問1
集合 を、要素を書き並べて表しなさい。
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( は素数ではない)
目次 / 数と式 / 数学I
—— 「どれが入っていて、どれが入っていないか」をはっきりさせる ——
この章では、ものの集まりを数学として扱う「集合」を学びます。集合の書き表し方と記号 $\in$,$\subset$ から始めて、共通部分 $A \cap B$・和集合 $A \cup B$・補集合 $\overline{A}$ という3つの操作と、ド・モルガンの法則を身につけます。最後に、第4章の不等式の解を集合として数直線で扱います。連立不等式の解は「共通部分」、$|x| > r$ の解は「和集合」だった、と読み直せるようになります。ここで学ぶ集合の見方は、次の第6章「命題と論理」の土台になります。
「 以下の素数」「 年 組の生徒」のように、範囲がはっきりしたものの集まりを集合といいます。集合をつくっている1つ1つのものを、その集合の要素といいます。
集合の表し方は2通りある。
(2) の縦線 の左には要素を代表する文字を、右にはその文字が満たす条件を書きます。要素が多いときは のように「」で省略してかまいません。自然数全体のように要素が限りなくある集合も、 と書けます。要素の個数が有限の集合を有限集合、限りなくある集合を無限集合といいます。
大事なのは「範囲がはっきりしている」ことです。ファンクラブの会員名簿を思い浮かべてください。ある人が会員かどうかは、名簿を見れば必ず「載っている」か「載っていない」かのどちらかに決まります。これに対して「かわいい動物の集まり」は、人によって判断が分かれるので集合とはいえません。集合とは、どんなものについても入っているかいないかが決まる名簿のようなものです。
集合とは「入っているか、いないか」がはっきり決まるものの集まりで、要素を書き並べるか、条件を書くかの2通りで表せるということです。
(1) 集合 を、要素を書き並べて表しなさい。
(2) 集合 を、要素の条件を書く方法で表しなさい。
【解答】
(1) なので、 です。
(2) の要素は、 より小さい正の奇数です。 と表せます。
のように、式の形で書いても正解です。
2つの集合の関係のうち、いちばん基本になるのが「一方が他方に含まれる」という関係です。
には の場合も含まれます。特に、どんな集合 も です。また、集合では要素の順番や重なりは関係ありません。 と は等しく、 と書いても と同じ集合です。
部分集合は、急行の停車駅と各駅停車の停車駅の関係に似ています。急行が止まる駅には、各駅停車も必ず止まります。急行の停車駅の集合を 、各駅停車の停車駅の集合を とすると、 です。逆に、各駅停車しか止まらない駅があるので ではありません。「 に入っているものは、どれも に入っている」というのが の意味です。
は「 の要素がすべて にも入っている」ことで、互いに含み合えば 、何も入っていない集合が空集合 だということです。
(1) 集合 の部分集合をすべて求めなさい。
(2) 整数全体を考える。, の関係を、記号 を用いて表しなさい。
【解答】
(1) 要素の個数ごとに書き出します。空集合と 自身を忘れないようにしましょう。
の です。
(2) の倍数 は と書けるので、必ず の倍数です。よって です。一方、 ですが なので、 ではありません。
2つの集合から、新しい集合をつくる操作を考えます。
3つの集合でも同じように、(3つすべてに属する)、(少なくとも1つに属する)を考える。
は「キャップ」、 は「カップ」と読みます。上の図のように、集合を円で表した図をベン図といいます。数学の「または」は「少なくとも一方」という意味で、両方に属するものも含みます。日常会話の「AかBのどちらか一方」とは違うので注意しましょう。
2つのグループLINEで考えてみます。「クラスのグループ」のメンバーを 、「部活のグループ」のメンバーを とします。両方のグループに入っている人が です。2つのグループのメンバーを1つの名簿にまとめると で、両方にいる人は2回書かずに1回だけ載せます。
第4章の連立不等式は、1つめの不等式の解の集合と2つめの解の集合の共通部分を求めていたことになります。また、 の解「」は、 と の和集合です。
共通部分 は「両方に入っているもの」、和集合 は「少なくとも一方に入っているもの」を集めた集合だということです。
,, とする。
(1) と を求めなさい。
(2) と を求めなさい。
【解答】
まず要素を書き並べます。, です。
(1) 両方にあるのは なので です。合わせると、重なった は1回だけ書いて
(2) のうち にも属するのは なので、 です。
のうち に属するのは なので、 です。かっこの中を先に計算するのは、数の計算と同じです。
集合を考えるときは、はじめに「何の中で考えるか」を決めておくと便利です。
考えるものすべてを要素とする集合 を全体集合という。 の部分集合 に対し、 に属さない の要素全体の集合を の補集合といい、 と書く。
ド・モルガンの法則
補集合は、出席簿の欠席者のようなものです。クラスの名簿が全体集合 、今日の出席者が なら、欠席者が です。同じ出席者でも、名簿を「学年全体」に取りかえると欠席者の顔ぶれが変わります。補集合は、全体集合を決めてはじめて意味をもつのです。
ド・モルガンの法則は、言葉にすると当たり前のことを言っています。朝ごはんに「パンまたはご飯を食べた人」の集合を とします。この補集合、つまり「パンまたはご飯を食べた、とはいえない人」は、「パンを食べていない、かつご飯も食べていない人」です。補集合をとると「または」と「かつ」が入れかわる、というのが法則の中身です。
補集合 は全体集合 のうち に入らないものの集まりで、全体に線を引くと と が入れかわる(ド・モルガンの法則)ということです。
全体集合を とし、, とする。
(1) と を求めなさい。
(2) と を求めなさい。
【解答】
, です。
(1) から を除いて です。このうち奇数は なので です。
(2) なので です。
ド・モルガンの法則で確かめると、 なので となり、確かに一致します。
なので です。
不等式の解のように、実数の範囲で表される集合は、要素を書き並べられません。そこで数直線を使います。
全体集合を実数全体とし、 のような範囲の集合は数直線上に表す。
補集合で ● と ○ が入れかわるのは、 に入っている端の点は には入らず、 に入っていない端の点は に入るからです。
2枚の定期券を持っている場面を考えると分かりやすいでしょう。定期券 は駅から km〜 km の区間、定期券 は km〜 km の区間で使えるとします。どちらの定期券でも乗れる区間が (〜 km)、どちらか1枚あれば乗れる区間が (〜 km)です。区間を数直線に並べてみると、重なりもつながりもひと目で分かります。
範囲で表された集合は数直線に線を引いて考え、重なりが共通部分、全体が和集合、線のないところが補集合で、端の ●○ は1点ずつ確かめればよいということです。
全体集合を実数全体とし、, とする。
(1) ,, を求めなさい。
(2) を定数とし、 とする。 となる の値の範囲を求めなさい。
【解答】
(1) 数直線に ( は ○、 は ●)と ( は ●、 は ○)をかきます。
です。このうち と重なるのは より右の部分なので
は に入るので には入らず、○ になります。
(2) は より右の部分です。 の右端は (●)なので、 が と重ならないのは の左端 が 以上のときです。
のとき となり、 は に入らないので です。よって です。
まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。
問1
集合 を、要素を書き並べて表しなさい。
( は素数ではない)
問2
集合 の部分集合のうち、要素が 個のものをすべて求めなさい。
問3
, のとき、 と を求めなさい。
,
問4
全体集合を とし、 とする。 を求めなさい。
問5
全体集合を実数全体とし、 とする。 を求めなさい。
(端の は に入らないので に入る)
難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。
問1 ★
集合 を、要素を書き並べて表しなさい。
かけて になる組を小さいほうから探します。
よって です。組で探すと、大きいほうの約数を書き忘れません。
問2 ★
集合 を、要素を書き並べて表しなさい。
, です。負の整数も なので条件を満たします。
なので も要素です。
問3 ★
,,,,, のうち、集合 の要素であるものをすべて求めなさい。
,,,
有理数は「整数 整数(分母は でない)」の形で表せる数です(第3章)。
よって です。 は √ がついていても、はずすと整数になる点に注意しましょう。
問4 ★
集合 の部分集合の個数を求めなさい。
個
要素の個数ごとに数えます。
| 要素の個数 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 部分集合の個数 | 1 | 4 | 6 | 4 | 1 |
個は空集合 、 個はもとの集合そのものです。合計 です。
別の見方をすると、 のそれぞれについて「入れる・入れない」の2通りを選ぶので、 個になります。
問5 ★
以下の正の の倍数全体の集合を , 以下の正の の倍数全体の集合を とするとき、 と を求めなさい。
は , は
要素を書き並べると , です。
両方にあるのは だけなので です。合わせると
は にも にもありますが、和集合には1回だけ書きます。
問6 ★
全体集合を とし、, とする。 と を求めなさい。
は , は
は「 に入っていて に入っていないもの」です。 から を除いて です。
なので、 と合わせて
これは から を除いたものになっています。
問7 ★
, のとき、 と を求めなさい。
,
数直線に ( は ●、 は ○)と ( は ○、 は ●)をかきます。
重なるのは と の間で、 は に、 は に入らないので両端とも ○ です。
2本の線はつながっているので、合わせると です。 は に入りませんが に入るので、和集合には入ります。
問8 ★
全体集合を実数全体とし、 とする。 を求めなさい。
数直線で の線がない部分は、 より左と より右です。
端の点は ● と ○ が入れかわります。 は に入らないので に入り、 は に入るので に入りません。
問9 ★★
全体集合を とし、, とする。 を求めなさい。
ド・モルガンの法則より です。
, より なので
「 でも でも割り切れない数」を集めたことになります。 と を別々に求めて共通部分をとっても、同じ答えになります。
問10 ★★
全体集合を とする。 の部分集合 , について ,, であるとき、 と を求めなさい。
,
ベン図で考えると、 は次の4つの部分に分かれます。
| 部分 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 要素 | ? |
の要素のうち、まだどこにも入っていないのは なので、 です。
は と を合わせたもの、 は と を合わせたものです。
問11 ★★
を定数とし、, とする。 となる の値の範囲を求めなさい。
となるのは、 の区間がすっぽり の区間に入るときです。左端と右端の条件を立てます。
2つめは なので、 です。
等号を確かめます。 のとき で、 も も を含まないので です。 のときも で、同様に成り立ちます。
問12 ★★
,, のとき、 と を求めなさい。
,
です。このうち にも属するのは だけなので
は と を合わせて、 です。
問13 ★★
全体集合を実数全体とし、, とする。 と を求めなさい。
,
第4章の公式5より、 は 、つまり です。
重なる部分は です。
のうち、( より右)と重なるのは より右の部分です。
問14 ★★
を定数とし、, とする。
(1) となる の値の範囲を求めなさい。
(2) が実数全体となる の値の範囲を求めなさい。
(1) (2)
は より左( は ○)、 は より右( は ○)の部分です。
(1) 重なりがないのは、 の左端 が 以上のときです。 のとき、 も も を含まないので重なりはありません。よって です。
(2) すき間がないのは、 が より小さいときです。 のときは がどちらにも入らず、すき間が1点だけ残ります。よって です。
(1) と (2) で等号の扱いが違うのは、端がどちらも ○ だからです。境目の を必ず代入して確かめましょう。
問15 ★★
集合 の部分集合のうち、 を含み を含まないものの個数を求めなさい。
個
は必ず入れ、 は必ず入れないので、自由に選べるのは の3つだけです。それぞれ「入れる・入れない」の2通りなので
これは の部分集合の個数と同じです。それぞれに を加えたものが、求める部分集合になります。
問16 ★★
, を全体集合 の部分集合とする。集合 と を、それぞれ補集合の記号が または の上にだけつく形で表しなさい。
,
ド・モルガンの法則で全体の線をはずし、 を使います。
線をはずすたびに と が入れかわり、線が2本重なったところは消えます。2つの答えが互いに補集合になっているのは、 の補集合が だからです。
問17 ★★★
を定数とし、, とする。
(1) となる の値の範囲を求めなさい。
(2) となる の値の範囲を求めなさい。
(1) (2)
は なので、 です(両端は ○)。
(1) が にすっぽり入る条件は
より です。 のとき で、 に入ります( は を含むので問題ありません)。
(2) 重ならないのは、 が の左側にあるか右側にあるかのどちらかです。
よって です。
問18 ★★★
を実数の定数とし、, とする。 となる の値をすべて求めなさい。
が必要なので、 または です。これを満たすのは です。
ここで終わらず、それぞれの で , を実際に書き出して、共通部分が だけになっているかを確かめます。
よって です。「 が共通」は必要な条件にすぎないので、ほかの要素が共通になっていないかの確認が欠かせません。
問19 ★★★
全体集合を実数全体とし、 を定数とする。, とする。
(1) となる の値の範囲を求めなさい。
(2) となる の値を求めなさい。
(1) (2)
は または 、つまり または です。よって
(1) は、 が の外、つまり にすっぽり入ること()と同じです。
より です。
(2) の右端は なので、右端を まで広げているのは です。よって 、 が必要です。
のとき で、 と重なりながらつながるので、 となり適します。よって です。
問20 ★★★
, とする。 であることを示しなさい。
と を示す(解説参照)
を示すには、 と の両方を示します。
の証明 とすると、ある整数 を使って と書けます。これは
と変形でき、 も整数なので です。
の証明 とすると、ある整数 を使って と書けます。これは
と変形でき、 も整数なので です。
以上より かつ なので、 です。(証明終)
どちらも「 で割ると 余る整数」の集合で、 です。要素を並べて見比べるだけでは「全部そろっている」とは言い切れないので、両向きの ⊂ を示します。
集合を数学の中心に据えたのは、ドイツの数学者ゲオルク・カントールです。カントールは 1874 年の論文で、驚くべきことを示しました。自然数は と1列に並べられますが、実数全体は、どう工夫しても1列に並べきれないのです。どちらも「限りなくある」のに、実数の無限のほうが自然数の無限より大きい。無限にも大小がある、という発見でした。
この考えは当時の数学者に強く反発されました。特にクロネッカーは厳しく批判し、「整数は神が創ったが、それ以外はすべて人間の業である」という言葉が彼のものとして伝わっています(※諸説あり)。一方で、のちにヒルベルトは「カントールが創ったこの楽園から、誰も我々を追い出すことはできない」と述べ、集合論を数学全体の土台として擁護しました。いま私たちが や を当たり前のように使えるのは、この論争を経たからです。
豆知識
自然数全体 と、偶数全体 は、実は「同じ個数」だと考えます。 と 、 と 、 と …と、 と を1対1にペアにすると、どちらにも余りが出ないからです。偶数全体は自然数全体の部分集合なのに個数は同じ。有限の集合ではありえない、無限ならではの不思議です。
「集合」を何でも自由につくってよいとすると、困ったことが起こります。1901 年にイギリスのバートランド・ラッセルが気づいた、次のような集合を考えてみましょう。
自分自身を要素として含まない集合を、すべて集めた集合
は自分自身を含むでしょうか。含むとすると、 は「自分を含まない集合」ではなくなるので、 に入れません。含まないとすると、 は「自分を含まない集合」なので、 に入るはずです。どちらを選んでも矛盾します。これをラッセルのパラドックスといいます。
ラッセルは 1902 年、このことをドイツの論理学者フレーゲに手紙で知らせました。フレーゲはちょうど、集合の考えで算術全体を組み立てる大著の第2巻を印刷している最中でした。フレーゲは巻末に「建物が完成した直後に土台が揺らいだ」という趣旨の付録を書き加えています。その後、「集合をつくってよい規則」をきちんと定める公理的集合論が整えられ、この矛盾は避けられるようになりました。
豆知識
同じ形の話に「床屋のパラドックス」があります。ある村の床屋は「自分でひげをそらない人全員のひげをそり、自分でそる人のひげはそらない」と決めています。では、床屋自身のひげは誰がそるのでしょう。自分でそっても、そらなくても、決まりに反してしまいます。
インターネットの検索では、集合の演算が毎日のように使われています。「集合 数学」とスペースで区切って検索すると、両方の言葉を含むページが出てきます。これはAND 検索で、ページの集合の共通部分をとっています。「集合 OR 数学」はどちらか一方でも含むページを探す OR 検索で、和集合です。「集合 -数学」のようにマイナスをつけると、「数学」を含むページを除く NOT 検索になり、補集合との共通部分をとることにあたります。
この「かつ・または・でない」を計算の規則としてまとめたのが、イギリスの数学者ジョージ・ブールです。1854 年の著書『思考の法則』で、論理を足し算やかけ算のような式で扱う方法を示しました。この考えはブール代数と呼ばれ、およそ 80 年後、電気のスイッチの回路を設計する理論に使われました。いまのコンピューターの中の回路も、この「かつ・または・でない」の組み合わせでできています。
豆知識
集合を円で表す図は、イギリスの論理学者ジョン・ベンが 1880 年の論文で広めたので「ベン図」と呼ばれます。似た図はそれ以前にもオイラーなどが使っていました。ベン図は、関係がなさそうな集合でも必ず重なりの部分をかいておき、「要素がないところ」を塗って示すのが特徴です。
※ここは発展ページです。本文ではベン図を使って、共通部分やド・モルガンの法則を「見て納得」しました。ここでは、図に頼らずに「要素 が属するかどうか」だけで、それらの性質を証明してみます。証明の中で使う「ならば」「かつ」「または」の扱いは、次の第6章で詳しく学びます。
集合 , について、「 ならば 」がすべての について成り立つとき、 と書く。
かつ のとき、 と書く。
この定義から、2つの集合が等しいことを示すには「」と「」の2つを示せばよいことになります。実践問題 j20 で使った方法です。
証明 1. でないと仮定する。すると「 だが 」となる が存在する。しかし には要素が1つもないので、 となる は存在しない。これは矛盾である。よって である。
1 の証明は、「成り立たないとすると矛盾が起こる」ことを示す背理法です(第6章で詳しく学びます)。「要素がないので、確かめるべき が1つもない。だから条件は満たされている」と考えてもかまいません。
全体集合 の部分集合 , に対して
によって、,, を定める。
証明 左辺を 、右辺を とし、 と を示す。
: とすると、 であり、 または である。 のときは 、 のときは となるので、どちらの場合も である。
: とすると、 または である。どちらの場合も であり、さらに または なので である。よって 。(証明終)
を「かけ算」、 を「足し算」と見ると、 とそっくりです。ただし集合では、 と を入れかえた も成り立ちます。数では は一般に成り立たないので、ここは集合ならではの性質です。
証明 の要素 について、次の条件はすべて同じである。
よって両辺の集合は等しい。(証明終)
3行目の「『 または 』ではない でない かつ でない」は、集合の法則を支えている論理の法則です。第6章では、これを条件(命題)の否定として扱います。もう一方の法則 は、上の式で , を , に置きかえてから両辺の補集合をとれば得られます。
個の要素をもつ集合の部分集合は、ちょうど 個ある( も含む)。
証明 要素の個数 について順に示す。 のとき、集合は で、部分集合は の 個である。
個のときに 個であるとし、 個の要素をもつ集合 を考える。 の要素を1つ選んで とし、 を除いた集合を とする(要素は 個)。 の部分集合は
に分かれるので、合わせて 個である。これを と順にくり返せば、すべての で成り立つ。(証明終)
このように「 で成り立つ → つ増やしても成り立つ」とくり返して示す方法を数学的帰納法といい、数学 B の数列の分野で正式に学びます。
は よりずっと大きいので、「部分集合を全部集めた集合」は、もとの集合より要素がはるかに多くなります。小話で紹介したカントールは、これが無限集合でも成り立つこと、つまりどんな集合も、その部分集合全体の集合より小さいことを証明しました。無限の大きさに終わりがないことを示す定理です。
この章の学習が終わったら
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