目次 / 場合の数と確率 / 数学A

第8章 条件付き確率

—— 「〜と分かったとき」は全体を絞りこみ、その中での割合として確率を考え直す ——

第7章では、互いに影響しない試行の確率をかけ算で求めました。この章では、ある事象が起こったと分かったときに、別の事象の確率がどう変わるかを考えます。まず度数の表を使って「〜のうち」の割合として条件付き確率をとらえ、そのあとで式による定義を置きます。条件付き確率から乗法定理を導き、第5章で数えて確かめた「くじ引きは順番によらない」を見直します。最後に、結果から原因の確率をさかのぼって求める方法を学びます。

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表で考える条件付き確率

ある高校で、生徒 200200 人に「部活動」と「朝ごはん」についてたずね、次の表にまとめました。

朝食を毎日食べる毎日は食べない計
運動部727218189090
運動部以外77773333110110
計1491495151200200

この 200200 人から1人を選ぶとき、朝食を毎日食べる生徒である確率は 149200\dfrac{149}{200} です。では、「選ばれたのは運動部員だ」と分かっていたらどうでしょう。候補は運動部の 9090 人に絞られ、そのうち朝食を毎日食べるのは 7272 人なので、確率は 7290\dfrac{72}{90} と考えるのが自然です。第1章の公式6 で作った表が、ここでそのまま使えます。

公式1:表で考える条件付き確率

全体を2つの分け方(AA か A‾\overline{A} か、BB か B‾\overline{B} か)で分けた度数の表で、すべての人(もの)が同様に確からしく選ばれるとする。

「選ばれたものが AA である」と分かったときに、それが BB でもある確率は

(A の行で B の列のます)(A の行の計)\displaystyle \frac{(\text{$A$ の行で $B$ の列のます})}{(\text{$A$ の行の計})}=n(A∩B)n(A)\displaystyle {}= \frac{n(A \cap B)}{n(A)}

である。「〜と分かったとき」の〜が列(BB など)なら、列の計で割る。

分母が「全体の 200200」から「分かった条件の行(または列)の計」に変わることが、いちばん大事な点です。

朝食 毎日 毎日ではない 計 運動部 72 18 90 運動部以外 77 33 110 計 149 51 200 運動部と分かったとき: 72 ÷ 90 = 4/5(分母は行の計) 72 ÷ 200 としてはいけない(全体の 200 は使わない) 分かった条件の行が「新しい全体」になる

通販サイトの絞り込み検索を思い出してください。靴を探していて「サイズ 24 cm」「在庫あり」と条件を加えるたびに、画面に並ぶ商品は減っていきます。「表示されている商品のうち、何割がセール品か」を考えるときは、絞り込んだあとの件数を分母にするはずです。条件付き確率も同じで、分かった情報で全体を絞りこんでから割合を考えます。

「〜と分かったとき」の確率は、表の中でその条件にあてはまる行(列)だけを新しい全体とみて、その計で割ればよいということです。

例題1:表から条件付き確率を求める

上の表の 200200 人から1人を選びます。

(1) 選ばれた生徒が運動部員であると分かったとき、その生徒が朝食を毎日食べる確率を求めなさい。

(2) 選ばれた生徒が朝食を毎日は食べないと分かったとき、その生徒が運動部員である確率を求めなさい。


【解答】

(1) 分かった条件は「運動部」なので、運動部の行の計 9090 人が分母です。そのうち朝食を毎日食べるのは 7272 人です。

7290\displaystyle \frac{72}{90}=45‾\displaystyle {}= \underline{\frac{4}{5}}

(2) 分かった条件は「毎日は食べない」なので、その列の計 5151 人が分母です。そのうち運動部員は 1818 人です。

1851\displaystyle \frac{18}{51}=617‾\displaystyle {}= \underline{\frac{6}{17}}

(1) と (2) はどちらも「運動部」かつ「朝食」のますに関係しますが、分母が行の計か列の計かで答えが変わります。「何が分かったのか」を先に確認しましょう。

条件付き確率の定義

表を使わずに、確率の言葉で書き直します。

公式2:条件付き確率

事象 AA が起こったと分かったときに、事象 BB が起こる確率を、AA が起こったときの BB が起こる条件付き確率といい、PA(B)P_A(B) で表す。P(A)P(A)>0{}> 0 のとき

PA(B)\displaystyle P_A(B)=P(A∩B)P(A)\displaystyle {}= \frac{P(A \cap B)}{P(A)}

である。すべての根元事象が同様に確からしいときは、PA(B)P_A(B)=n(A∩B)n(A){}= \dfrac{n(A \cap B)}{n(A)} である。

記号 PA(B)P_A(B) は P(B∣A)P(B \mid A) と書かれることもあります。どちらも「AA が分かったうえでの BB」で、AA と BB の順番を入れかえた PB(A)P_B(A) とは、ふつう値が違います。

n(U)n(U) で分母と分子を割ると、n(A∩B)n(A)\dfrac{n(A \cap B)}{n(A)}=n(A∩B)÷n(U)n(A)÷n(U){}= \dfrac{n(A \cap B) \div n(U)}{n(A) \div n(U)}=P(A∩B)P(A){}= \dfrac{P(A \cap B)}{P(A)} となり、公式1 の「行の計で割る」と同じ式になります。確率の値だけが与えられた問題では、この形を使います。

クイズのヒントを思い浮かべてください。「ある都道府県を当ててください」と言われたとき、何も分からなければ候補は 4747 あります。「ヒント:海に面していません」と言われると、候補は海に面していない 88 県に減ります。ヒントを聞いたあとの「当てずっぽうで当たる確率」は、147\dfrac{1}{47} ではなく 18\dfrac{1}{8} です。ヒント(条件)は、考える範囲そのものを変えます。

条件付き確率 PA(B)P_A(B) は、「AA が起こった世界」を新しい全体とみて、その中で BB も起こる割合 P(A∩B)P(A)\dfrac{P(A \cap B)}{P(A)} だということです。

例題2:番号札で条件付き確率を求める

11 から 2020 までの番号が書かれた札が 11 枚ずつあり、この中から1枚を引きます。引いた札の番号が偶数であるという事象を AA、33 の倍数であるという事象を BB とします。

(1) 条件付き確率 PA(B)P_A(B) を求めなさい。

(2) 条件付き確率 PB(A)P_B(A) を求めなさい。


【解答】

2020 枚の引き方は同様に確からしいです。AA は偶数の 1010 枚、BB は 3,3, 6,\ 6, 9,\ 9, 12,\ 12, 15,\ 15, 18\ 18 の 66 枚、A∩BA \cap B は 66 の倍数の 6,6, 12,\ 12, 18\ 18 の 33 枚です。

(1)

PA(B)\displaystyle P_A(B)=n(A∩B)n(A)\displaystyle {}= \frac{n(A \cap B)}{n(A)}=310‾\displaystyle {}= \underline{\frac{3}{10}}

確率の式で書くと、P(A)P(A)=1020{}= \dfrac{10}{20},P(A∩B)P(A \cap B)=320{}= \dfrac{3}{20} なので、PA(B)P_A(B)=320÷1020{}= \dfrac{3}{20} \div \dfrac{10}{20}=310{}= \dfrac{3}{10} となり、同じ値です。

(2)

PB(A)\displaystyle P_B(A)=n(A∩B)n(B)\displaystyle {}= \frac{n(A \cap B)}{n(B)}=36\displaystyle {}= \frac{3}{6}=12‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{2}}

PA(B)P_A(B) と PB(A)P_B(A) は、分子が同じで分母が違うので、値も違います。

確率の乗法定理

公式2 の両辺に P(A)P(A) をかけると、積事象の確率を求める式になります。

公式3:確率の乗法定理

P(A)P(A)>0{}> 0 のとき

P(A∩B)\displaystyle P(A \cap B)=P(A)×PA(B)\displaystyle {}= P(A) \times P_A(B)

である。3つの事象についても、P(A∩B∩C)P(A \cap B \cap C)=P(A)×PA(B)×PA∩B(C){}= P(A) \times P_A(B) \times P_{A \cap B}(C) のように、前の結果が分かったうえでの確率を順にかけていけばよい。

この定理がとくに役立つのは、引いたくじを戻さないときです。第7章では、戻さない取り出しは独立な試行ではないので、確率をそのままかけてはいけないと注意しました。乗法定理なら、2回目の確率を「1回目の結果が分かったあとの確率」に置きかえることで、戻さない場合もかけ算で求められます。

オーディションの一次審査と二次審査を考えます。応募者のうち一次審査を通過するのが 15\dfrac{1}{5}、一次を通過した人のうち二次審査も通過するのが 14\dfrac{1}{4} なら、応募者全体のうち二次まで通過するのは 15×14\dfrac{1}{5} \times \dfrac{1}{4}=120{}= \dfrac{1}{20} です。二次審査の 14\dfrac{1}{4} は「応募者全体のうち」ではなく「一次を通過した人のうち」の割合であることに注意しましょう。

「AA かつ BB」の確率は、まず AA の確率、次に「AA が起こったうえでの BB」の確率を順にかければよいということです。

例題3:戻さないくじ引き

当たりくじ 22 本を含む 99 本のくじがあります。A\mathrm{A},B\mathrm{B},C\mathrm{C} の3人がこの順に1本ずつくじを引きます。引いたくじは元に戻しません。

(1) A\mathrm{A} と B\mathrm{B} がともに当たる確率を求めなさい。

(2) A\mathrm{A} がはずれ、B\mathrm{B} が当たり、C\mathrm{C} がはずれる確率を求めなさい。


【解答】

(1) A\mathrm{A} が当たる確率は 29\dfrac{2}{9} です。A\mathrm{A} が当たったとき、残りは 88 本で当たりは 11 本なので、B\mathrm{B} が当たる条件付き確率は 18\dfrac{1}{8} です。乗法定理より

29×18\displaystyle \frac{2}{9} \times \frac{1}{8}=136‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{36}}

(2) A\mathrm{A} がはずれる確率は 79\dfrac{7}{9}。そのとき残り 88 本に当たりは 22 本なので、B\mathrm{B} が当たる条件付き確率は 28\dfrac{2}{8}。さらにそのとき残り 77 本のうちはずれは 66 本なので、C\mathrm{C} がはずれる条件付き確率は 67\dfrac{6}{7} です。

79×28×67\displaystyle \frac{7}{9} \times \frac{2}{8} \times \frac{6}{7}=84504\displaystyle {}= \frac{84}{504}=16‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{6}}

確かめ:3人の引き方を順番まで区別すると 9P3{}_9\mathrm{P}_3=504{}= 504 通りで同様に確からしく、(2) にあてはまるのは 7×2×67 \times 2 \times 6=84{}= 84 通りです。乗法定理は、この数え上げを1段ずつの確率に分けて書いたものになっています。

第7章の問12 では、「硬貨を 88 回投げて表がちょうど 44 回」と「1,2回目が表」の確率をそのままかけるのは誤りだと注意しました。乗法定理を使えば、表がちょうど 44 回だったと分かったとき、1,2回目がともに表である条件付き確率は 6C28C4\dfrac{{}_6\mathrm{C}_2}{{}_8\mathrm{C}_4}=1570{}= \dfrac{15}{70} なので、70256×1570\dfrac{70}{256} \times \dfrac{15}{70}=15256{}= \dfrac{15}{256} と、同じ答えが正しい形で求まります。

場合に分けて足す――くじ引きの見直し

A\mathrm{A},B\mathrm{B} の順にくじを引くとき、B\mathrm{B} が当たる確率は、A\mathrm{A} が当たったかどうかで場合を分ければ求められます。2つの場合は互いに排反なので、それぞれを乗法定理で求めて足します。

公式4:場合に分けて足す

P(A)P(A)>0{}> 0,P(A‾)P(\overline{A})>0{}> 0 のとき、事象 BB の確率は

P(B)\displaystyle P(B)=P(A)×PA(B)\displaystyle {}= P(A) \times P_A(B)+P(A‾)×PA‾(B)\displaystyle {}+ P(\overline{A}) \times P_{\overline{A}}(B)

である。3つ以上の互いに排反な場合 A1A_1,A2A_2,…,AmA_m で全体がもれなく分けられるときも、P(B)P(B)=P(A1)PA1(B){}= P(A_1)P_{A_1}(B)+⋯{}+ \cdots+P(Am)PAm(B){}+ P(A_m)P_{A_m}(B) となる。

この公式で、第5章の「くじ引きは引く順番によらない」を確かめてみましょう。当たりくじ kk 本を含む nn 本のくじを、A\mathrm{A},B\mathrm{B} の順に戻さずに引きます。

P(B が当たる)\displaystyle P(\text{$\mathrm{B}$ が当たる})=kn×k−1n−1\displaystyle {}= \frac{k}{n} \times \frac{k - 1}{n - 1}+n−kn×kn−1\displaystyle {}+ \frac{n - k}{n} \times \frac{k}{n - 1}=k(k−1+n−k)n(n−1)\displaystyle {}= \frac{k(k - 1 + n - k)}{n(n - 1)}=kn\displaystyle {}= \frac{k}{n}

となり、A\mathrm{A} が当たる確率 kn\dfrac{k}{n} と一致します。第5章では全体を数えて示したことが、ここでは「A\mathrm{A} の結果で分けて足す」ことで示せました。

ただし、A\mathrm{A} の結果を知ったあとでは話が変わります。A\mathrm{A} が当たったと分かれば B\mathrm{B} が当たる確率は k−1n−1\dfrac{k-1}{n-1} に下がり、はずれたと分かれば kn−1\dfrac{k}{n-1} に上がります。「公平」なのは、前の人の結果をまだ知らない時点で比べたときです。

クラス全体の平均点を、男子の平均点と女子の平均点から出す場面を考えます。男子が 66 割、女子が 44 割なら、全体の平均は「男子の平均 ×0.6\times 0.6 + 女子の平均 ×0.4\times 0.4」です。公式4 も同じ形で、場合ごとの確率 PA(B)P_A(B),PA‾(B)P_{\overline{A}}(B) を、その場合になる確率 P(A)P(A),P(A‾)P(\overline{A}) の重みをつけて足しています。

条件によって確率が変わるときは、場合ごとに「その場合になる確率 × その場合での確率」を求め、全部足せばよいということです。

例題4:戻さずに2個取り出す

袋の中に赤玉 66 個と白玉 33 個が入っています。この袋から玉を1個取り出し、それを戻さずにもう1個取り出します。

(1) 2個目が赤玉である確率を求めなさい。

(2) 取り出した2個の玉の色が異なる確率を求めなさい。


【解答】

1個目が赤玉である確率は 69\dfrac{6}{9}、白玉である確率は 39\dfrac{3}{9} です。

(1) 1個目が赤玉のとき、残りは赤玉 55 個・白玉 33 個なので、2個目が赤玉である条件付き確率は 58\dfrac{5}{8}。1個目が白玉のとき、残りは赤玉 66 個・白玉 22 個なので、条件付き確率は 68\dfrac{6}{8} です。公式4 より

69×58\displaystyle \frac{6}{9} \times \frac{5}{8}+39×68\displaystyle {}+ \frac{3}{9} \times \frac{6}{8}=3072\displaystyle {}= \frac{30}{72}+1872\displaystyle {}+ \frac{18}{72}=4872\displaystyle {}= \frac{48}{72}=23‾\displaystyle {}= \underline{\frac{2}{3}}

1個目が赤玉である確率 69\dfrac{6}{9}=23{}= \dfrac{2}{3} と同じです。くじ引きと同じ理由で、何個目に取り出しても赤玉の確率は変わりません。

(2) 「赤→白」と「白→赤」は互いに排反です。

69×38\displaystyle \frac{6}{9} \times \frac{3}{8}+39×68\displaystyle {}+ \frac{3}{9} \times \frac{6}{8}=1872\displaystyle {}= \frac{18}{72}+1872\displaystyle {}+ \frac{18}{72}=12‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{2}}

原因の確率

「不良品が見つかった」という結果から、「どの工場で作られたか」という原因の確率を考えることがあります。これは「結果 BB が起こったと分かったときの、原因 AA の条件付き確率」PB(A)P_B(A) です。

公式5:原因の確率

原因 AA,A‾\overline{A} のそれぞれから結果 BB が起こる確率 PA(B)P_A(B),PA‾(B)P_{\overline{A}}(B) が分かっているとき、BB が起こったと分かったときに原因が AA である確率は

PB(A)\displaystyle P_B(A)=P(A∩B)P(B)\displaystyle {}= \frac{P(A \cap B)}{P(B)}=P(A) PA(B)P(A) PA(B)+P(A‾) PA‾(B)\displaystyle {}= \frac{P(A)\, P_A(B)}{P(A)\, P_A(B) + P(\overline{A})\, P_{\overline{A}}(B)}

である。分子は乗法定理(公式3)、分母は公式4 で求める。

式は長く見えますが、やっていることは「BB にたどりつく道の確率の合計のうち、AA を通る道の確率が占める割合」です。樹形図で見ると分かりやすくなります。

製品 原因(工場) 結果 道の確率 0.6 0.4 工場A 工場B 0.03 0.97 0.05 0.95 不良品 良品 不良品 良品 0.6×0.03=0.018 0.582 0.4×0.05=0.020 0.380 不良品と分かったとき工場A:0.018 ÷ (0.018 + 0.020) = 9/19 分母は「結果にたどりつく道」の合計、分子はその原因を通る道

雪の上の足あとを見つけた場面を想像してください。この森にはウサギがたくさんいて、キツネは少ししかいないとします。ただ、見つかった足あとが一直線に並んでいたら、そういう歩き方をするのはキツネのほうが多いので、「キツネの足あとかもしれない」と考え直すはずです。もともとの数の多さ(P(A)P(A))と、その原因からその結果が起こりやすいか(PA(B)P_A(B))の両方をかけ合わせて、原因を推理します。

結果から原因の確率を求めるときは、結果にたどりつくすべての道の確率を足して分母にし、その原因を通る道の確率を分子にすればよいということです。

例題5:どちらの工場の製品か

ある製品は、全体の 60%60\% が工場 A\mathrm{A}、残りの 40%40\% が工場 B\mathrm{B} で作られています。工場 A\mathrm{A} の製品の 3%3\%、工場 B\mathrm{B} の製品の 5%5\% が不良品です。この製品全体から1個を取り出します。

(1) 取り出した製品が不良品である確率を求めなさい。

(2) 取り出した製品が不良品であると分かったとき、それが工場 A\mathrm{A} の製品である確率を求めなさい。


【解答】

工場 A\mathrm{A} の製品であるという事象を AA、不良品であるという事象を EE とします。P(A)P(A)=0.6{}= 0.6,P(A‾)P(\overline{A})=0.4{}= 0.4,PA(E)P_A(E)=0.03{}= 0.03,PA‾(E)P_{\overline{A}}(E)=0.05{}= 0.05 です。

(1) 公式4 より

P(E)\displaystyle P(E)=0.6×0.03\displaystyle {}= 0.6 \times 0.03+0.4×0.05\displaystyle {}+ 0.4 \times 0.05=0.018\displaystyle {}= 0.018+0.020\displaystyle {}+ 0.020=0.038\displaystyle {}= 0.038=19500‾\displaystyle {}= \underline{\frac{19}{500}}

(2) 乗法定理より P(A∩E)P(A \cap E)=0.6×0.03{}= 0.6 \times 0.03=0.018{}= 0.018 なので

PE(A)\displaystyle P_E(A)=P(A∩E)P(E)\displaystyle {}= \frac{P(A \cap E)}{P(E)}=0.0180.038\displaystyle {}= \frac{0.018}{0.038}=919‾\displaystyle {}= \underline{\frac{9}{19}}

工場 A\mathrm{A} は製品の 60%60\% を作っていますが、不良品に限ると工場 A\mathrm{A} の製品の割合は 919\dfrac{9}{19}≒47%{}\fallingdotseq 47\% に下がります。工場 A\mathrm{A} のほうが不良品を出しにくいからです。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

ある部の部員 3030 人のうち、1年生は 1212 人で、そのうち 55 人はその競技の経験者です。部員から1人を選んだところ、1年生であると分かりました。この部員が経験者である確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

512‾\underline{\dfrac{5}{12}}(分母は1年生の 1212 人)

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問2

2つの事象 AA,BB について、P(A)P(A)=12{}= \dfrac{1}{2},P(A∩B)P(A \cap B)=15{}= \dfrac{1}{5} です。条件付き確率 PA(B)P_A(B) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

25‾\underline{\dfrac{2}{5}}(15÷12\dfrac{1}{5} \div \dfrac{1}{2})

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問3

1個のさいころを投げたところ、素数の目が出たと分かりました。その目が偶数である確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

13‾\underline{\dfrac{1}{3}}(素数の目 2,2, 3,\ 3, 5\ 5 のうち偶数は 22 だけ)

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問4

当たりくじ 33 本を含む 77 本のくじを、A\mathrm{A},B\mathrm{B} の2人がこの順に1本ずつ引きます。引いたくじは元に戻しません。2人とも当たる確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

17‾\underline{\dfrac{1}{7}}(乗法定理で 37×26\dfrac{3}{7} \times \dfrac{2}{6})

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問5

2つの事象 AA,BB について、P(A)P(A)=25{}= \dfrac{2}{5},PA(B)P_A(B)=12{}= \dfrac{1}{2} です。P(A∩B)P(A \cap B) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

15‾\underline{\dfrac{1}{5}}(乗法定理で 25×12\dfrac{2}{5} \times \dfrac{1}{2})

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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

ある町の住民 250250 人に、電子書籍を利用するかどうかをたずね、年代別に次の表にまとめました。

利用する利用しない計
30歳未満64643636100100
30歳以上51519999150150
計115115135135250250

この 250250 人から1人を選びます。

(1) 選ばれた人が30歳未満であると分かったとき、その人が電子書籍を利用する確率を求めなさい。

(2) 選ばれた人が電子書籍を利用すると分かったとき、その人が30歳以上である確率を求めなさい。

(3) 選ばれた人が電子書籍を利用しないと分かったとき、その人が30歳未満である確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 1625\dfrac{16}{25} (2) 51115\dfrac{51}{115} (3) 415\dfrac{4}{15}

解説

「分かった条件」の行または列の計を分母にします。

(1) 30歳未満の行の計 100100 人のうち、利用する人は 6464 人です。

64100\displaystyle \frac{64}{100}=1625‾\displaystyle {}= \underline{\frac{16}{25}}

(2) 「利用する」の列の計 115115 人のうち、30歳以上は 5151 人です。

51115‾\underline{\frac{51}{115}}

5151=3×17{}= 3 \times 17,115115=5×23{}= 5 \times 23 なので、これ以上約分できません。

(3) 「利用しない」の列の計 135135 人のうち、30歳未満は 3636 人です。

36135\displaystyle \frac{36}{135}=415‾\displaystyle {}= \underline{\frac{4}{15}}
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問2 ★

11 から 3030 までの番号が書かれた札が 11 枚ずつあり、この中から1枚を引きます。

(1) 引いた札の番号が 33 の倍数であると分かったとき、それが 55 の倍数でもある確率を求めなさい。

(2) 引いた札の番号が奇数であると分かったとき、それが 33 の倍数である確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 15\dfrac{1}{5} (2) 13\dfrac{1}{3}

解説

3030 枚の引き方は同様に確からしいので、条件付き確率は n(A∩B)n(A)\dfrac{n(A \cap B)}{n(A)} で求められます。

(1) 33 の倍数は 30÷330 \div 3=10{}= 10 個です。そのうち 55 の倍数でもあるのは 1515 の倍数で、15,15, 30\ 30 の 22 個です。

210\displaystyle \frac{2}{10}=15‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{5}}

(2) 奇数は 1515 個です。そのうち 33 の倍数は 3,3, 9,\ 9, 15,\ 15, 21,\ 21, 27\ 27 の 55 個です。

515\displaystyle \frac{5}{15}=13‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{3}}
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問3 ★

2つの事象 AA,BB について、P(A)P(A)=25{}= \dfrac{2}{5},P(B)P(B)=12{}= \dfrac{1}{2},P(A∪B)P(A \cup B)=34{}= \dfrac{3}{4} です。

(1) 条件付き確率 PA(B)P_A(B) を求めなさい。

(2) 条件付き確率 PB(A)P_B(A) を求めなさい。

(3) 条件付き確率 PA(B‾)P_A(\overline{B}) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 38\dfrac{3}{8} (2) 310\dfrac{3}{10} (3) 58\dfrac{5}{8}

解説

まず P(A∩B)P(A \cap B) を求めます。和事象の確率の公式より

P(A∩B)\displaystyle P(A \cap B)=P(A)\displaystyle {}= P(A)+P(B)\displaystyle {}+ P(B)−P(A∪B)\displaystyle {}- P(A \cup B)=820\displaystyle {}= \frac{8}{20}+1020\displaystyle {}+ \frac{10}{20}−1520\displaystyle {}- \frac{15}{20}=320\displaystyle {}= \frac{3}{20}

(1)

PA(B)\displaystyle P_A(B)=P(A∩B)P(A)\displaystyle {}= \frac{P(A \cap B)}{P(A)}=320÷25\displaystyle {}= \frac{3}{20} \div \frac{2}{5}=320×52\displaystyle {}= \frac{3}{20} \times \frac{5}{2}=38‾\displaystyle {}= \underline{\frac{3}{8}}

(2)

PB(A)\displaystyle P_B(A)=P(A∩B)P(B)\displaystyle {}= \frac{P(A \cap B)}{P(B)}=320÷12\displaystyle {}= \frac{3}{20} \div \frac{1}{2}=310‾\displaystyle {}= \underline{\frac{3}{10}}

(3) AA が起こったうえで「BB が起こる」と「BB が起こらない」は余事象どうしなので

PA(B‾)\displaystyle P_A(\overline{B})=1\displaystyle {}= 1−PA(B)\displaystyle {}- P_A(B)=1\displaystyle {}= 1−38\displaystyle {}- \frac{3}{8}=58‾\displaystyle {}= \underline{\frac{5}{8}}

確かめ:P(A∩B‾)P(A \cap \overline{B})=P(A){}= P(A)−P(A∩B){}- P(A \cap B)=820{}= \dfrac{8}{20}−320{}- \dfrac{3}{20}=14{}= \dfrac{1}{4} で、14÷25\dfrac{1}{4} \div \dfrac{2}{5}=58{}= \dfrac{5}{8} です。

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問4 ★

袋の中に青玉 55 個と黄玉 33 個が入っています。この袋から玉を1個ずつ、元に戻さずに3回取り出します。

(1) 3個とも青玉である確率を求めなさい。

(2) 1個目と2個目が黄玉で、3個目が青玉である確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 528\dfrac{5}{28} (2) 556\dfrac{5}{56}

解説

取り出した玉を戻さないので、2個目以降は「前の結果が分かったうえでの確率」を使い、乗法定理でかけます。

(1) 1個目が青玉の確率は 58\dfrac{5}{8}。そのとき残り 77 個のうち青玉は 44 個なので、2個目も青玉の条件付き確率は 47\dfrac{4}{7}。さらに残り 66 個のうち青玉は 33 個です。

58×47×36\displaystyle \frac{5}{8} \times \frac{4}{7} \times \frac{3}{6}=60336\displaystyle {}= \frac{60}{336}=528‾\displaystyle {}= \underline{\frac{5}{28}}

(2) 1個目が黄玉の確率は 38\dfrac{3}{8}、そのとき2個目も黄玉の条件付き確率は 27\dfrac{2}{7}、そのとき3個目が青玉の条件付き確率は 56\dfrac{5}{6} です。

38×27×56\displaystyle \frac{3}{8} \times \frac{2}{7} \times \frac{5}{6}=30336\displaystyle {}= \frac{30}{336}=556‾\displaystyle {}= \underline{\frac{5}{56}}
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問5 ★

当たりくじ 44 本を含む 1515 本のくじを、A\mathrm{A},B\mathrm{B} の2人がこの順に1本ずつ引きます。引いたくじは元に戻しません。

(1) B\mathrm{B} が当たる確率を求めなさい。

(2) A\mathrm{A} がはずれたと分かったとき、B\mathrm{B} が当たる確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 415\dfrac{4}{15} (2) 27\dfrac{2}{7}

解説

(1) A\mathrm{A} が当たるかはずれるかで場合を分けます。A\mathrm{A} が当たったとき、残り 1414 本に当たりは 33 本、A\mathrm{A} がはずれたとき、残り 1414 本に当たりは 44 本です。

415×314\displaystyle \frac{4}{15} \times \frac{3}{14}+1115×414\displaystyle {}+ \frac{11}{15} \times \frac{4}{14}=12210\displaystyle {}= \frac{12}{210}+44210\displaystyle {}+ \frac{44}{210}=56210\displaystyle {}= \frac{56}{210}=415‾\displaystyle {}= \underline{\frac{4}{15}}

A\mathrm{A} が当たる確率 415\dfrac{4}{15} と同じで、くじ引きは順番によらないことが確かめられます。

(2) A\mathrm{A} がはずれたと分かれば、残り 1414 本のうち当たりは 44 本です。

414\displaystyle \frac{4}{14}=27‾\displaystyle {}= \underline{\frac{2}{7}}

前の人の結果が分かると、確率は 415\dfrac{4}{15} から 27\dfrac{2}{7} に変わります。

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問6 ★

ある生徒は、毎朝 35\dfrac{3}{5} の確率でバス、25\dfrac{2}{5} の確率で自転車を使って通学します。バスで通学した日に遅刻する確率は 112\dfrac{1}{12}、自転車で通学した日に遅刻する確率は 120\dfrac{1}{20} です。

(1) ある日、この生徒が遅刻する確率を求めなさい。

(2) ある日、この生徒が遅刻したと分かったとき、その日に自転車で通学していた確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 7100\dfrac{7}{100} (2) 27\dfrac{2}{7}

解説

バスで通学するという事象を AA、遅刻するという事象を LL とします。

(1) 公式4 より

P(L)\displaystyle P(L)=35×112\displaystyle {}= \frac{3}{5} \times \frac{1}{12}+25×120\displaystyle {}+ \frac{2}{5} \times \frac{1}{20}=120\displaystyle {}= \frac{1}{20}+150\displaystyle {}+ \frac{1}{50}=5100\displaystyle {}= \frac{5}{100}+2100\displaystyle {}+ \frac{2}{100}=7100‾\displaystyle {}= \underline{\frac{7}{100}}

(2) 自転車で通学して遅刻する確率は P(A‾∩L)P(\overline{A} \cap L)=25×120{}= \dfrac{2}{5} \times \dfrac{1}{20}=2100{}= \dfrac{2}{100} です。

PL(A‾)\displaystyle P_L(\overline{A})=P(A‾∩L)P(L)\displaystyle {}= \frac{P(\overline{A} \cap L)}{P(L)}=2100÷7100\displaystyle {}= \frac{2}{100} \div \frac{7}{100}=27‾\displaystyle {}= \underline{\frac{2}{7}}
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問7 ★

ある学校の生徒のうち 60%60\% が男子、40%40\% が女子です。男子の 25%25\%、女子の 40%40\% が、買い物に電子マネーを使っています。この学校の生徒から1人を選びます。

(1) 選ばれた生徒が電子マネーを使っている確率を求めなさい。

(2) 選ばれた生徒が電子マネーを使っていると分かったとき、その生徒が女子である確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 31100\dfrac{31}{100} (2) 1631\dfrac{16}{31}

解説

生徒を 500500 人として、度数の表を作ります(何人と置いても割合は同じです)。男子は 300300 人で、そのうち 300×0.25300 \times 0.25=75{}= 75 人、女子は 200200 人で、そのうち 200×0.4200 \times 0.4=80{}= 80 人が電子マネーを使っています。

使う使わない計
男子7575225225300300
女子8080120120200200
計155155345345500500

(1)

155500\displaystyle \frac{155}{500}=31100‾\displaystyle {}= \underline{\frac{31}{100}}

(2) 「使う」の列の計 155155 人のうち、女子は 8080 人です。

80155\displaystyle \frac{80}{155}=1631‾\displaystyle {}= \underline{\frac{16}{31}}

確率の式で書くと、PP=0.4×0.40.6×0.25+0.4×0.4{}= \dfrac{0.4 \times 0.4}{0.6 \times 0.25 + 0.4 \times 0.4}=0.160.31{}= \dfrac{0.16}{0.31} で、同じ値です。

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問8 ★

1枚の硬貨を 33 回投げたところ、少なくとも1回は表が出たと分かりました。

(1) 表がちょうど 22 回出ている確率を求めなさい。

(2) 1回目に表が出ている確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 37\dfrac{3}{7} (2) 47\dfrac{4}{7}

解説

3回の表裏の出方は 232^3=8{}= 8 通りで、同様に確からしいです。「少なくとも1回は表」は、3回とも裏の 11 通りを除いた 77 通りです。これが新しい全体になります。

(1) 表がちょうど2回の出方は 3C2{}_3\mathrm{C}_2=3{}= 3 通りで、どれも「少なくとも1回は表」に含まれます。

37‾\underline{\frac{3}{7}}

(2) 1回目が表の出方は、2回目と3回目が自由なので 222^2=4{}= 4 通りで、どれも「少なくとも1回は表」に含まれます。

47‾\underline{\frac{4}{7}}

何も分かっていないときの確率 12\dfrac{1}{2} より大きくなります。「少なくとも1回は表」という情報が、表が多い出方の割合を増やしたからです。

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問9 ★★

大小2個のさいころを同時に投げます。

(1) 出た目の和が 88 であると分かったとき、少なくとも一方の目が 33 以下である確率を求めなさい。

(2) 出た目の積が偶数であると分かったとき、出た目の和も偶数である確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 45\dfrac{4}{5} (2) 13\dfrac{1}{3}

解説

目の出方は 3636 通りで、同様に確からしいです。

(1) 和が 88 になるのは、(大, 小) =(2,6)= (2, 6),(3,5)(3, 5),(4,4)(4, 4),(5,3)(5, 3),(6,2)(6, 2) の 55 通りです。このうち少なくとも一方が 33 以下なのは (4,4)(4, 4) 以外の 44 通りです。

45‾\underline{\frac{4}{5}}

(2) 積が奇数になるのは2つとも奇数のときで 3×33 \times 3=9{}= 9 通りなので、積が偶数になるのは 3636−9{}- 9=27{}= 27 通りです。

積が偶数で和も偶数になるのは、2つの目の偶奇がそろい、しかも少なくとも一方が偶数のとき、つまり2つとも偶数のときで、3×33 \times 3=9{}= 9 通りです。

927\displaystyle \frac{9}{27}=13‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{3}}
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問10 ★★

袋の中に赤玉 22 個と白玉 33 個が入っています。この袋から玉を1個取り出し、赤玉ならば袋に戻さず、白玉ならば袋に戻します。そのあと、もう1個取り出します。

(1) 2個目に取り出した玉が赤玉である確率を求めなさい。

(2) 2個目に取り出した玉が赤玉であると分かったとき、1個目に取り出した玉も赤玉であった確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 1750\dfrac{17}{50} (2) 517\dfrac{5}{17}

解説

1個目が赤玉のとき、袋は赤玉 11 個・白玉 33 個になるので、2個目が赤玉である条件付き確率は 14\dfrac{1}{4} です。1個目が白玉のとき、袋は元のままなので、条件付き確率は 25\dfrac{2}{5} です。

(1) 公式4 より

25×14\displaystyle \frac{2}{5} \times \frac{1}{4}+35×25\displaystyle {}+ \frac{3}{5} \times \frac{2}{5}=110\displaystyle {}= \frac{1}{10}+625\displaystyle {}+ \frac{6}{25}=550\displaystyle {}= \frac{5}{50}+1250\displaystyle {}+ \frac{12}{50}=1750‾\displaystyle {}= \underline{\frac{17}{50}}

(2) 「1個目も2個目も赤玉」の確率は 110\dfrac{1}{10}=550{}= \dfrac{5}{50} です。

550÷1750\displaystyle \frac{5}{50} \div \frac{17}{50}=517‾\displaystyle {}= \underline{\frac{5}{17}}
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問11 ★★

ある病気にかかっている人の割合は 2%2\% です。この病気の検査では、かかっている人は 90%90\% の確率で陽性と判定され、かかっていない人も 5%5\% の確率で陽性と判定されます。多くの人の中から1人を選んで検査します。

(1) 陽性と判定される確率を求めなさい。

(2) 陽性と判定されたとき、その人が実際にこの病気にかかっている確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 671000\dfrac{67}{1000} (2) 1867\dfrac{18}{67}

解説

病気にかかっているという事象を DD、陽性と判定されるという事象を EE とします。P(D)P(D)=0.02{}= 0.02,P(D‾)P(\overline{D})=0.98{}= 0.98,PD(E)P_D(E)=0.9{}= 0.9,PD‾(E)P_{\overline{D}}(E)=0.05{}= 0.05 です。

(1) 公式4 より

P(E)\displaystyle P(E)=0.02×0.9\displaystyle {}= 0.02 \times 0.9+0.98×0.05\displaystyle {}+ 0.98 \times 0.05=0.018\displaystyle {}= 0.018+0.049\displaystyle {}+ 0.049=0.067\displaystyle {}= 0.067=671000‾\displaystyle {}= \underline{\frac{67}{1000}}

(2)

PE(D)\displaystyle P_E(D)=P(D∩E)P(E)\displaystyle {}= \frac{P(D \cap E)}{P(E)}=0.0180.067\displaystyle {}= \frac{0.018}{0.067}=1867‾\displaystyle {}= \underline{\frac{18}{67}}

およそ 27%27\% です。検査の精度が高く見えても、かかっている人がもともと少ないと、陽性の人の多くはかかっていない人になります。10001000 人で考えると、かかっていて陽性の人は 1818 人、かかっていないのに陽性の人は 4949 人です。

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問12 ★★

1枚の硬貨を 66 回投げたところ、表がちょうど 33 回出たと分かりました。

(1) 1回目に表が出ている確率を求めなさい。

(2) 1回目と2回目がともに表である確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 12\dfrac{1}{2} (2) 15\dfrac{1}{5}

解説

表がちょうど3回の出方は、表になる3回の選び方で 6C3{}_6\mathrm{C}_3=20{}= 20 通りです。6回の表裏の出方 262^6 通りは同様に確からしいので、この 2020 通りも同様に確からしく、これが新しい全体になります。

(1) 1回目が表で、残り5回のうち2回が表になる出方は 5C2{}_5\mathrm{C}_2=10{}= 10 通りです。

1020\displaystyle \frac{10}{20}=12‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{2}}

(2) 1回目と2回目が表で、残り4回のうち1回が表になる出方は 4C1{}_4\mathrm{C}_1=4{}= 4 通りです。

420\displaystyle \frac{4}{20}=15‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{5}}

(2) は 12×12\dfrac{1}{2} \times \dfrac{1}{2}=14{}= \dfrac{1}{4} ではありません。1回目が表だと分かると、残りの5回で表になるのは2回だけなので、2回目が表である条件付き確率は 25\dfrac{2}{5} に下がります。乗法定理で 12×25\dfrac{1}{2} \times \dfrac{2}{5}=15{}= \dfrac{1}{5} としても求められます。

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問13 ★★

当たりくじ 22 本を含む 66 本のくじを、A\mathrm{A},B\mathrm{B},C\mathrm{C} の3人がこの順に1本ずつ引きます。引いたくじは元に戻しません。

(1) C\mathrm{C} が当たる確率を求めなさい。

(2) C\mathrm{C} が当たったと分かったとき、A\mathrm{A} も当たっている確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 13\dfrac{1}{3} (2) 15\dfrac{1}{5}

解説

当たりを ○、はずれを × で表します。C\mathrm{C} が当たるのは、(A\mathrm{A},B\mathrm{B},C\mathrm{C} の順に)○×○,×○○,××○ の3つの場合で、互いに排反です。○○○ は当たりが 22 本しかないので起こりません。

  • ○×○:26×45×14\dfrac{2}{6} \times \dfrac{4}{5} \times \dfrac{1}{4}=115{}= \dfrac{1}{15}
  • ×○○:46×25×14\dfrac{4}{6} \times \dfrac{2}{5} \times \dfrac{1}{4}=115{}= \dfrac{1}{15}
  • ××○:46×35×24\dfrac{4}{6} \times \dfrac{3}{5} \times \dfrac{2}{4}=315{}= \dfrac{3}{15}

(1)

115\displaystyle \frac{1}{15}+115\displaystyle {}+ \frac{1}{15}+315\displaystyle {}+ \frac{3}{15}=515\displaystyle {}= \frac{5}{15}=13‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{3}}

くじ引きは順番によらないので、A\mathrm{A} が当たる確率 26\dfrac{2}{6} と一致します。

(2) 「A\mathrm{A} も C\mathrm{C} も当たる」のは ○×○ の場合だけで、確率は 115\dfrac{1}{15} です。

115÷13\displaystyle \frac{1}{15} \div \frac{1}{3}=15‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{5}}

別解:C\mathrm{C} が当たったと分かれば、残りの 55 本に当たりは 11 本です。A\mathrm{A} がその 55 本のどれを引いたかは同様に確からしいので、15\dfrac{1}{5} です。

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問14 ★★

3つの箱 A\mathrm{A},B\mathrm{B},C\mathrm{C} があり、A\mathrm{A} には赤玉 11 個と白玉 33 個、B\mathrm{B} には赤玉 22 個と白玉 22 個、C\mathrm{C} には赤玉 33 個と白玉 11 個が入っています。さいころを1個投げ、11 の目が出たら A\mathrm{A}、22 か 33 の目が出たら B\mathrm{B}、それ以外の目が出たら C\mathrm{C} の箱を選び、選んだ箱から玉を1個取り出します。

(1) 取り出した玉が赤玉である確率を求めなさい。

(2) 取り出した玉が赤玉であると分かったとき、選んだ箱が C\mathrm{C} である確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 712\dfrac{7}{12} (2) 914\dfrac{9}{14}

解説

箱 A\mathrm{A},B\mathrm{B},C\mathrm{C} を選ぶ確率は 16\dfrac{1}{6},26\dfrac{2}{6},36\dfrac{3}{6}、それぞれの箱から赤玉が出る確率は 14\dfrac{1}{4},24\dfrac{2}{4},34\dfrac{3}{4} です。

(1) 3つの場合は互いに排反で、全体をもれなく分けているので

16×14\displaystyle \frac{1}{6} \times \frac{1}{4}+26×24\displaystyle {}+ \frac{2}{6} \times \frac{2}{4}+36×34\displaystyle {}+ \frac{3}{6} \times \frac{3}{4}=124\displaystyle {}= \frac{1}{24}+424\displaystyle {}+ \frac{4}{24}+924\displaystyle {}+ \frac{9}{24}=1424\displaystyle {}= \frac{14}{24}=712‾\displaystyle {}= \underline{\frac{7}{12}}

(2) 箱 C\mathrm{C} を選んで赤玉が出る確率は 924\dfrac{9}{24} です。

924÷1424\displaystyle \frac{9}{24} \div \frac{14}{24}=914‾\displaystyle {}= \underline{\frac{9}{14}}
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問15 ★★

袋の中に赤玉 44 個と白玉 22 個が入っています。この袋から玉を1個ずつ、元に戻さずに2回取り出します。

(1) 少なくとも1個は赤玉であると分かったとき、2個とも赤玉である確率を求めなさい。

(2) 1個目が赤玉であると分かったとき、2個とも赤玉である確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 37\dfrac{3}{7} (2) 35\dfrac{3}{5}

解説

2個とも赤玉である確率は、乗法定理より 46×35\dfrac{4}{6} \times \dfrac{3}{5}=25{}= \dfrac{2}{5} です。

(1) 「少なくとも1個は赤玉」の余事象は「2個とも白玉」で、その確率は 26×15\dfrac{2}{6} \times \dfrac{1}{5}=115{}= \dfrac{1}{15} なので、「少なくとも1個は赤玉」の確率は 1415\dfrac{14}{15} です。「2個とも赤玉」はこれに含まれるので

25÷1415\displaystyle \frac{2}{5} \div \frac{14}{15}=25×1514\displaystyle {}= \frac{2}{5} \times \frac{15}{14}=37‾\displaystyle {}= \underline{\frac{3}{7}}

(2) 1個目が赤玉である確率は 46\dfrac{4}{6}=23{}= \dfrac{2}{3} で、「2個とも赤玉」はこれに含まれるので

25÷23\displaystyle \frac{2}{5} \div \frac{2}{3}=35‾\displaystyle {}= \underline{\frac{3}{5}}

これは「1個目が赤玉のとき、残り5個のうち赤玉は3個」と直接考えても求まります。(1) と (2) は似た情報に見えますが、「少なくとも1個」は「1個目が赤」より広い条件なので、2個とも赤玉である割合は小さくなります。

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問16 ★★

3枚のカードがあり、1枚は両面とも赤、1枚は両面とも白、残りの1枚は片面が赤で片面が白です。3枚から1枚を選び、どちらかの面を上にして机に置きます。どのカードを選ぶことも、どちらの面が上になることも同様に確からしいものとします。

(1) 上の面が赤であると分かったとき、そのカードの裏の面も赤である確率を求めなさい。

(2) 上の面が白であると分かったとき、そのカードの裏の面が赤である確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 23\dfrac{2}{3} (2) 13\dfrac{1}{3}

解説

両面赤のカードを R\mathrm{R}、両面白を W\mathrm{W}、片面ずつを M\mathrm{M} とします。カードの選び方は 13\dfrac{1}{3} ずつです。

(1) 上の面が赤になる確率は、公式4 より

13×1\displaystyle \frac{1}{3} \times 1+13×0\displaystyle {}+ \frac{1}{3} \times 0+13×12\displaystyle {}+ \frac{1}{3} \times \frac{1}{2}=12\displaystyle {}= \frac{1}{2}

裏も赤になるのはカード R\mathrm{R} を選んだときで、その確率は 13\dfrac{1}{3} です。

13÷12\displaystyle \frac{1}{3} \div \frac{1}{2}=23‾\displaystyle {}= \underline{\frac{2}{3}}

「赤が見えたのは R\mathrm{R} か M\mathrm{M} だから 12\dfrac{1}{2}」と考えるのは誤りです。6つの面を区別すると、赤い面は R\mathrm{R} の2面と M\mathrm{M} の1面の計3面で、そのうち裏も赤なのは R\mathrm{R} の2面です。

(2) 上の面が白になる確率は 11−12{}- \dfrac{1}{2}=12{}= \dfrac{1}{2} です。裏が赤になるのはカード M\mathrm{M} の白い面が上のときで、その確率は 13×12\dfrac{1}{3} \times \dfrac{1}{2}=16{}= \dfrac{1}{6} です。

16÷12\displaystyle \frac{1}{6} \div \frac{1}{2}=13‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{3}}
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問17 ★★★

ある病気にかかっている人の割合は 150\dfrac{1}{50} です。この病気の検査では、かかっている人は 910\dfrac{9}{10} の確率で陽性、かかっていない人は 110\dfrac{1}{10} の確率で陽性と判定されます。同じ人がこの検査を2回受けるとき、その人がかかっているかどうかが決まっていれば、2回の検査の結果は互いに影響しないものとします。多くの人の中から1人を選んで検査します。

(1) 1回目の検査で陽性と判定されたとき、その人がこの病気にかかっている確率を求めなさい。

(2) 2回の検査で2回とも陽性と判定されたとき、その人がこの病気にかかっている確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 958\dfrac{9}{58} (2) 81130\dfrac{81}{130}

解説

病気にかかっているという事象を DD とします。P(D)P(D)=150{}= \dfrac{1}{50},P(D‾)P(\overline{D})=4950{}= \dfrac{49}{50} です。

(1) 陽性と判定される確率は

150×910\displaystyle \frac{1}{50} \times \frac{9}{10}+4950×110\displaystyle {}+ \frac{49}{50} \times \frac{1}{10}=9500\displaystyle {}= \frac{9}{500}+49500\displaystyle {}+ \frac{49}{500}=58500\displaystyle {}= \frac{58}{500}

このうち、かかっていて陽性になる確率は 9500\dfrac{9}{500} なので

9500÷58500\displaystyle \frac{9}{500} \div \frac{58}{500}=958‾\displaystyle {}= \underline{\frac{9}{58}}

(2) かかっている人が2回とも陽性になる確率は、2回の結果が互いに影響しないので (910)2\left(\dfrac{9}{10}\right)^2=81100{}= \dfrac{81}{100}、かかっていない人では (110)2\left(\dfrac{1}{10}\right)^2=1100{}= \dfrac{1}{100} です。2回とも陽性になる確率は

150×81100\displaystyle \frac{1}{50} \times \frac{81}{100}+4950×1100\displaystyle {}+ \frac{49}{50} \times \frac{1}{100}=815000\displaystyle {}= \frac{81}{5000}+495000\displaystyle {}+ \frac{49}{5000}=1305000\displaystyle {}= \frac{130}{5000}

よって

815000÷1305000\displaystyle \frac{81}{5000} \div \frac{130}{5000}=81130‾\displaystyle {}= \underline{\frac{81}{130}}

1回の陽性ではかかっている確率は約 16%16\% にすぎませんが、2回続けて陽性なら約 62%62\% まで上がります。2回目は「1回目で陽性だった人たち」の中で原因の確率を考え直していることにあたります。

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問18 ★★★

袋の中に赤玉 22 個と白玉 44 個が入っています。A\mathrm{A},B\mathrm{B} の2人が、A\mathrm{A} から始めて交互に1個ずつ玉を取り出していき、先に赤玉を取り出したほうを勝ちとします。取り出した玉は元に戻しません。

(1) A\mathrm{A} が勝つ確率を求めなさい。

(2) A\mathrm{A} が勝ったと分かったとき、A\mathrm{A} が最初に取り出した玉で勝っていた確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 35\dfrac{3}{5} (2) 59\dfrac{5}{9}

解説

白玉は 44 個しかないので、遅くとも5個目までに赤玉が出ます。ii 個目に初めて赤玉が出る確率を、乗法定理で求めます。

  • 1個目:26\dfrac{2}{6}=515{}= \dfrac{5}{15}
  • 2個目:46×25\dfrac{4}{6} \times \dfrac{2}{5}=415{}= \dfrac{4}{15}
  • 3個目:46×35×24\dfrac{4}{6} \times \dfrac{3}{5} \times \dfrac{2}{4}=315{}= \dfrac{3}{15}
  • 4個目:46×35×24×23\dfrac{4}{6} \times \dfrac{3}{5} \times \dfrac{2}{4} \times \dfrac{2}{3}=215{}= \dfrac{2}{15}
  • 5個目:46×35×24×13×22\dfrac{4}{6} \times \dfrac{3}{5} \times \dfrac{2}{4} \times \dfrac{1}{3} \times \dfrac{2}{2}=115{}= \dfrac{1}{15}

合計は 1515\dfrac{15}{15}=1{}= 1 で、もれがないことが確かめられます。

(1) A\mathrm{A} が取り出すのは 1,3,5 個目なので

515\displaystyle \frac{5}{15}+315\displaystyle {}+ \frac{3}{15}+115\displaystyle {}+ \frac{1}{15}=915\displaystyle {}= \frac{9}{15}=35‾\displaystyle {}= \underline{\frac{3}{5}}

(2)

515÷915\displaystyle \frac{5}{15} \div \frac{9}{15}=59‾\displaystyle {}= \underline{\frac{5}{9}}

別の見方:6個を全部取り出したと考えると、赤玉2個の位置の選び方 6C2{}_6\mathrm{C}_2=15{}= 15 通りは同様に確からしく、最初の赤玉が ii 個目になるのは、もう1個の赤玉が ii 個目より後ろにある 66−i{}- i 通りです。これが上の分子 5,5, 4,\ 4, 3,\ 3, 2,\ 2, 1\ 1 になっています。

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問19 ★★★

さいころを1個投げ、出た目の数と同じ回数だけ硬貨を投げます。

(1) 硬貨の表がちょうど 22 回出る確率を求めなさい。

(2) 硬貨の表がちょうど 22 回出たと分かったとき、さいころの目が 33 であった確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 33128\dfrac{33}{128} (2) 833\dfrac{8}{33}

解説

さいころの目が kk のとき、硬貨を kk 回投げて表がちょうど2回出る条件付き確率は、反復試行の確率より kC2(12)k{}_k\mathrm{C}_2 \left(\dfrac{1}{2}\right)^k です(kk=1{}= 1 なら 00)。分母を 6464 にそろえると

kk112233445566
条件付き確率001664\dfrac{16}{64}2464\dfrac{24}{64}2464\dfrac{24}{64}2064\dfrac{20}{64}1564\dfrac{15}{64}

(例えば kk=3{}= 3 は 3C2×18{}_3\mathrm{C}_2 \times \dfrac{1}{8}=38{}= \dfrac{3}{8}=2464{}= \dfrac{24}{64}、kk=5{}= 5 は 5C2×132{}_5\mathrm{C}_2 \times \dfrac{1}{32}=1032{}= \dfrac{10}{32}=2064{}= \dfrac{20}{64} です。)

(1) それぞれの目が出る確率は 16\dfrac{1}{6} なので、公式4 より

16×0+16+24+24+20+1564\displaystyle \frac{1}{6} \times \frac{0 + 16 + 24 + 24 + 20 + 15}{64}=16×9964\displaystyle {}= \frac{1}{6} \times \frac{99}{64}=99384\displaystyle {}= \frac{99}{384}=33128‾\displaystyle {}= \underline{\frac{33}{128}}

(2) さいころの目が 33 で表がちょうど2回出る確率は 16×2464\dfrac{1}{6} \times \dfrac{24}{64} です。

(16×2464)÷(16×9964)\displaystyle \left(\frac{1}{6} \times \frac{24}{64}\right) \div \left(\frac{1}{6} \times \frac{99}{64}\right)=2499\displaystyle {}= \frac{24}{99}=833‾\displaystyle {}= \underline{\frac{8}{33}}

kk=3{}= 3 と kk=4{}= 4 は条件付き確率が同じなので、目が 44 であった確率も 833\dfrac{8}{33} です。

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問20 ★★★

袋 A\mathrm{A} には赤玉 33 個と白玉 11 個、袋 B\mathrm{B} には赤玉 11 個と白玉 33 個が入っています。どちらか一方の袋を 12\dfrac{1}{2} ずつの確率で選び、その袋から玉を1個取り出して色を確かめ、元に戻すことを2回くり返します。

(1) 2回とも赤玉が出る確率を求めなさい。

(2) 2回とも赤玉が出たと分かったとき、選んだ袋が A\mathrm{A} である確率を求めなさい。

(3) 2回とも赤玉が出たと分かったとき、同じ袋からもう1回同じように玉を取り出して、それが赤玉である確率を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 516\dfrac{5}{16} (2) 910\dfrac{9}{10} (3) 710\dfrac{7}{10}

解説

袋が決まれば、玉を戻すので各回の取り出しは独立な試行です。

(1) 袋 A\mathrm{A} で2回とも赤玉の確率は (34)2\left(\dfrac{3}{4}\right)^2=916{}= \dfrac{9}{16}、袋 B\mathrm{B} では (14)2\left(\dfrac{1}{4}\right)^2=116{}= \dfrac{1}{16} です。

12×916\displaystyle \frac{1}{2} \times \frac{9}{16}+12×116\displaystyle {}+ \frac{1}{2} \times \frac{1}{16}=932\displaystyle {}= \frac{9}{32}+132\displaystyle {}+ \frac{1}{32}=1032\displaystyle {}= \frac{10}{32}=516‾\displaystyle {}= \underline{\frac{5}{16}}

(2)

932÷1032\displaystyle \frac{9}{32} \div \frac{10}{32}=910‾\displaystyle {}= \underline{\frac{9}{10}}

(3) 3回とも赤玉が出る確率は

12×(34)3\displaystyle \frac{1}{2} \times \left(\frac{3}{4}\right)^3+12×(14)3\displaystyle {}+ \frac{1}{2} \times \left(\frac{1}{4}\right)^3=27128\displaystyle {}= \frac{27}{128}+1128\displaystyle {}+ \frac{1}{128}=28128\displaystyle {}= \frac{28}{128}

求める確率は「2回とも赤玉」のときの「3回とも赤玉」の条件付き確率なので

28128÷1032\displaystyle \frac{28}{128} \div \frac{10}{32}=28128×3210\displaystyle {}= \frac{28}{128} \times \frac{32}{10}=710‾\displaystyle {}= \underline{\frac{7}{10}}

別解:(2) より、2回とも赤玉が出たあとでは、袋が A\mathrm{A} である確率は 910\dfrac{9}{10}、B\mathrm{B} である確率は 110\dfrac{1}{10} と考え直せます。これを重みにして 910×34\dfrac{9}{10} \times \dfrac{3}{4}+110×14{}+ \dfrac{1}{10} \times \dfrac{1}{4}=2840{}= \dfrac{28}{40}=710{}= \dfrac{7}{10} です。何も分からないときの赤玉の確率 12\dfrac{1}{2} より大きいのは、赤玉が続いたことで「袋 A\mathrm{A} らしい」と分かったからです。

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数学小話コーナー

3つの扉とヤギ――モンティ・ホール問題

アメリカのテレビ番組「レッツ・メイク・ア・ディール」(1963 年に始まったとされます)の司会者の名前から、モンティ・ホール問題と呼ばれる話があります(※番組で実際にこの形のゲームがそのまま行われていたかどうかは、はっきりしないともいわれます)。

3つの扉があり、1つの後ろには新車、残りの2つの後ろにはヤギがいます。あなたが扉を1つ選ぶと、どこに車があるかを知っている司会者が、残りの2つのうちヤギがいる扉を1つ開けて見せます。そして「選んだ扉を、まだ開いていないもう1つの扉に変えてもいいですよ」と言います。変えるべきでしょうか。

多くの人は「残りは2つだから、どちらも 12\dfrac{1}{2}。変えても変えなくても同じ」と考えます。ところが、変えると当たる確率は 23\dfrac{2}{3} になります。

条件付き確率で確かめましょう。あなたが扉1を選び、司会者が扉3を開けたとします。車が扉 11,22,33 にある確率は 13\dfrac{1}{3} ずつです。

  • 車が扉1にあるとき、司会者は扉2か扉3を 12\dfrac{1}{2} ずつで開けるとします。扉3を開ける確率は 12\dfrac{1}{2}。
  • 車が扉2にあるとき、司会者は必ず扉3を開けます(確率 11)。
  • 車が扉3にあるとき、司会者は扉3を開けません(確率 00)。

「司会者が扉3を開ける」確率は 13×12\dfrac{1}{3} \times \dfrac{1}{2}+13×1{}+ \dfrac{1}{3} \times 1+0{}+ 0=12{}= \dfrac{1}{2} で、そのうち車が扉2にある場合が 13\dfrac{1}{3} を占めるので、原因の確率は

13÷12\displaystyle \frac{1}{3} \div \frac{1}{2}=23\displaystyle {}= \frac{2}{3}

です。最初に選んだ扉が当たりである確率は 13\dfrac{1}{3} のまま変わらず、司会者の行動は「残りの扉のうち、どちらに車があるか」という情報を運んでいるのです。

1990 年、アメリカの雑誌「パレード」のコラムでマリリン・ヴォス・サヴァントがこの答えを書いたところ、「間違っている」という手紙が何千通も届き、その中には大学の研究者からのものも多かったと伝えられています(※手紙の数は資料によって違います)。

豆知識

扉が 100100 個あると考えると納得しやすくなります。あなたが1つを選んだあと、司会者がヤギのいる扉を 9898 個開けて、1つだけ残したとします。最初の1つが当たりである確率は 1100\dfrac{1}{100} です。残りの 9999 個のどこかに車がある確率 99100\dfrac{99}{100} が、司会者が残した1つの扉に集まっています。ただし、司会者が車の場所を知らずに偶然ヤギの扉を開けた場合は、条件が変わり、答えは 12\dfrac{1}{2} になります。

ベイズ牧師と迷惑メールのフィルター

結果から原因の確率をさかのぼる公式5 は、ベイズの定理と呼ばれることがあります。名前のもとになったトーマス・ベイズは、18 世紀のイギリスの牧師です(※生まれた年は 1701 年ごろとされ、はっきりしません)。

ベイズは生前、この考え方についての論文を発表しませんでした。1761 年にベイズが亡くなったあと、友人のリチャード・プライスが遺稿を見つけて手を加え、1763 年にロンドンの王立協会の雑誌で発表しました。少しあとの 1774 年には、フランスのラプラスが、ほぼ同じ考え方を独自に見つけて、より一般的な形にまとめています。

長い間あまり目立たなかったこの定理は、現代では身近なところで働いています。その一つが、迷惑メールのフィルターです。

届くメールの 40%40\% が迷惑メールだとします。「無料」という言葉は、迷惑メールの 30%30\% に含まれていますが、ふつうのメールでは 2%2\% にしか含まれていないとします。「無料」を含むメールが届いたとき、それが迷惑メールである確率は

0.4×0.30.4×0.3+0.6×0.02\displaystyle \frac{0.4 \times 0.3}{0.4 \times 0.3 + 0.6 \times 0.02}=0.120.132\displaystyle {}= \frac{0.12}{0.132}=1011\displaystyle {}= \frac{10}{11}≒0.91\displaystyle {}\fallingdotseq 0.91

です。言葉が1つ見つかっただけで、迷惑メールの確率が 40%40\% から約 91%91\% に上がりました。実際のフィルターは、メールに含まれるたくさんの言葉について、このような計算を組み合わせています。2002 年にプログラマーのポール・グレアムがこの方法を紹介する文章を公開し、広く使われるきっかけになったといわれます(※それ以前から研究はありました)。

豆知識

メールソフトで「迷惑メール」のボタンを押すと、その印は「どの言葉が迷惑メールに多いか」という割合の更新に使われることがあります。使う人ごとに割合が少しずつ変わるので、フィルターは持ち主に合わせて賢くなっていきます。新しい結果を見るたびに確率を考え直すという、ベイズの考え方そのものです。

部分では勝つのに全体では負ける――シンプソンのパラドックス

2つの治療法 A\mathrm{A},B\mathrm{B} の成功率を比べた、次のような表があります。1986 年に発表された、腎臓の結石の治療を比べた研究の数値として、広く紹介されているものです(※表の分け方は、元の研究を簡単にしてあります)。

石が小さい患者石が大きい患者全体
治療法 A\mathrm{A}81/8781/87(約 93%93\%)192/263192/263(約 73%73\%)273/350273/350(約 78%78\%)
治療法 B\mathrm{B}234/270234/270(約 87%87\%)55/8055/80(約 69%69\%)289/350289/350(約 83%83\%)

石が小さい患者に限っても、大きい患者に限っても、成功率は A\mathrm{A} のほうが高くなっています。ところが全体でまとめると、B\mathrm{B} のほうが高いのです。計算の間違いではありません。

この章の言葉で説明できます。全体の成功率は、公式4 のとおり

P(成功)\displaystyle P(\text{成功})=P(小)×P小(成功)\displaystyle {}= P(\text{小}) \times P_{\text{小}}(\text{成功})+P(大)×P大(成功)\displaystyle {}+ P(\text{大}) \times P_{\text{大}}(\text{成功})

と、石の大きさの割合を重みにした平均です。治療法 A\mathrm{A} を受けた患者は、成功しにくい「石が大きい」人が 350350 人中 263263 人と多く、B\mathrm{B} はその逆でした。条件付き確率ではどちらも A\mathrm{A} が勝っていても、重みのつき方が違うので、全体では逆転してしまうのです。

このような逆転は、1951 年にこの現象を論文で扱ったエドワード・シンプソンの名前から、シンプソンのパラドックスと呼ばれます(※それより前の 1903 年ごろに、ユールが同じような例を指摘していたともいわれます)。

豆知識

1973 年、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校の大学院では、全体の合格率を見ると男性の志願者のほうが高く、差別ではないかと問題になりました。ところが学科ごとに分けて調べると、多くの学科で女性の合格率は男性と同じくらいか、むしろ高かったと報告されています(※学科の数などの細かい数字は資料によって違います)。女性の志願者は、合格率の低い学科に多く応募していたのです。表を見るときは、「全体のうち」なのか「〜のうち」なのかを確かめることが大切です。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。本文では度数の表から入り、「分かった条件の行(列)の計で割る」ことで条件付き確率をとらえました。ここでは第5章の定義3(有限の確率分布)を使って条件付き確率を定義し直し、それ自身が1つの確率分布になることを示します。そのうえで、乗法定理・場合に分けて足す公式・原因の確率(ベイズの定理)を一般の形で証明し、第7章で予告した「独立」の言いかえと、第5章のくじ引きの公平性の別証明を扱います。

以下、有限集合 UU 上の確率分布 pp に対して、事象 AA⊂U{}\subset U の確率を P(A)\displaystyle P(A)=∑ω∈Ap(ω)\displaystyle {}= \sum_{\omega \in A} p(\omega) とします(第6章・第7章の厳密定義と同じ約束です)。

条件付き確率は確率分布である

定義1:条件付き確率

P(A)P(A)>0{}> 0 である事象 AA と、任意の事象 BB に対して

PA(B)\displaystyle P_A(B)=P(A∩B)P(A)\displaystyle {}= \frac{P(A \cap B)}{P(A)}

を、AA が起こったときの BB が起こる条件付き確率という。P(B∣A)P(B \mid A) とも書く。P(A)P(A)=0{}= 0 のときは定義しない。

P(A)P(A)=0{}= 0 を除くのは、分母が 00 になるからだけではありません。起こりえない事象が「起こったと分かった」という状況そのものに、意味を与えられないからです。

定理1:条件付き確率の分布

P(A)P(A)>0{}> 0 とする。UU 上の関数 qq を

q(ω)\displaystyle q(\omega)={p(ω)P(A)(ω∈A)0(ω∉A)\displaystyle {}= \begin{cases} \dfrac{p(\omega)}{P(A)} & (\omega \in A) \\[2mm] 0 & (\omega \notin A) \end{cases}

と定めると、qq は UU 上の確率分布であり、qq から定まる確率 QQ について、すべての事象 BB で Q(B)Q(B)=PA(B){}= P_A(B) が成り立つ。

したがって、PAP_A は確率の基本性質をすべて満たす。とくに

  • 00≦PA(B){}\leqq P_A(B)≦1{}\leqq 1,PA(A)P_A(A)=PA(U){}= P_A(U)=1{}= 1,PA(A‾)P_A(\overline{A})=0{}= 0
  • BB,CC が排反ならば PA(B∪C)P_A(B \cup C)=PA(B){}= P_A(B)+PA(C){}+ P_A(C)
  • PA(B‾)P_A(\overline{B})=1{}= 1−PA(B){}- P_A(B)

証明 q(ω)q(\omega)≧0{}\geqq 0 は明らかである。また

∑ω∈Uq(ω)\displaystyle \sum_{\omega \in U} q(\omega)=∑ω∈Ap(ω)P(A)\displaystyle {}= \sum_{\omega \in A} \frac{p(\omega)}{P(A)}=P(A)P(A)\displaystyle {}= \frac{P(A)}{P(A)}=1\displaystyle {}= 1

だから qq は確率分布である。任意の事象 BB について、qq は AA の外で 00 なので

Q(B)\displaystyle Q(B)=∑ω∈Bq(ω)\displaystyle {}= \sum_{\omega \in B} q(\omega)=∑ω∈A∩Bp(ω)P(A)\displaystyle {}= \sum_{\omega \in A \cap B} \frac{p(\omega)}{P(A)}=P(A∩B)P(A)\displaystyle {}= \frac{P(A \cap B)}{P(A)}=PA(B)\displaystyle {}= P_A(B)

である。後半の性質は、確率分布 qq に第5章 定理1・第6章 定理1・定理2 を当てはめたものである。(証明終)

qq は「AA の外の根元事象の確率を 00 にし、AA の中の根元事象の確率を、合計が 11 になるように同じ倍率で拡大した」分布です。AA の中の根元事象どうしの確率の比は変わりません。

とくに pp が同様に確からしい(p(ω)p(\omega)=1n(U){}= \dfrac{1}{n(U)})なら、q(ω)q(\omega)=1n(A){}= \dfrac{1}{n(A)}(ω\omega∈A{}\in A)となり、qq は AA の上で同様に確からしい分布です。本文の公式2 の PA(B)P_A(B)=n(A∩B)n(A){}= \dfrac{n(A \cap B)}{n(A)} や、公式1 の「行の計で割る」は、この場合を表したものです。

乗法定理と、場合に分けて足す公式

定理2:確率の乗法定理

事象 A1A_1,A2A_2,…,AnA_n(nn≧2{}\geqq 2)について、P(A1∩A2∩⋯∩An−1)P(A_1 \cap A_2 \cap \cdots \cap A_{n-1})>0{}> 0 ならば

P(A1∩A2∩⋯∩An)\displaystyle P(A_1 \cap A_2 \cap \cdots \cap A_n)=P(A1) PA1(A2) PA1∩A2(A3)\displaystyle {}= P(A_1)\, P_{A_1}(A_2)\, P_{A_1 \cap A_2}(A_3)⋯PA1∩⋯∩An−1(An)\displaystyle \qquad \cdots P_{A_1 \cap \cdots \cap A_{n-1}}(A_n)

が成り立つ。

証明 BkB_k=A1∩⋯∩Ak{}= A_1 \cap \cdots \cap A_k(kk=1,{}= 1, …,\ \ldots, n\ n)とおく。B1B_1⊃B2{}\supset B_2⊃⋯{}\supset \cdots⊃Bn−1{}\supset B_{n-1} で、確率の単調性(第6章 定理2)より P(Bk)P(B_k)≧P(Bn−1){}\geqq P(B_{n-1})>0{}> 0(kk≦n{}\leqq n−1{}- 1)だから、右辺の条件付き確率はすべて定義されている。Bk−1∩AkB_{k-1} \cap A_k=Bk{}= B_k なので、定義1 より PBk−1(Ak)P_{B_{k-1}}(A_k)=P(Bk)P(Bk−1){}= \dfrac{P(B_k)}{P(B_{k-1})} である。よって右辺は

P(B1)×P(B2)P(B1)×P(B3)P(B2)\displaystyle P(B_1) \times \frac{P(B_2)}{P(B_1)} \times \frac{P(B_3)}{P(B_2)}×⋯×P(Bn)P(Bn−1)\displaystyle \qquad \times \cdots \times \frac{P(B_n)}{P(B_{n-1})}=P(Bn)\displaystyle {}= P(B_n)

となり、左辺と等しい。(証明終)

nn=2{}= 2 が本文の公式3 です。本文の例題3 のように、「前の結果が分かったうえでの確率」を段ごとに決めて試行を組み立てる場合、その段ごとの値がちょうど右辺の各因子になっています。

定義2:全体の分割

事象 A1A_1,A2A_2,…,AmA_m が互いに排反で、A1∪A2∪⋯∪AmA_1 \cup A_2 \cup \cdots \cup A_m=U{}= U であるとき、これらは UU の分割であるという。

AA と A‾\overline{A} は、いちばん簡単な分割です。

定理3:場合に分けて足す公式(全確率の公式)

A1A_1,…,AmA_m が UU の分割で、すべての ii で P(Ai)P(A_i)>0{}> 0 ならば、任意の事象 BB について

P(B)\displaystyle P(B)=∑i=1mP(Ai) PAi(B)\displaystyle {}= \sum_{i=1}^{m} P(A_i)\, P_{A_i}(B)

が成り立つ。

証明 BB=B∩U{}= B \cap U=(B∩A1)∪⋯∪(B∩Am){}= (B \cap A_1) \cup \cdots \cup (B \cap A_m) で、AiA_i どうしが交わらないから B∩AiB \cap A_i どうしも交わらない。加法定理(第6章 定理1)と定義1 より

P(B)\displaystyle P(B)=∑i=1mP(Ai∩B)\displaystyle {}= \sum_{i=1}^{m} P(A_i \cap B)=∑i=1mP(Ai) PAi(B)\displaystyle {}= \sum_{i=1}^{m} P(A_i)\, P_{A_i}(B)

(証明終)

この等式は、P(B)P(B) が「条件付き確率 PAi(B)P_{A_i}(B) を、重み P(Ai)P(A_i)(合計 11)で平均したもの」であることを表しています。したがって P(B)P(B) は、PAi(B)P_{A_i}(B) の最小値以上、最大値以下です。一方、小話のシンプソンのパラドックスのように、2つの治療法で重み P(Ai)P(A_i) が違えば、どの ii でも条件付き確率の大小が同じなのに、平均の大小が逆になることは起こりえます。

ベイズの定理

定理4:ベイズの定理

定理3 と同じ仮定のもとで、さらに P(B)P(B)>0{}> 0 ならば、各 kk=1,{}= 1, …,\ \ldots, m\ m について

PB(Ak)\displaystyle P_B(A_k)=P(Ak) PAk(B)∑i=1mP(Ai) PAi(B)\displaystyle {}= \frac{P(A_k)\, P_{A_k}(B)}{\displaystyle \sum_{i=1}^{m} P(A_i)\, P_{A_i}(B)}

が成り立つ。

証明 定義1 と定理2(nn=2{}= 2)より P(Ak∩B)P(A_k \cap B)=P(Ak) PAk(B){}= P(A_k)\, P_{A_k}(B) である。PB(Ak)P_B(A_k)=P(Ak∩B)P(B){}= \dfrac{P(A_k \cap B)}{P(B)} の分子にこれを、分母に定理3 を代入すればよい。(証明終)

P(Ak)P(A_k) を事前確率(結果 BB を知る前の確率)、PB(Ak)P_B(A_k) を事後確率(BB を知ったあとの確率)ということがあります。定理4 は、事前確率を「AkA_k から BB が起こる確率」PAk(B)P_{A_k}(B) に比例する重みで直し、合計が 11 になるように割る、という計算です。これは定理1 の「同じ倍率で拡大する」操作を、分割の上で行ったものと見ることもできます。

事後確率を次の事前確率として使えば、結果が分かるたびに考え直しをくり返せます。実践問題の問17(2回の検査)と問20 の別解は、この考え方です。ただし、2回目の結果が「原因が決まれば1回目の結果に影響されない」という仮定が必要です。

独立の言いかえ

第7章の定義2 では、P(E∩F)P(E \cap F)=P(E) P(F){}= P(E)\, P(F) を満たすとき、事象 EE,FF は独立であると定めました。条件付き確率を使うと、この等式の意味がはっきりします(第7章 厳密定義の末尾の予告の回収です)。

定理5:独立の言いかえ

P(E)P(E)>0{}> 0 とする。

(1) EE と FF が独立であることと、PE(F)P_E(F)=P(F){}= P(F) は同値である。

(2) さらに P(E)P(E)<1{}< 1 のとき、EE と FF が独立であることと、PE(F)P_E(F)=PE‾(F){}= P_{\overline{E}}(F) は同値である。

(3) EE と FF が独立ならば、EE と F‾\overline{F} も独立である。

証明 (1) P(E)P(E)>0{}> 0 だから、P(E∩F)P(E \cap F)=P(E) P(F){}= P(E)\, P(F) の両辺を P(E)P(E) で割ったものが PE(F)P_E(F)=P(F){}= P(F) であり、逆も成り立つ。

(2) 00<P(E){}< P(E)<1{}< 1 より P(E‾)P(\overline{E})>0{}> 0 で、EE,E‾\overline{E} は UU の分割である。定理3 より

P(F)\displaystyle P(F)=P(E) PE(F)\displaystyle {}= P(E)\, P_E(F)+P(E‾) PE‾(F)\displaystyle {}+ P(\overline{E})\, P_{\overline{E}}(F)⋯⋯(∗)\displaystyle \cdots\cdots (\ast)

PE(F)P_E(F)=PE‾(F){}= P_{\overline{E}}(F)=c{}= c ならば、(∗)(\ast) と P(E)P(E)+P(E‾){}+ P(\overline{E})=1{}= 1 より P(F)P(F)=c{}= c=PE(F){}= P_E(F) なので、(1) より独立である。逆に独立ならば PE(F)P_E(F)=P(F){}= P(F) で、(∗)(\ast) から P(E‾) PE‾(F)P(\overline{E})\, P_{\overline{E}}(F)=P(F){}= P(F)−P(E) P(F){}- P(E)\, P(F)=P(E‾) P(F){}= P(\overline{E})\, P(F)。両辺を P(E‾)P(\overline{E}) で割って PE‾(F)P_{\overline{E}}(F)=P(F){}= P(F)=PE(F){}= P_E(F) である。

(3) P(E)P(E)>0{}> 0 のとき、定理1 と (1) より PE(F‾)P_E(\overline{F})=1{}= 1−PE(F){}- P_E(F)=1{}= 1−P(F){}- P(F)=P(F‾){}= P(\overline{F}) なので、(1) より EE と F‾\overline{F} は独立である。P(E)P(E)=0{}= 0 のときは、P(E∩F‾)P(E \cap \overline{F})≦P(E){}\leqq P(E)=0{}= 0 より両辺とも 00 で、等式が成り立つ。(証明終)

(1) は「EE が起こったと知っても、FF の確率が変わらない」、(2) は「EE が起こったかどうかで、FF の確率に差がない」という言いかえです。第7章 定義2 の例で確かめると、さいころ1個で EE={2, 4, 6}{}= \{2,\ 4,\ 6\}(偶数)、FF={1, 2}{}= \{1,\ 2\}(2以下)のとき、PE(F)P_E(F)=13{}= \dfrac{1}{3},P(F)P(F)=26{}= \dfrac{2}{6}=13{}= \dfrac{1}{3} で等しく、たしかに独立です。

定義を P(E∩F)P(E \cap F)=P(E) P(F){}= P(E)\, P(F) の形にしておくのは、P(E)P(E)=0{}= 0 の場合も含めて EE と FF を対等に扱えるからです。

くじ引きの公平性(第5章 定理3 の別証明)

定理6:くじ引きの公平性

当たりくじ kk 本を含む nn 本のくじ(00≦k{}\leqq k≦n{}\leqq n)を、1本ずつ戻さずに引いていく。各段で、残っているくじのどれを引くかは同様に確からしいとする。このとき、rr 番目(11≦r{}\leqq r≦n{}\leqq n)に引いたくじが当たりである確率は、rr によらず kn\dfrac{k}{n} である。

証明 nn についての数学的帰納法で示す。nn=1{}= 1 のときは rr=1{}= 1 だけで、明らかである。

nn−1{}- 1 本のくじ(当たりの本数は任意)で成り立つと仮定し、nn 本の場合を考える(nn≧2{}\geqq 2)。kk=0{}= 0 なら確率は 00、kk=n{}= n なら 11 で成り立つので、11≦k{}\leqq k≦n{}\leqq n−1{}- 1 とする。rr=1{}= 1 のときは明らかなので、rr≧2{}\geqq 2 とする。1番目が当たりである事象を HH とすると、P(H)P(H)=kn{}= \dfrac{k}{n},P(H‾)P(\overline{H})=n−kn{}= \dfrac{n - k}{n} でどちらも正である。

HH が起こったとき、残りは当たり kk−1{}- 1 本を含む nn−1{}- 1 本で、全体の rr 番目はその中の rr−1{}- 1 番目にあたる。帰納法の仮定より、rr 番目が当たりである条件付き確率は k−1n−1\dfrac{k - 1}{n - 1} である。同様に、H‾\overline{H} のもとでの条件付き確率は kn−1\dfrac{k}{n - 1} である。定理3 より

kn⋅k−1n−1\displaystyle \frac{k}{n} \cdot \frac{k - 1}{n - 1}+n−kn⋅kn−1\displaystyle {}+ \frac{n - k}{n} \cdot \frac{k}{n - 1}=k{(k−1)+(n−k)}n(n−1)\displaystyle {}= \frac{k\{(k - 1) + (n - k)\}}{n(n - 1)}=kn\displaystyle {}= \frac{k}{n}

よって nn 本でも成り立つ。(証明終)

第5章 定理3 では、1番目と rr 番目を入れかえる1対1対応(対称性)で証明しました。ここでは「1番目の結果で場合を分けて足す」ことで、同じ結論を得ています。

一方、前の人の結果を知ると確率は変わります。11≦k{}\leqq k≦n{}\leqq n−1{}- 1 のとき

PH(2番目が当たり)\displaystyle P_H(\text{2番目が当たり})=k−1n−1\displaystyle {}= \frac{k - 1}{n - 1}<kn\displaystyle {}< \frac{k}{n}<kn−1\displaystyle {}< \frac{k}{n - 1}=PH‾(2番目が当たり)\displaystyle {}= P_{\overline{H}}(\text{2番目が当たり})

です(左の不等号は n(k−1)n(k - 1)<k(n−1){}< k(n - 1)  ⟺  k{}\iff k<n{}< n から)。定理5 (2) より、「1番目が当たり」と「2番目が当たり」は独立ではありません。それでも、何も知らない時点での確率はどちらも kn\dfrac{k}{n} で等しい、というのが定理6 の主張です。

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定理3 は、条件付き確率を「その場合になる確率」で重みをつけて平均する式でした。第9章では、確率で重みをつける相手を、確率ではなく「賞金」や「得点」などの値に変えます。値にその値をとる確率をかけて足した量を期待値と呼び、1回ごとの結果は分からなくても「平均するとどれくらいになるか」を考えます。

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