, −1{}\ -1(どちらも 00 でない)から xx=4,{}= 4, 12\ \dfrac{1}{2}。

x=4,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}x = 4,} 12‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ \frac{1}{2}}

両辺に tt を掛けるので、tt≠0{}\neq 0 を先に確かめておきます。

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問16 ★★

aa>0{}> 0,aa≠1{}\neq 1 とします。不等式 log⁡a(2x−1)\log_a (2x - 1)<log⁡a(x+3){}< \log_a (x + 3) を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa>1{}> 1 のとき 12\dfrac{1}{2}<x{}< x<4{}< 4,00<a{}< a<1{}< 1 のとき xx>4{}> 4

解説

真数条件は 2x2x−1{}- 1>0{}> 0 かつ xx+3{}+ 3>0{}> 0 より xx>12{}> \dfrac{1}{2}。底 aa が 1 より大きいか小さいかで向きが変わるので、場合分けします。

  • aa>1{}> 1 のとき:2x2x−1{}- 1<x{}< x+3{}+ 3 より xx<4{}< 4。共通部分は 12\dfrac{1}{2}<x{}< x<4{}< 4
  • 00<a{}< a<1{}< 1 のとき:向きが逆で 2x2x−1{}- 1>x{}> x+3{}+ 3 より xx>4{}> 4。共通部分は xx>4{}> 4
a>1 のとき 12<x<4,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}a > 1 \text{ のとき } \frac{1}{2} < x < 4,}0<a<1 のとき x>4‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\qquad 0 < a < 1 \text{ のとき } x > 4}
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問17 ★★★

不等式 xlog⁡3xx^{\log_3 x}<9x{}< 9x を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

13\dfrac{1}{3}<x{}< x<9{}< 9

解説

xlog⁡3xx^{\log_3 x} の底と log⁡3x\log_3 x の真数から xx>0{}> 0。このとき両辺は正なので、底 33 の対数をとれます。底 33>1{}> 1 なので、不等号の向きはそのままです。

log⁡3xlog⁡3x\displaystyle \log_3 x^{\log_3 x}<log⁡39x,\displaystyle {}< \log_3 9x,(log⁡3x)2\displaystyle (\log_3 x)^2<2\displaystyle {}< 2+log⁡3x\displaystyle {}+ \log_3 x

tt=log⁡3x{}= \log_3 x とおくと

t2\displaystyle t^2−t\displaystyle {}- t−2\displaystyle {}- 2<0,\displaystyle {}< 0,(t+1)(t−2)\displaystyle (t + 1)(t - 2)<0,\displaystyle {}< 0,−1\displaystyle {}\qquad -1<t\displaystyle {}< t<2\displaystyle {}< 2

log⁡313\log_3 \dfrac{1}{3}<log⁡3x{}< \log_3 x<log⁡39{}< \log_3 9 で、底 33>1{}> 1 なので

13<x<9‾\underline{\frac{1}{3} < x < 9}
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問18 ★★★

不等式 log⁡x3\log_x 3>log⁡3x{}> \log_3 x を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

00<x{}< x<13,{}< \dfrac{1}{3},11<x{}< x<3{}< 3

解説

log⁡x3\log_x 3 の底の条件と log⁡3x\log_3 x の真数条件から、xx>0{}> 0,xx≠1{}\neq 1。

tt=log⁡3x{}= \log_3 x とおくと、xx≠1{}\neq 1 より tt≠0{}\neq 0 で、log⁡x3\log_x 3=1log⁡3x{}= \dfrac{1}{\log_3 x}=1t{}= \dfrac{1}{t}。不等式は 1t\dfrac{1}{t}>t{}> t です。tt の正負で両辺に tt を掛けたときの向きが変わるので、場合分けします。

  • tt>0{}> 0 のとき:11>t2{}> t^2 より −1-1<t{}< t<1{}< 1。tt>0{}> 0 と合わせて 00<t{}< t<1{}< 1、すなわち 11<x{}< x<3{}< 3
  • tt<0{}< 0 のとき:向きが逆で 11<t2{}< t^2 より tt<−1,{}< -1,11<t{}< t。tt<0{}< 0 と合わせて tt<−1{}< -1、すなわち 00<x{}< x<13{}< \dfrac{1}{3}
0<x<13,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}0 < x < \frac{1}{3},} 1<x<3‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ 1 < x < 3}

別解:両辺に t2t^2>0{}> 0 を掛けると向きを気にせずに tt>t3{}> t^3,t(t+1)(t−1)t(t + 1)(t - 1)<0{}< 0 となり、tt<−1,{}< -1,00<t{}< t<1{}< 1 が出ます。

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問19 ★★★

方程式 log⁡3(x−1)\log_3 (x - 1)=log⁡9(x+a){}= \log_9 (x + a) が異なる 2 つの実数解をもつような、定数 aa の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

−54-\dfrac{5}{4}<a{}< a<−1{}< -1

解説

真数条件は xx−1{}- 1>0{}> 0 かつ xx+a{}+ a>0{}> 0。右辺を 12log⁡3(x+a)\dfrac{1}{2}\log_3 (x + a) にそろえて両辺を 22 倍すると log⁡3(x−1)2\log_3 (x - 1)^2=log⁡3(x+a){}= \log_3 (x + a) なので、方程式は

(x−1)2\displaystyle (x - 1)^2=x\displaystyle {}= x+a\displaystyle {}+ aかつ\displaystyle \text{かつ}x\displaystyle x>1\displaystyle {}> 1

と同値です((x−1)2(x - 1)^2=x{}= x+a{}+ a かつ xx>1{}> 1 なら、xx+a{}+ a=(x−1)2{}= (x - 1)^2>0{}> 0 は自動的に成り立ちます)。

g(x)g(x)=x2{}= x^2−3x{}- 3x+1{}+ 1−a{}- a とおくと、「g(x)g(x)=0{}= 0 が xx>1{}> 1 の範囲に異なる 2 つの解をもつ」条件を求めればよいことになります。yy=g(x){}= g(x) は下に凸の放物線なので、次の 3 つがそろえばよいです。

  • 判別式:99−4(1−a){}- 4(1 - a)>0{}> 0 より aa>−54{}> -\dfrac{5}{4}
  • 軸:xx=32{}= \dfrac{3}{2}>1{}> 1(つねに成り立つ)
  • 端の値:g(1)g(1)=−1{}= -1−a{}- a>0{}> 0 より aa<−1{}< -1
−54<a<−1‾\underline{-\frac{5}{4} < a < -1}

たとえば aa=−98{}= -\dfrac{9}{8} なら x2x^2−3x{}- 3x+178{}+ \dfrac{17}{8}=0{}= 0,xx=32{}= \dfrac{3}{2}±24{}\pm \dfrac{\sqrt{2}}{4} で、どちらも 11 より大きくなっています。

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問20 ★★★

aa を正の定数とします。方程式 log⁡2(x−1)\log_2 (x - 1)+log⁡2(3−x){}+ \log_2 (3 - x)=log⁡2a{}= \log_2 a の実数解の個数を、aa の値によって求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

00<a{}< a<1{}< 1 のとき 2 個,aa=1{}= 1 のとき 1 個,aa>1{}> 1 のとき 0 個

解説

真数条件は xx−1{}- 1>0{}> 0 かつ 33−x{}- x>0{}> 0 より 11<x{}< x<3{}< 3(aa>0{}> 0 は与えられています)。この範囲で左辺をまとめると

(x−1)(3−x)\displaystyle (x - 1)(3 - x)=a\displaystyle {}= a(1<x<3)\displaystyle (1 < x < 3)

左辺を f(x)f(x)=−x2{}= -x^2+4x{}+ 4x−3{}- 3=−(x−2)2{}= -(x - 2)^2+1{}+ 1 とおくと、実数解の個数は、yy=f(x){}= f(x)(11<x{}< x<3{}< 3)のグラフと直線 yy=a{}= a の共有点の個数です。

yy=f(x){}= f(x) は頂点 (2, 1)(2,\ 1) の上に凸の放物線で、11<x{}< x<3{}< 3 の範囲では 00<f(x){}< f(x)≦1{}\leqq 1。両端の点 (1, 0)(1,\ 0),(3, 0)(3,\ 0) は含みません。

  • 00<a{}< a<1{}< 1 のとき:頂点の左右で 1 回ずつ交わって 2 個
  • aa=1{}= 1 のとき:頂点 xx=2{}= 2 だけで 1 個
  • aa>1{}> 1 のとき:交わらず 0 個
0<a<1 のとき 2 個,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}0 < a < 1 \text{ のとき } 2 \text{ 個},}a=1 のとき 1 個,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\quad a = 1 \text{ のとき } 1 \text{ 個},}a>1 のとき 0 個‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\quad a > 1 \text{ のとき } 0 \text{ 個}}

真数条件を書かずに x2x^2−4x{}- 4x+3{}+ 3+a{}+ a=0{}= 0 の判別式だけで数えると、範囲外の解まで数えてしまうおそれがあります。この問題では範囲外に解は出ませんが、「11<x{}< x<3{}< 3 の範囲のグラフ」で数えるのが確実です。

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数学小話コーナー

1 = 2 の「証明」——どこで同値でなくなったか

次の「証明」を読んでみてください。

aa=b{}= b とします。両辺に aa を掛けて a2a^2=ab{}= ab。両辺から b2b^2 を引いて a2a^2−b2{}- b^2=ab{}= ab−b2{}- b^2。因数分解すると

(a+b)(a−b)\displaystyle (a + b)(a - b)=b(a−b)\displaystyle {}= b(a - b)

両辺を aa−b{}- b で割って aa+b{}+ b=b{}= b。aa=b{}= b なので 2b2b=b{}= b。両辺を bb で割って 22=1{}= 1。

どの行も、見たところ正しい計算です。それなのに 22=1{}= 1 が出てしまいました。種明かしは「両辺を aa−b{}- b で割った」ところです。はじめに aa=b{}= b としたので、aa−b{}- b=0{}= 0。00 で割るのは許されない操作で、ここで同値変形が崩れています。(a+b)⋅0(a + b) \cdot 0=b⋅0{}= b \cdot 0 は、aa+b{}+ b と bb が等しくなくても成り立つので、そこから aa+b{}+ b=b{}= b を取り出すことはできないのです。

この章の余分な解も、構造は同じです。「log⁡2x\log_2 x+log⁡2(x−2){}+ \log_2 (x - 2) を log⁡2x(x−2)\log_2 x(x - 2) にまとめる」「(x−3)2(x - 3)^2 にまとめる」といった、一見なんでもない 1 行で、成り立つ範囲がこっそり変わります。計算の各行が正しいかどうかだけでなく、「逆向きにもたどれるか」を気にかけると、こうした落とし穴に気づけるようになります。

豆知識

方程式を変形する途中で入りこんだ、もとの方程式を満たさない解のことを、日本語では無縁根(むえんこん)、英語では extraneous root(よそから来た根)と呼びます。無理方程式 x+2\sqrt{x + 2}=x{}= x を 2 乗して解くと xx=2,{}= 2, −1{}\ -1 が出ますが、xx=−1{}= -1 では左辺が 11,右辺が −1-1 で成り立ちません。2 乗したことで、x+2\sqrt{x + 2}=−x{}= -x の解まで拾ってしまったのです。

カメラの絞りは 2\sqrt{2} の階段——F 値と「段」

カメラのレンズには、光の通り道の大きさを変える絞りがあり、その目盛りを F 値といいます。レンズの目盛りを見ると、1.41.4,22,2.82.8,44,5.65.6,88,1111,1616,…… という中途半端な数が並んでいます。

実はこれは、2\sqrt{2}≒1.414{}\fallingdotseq 1.414 の累乗です。(2)1(\sqrt{2})^1≒1.4{}\fallingdotseq 1.4,(2)2(\sqrt{2})^2=2{}= 2,(2)3(\sqrt{2})^3≒2.8{}\fallingdotseq 2.8,(2)4(\sqrt{2})^4=4{}= 4,…… と進み、(2)7(\sqrt{2})^7≒11.3{}\fallingdotseq 11.3 を丸めて 1111 と書いています。

なぜ 2\sqrt{2} なのでしょう。F 値は「レンズの焦点距離 ÷ 光の通り道の直径」なので、F 値が 2\sqrt{2} 倍になると直径は 12\dfrac{1}{\sqrt{2}} 倍、面積はその 2 乗で 12\dfrac{1}{2} 倍になります。つまり、目盛りを 1 つ進めるたびに、入る光の量がちょうど半分になるのです。この 1 目盛りを写真の世界では「1 段」と呼びます。

すると、F 値 FF まで絞ったとき、F 値 11 から数えて何段絞ったかは、(2)n(\sqrt{2})^n=F{}= F を満たす nn、つまり

n\displaystyle n=log⁡2F\displaystyle {}= \log_{\sqrt{2}} F=2log⁡2F\displaystyle {}= 2\log_2 F

です。F2.8 から F11 までなら 2log⁡211.32.832\log_2 \dfrac{11.3}{2.83}=2log⁡24{}= 2\log_2 4=4{}= 4 段で、光は 242^4=16{}= 16 分の 1 になります。「光を 100 分の 1 以下にするには何段絞ればよいか」と聞かれたら、2n2^n≧100{}\geqq 100 を満たす最小の整数 nn を求める、この章の不等式そのものです(262^6=64{}= 64,272^7=128{}= 128 なので 7 段)。

豆知識

シャッター速度(1125\dfrac{1}{125} 秒,1250\dfrac{1}{250} 秒,……)や ISO 感度(100100,200200,400400,……)の目盛りも、1 つごとに光の量が 2 倍・半分になるように並んでいます。写真の露出は、3 つの「2 倍の階段」を組み合わせて、足し算と引き算(段数)で調整しているわけです。

並べかえの手間は nlog⁡2nn\log_2 n——対数が効いてくる大きさ

トランプのカードや名簿を小さい順に並べかえる作業を、コンピューターの世界ではソートといいます。いちばん素朴なやり方は、「まだ並べていないものの中から最小のものを探して先頭に置く」をくり返す方法です。nn 個のものを並べると、比べる回数はおよそ n22\dfrac{n^2}{2} 回になります。

これに対して、「半分に分けて、それぞれを並べてから合わせる」をくり返す方法(マージソート)では、比べる回数はおよそ nlog⁡2nn\log_2 n 回で済みます。半分に分ける作業が log⁡2n\log_2 n 段で終わり、各段で nn 回ほど比べるからです。第4章 小話で見た「20 の扉」や辞書引きと同じく、「半分にする」回数が対数になっています。

差がどれくらいか、数字で比べてみます。nn=220{}= 2^{20}(約 100100 万)なら

n22\displaystyle \frac{n^2}{2}=239\displaystyle {}= 2^{39}≒5500 億,\displaystyle {}\fallingdotseq 5500 \text{ 億},nlog⁡2n\displaystyle n\log_2 n=220×20\displaystyle {}= 2^{20} \times 20≒2100 万\displaystyle {}\fallingdotseq 2100 \text{ 万}

で、2 万倍以上の差です。1 秒に 1 億回比べられるとしても、前者は 1 時間半ほどかかり、後者なら 0.2 秒ほどで終わります。

では、nn が小さいときもマージソートが速いのでしょうか。n22\dfrac{n^2}{2}>nlog⁡2n{}> n\log_2 n は、両辺を nn で割ると n2\dfrac{n}{2}>log⁡2n{}> \log_2 n、つまり nn>2log⁡2n{}> 2\log_2 n という対数不等式です。nn=2{}= 2 と nn=4{}= 4 では両辺が等しく、nn=3{}= 3 では 33<2log⁡23{}< 2\log_2 3≒3.17{}\fallingdotseq 3.17 と逆向きで、nn≧5{}\geqq 5 ではつねに成り立ちます。実際のプログラムでは、比べる回数以外の手間もかかるので、少ない個数のときは素朴な方法に切りかえる工夫がよく使われています。

豆知識

「手間がおよそ nlog⁡nn\log n に比例する」ことを、コンピューター科学では O(nlog⁡n)O(n\log n)(オーダー nlog⁡nn\log n)と書きます。この OO の記号は、もともと数論で使われていたもので、19 世紀末にバッハマンが使い始め、20 世紀初めにランダウが広めたとされています(※記号の由来には諸説あります)。OO の中では log⁡\log の底を書かないのがふつうです。底の変換公式から、log⁡2n\log_2 n と log⁡10n\log_{10} n は定数倍しか違わないからです。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。本文では「まとめる前に真数条件を書き、最後にその条件で解を選ぶ」を手順として使いました。第3章 厳密定義の定義1(同値な変形)を土台に、この手順で答えが過不足なく求まる理由と、余分な解が「どこから」来るのかを正確に述べます。最後に、第5章 厳密定義の補足で触れた「逆関数どうしの交点」を方程式の側から見直します。

第3章では、解を失うことも余分な解が混じることもない変形を「同値変形」と呼びました。同値でない変形を正確に扱うために、解の集合という見方を用意します。

定義1:解の集合と一方向の変形

xx についての条件 P(x)P(x) を満たす実数 xx 全体の集合を、P(x)P(x) の解の集合という。どの xx についても「P(x)P(x) ならば Q(x)Q(x)」が成り立つとき P(x)P(x)⇒Q(x){}\Rightarrow Q(x) と書き、このとき P(x)P(x) の解の集合は Q(x)Q(x) の解の集合に含まれる。P(x)P(x) を Q(x)Q(x) に書きかえる変形が ⇒\Rightarrow の向きにしか成り立たないとき、Q(x)Q(x) の解の中には P(x)P(x) の解でないもの(余分な解)がありうる。

P(x)P(x)⇒Q(x){}\Rightarrow Q(x) だけが言えるなら、Q(x)Q(x) を解いたあと、それぞれの解が P(x)P(x) を満たすかを確かめれば、過不足なく P(x)P(x) の解が得られます。本文の「最後に真数条件で選ぶ」は、この確かめを真数条件という形で行っているのです。

定理1:真数どうしを比べる方程式

aa>0{}> 0,aa≠1{}\neq 1 とする。

log⁡af(x)\displaystyle \log_a f(x)=log⁡ag(x)\displaystyle {}= \log_a g(x)  ⟺  f(x)\displaystyle {}\iff f(x)=g(x) かつ f(x)\displaystyle {}= g(x) \text{ かつ } f(x)>0\displaystyle {}> 0

証明 (⇒\Rightarrow)左辺が意味を持つので f(x)f(x)>0{}> 0,g(x)g(x)>0{}> 0 である。pp=f(x){}= f(x),qq=g(x){}= g(x) とおくと log⁡ap\log_a p=log⁡aq{}= \log_a q。第5章 定理3 より log⁡a\log_a は単調に増加するか単調に減少するので、pp≠q{}\neq q なら log⁡ap\log_a p≠log⁡aq{}\neq \log_a q となる。よって pp=q{}= q。

(⇐\Leftarrow)f(x)f(x)=g(x){}= g(x)>0{}> 0 なら、両辺の真数は同じ正の数なので、log⁡af(x)\log_a f(x) と log⁡ag(x)\log_a g(x) はどちらも意味を持ち、等しい。(証明終)

右辺の「f(x)f(x)=g(x){}= g(x)」だけでは、左辺の条件は取り出せません。f(x)f(x)=g(x){}= g(x)⇐log⁡af(x){}\Leftarrow \log_a f(x)=log⁡ag(x){}= \log_a g(x) は成り立っても、逆は f(x)f(x)>0{}> 0 を添えないと成り立たないからです。本文 公式1 の 2 つ目は、この定理そのものです。

定理2:余分な解の出どころ

aa>0{}> 0,aa≠1{}\neq 1,cc を実数とする。

  1. log⁡af(x)\log_a f(x)+log⁡ag(x){}+ \log_a g(x)=c{}= c  ⟺  f(x){}\iff f(x)>0 かつ g(x){}> 0 \text{ かつ } g(x)>0 かつ f(x)g(x){}> 0 \text{ かつ } f(x)g(x)=ac{}= a^c
  2. 方程式 f(x)g(x)f(x)g(x)=ac{}= a^c の解のうち、1 の解でないものは、f(x)f(x)<0{}< 0 かつ g(x)g(x)<0{}< 0 を満たすものに限る。

証明 1:(⇒\Rightarrow)左辺が意味を持つので f(x)f(x)>0{}> 0,g(x)g(x)>0{}> 0。このとき第4章 定理1(積の対数)により log⁡af(x)\log_a f(x)+log⁡ag(x){}+ \log_a g(x)=log⁡af(x)g(x){}= \log_a f(x)g(x) なので log⁡af(x)g(x)\log_a f(x)g(x)=c{}= c、対数の定義から f(x)g(x)f(x)g(x)=ac{}= a^c。(⇐\Leftarrow)f(x)f(x)>0{}> 0,g(x)g(x)>0{}> 0 なら積の対数の公式が使え、log⁡af(x)\log_a f(x)+log⁡ag(x){}+ \log_a g(x)=log⁡af(x)g(x){}= \log_a f(x)g(x)=log⁡aac{}= \log_a a^c=c{}= c。

2:xx が f(x)g(x)f(x)g(x)=ac{}= a^c を満たすとする。aca^c>0{}> 0 なので f(x)g(x)f(x)g(x)>0{}> 0 であり、f(x)f(x) と g(x)g(x) はどちらも 00 でなく、同じ符号である。両方正なら 1 より xx は 1 の解。そうでなければ両方負である。(証明終)

本文の log⁡2x\log_2 x+log⁡2(x−2){}+ \log_2 (x - 2)=3{}= 3 では、x(x−2)x(x - 2)=8{}= 8 の解 xx=4,{}= 4, −2{}\ -2 のうち、xx=−2{}= -2 が「xx<0{}< 0 かつ xx−2{}- 2<0{}< 0」の側にありました。定理2の 2 は、余分な解が混じるとしたらこの形しかない、と言っています。本文の関所の例えの「2 枚ともニセモノ」が、ちょうど f(x)f(x)<0{}< 0 かつ g(x)g(x)<0{}< 0 にあたります。

2log⁡af(x)2\log_a f(x)=log⁡ag(x){}= \log_a g(x) を f(x)2f(x)^2=g(x){}= g(x) に直す変形も同じで、余分な解は f(x)f(x)<0{}< 0 の側から入りこみます。反対に、本章 j09 のように log⁡af(x)2\log_a f(x)^2 を 2log⁡af(x)2\log_a f(x) に書きかえる向きでは、f(x)f(x)<0{}< 0 の側の解が失われます。log⁡af(x)2\log_a f(x)^2=2log⁡a∣f(x)∣{}= 2\log_a |f(x)| と絶対値をつければ、どちらの向きにも同値です。

定理3:対数不等式の同値変形

aa>1{}> 1 のとき

log⁡af(x)\displaystyle \log_a f(x)<log⁡ag(x)\displaystyle {}< \log_a g(x)  ⟺  0\displaystyle {}\iff 0<f(x)\displaystyle {}< f(x)<g(x)\displaystyle {}< g(x)

00<a{}< a<1{}< 1 のとき

log⁡af(x)\displaystyle \log_a f(x)<log⁡ag(x)\displaystyle {}< \log_a g(x)  ⟺  f(x)\displaystyle {}\iff f(x)>g(x)\displaystyle {}> g(x)>0\displaystyle {}> 0

証明 aa>1{}> 1 とする。(⇒\Rightarrow)左辺が意味を持つので f(x)f(x)>0{}> 0,g(x)g(x)>0{}> 0。第5章 公式3(定理3による単調性の   ⟺  \iff)から f(x)f(x)<g(x){}< g(x)。(⇐\Leftarrow)00<f(x){}< f(x)<g(x){}< g(x) なら g(x)g(x)>0{}> 0 でもあるので、両辺が意味を持ち、単調性から log⁡af(x)\log_a f(x)<log⁡ag(x){}< \log_a g(x)。

00<a{}< a<1{}< 1 のときは、単調に減少することを使って、不等号の向きを入れかえて同じように示せる。(証明終)

右辺には g(x)g(x)>0{}> 0 が書かれていませんが、00<f(x){}< f(x)<g(x){}< g(x) から自動的に出てきます。本文で「すべての真数の条件を書いて共通部分をとる」としたのは、この 1 つを省略できることを毎回確かめるより安全だからで、答えは同じになります。

補足:(116)x\left(\frac{1}{16}\right)^x=log⁡116x{}= \log_{\frac{1}{16}} x の解は yy=x{}= x 上だけではない

第5章 厳密定義の補足で、yy=(116)x{}= \left(\dfrac{1}{16}\right)^x と yy=log⁡116x{}= \log_{\frac{1}{16}} x のグラフが、直線 yy=x{}= x の上にない 2 点 (12, 14)\left(\dfrac{1}{2},\ \dfrac{1}{4}\right),(14, 12)\left(\dfrac{1}{4},\ \dfrac{1}{2}\right) を通ることを見ました。方程式の言葉で言えば、

(116)x\displaystyle \left(\frac{1}{16}\right)^x=log⁡116x\displaystyle {}= \log_{\frac{1}{16}} x

は xx=12{}= \dfrac{1}{2} と xx=14{}= \dfrac{1}{4} を解にもちます。確かめると、xx=12{}= \dfrac{1}{2} では両辺とも 14\dfrac{1}{4}、xx=14{}= \dfrac{1}{4} では両辺とも 12\dfrac{1}{2} です。

さらにもう 1 つ、直線 yy=x{}= x の上の解があります。h(x)h(x)=(116)x{}= \left(\dfrac{1}{16}\right)^x−x{}- x とおくと、h(14)h\left(\dfrac{1}{4}\right)=12{}= \dfrac{1}{2}−14{}- \dfrac{1}{4}>0{}> 0,h(12)h\left(\dfrac{1}{2}\right)=14{}= \dfrac{1}{4}−12{}- \dfrac{1}{2}<0{}< 0 で、h(x)h(x) は単調に減少する連続な関数なので、14\dfrac{1}{4}<x0{}< x_0<12{}< \dfrac{1}{2} の範囲に h(x0)h(x_0)=0{}= 0、すなわち (116)x0\left(\dfrac{1}{16}\right)^{x_0}=x0{}= x_0 となる x0x_0 がただ 1 つあります(中間値の定理と第3章 定理3)。対数の定義から log⁡116x0\log_{\frac{1}{16}} x_0=x0{}= x_0 でもあるので、x0x_0 も解です(x0x_0≒0.364{}\fallingdotseq 0.364)。

したがって、この方程式の解は少なくとも 3 つあります(実はちょうど 3 つですが、それを示すには微分を使います)。「axa^x=log⁡ax{}= \log_a x は axa^x=x{}= x に直して解けばよい」という発想は、底が 11 より大きいときには正しいのですが、底が 11 より小さいと解を取りこぼします。これも「一方向にしか成り立たない変形」の一例です。axa^x=x{}= x の解はたしかに axa^x=log⁡ax{}= \log_a x の解ですが、逆は成り立たないのです。

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