目次 / 場合の数と確率 / 数学A

第4章 組合せ

—— 「選ぶ」ときは、並べる順番の分だけ割る ——

第3章では、異なるものを1列に並べる順列 ${}_n\mathrm{P}_r$ を学びました。この章で扱うのは、順番を考えずに「選ぶだけ」の数え方です。同じ $r$ 個を選んでも並べ方が $r!$ 通りあるので、順列をその分でまとめると組合せ ${}_n\mathrm{C}_r$ になります。「並べるのか、選ぶのか」を毎回見分けられるようにしたうえで、組分け、同じものを含む順列、碁盤の目の道順まで進みます。ここまでで場合の数の道具がそろい、次の第5章からは確率に入ります。

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組合せ nCr{}_n\mathrm{C}_r

第3章では、55 人から委員長と副委員長を1人ずつ選ぶ方法を 5P2{}_5\mathrm{P}_2=20{}= 20 通りと数えました。では、役職をつけずに「代表 22 人」を選ぶだけなら何通りでしょうか。AA と BB を選ぶとき、「委員長 AA・副委員長 BB」と「委員長 BB・副委員長 AA」は順列としては別ですが、代表 22 人の選び方としては同じ1通りです。順列 2020 通りは、選び方 11 つにつき 22 通りずつを重ねて数えていたことになります。

4 人 A, B, C, D から 3 人を選んで並べる(順列 24 通り) A B CA C BB A CB C AC A BC B A A B DA D BB A DB D AD A BD B A A C DA D CC A DC D AD A CD C A B C DB D CC B DC D BD B CD C B {A, B, C} {A, B, D} {A, C, D} {B, C, D} どの組もちょうど 3! = 6 通りずつ 選び方は 24 ÷ 6 = 4 通り

44 人 AA,BB,CC,DD から 33 人を選ぶ場合で確かめます。33 人を選んで並べる順列は 4P3{}_4\mathrm{P}_3=24{}= 24 通りです。図のように、選ばれた 33 人が同じものを集めると、どの組もちょうど 3!3!=6{}= 6 通りずつになります。だから選び方は 24÷624 \div 6=4{}= 4 通りです。

公式1:組合せ

異なる nn 個のものから、順序を考えずに異なる rr 個を取り出したものを、nn 個から rr 個取る組合せといい、その総数を nCr{}_n\mathrm{C}_r で表す。

nCr\displaystyle {}_n\mathrm{C}_r=nPrr!\displaystyle {}= \frac{{}_n\mathrm{P}_r}{r!}=n(n−1)⋯(n−r+1)⏞r 個の積r(r−1)⋯2⋅1\displaystyle {}= \frac{\overbrace{n(n - 1) \cdots (n - r + 1)}^{r \text{ 個の積}}}{r(r - 1) \cdots 2 \cdot 1}=n!r! (n−r)!\displaystyle {}= \frac{n!}{r!\,(n - r)!}nC0\displaystyle {}_n\mathrm{C}_0=1,\displaystyle {}= 1,nCn\displaystyle {}_n\mathrm{C}_n=1,\displaystyle {}= 1,nCr\displaystyle {}_n\mathrm{C}_r=nCn−r\displaystyle {}= {}_n\mathrm{C}_{n - r}

C は組合せを表す英語 combination の頭文字です。分子は nPr{}_n\mathrm{P}_r と同じ「nn から 11 ずつ小さくしながら rr 個の積」、分母は「rr から 11 までの積」で、分子と分母のかける個数がそろうのが特徴です。7C3{}_7\mathrm{C}_3=7×6×53×2×1{}= \dfrac{7 \times 6 \times 5}{3 \times 2 \times 1}=35{}= 35 のように、上下を 33 個ずつ書いて約分します。

この記号は、数と式 第7章の二項定理ですでに登場しました。(a+b)n(a + b)^n の展開で bb が rr 個並ぶ項の係数が nCr{}_n\mathrm{C}_r だったのは、「nn 個のかっこのうち、どの rr 個から bb を取るかを選ぶ」数え方だからです。

nCr{}_n\mathrm{C}_r=nCn−r{}= {}_n\mathrm{C}_{n - r} は、計算を軽くするのにも使えます。10C8{}_{10}\mathrm{C}_8 をそのまま計算すると 88 個の積になりますが、10C8{}_{10}\mathrm{C}_8=10C2{}= {}_{10}\mathrm{C}_2=10×92×1{}= \dfrac{10 \times 9}{2 \times 1}=45{}= 45 と 22 個の積で済みます。1010 人から 88 人を選ぶのは、残す 22 人を選ぶのと同じことだ、と考えれば当たり前の等式です。

スーパーの買い物かごを思い浮かべてください。牛乳、卵、パンをかごに入れるとき、どの順に入れてもレジで出てくる中身は同じです。かごの中身が組合せ、入れる順番まで区別したものが順列です。

選ぶだけなら、同じ選び方が並べ方の数だけ重複して数えられているので、順列を r!r! で割った nCr{}_n\mathrm{C}_r になるということです。

例題1:組合せの計算

(1) 7C3{}_7\mathrm{C}_3,10C8{}_{10}\mathrm{C}_8,6C0{}_6\mathrm{C}_0 の値を求めなさい。

(2) 1515 人の部員から、大会に出る 33 人の選手を選ぶ方法は何通りあるか求めなさい。


【解答】

(1) 分子・分母を 33 個ずつそろえて

7C3\displaystyle {}_7\mathrm{C}_3=7×6×53×2×1\displaystyle {}= \frac{7 \times 6 \times 5}{3 \times 2 \times 1}=35‾\displaystyle {}= \underline{35}

です。10C8{}_{10}\mathrm{C}_8 は 10C10−8{}_{10}\mathrm{C}_{10 - 8}=10C2{}= {}_{10}\mathrm{C}_2 として

10C8\displaystyle {}_{10}\mathrm{C}_8=10C2\displaystyle {}= {}_{10}\mathrm{C}_2=10×92×1\displaystyle {}= \frac{10 \times 9}{2 \times 1}=45‾\displaystyle {}= \underline{45}

と計算します。6C0{}_6\mathrm{C}_0 は「00 個を選ぶ選び方」で、何も選ばないという 1‾\underline{1} 通りです。

(2) 選ぶだけで順序は関係ないので、1515 個から 33 個取る組合せです。

15C3\displaystyle {}_{15}\mathrm{C}_3=15×14×133×2×1\displaystyle {}= \frac{15 \times 14 \times 13}{3 \times 2 \times 1}=455 通り‾\displaystyle {}= \underline{455 \text{ 通り}}

「並べる」のか「選ぶ」のか

場合の数の問題で最初に決めるのは、その数え方が順列と組合せのどちらかということです。見分け方は1つだけ、取り出したものの順番が結果に影響するかです。

公式2:順列と組合せの使い分け

取り出した rr 個について、

  • 並べる順番や役割の違いが別のものになるとき →\to 順列 nPr{}_n\mathrm{P}_r
  • 順番や役割を区別しない(選ぶだけ)とき →\to 組合せ nCr{}_n\mathrm{C}_r

同じ rr 個の選び方1つにつき、並べ方が r!r! 通りあるので

nPr\displaystyle {}_n\mathrm{P}_r=nCr×r!\displaystyle {}= {}_n\mathrm{C}_r \times r!

が成り立つ。選ぶ段階と並べる段階に分けて考えてもよい。

迷ったら、具体的に2つの結果を書き並べて、「これは同じものか、別のものか」と自分に聞いてみてください。「AA が1位、BB が2位」と「BB が1位、AA が2位」は別なので順列、「代表は AA と BB」と「代表は BB と AA」は同じなので組合せです。

部活の大会で考えると分かりやすいでしょう。リレーの第1走者から第4走者までを決めるのは、走る順番が変われば別のチーム編成なので順列です。一方、88 人の部員から大会に出る 44 人を選ぶだけなら、選ばれた顔ぶれが同じなら同じことなので組合せです。そして「44 人を選んでから走順を決める」と考えれば、8C4×4!{}_8\mathrm{C}_4 \times 4! が 8P4{}_8\mathrm{P}_4 に等しいことも納得できます。

順番の違いが別の結果になるなら順列、ならないなら組合せで、両者は r!r! 倍の関係にあるということです。

例題2:並べるか選ぶか

1010 人の生徒がいます。

(1) 教室の掃除当番 33 人を選ぶ方法は何通りあるか求めなさい。

(2) リレーの第1走者、第2走者、第3走者を決める方法は何通りあるか求めなさい。


【解答】

(1) 当番 33 人に役割の違いはないので組合せです。

10C3\displaystyle {}_{10}\mathrm{C}_3=10×9×83×2×1\displaystyle {}= \frac{10 \times 9 \times 8}{3 \times 2 \times 1}=120 通り‾\displaystyle {}= \underline{120 \text{ 通り}}

(2) 走る順番が変われば別の決め方なので順列です。

10P3\displaystyle {}_{10}\mathrm{P}_3=10×9×8\displaystyle {}= 10 \times 9 \times 8=720 通り‾\displaystyle {}= \underline{720 \text{ 通り}}

(2) は「走る 33 人を選ぶ 120120 通り」と「その 33 人の走順を決める 3!3!=6{}= 6 通り」に分けても、120×6120 \times 6=720{}= 720 通りと求められます。

選ぶ対象がいくつかの種類に分かれているときは、種類ごとに選んでから積の法則でかけます。「少なくとも」がついたら、第2章の公式5と同じく全体から引くのが近道です。

例題3:条件のついた選び方

男子 77 人、女子 55 人の中から 44 人の委員を選びます。

(1) 男子 22 人、女子 22 人を選ぶ方法は何通りあるか求めなさい。

(2) 女子が少なくとも 11 人含まれる選び方は何通りあるか求めなさい。


【解答】

(1) 男子 77 人から 22 人を選ぶ方法が 7C2{}_7\mathrm{C}_2=21{}= 21 通り、そのそれぞれに対して女子 55 人から 22 人を選ぶ方法が 5C2{}_5\mathrm{C}_2=10{}= 10 通りずつあります。積の法則より

7C2×5C2\displaystyle {}_7\mathrm{C}_2 \times {}_5\mathrm{C}_2=21×10\displaystyle {}= 21 \times 10=210 通り‾\displaystyle {}= \underline{210 \text{ 通り}}

(2) 「女子が少なくとも 11 人」の反対は「女子が 00 人」、つまり全員が男子です。

  • 全体(1212 人から 44 人):12C4{}_{12}\mathrm{C}_4=12×11×10×94×3×2×1{}= \dfrac{12 \times 11 \times 10 \times 9}{4 \times 3 \times 2 \times 1}=495{}= 495 通り
  • 全員男子:7C4{}_7\mathrm{C}_4=7C3{}= {}_7\mathrm{C}_3=35{}= 35 通り
495\displaystyle 495−35\displaystyle {}- 35=460 通り‾\displaystyle {}= \underline{460 \text{ 通り}}

女子が 11 人、22 人、33 人、44 人の場合を別々に数えて足しても求められますが、44 回計算するより反対を引くほうが速く、計算ミスも減ります。

組分け

何人かをいくつかの組に分ける問題では、組に名前がついているかで答えが変わります。第3章の j14 で、66 人を部屋 AA,BB に分けると 6262 通り、区別のない2つのグループに分けると 3131 通りだったのと同じ事情です。

公式3:組分け
  1. 組に名前がついている(部屋 AA,BB,CC など区別できる)ときは、組合せを順にかける。
n 人を a,\displaystyle n \text{ 人を } a, b,\displaystyle \ b, c 人の組に分ける\displaystyle \ c \text{ 人の組に分ける}→ nCa×n−aCb×cCc\displaystyle {}\to \ {}_n\mathrm{C}_a \times {}_{n - a}\mathrm{C}_b \times {}_{c}\mathrm{C}_c
  1. 組に名前がなく、人数が同じ組が kk 個あるときは、その kk 個の組の名前の入れかえ k!k! 通りで同じ分け方を重複して数えているので、k!k! で割る。

割るのは「人数が同じ組」の分だけです。66 人を 33 人・22 人・11 人に分けるときは、人数を見れば組が区別できるので、名前がなくても割りません。66 人を 22 人ずつ3組に分けるときは、33 組が同じ人数なので 3!3! で割ります。第3章 teigi の定理2(割り算の法則)で見たとおり、どのグループもちょうど同じ個数ずつ重複していることが、割り算してよい理由です。

体育の授業のチーム分けを思い出してください。「赤チームと白チーム」に分けるなら、AA たちが赤で BB たちが白の分け方と、その逆は別の結果です。ところが「22 つのチームに分かれて」とだけ言われたら、どちらが先に呼ばれたかは関係なく、顔ぶれの分かれ方だけが問題になります。

組分けは、名前つきの組なら組合せのかけ算、名前がなければ同じ人数の組の数 kk について k!k! で割るということです。

例題4:組分け

1212 人を次のように分ける方法は何通りあるか求めなさい。

(1) 44 人ずつ AA,BB,CC の 33 室に入れる

(2) 44 人ずつ 33 つの組に分ける(組に区別はない)

(3) 66 人、44 人、22 人の 33 つの組に分ける(組に区別はない)


【解答】

(1) AA 室に入る 44 人を選ぶ方法が 12C4{}_{12}\mathrm{C}_4=495{}= 495 通り、残り 88 人から BB 室の 44 人を選ぶ方法が 8C4{}_8\mathrm{C}_4=70{}= 70 通り、最後の 44 人が CC 室に決まるので 4C4{}_4\mathrm{C}_4=1{}= 1 通りです。

495×70×1\displaystyle 495 \times 70 \times 1=34650 通り‾\displaystyle {}= \underline{34650 \text{ 通り}}

(2) (1) の分け方で、33 室の名前 AA,BB,CC を入れかえたものは、組の分かれ方としては同じです。入れかえは 3!3!=6{}= 6 通りあり、どの分かれ方もちょうど 66 通りずつ重複しています。

346503!\displaystyle \frac{34650}{3!}=346506\displaystyle {}= \frac{34650}{6}=5775 通り‾\displaystyle {}= \underline{5775 \text{ 通り}}

(3) まず 66 人の組を選ぶ方法が 12C6{}_{12}\mathrm{C}_6=924{}= 924 通り、残り 66 人から 44 人の組を選ぶ方法が 6C4{}_6\mathrm{C}_4=15{}= 15 通り、残りの 22 人が最後の組です。

924×15×1\displaystyle 924 \times 15 \times 1=13860 通り‾\displaystyle {}= \underline{13860 \text{ 通り}}

人数がすべて違うので、名前がなくても「66 人の組」「44 人の組」「22 人の組」と区別できます。割り算は不要です。

同じものを含む順列

ここまでは、並べるものがすべて異なる場合を考えてきました。同じものが混ざっていると、入れかえても見た目が変わらないので、そのぶん重複が生まれます。

公式4:同じものを含む順列

nn 個のもののうち、同じものがそれぞれ pp 個、qq 個、rr 個、…(pp+q{}+ q+r{}+ r+⋯{}+ \cdots=n{}= n)あるとき、これらすべてを1列に並べる方法の総数は

n!p! q! r!⋯\displaystyle \frac{n!}{p!\,q!\,r! \cdots}=nCp×n−pCq×n−p−qCr×⋯\displaystyle {}= {}_n\mathrm{C}_p \times {}_{n - p}\mathrm{C}_q \times {}_{n - p - q}\mathrm{C}_r \times \cdots

である。

2つの式が同じものであることを、白玉 33 個と黒玉 22 個を並べる場合で確かめます。55 個すべてが違う玉なら 5!5!=120{}= 120 通りですが、白玉どうしの入れかえ 3!3!=6{}= 6 通りと黒玉どうしの入れかえ 2!2!=2{}= 2 通りは見分けがつかないので、5!3! 2!\dfrac{5!}{3!\,2!}=10{}= 10 通りです。

一方、並べる場所を 55 か所と考え、そのうちどの 33 か所を白玉にするかを選べば、残りは自動的に黒玉です。5C3{}_5\mathrm{C}_3=10{}= 10 通りとなり、同じ答えが得られます。同じものを含む順列は、「どの場所に置くかを選ぶ」組合せそのものなのです。

運動会の旗で考えましょう。赤い旗 33 本と白い旗 22 本を横一列に立てるとき、赤い旗どうしは見た目が同じなので、11 本目と 22 本目を入れかえても誰も気づきません。変わるのは「どの位置が赤か」だけです。

同じものを含む順列は、全部が違うとした n!n! を、同じものどうしの入れかえ p! q!⋯p!\,q! \cdots で割ればよく、これは「どの場所に置くかを選ぶ」組合せと同じだということです。

例題5:同じものを含む順列

(1) a\mathrm{a},a\mathrm{a},a\mathrm{a},b\mathrm{b},b\mathrm{b},c\mathrm{c} の 66 文字をすべて使ってできる文字列は何通りあるか求めなさい。

(2) 赤い旗 33 本、白い旗 22 本、青い旗 22 本の合計 77 本を横一列に立てる方法は何通りあるか求めなさい。ただし、同じ色の旗は区別しないものとする。


【解答】

(1) a\mathrm{a} が 33 個、b\mathrm{b} が 22 個、c\mathrm{c} が 11 個なので

6!3! 2! 1!\displaystyle \frac{6!}{3!\,2!\,1!}=7206×2×1\displaystyle {}= \frac{720}{6 \times 2 \times 1}=60 通り‾\displaystyle {}= \underline{60 \text{ 通り}}

(2) 赤 33 本、白 22 本、青 22 本なので

7!3! 2! 2!\displaystyle \frac{7!}{3!\,2!\,2!}=50406×2×2\displaystyle {}= \frac{5040}{6 \times 2 \times 2}=210 通り‾\displaystyle {}= \underline{210 \text{ 通り}}

組合せで数えるなら、77 か所から赤の 33 か所を選び 7C3{}_7\mathrm{C}_3=35{}= 35 通り、残り 44 か所から白の 22 か所を選び 4C2{}_4\mathrm{C}_2=6{}= 6 通りで、35×635 \times 6=210{}= 210 通りです。

道順

同じものを含む順列が活躍する代表例が、碁盤の目のような街での最短の道順です。

公式5:碁盤の目の最短経路

東西に pp 区画、南北に qq 区画離れた地点へ、遠回りせずに行く道順の総数は、東へ 11 区画進むことを「→\to」、北へ 11 区画進むことを「↑\uparrow」として、→\to が pp 個、↑\uparrow が qq 個の列を並べる方法の数に等しい。

(p+q)!p! q!\displaystyle \frac{(p + q)!}{p!\,q!}=p+qCp\displaystyle {}= {}_{p + q}\mathrm{C}_p
A B P 東へ 5 区画 北へ 3 区画 太線は → → ↑ → ↑ → → ↑ の道順

最短で行くには、東と北にだけ進み、西や南へ戻ってはいけません。すると、進む回数は東へ pp 回、北へ qq 回と決まっていて、どの順番で進むかだけが道順の違いになります。図の道順は →\to→↑{}\to \uparrow→↑{}\to \uparrow→{}\to→↑{}\to \uparrow と表せます。逆に、→\to 55 個と ↑\uparrow 33 個を並べた列を作れば、それに対応する道順がちょうど1つ決まります。

「どの回に北へ進むか」を選ぶ、と考えてもかまいません。全部で 88 回の移動のうち、北へ進む 33 回を選べば道順が決まるので 8C3{}_8\mathrm{C}_3=56{}= 56 通りです。

特定の交差点を必ず通る道順は、「そこまで」と「そこから」に分けて積の法則でかけます。通れない道があるときは、全体からその道を通る道順を引きます。

最短の道順は →\to と ↑\uparrow の並べかえなので、移動の回数のうち北へ進む回を選ぶ組合せで数えられるということです。

例題6:道順

図のように、東西に 55 区画、南北に 33 区画の道がある街があります。地点 A\mathrm{A} から地点 B\mathrm{B} まで最短の道順で行きます。

(1) 道順は全部で何通りあるか求めなさい。

(2) A\mathrm{A} から東へ 22 区画、北へ 22 区画進んだ交差点を P\mathrm{P} とします。P\mathrm{P} を通る道順は何通りあるか求めなさい。


【解答】

(1) 東へ 55 回、北へ 33 回の合計 88 回の移動のうち、北へ進む 33 回を選びます。

8C3\displaystyle {}_8\mathrm{C}_3=8×7×63×2×1\displaystyle {}= \frac{8 \times 7 \times 6}{3 \times 2 \times 1}=56 通り‾\displaystyle {}= \underline{56 \text{ 通り}}

(2) A\mathrm{A}→P{}\to \mathrm{P} と P\mathrm{P}→B{}\to \mathrm{B} に分けます。

  • A\mathrm{A}→P{}\to \mathrm{P}:東へ 22 回、北へ 22 回の 44 回のうち北を選んで 4C2{}_4\mathrm{C}_2=6{}= 6 通り
  • P\mathrm{P}→B{}\to \mathrm{B}:東へ 33 回、北へ 11 回の 44 回のうち北を選んで 4C1{}_4\mathrm{C}_1=4{}= 4 通り

A\mathrm{A}→P{}\to \mathrm{P} のそれぞれに対して P\mathrm{P}→B{}\to \mathrm{B} が 44 通りずつあるので、積の法則より

6×4\displaystyle 6 \times 4=24 通り‾\displaystyle {}= \underline{24 \text{ 通り}}

P\mathrm{P} を通らない道順は 5656−24{}- 24=32{}= 32 通りと分かります。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

6C2{}_6\mathrm{C}_2 の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

15‾\underline{15}(6×52×1\dfrac{6 \times 5}{2 \times 1})

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問2

9C7{}_9\mathrm{C}_7 の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

36‾\underline{36}(9C7{}_9\mathrm{C}_7=9C2{}= {}_9\mathrm{C}_2=9×82×1{}= \dfrac{9 \times 8}{2 \times 1})

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問3

1010 人の中から 44 人の代表を選ぶ方法は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

210 通り‾\underline{210 \text{ 通り}}(10C4{}_{10}\mathrm{C}_4=10×9×8×74×3×2×1{}= \dfrac{10 \times 9 \times 8 \times 7}{4 \times 3 \times 2 \times 1})

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問4

a\mathrm{a},a\mathrm{a},a\mathrm{a},b\mathrm{b},b\mathrm{b} の 55 文字をすべて使ってできる文字列は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

10 通り‾\underline{10 \text{ 通り}}(5!3! 2!\dfrac{5!}{3!\,2!})

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問5

88 人を 44 人ずつ AA,BB の 22 室に入れる方法は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

70 通り‾\underline{70 \text{ 通り}}(AA 室の 44 人を選んで 8C4{}_8\mathrm{C}_4)

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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

(1) 8C3{}_8\mathrm{C}_3,(2) 12C10{}_{12}\mathrm{C}_{10},(3) 100C98{}_{100}\mathrm{C}_{98} の値をそれぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 5656 (2) 6666 (3) 49504950

解説

(1) 分子・分母を 33 個ずつそろえます。

8C3\displaystyle {}_8\mathrm{C}_3=8×7×63×2×1\displaystyle {}= \frac{8 \times 7 \times 6}{3 \times 2 \times 1}=56‾\displaystyle {}= \underline{56}

(2) nCr{}_n\mathrm{C}_r=nCn−r{}= {}_n\mathrm{C}_{n-r} を使って、かける個数を減らします。

12C10\displaystyle {}_{12}\mathrm{C}_{10}=12C2\displaystyle {}= {}_{12}\mathrm{C}_2=12×112×1\displaystyle {}= \frac{12 \times 11}{2 \times 1}=66‾\displaystyle {}= \underline{66}

(3) 同じように 100C98{}_{100}\mathrm{C}_{98}=100C2{}= {}_{100}\mathrm{C}_2 です。

100×992×1\displaystyle \frac{100 \times 99}{2 \times 1}=4950‾\displaystyle {}= \underline{4950}

9898 個の積を計算する必要はありません。「100100 人から 9898 人を選ぶのは、残す 22 人を選ぶのと同じ」と考えます。

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問2 ★

99 人の部員がいます。

(1) 44 人の代表を選ぶ方法は何通りあるか求めなさい。

(2) 部長 11 人と副部長 22 人を選ぶ方法は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 126126 通り (2) 252252 通り

解説

(1) 代表 44 人に役割の違いはないので組合せです。

9C4\displaystyle {}_9\mathrm{C}_4=9×8×7×64×3×2×1\displaystyle {}= \frac{9 \times 8 \times 7 \times 6}{4 \times 3 \times 2 \times 1}=126 通り‾\displaystyle {}= \underline{126 \text{ 通り}}

(2) 部長を先に決めます。部長の選び方は 99 通り、そのそれぞれに対して、残り 88 人から副部長 22 人を選ぶ方法が 8C2{}_8\mathrm{C}_2=28{}= 28 通りずつあります。副部長 22 人の間に区別はないので、ここは組合せです。

9×28\displaystyle 9 \times 28=252 通り‾\displaystyle {}= \underline{252 \text{ 通り}}
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問3 ★

男子 66 人、女子 44 人の中から 44 人を選びます。

(1) 男子 22 人、女子 22 人を選ぶ方法は何通りあるか求めなさい。

(2) 女子が少なくとも 11 人含まれる選び方は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 9090 通り (2) 195195 通り

解説

(1) 男子から 22 人を選ぶ 6C2{}_6\mathrm{C}_2=15{}= 15 通りのそれぞれに対して、女子から 22 人を選ぶ 4C2{}_4\mathrm{C}_2=6{}= 6 通りがあります。

15×6\displaystyle 15 \times 6=90 通り‾\displaystyle {}= \underline{90 \text{ 通り}}

(2) 反対は「女子が 00 人」、つまり全員が男子です。

  • 全体:10C4{}_{10}\mathrm{C}_4=210{}= 210 通り
  • 全員男子:6C4{}_6\mathrm{C}_4=6C2{}= {}_6\mathrm{C}_2=15{}= 15 通り
210\displaystyle 210−15\displaystyle {}- 15=195 通り‾\displaystyle {}= \underline{195 \text{ 通り}}
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問4 ★

円周上に異なる 99 個の点があります。

(1) これらの点のうち 22 点を結んでできる線分は何本あるか求めなさい。

(2) これらの点のうち 33 点を頂点とする三角形は何個あるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 3636 本 (2) 8484 個

解説

(1) 線分は両端の 22 点で決まり、どちらを先に選んでも同じ線分なので組合せです。

9C2\displaystyle {}_9\mathrm{C}_2=9×82×1\displaystyle {}= \frac{9 \times 8}{2 \times 1}=36 本‾\displaystyle {}= \underline{36 \text{ 本}}

(2) 三角形は頂点の 33 点で決まります。円周上の点なので、どの 33 点も一直線上に並ぶことはなく、必ず三角形ができます。

9C3\displaystyle {}_9\mathrm{C}_3=9×8×73×2×1\displaystyle {}= \frac{9 \times 8 \times 7}{3 \times 2 \times 1}=84 個‾\displaystyle {}= \underline{84 \text{ 個}}
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問5 ★

同じ色の玉は区別しないものとして、白玉 44 個と黒玉 33 個を1列に並べる方法は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

3535 通り

解説

77 個のうち白玉が 44 個、黒玉が 33 個なので

7!4! 3!\displaystyle \frac{7!}{4!\,3!}=504024×6\displaystyle {}= \frac{5040}{24 \times 6}=35 通り‾\displaystyle {}= \underline{35 \text{ 通り}}

並べる 77 か所のうち、白玉を置く 44 か所を選ぶと考えて 7C4{}_7\mathrm{C}_4=35{}= 35 通りとしても同じです。

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問6 ★

東西に 44 区画、南北に 33 区画の道がある街で、南西の角 A\mathrm{A} から北東の角 B\mathrm{B} まで最短の道順で行く方法は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

3535 通り

解説

最短で行くには、東へ 44 回、北へ 33 回の合計 77 回進みます。77 回のうち、北へ進む 33 回を選べば道順が決まります。

7C3\displaystyle {}_7\mathrm{C}_3=7×6×53×2×1\displaystyle {}= \frac{7 \times 6 \times 5}{3 \times 2 \times 1}=35 通り‾\displaystyle {}= \underline{35 \text{ 通り}}

j05 の白玉 44 個・黒玉 33 個の並べ方と同じ数になりました。白玉を「東へ進む」、黒玉を「北へ進む」と読みかえれば、まったく同じ数え方です。

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問7 ★

66 人を 22 人ずつ 33 つの組に分けます。

(1) 33 つの組を AA,BB,CC と区別するとき、分け方は何通りあるか求めなさい。

(2) 33 つの組に区別がないとき、分け方は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 9090 通り (2) 1515 通り

解説

(1) AA の 22 人を選び、残り 44 人から BB の 22 人を選び、最後の 22 人が CC です。

6C2×4C2×2C2\displaystyle {}_6\mathrm{C}_2 \times {}_4\mathrm{C}_2 \times {}_2\mathrm{C}_2=15×6×1\displaystyle {}= 15 \times 6 \times 1=90 通り‾\displaystyle {}= \underline{90 \text{ 通り}}

(2) 33 つの組はすべて 22 人で人数が同じなので、(1) は組の名前 AA,BB,CC の入れかえ 3!3!=6{}= 6 通りずつ同じ分け方を重複して数えています。

903!\displaystyle \frac{90}{3!}=906\displaystyle {}= \frac{90}{6}=15 通り‾\displaystyle {}= \underline{15 \text{ 通り}}
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問8 ★

異なる 55 種類の果物の中から、11 種類以上を選ぶ方法は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

3131 通り

解説

選ぶ個数で分けて足します。

5C1\displaystyle {}_5\mathrm{C}_1+5C2\displaystyle {}+ {}_5\mathrm{C}_2+5C3\displaystyle {}+ {}_5\mathrm{C}_3+5C4\displaystyle {}+ {}_5\mathrm{C}_4+5C5\displaystyle {}+ {}_5\mathrm{C}_5=5\displaystyle {}= 5+10\displaystyle {}+ 10+10\displaystyle {}+ 10+5\displaystyle {}+ 5+1\displaystyle {}+ 1=31 通り‾\displaystyle {}= \underline{31 \text{ 通り}}

別の数え方もあります。果物それぞれについて「選ぶ・選ばない」の 22 通りがあるので、全部で 252^5=32{}= 32 通り、そこから「11 種類も選ばない」11 通りを引いて 3232−1{}- 1=31{}= 31 通りです。数と式 第5章の「部分集合は 2n2^n 個」と同じ考え方です。

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問9 ★★

(1) nC2{}_n\mathrm{C}_2=45{}= 45,(2) nC3{}_n\mathrm{C}_3=nC5{}= {}_n\mathrm{C}_5,(3) nC3{}_n\mathrm{C}_3=4⋅nC2{}= 4 \cdot {}_n\mathrm{C}_2 を満たす自然数 nn をそれぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) nn=10{}= 10 (2) nn=8{}= 8 (3) nn=14{}= 14

解説

(1) nC2{}_n\mathrm{C}_2=n(n−1)2{}= \dfrac{n(n - 1)}{2} なので(nn≧2{}\geqq 2)

n(n−1)2\displaystyle \frac{n(n - 1)}{2}=45\displaystyle {}= 45⟹n2\displaystyle {}\Longrightarrow \quad n^2−n\displaystyle {}- n−90\displaystyle {}- 90=0\displaystyle {}= 0⟹(n−10)(n+9)\displaystyle {}\Longrightarrow \quad (n - 10)(n + 9)=0\displaystyle {}= 0

nn≧2{}\geqq 2 より n=10‾\underline{n = 10} です。

(2) nCr{}_n\mathrm{C}_r=nCn−r{}= {}_n\mathrm{C}_{n-r} より、nC3{}_n\mathrm{C}_3=nCn−3{}= {}_n\mathrm{C}_{n-3} です。33≠5{}\neq 5 なので nn−3{}- 3=5{}= 5、よって n=8‾\underline{n = 8} です。確かめると 8C3{}_8\mathrm{C}_3=56{}= 56,8C5{}_8\mathrm{C}_5=56{}= 56 で一致します。

(3) nC3{}_n\mathrm{C}_3 が意味をもつので nn≧3{}\geqq 3 です。

n(n−1)(n−2)3×2×1\displaystyle \frac{n(n - 1)(n - 2)}{3 \times 2 \times 1}=4⋅n(n−1)2×1\displaystyle {}= 4 \cdot \frac{n(n - 1)}{2 \times 1}

nn≧3{}\geqq 3 より n(n−1)n(n - 1)≠0{}\neq 0 なので、両辺を n(n−1)n(n - 1) で割ると n−26\dfrac{n - 2}{6}=2{}= 2、よって n=14‾\underline{n = 14} です。確かめると 14C3{}_{14}\mathrm{C}_3=364{}= 364,4×14C24 \times {}_{14}\mathrm{C}_2=4×91{}= 4 \times 91=364{}= 364 です。

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問10 ★★

11 から 99 までの 99 個の整数から異なる 33 個を選ぶとき、選んだ 33 個の和が偶数になる選び方は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

4444 通り

解説

11 から 99 までには、偶数が 22,44,66,88 の 44 個、奇数が 11,33,55,77,99 の 55 個あります。

和が偶数になるのは、選んだ奇数の個数が偶数のとき、つまり奇数を 00 個か 22 個選ぶときです(奇数を奇数個足すと和は奇数になります)。

  • 奇数 00 個・偶数 33 個:5C0×4C3{}_5\mathrm{C}_0 \times {}_4\mathrm{C}_3=1×4{}= 1 \times 4=4{}= 4 通り
  • 奇数 22 個・偶数 11 個:5C2×4C1{}_5\mathrm{C}_2 \times {}_4\mathrm{C}_1=10×4{}= 10 \times 4=40{}= 40 通り

和の法則より

4\displaystyle 4+40\displaystyle {}+ 40=44 通り‾\displaystyle {}= \underline{44 \text{ 通り}}

確かめ:全体は 9C3{}_9\mathrm{C}_3=84{}= 84 通りで、和が奇数になるのは奇数 11 個(5×4C25 \times {}_4\mathrm{C}_2=30{}= 30 通り)と奇数 33 個(5C3{}_5\mathrm{C}_3=10{}= 10 通り)の 4040 通りです。4444+40{}+ 40=84{}= 84 で合っています。

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問11 ★★

正十二角形について、次の問いに答えなさい。

(1) 対角線は何本あるか求めなさい。

(2) 33 個の頂点を結んでできる三角形は何個あるか求めなさい。

(3) (2) のうち、直角三角形は何個あるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 5454 本 (2) 220220 個 (3) 6060 個

解説

(1) 1212 個の頂点から 22 個を選ぶと線分が 12C2{}_{12}\mathrm{C}_2=66{}= 66 本できます。このうち 1212 本は正十二角形の辺なので、対角線は

66\displaystyle 66−12\displaystyle {}- 12=54 本‾\displaystyle {}= \underline{54 \text{ 本}}

(2) どの 33 頂点も一直線上には並ばないので

12C3\displaystyle {}_{12}\mathrm{C}_3=12×11×103×2×1\displaystyle {}= \frac{12 \times 11 \times 10}{3 \times 2 \times 1}=220 個‾\displaystyle {}= \underline{220 \text{ 個}}

(3) 正十二角形の頂点はすべて同じ円(外接円)の上にあります。円周角の定理より、直角三角形になるのは斜辺が円の直径になるときです。

向かい合う頂点を結ぶと直径になり、その組は 12÷212 \div 2=6{}= 6 組あります。直径を1つ決めるごとに、残り 1010 個の頂点のどれを3つめの頂点にしてもよいので

6×10\displaystyle 6 \times 10=60 個‾\displaystyle {}= \underline{60 \text{ 個}}
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問12 ★★

平面上に、平行な 55 本の直線と、それらに交わる平行な 66 本の直線があります。これらの直線で囲まれる平行四辺形は何個できるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

150150 個

解説

平行四辺形は、55 本のグループから 22 本、66 本のグループから 22 本を選ぶと1つ決まります。逆に、平行四辺形を1つ決めれば、その4辺をのせている直線が 22 本ずつ決まります。

  • 55 本から 22 本:5C2{}_5\mathrm{C}_2=10{}= 10 通り
  • 66 本から 22 本:6C2{}_6\mathrm{C}_2=15{}= 15 通り

積の法則より

10×15\displaystyle 10 \times 15=150 個‾\displaystyle {}= \underline{150 \text{ 個}}

どの 22 本を選ぶかだけで決まり、選ぶ順番は関係ないので組合せです。

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問13 ★★

東西に 66 区画、南北に 44 区画の道がある街で、南西の角 A\mathrm{A} から北東の角 B\mathrm{B} まで最短の道順で行きます。A\mathrm{A} から東へ 33 区画、北へ 22 区画進んだ交差点を P\mathrm{P} とします。

(1) P\mathrm{P} を通る道順は何通りあるか求めなさい。

(2) P\mathrm{P} を通らない道順は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 100100 通り (2) 110110 通り

解説

(1) A\mathrm{A}→P{}\to \mathrm{P} と P\mathrm{P}→B{}\to \mathrm{B} に分けて、積の法則でかけます。

  • A\mathrm{A}→P{}\to \mathrm{P}:東へ 33 回、北へ 22 回の 55 回のうち北を選んで 5C2{}_5\mathrm{C}_2=10{}= 10 通り
  • P\mathrm{P}→B{}\to \mathrm{B}:東へ 33 回、北へ 22 回の 55 回のうち北を選んで 5C2{}_5\mathrm{C}_2=10{}= 10 通り
10×10\displaystyle 10 \times 10=100 通り‾\displaystyle {}= \underline{100 \text{ 通り}}

(2) A\mathrm{A} から B\mathrm{B} までの道順は全部で

10C4\displaystyle {}_{10}\mathrm{C}_4=10×9×8×74×3×2×1\displaystyle {}= \frac{10 \times 9 \times 8 \times 7}{4 \times 3 \times 2 \times 1}=210 通り\displaystyle {}= 210 \text{ 通り}

です。「P\mathrm{P} を通る」と「P\mathrm{P} を通らない」は同時には起こらず、合わせると全体になるので

210\displaystyle 210−100\displaystyle {}- 100=110 通り‾\displaystyle {}= \underline{110 \text{ 通り}}
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問14 ★★

a\mathrm{a},a\mathrm{a},b\mathrm{b},b\mathrm{b},c\mathrm{c} の 55 文字をすべて使って文字列を作ります。

(1) 文字列は全部で何通りできるか求めなさい。

(2) 22 個の a\mathrm{a} が隣り合わない文字列は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 3030 通り (2) 1818 通り

解説

(1) a\mathrm{a} が 22 個、b\mathrm{b} が 22 個、c\mathrm{c} が 11 個なので

5!2! 2! 1!\displaystyle \frac{5!}{2!\,2!\,1!}=1204\displaystyle {}= \frac{120}{4}=30 通り‾\displaystyle {}= \underline{30 \text{ 通り}}

(2) 第3章と同じく、先に残りを並べてすき間に入れます。b\mathrm{b},b\mathrm{b},c\mathrm{c} を並べる方法は 3!2!\dfrac{3!}{2!}=3{}= 3 通りです。

□ x □ x □ x □\square \ \mathrm{x} \ \square \ \mathrm{x} \ \square \ \mathrm{x} \ \square

できた 44 つのすき間(両端を含む)から 22 つを選んで a\mathrm{a} を1個ずつ入れれば、a\mathrm{a} どうしは隣り合いません。22 個の a\mathrm{a} は同じ文字なので、どちらをどちらに入れるかの区別はなく、すき間の選び方 4C2{}_4\mathrm{C}_2=6{}= 6 通りです。

3×6\displaystyle 3 \times 6=18 通り‾\displaystyle {}= \underline{18 \text{ 通り}}

別解として、a\mathrm{a} が隣り合う場合を引く方法もあります。aa\mathrm{aa} をひとまとめの1文字とみなすと、aa\mathrm{aa},b\mathrm{b},b\mathrm{b},c\mathrm{c} の 44 つの並べ方で 4!2!\dfrac{4!}{2!}=12{}= 12 通りなので、3030−12{}- 12=18{}= 18 通りです。

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問15 ★★

組に区別はないものとして、88 人を 44 人、22 人、22 人の 33 つの組に分ける方法は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

210210 通り

解説

まず、33 つの組に区別があるとして数えます。44 人の組を選び、残り 44 人から 22 人の組を選び、最後の 22 人が残りの組です。

8C4×4C2×2C2\displaystyle {}_8\mathrm{C}_4 \times {}_4\mathrm{C}_2 \times {}_2\mathrm{C}_2=70×6×1\displaystyle {}= 70 \times 6 \times 1=420\displaystyle {}= 420

44 人の組は人数が違うのでほかと区別できますが、22 人の組は 22 つあって人数が同じです。この 22 つを入れかえたものは同じ分け方なので、2!2!=2{}= 2 で割ります。

4202!\displaystyle \frac{420}{2!}=210 通り‾\displaystyle {}= \underline{210 \text{ 通り}}

33 つすべてを 3!3! で割ってしまうのが、よくある誤りです。割るのは人数が同じ組の分だけです。

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問16 ★★

1010 人の生徒から 55 人の委員を選びます。この 1010 人の中に生徒 AA と生徒 BB がいます。

(1) AA と BB がともに選ばれる選び方は何通りあるか求めなさい。

(2) AA は選ばれ、BB は選ばれない選び方は何通りあるか求めなさい。

(3) AA,BB の少なくとも一方が選ばれる選び方は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 5656 通り (2) 7070 通り (3) 196196 通り

解説

(1) AA と BB を先に委員に入れてしまうと、残り 33 人を、AA,BB 以外の 88 人から選ぶことになります。

8C3\displaystyle {}_8\mathrm{C}_3=56 通り‾\displaystyle {}= \underline{56 \text{ 通り}}

(2) AA を入れ、BB を除くと、残り 44 人を AA,BB 以外の 88 人から選びます。

8C4\displaystyle {}_8\mathrm{C}_4=70 通り‾\displaystyle {}= \underline{70 \text{ 通り}}

(3) 反対は「AA も BB も選ばれない」で、88 人から 55 人を選ぶ 8C5{}_8\mathrm{C}_5=8C3{}= {}_8\mathrm{C}_3=56{}= 56 通りです。全体は 10C5{}_{10}\mathrm{C}_5=252{}= 252 通りなので

252\displaystyle 252−56\displaystyle {}- 56=196 通り‾\displaystyle {}= \underline{196 \text{ 通り}}

確かめ:(1) 5656 通り、(2) 7070 通り、「BB は選ばれ AA は選ばれない」も (2) と同じ 7070 通りで、5656+70{}+ 70+70{}+ 70=196{}= 196 と一致します。

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問17 ★★★

東西に 55 区画、南北に 44 区画の道がある街で、南西の角 A\mathrm{A} から北東の角 B\mathrm{B} まで最短の道順で行きます。A\mathrm{A} から東へ 22 区画、北へ 22 区画進んだ交差点を P\mathrm{P}、P\mathrm{P} から東へ 11 区画進んだ交差点を Q\mathrm{Q} とします。P\mathrm{P} と Q\mathrm{Q} を結ぶ道が工事中で通れないとき、道順は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

9090 通り

解説

全体から「PQ\mathrm{PQ} 間の道を通る道順」を引きます。

A\mathrm{A} から B\mathrm{B} までの最短の道順は、東へ 55 回、北へ 44 回の 99 回のうち北を選んで

9C4\displaystyle {}_9\mathrm{C}_4=9×8×7×64×3×2×1\displaystyle {}= \frac{9 \times 8 \times 7 \times 6}{4 \times 3 \times 2 \times 1}=126 通り\displaystyle {}= 126 \text{ 通り}

です。PQ\mathrm{PQ} 間を通る道順は、A\mathrm{A}→P{}\to \mathrm{P}、P\mathrm{P}→Q{}\to \mathrm{Q}、Q\mathrm{Q}→B{}\to \mathrm{B} の3つに分けられます。

  • A\mathrm{A}→P{}\to \mathrm{P}:東へ 22 回、北へ 22 回の 44 回のうち北を選んで 4C2{}_4\mathrm{C}_2=6{}= 6 通り
  • P\mathrm{P}→Q{}\to \mathrm{Q}:東へ 11 区画進むだけで 11 通り
  • Q\mathrm{Q}→B{}\to \mathrm{B}:Q\mathrm{Q} は A\mathrm{A} から東へ 33 区画、北へ 22 区画の地点なので、東へ 22 回、北へ 22 回の 44 回のうち北を選んで 4C2{}_4\mathrm{C}_2=6{}= 6 通り

積の法則より 6×1×66 \times 1 \times 6=36{}= 36 通りです。よって求める道順は

126\displaystyle 126−36\displaystyle {}- 36=90 通り‾\displaystyle {}= \underline{90 \text{ 通り}}

通れないのは**道(区間)**であって交差点ではないので、P\mathrm{P} を通ってから北へ進む道順などは数に入ります。「P\mathrm{P} を通らない」として引くと引きすぎになります。

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問18 ★★★

11 から 1010 までの 1010 個の整数から異なる 33 個を選びます。選んだどの 22 個の差も 22 以上になる選び方は何通りあるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

5656 通り

解説

選んだ 33 個を小さい順に aa<b{}< b<c{}< c とします。条件は bb−a{}- a≧2{}\geqq 2 かつ cc−b{}- b≧2{}\geqq 2、つまり「連続する 22 数を選ばない」ということです。

そこで

a′\displaystyle a'=a,\displaystyle {}= a,b′\displaystyle b'=b\displaystyle {}= b−1,\displaystyle {}- 1,c′\displaystyle c'=c\displaystyle {}= c−2\displaystyle {}- 2

とおきます。bb−a{}- a≧2{}\geqq 2 から b′b'−a′{}- a'=b{}= b−a{}- a−1{}- 1≧1{}\geqq 1、同じく c′c'−b′{}- b'≧1{}\geqq 1 となるので、a′a'<b′{}< b'<c′{}< c' です。また 11≦a′{}\leqq a' で、c′c'=c{}= c−2{}- 2≦10{}\leqq 10−2{}- 2=8{}= 8 です。

つまり、条件を満たす選び方は、11 から 88 までの 88 個から異なる 33 個を選ぶ選び方と1対1に対応します(a′a'<b′{}< b'<c′{}< c' を選べば、aa=a′{}= a',bb=b′{}= b'+1{}+ 1,cc=c′{}= c'+2{}+ 2 と戻せます)。

8C3\displaystyle {}_8\mathrm{C}_3=8×7×63×2×1\displaystyle {}= \frac{8 \times 7 \times 6}{3 \times 2 \times 1}=56 通り‾\displaystyle {}= \underline{56 \text{ 通り}}

別の見方をすると、選ばない 77 個を1列に並べてできる 88 つのすき間(両端を含む)から 33 つを選び、そこに選ぶ数を入れる、と考えても 8C3{}_8\mathrm{C}_3=56{}= 56 通りです。第3章の「隣り合わないものはすき間に入れる」と同じ発想です。

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問19 ★★★

11,11,22,22,33,33 の 66 個の数字をすべて使って 66 桁の整数を作るとき、同じ数字が隣り合わないものは何個あるか求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

3030 個

解説

全体は、11,22,33 が 22 個ずつの同じものを含む順列で

6!2! 2! 2!\displaystyle \frac{6!}{2!\,2!\,2!}=7208\displaystyle {}= \frac{720}{8}=90 個\displaystyle {}= 90 \text{ 個}

です。ここから「同じ数字が隣り合うものがある」ものを、第1章の包除原理で数えて引きます。11 が隣り合う整数の集合を X1X_1、同じく X2X_2,X3X_3 とします。

  • n(X1)n(X_1):1111 をひとまとめの1個とみなすと、[11][11],22,22,33,33 の 55 個の並べ方で 5!2! 2!\dfrac{5!}{2!\,2!}=30{}= 30 個。X2X_2,X3X_3 も同じ
  • n(X1∩X2)n(X_1 \cap X_2):[11][11],[22][22],33,33 の 44 個の並べ方で 4!2!\dfrac{4!}{2!}=12{}= 12 個。ほかの2つの組も同じ
  • n(X1∩X2∩X3)n(X_1 \cap X_2 \cap X_3):[11][11],[22][22],[33][33] の 33 個の並べ方で 3!3!=6{}= 6 個
n(X1∪X2∪X3)\displaystyle n(X_1 \cup X_2 \cup X_3)=3×30\displaystyle {}= 3 \times 30−3×12\displaystyle {}- 3 \times 12+6\displaystyle {}+ 6=90\displaystyle {}= 90−36\displaystyle {}- 36+6\displaystyle {}+ 6=60\displaystyle {}= 60

よって、同じ数字が隣り合わないものは

90\displaystyle 90−60\displaystyle {}- 60=30 個‾\displaystyle {}= \underline{30 \text{ 個}}

最高位に 00 がないので、すべての並べ方がそのまま 66 桁の整数になります。

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問20 ★★★

xx+y{}+ y+z{}+ z=10{}= 10 を満たす整数の組 (x, y, z)(x,\ y,\ z) について考えます。

(1) xx,yy,zz がすべて正の整数である組の個数を求めなさい。

(2) xx,yy,zz がすべて 00 以上の整数である組の個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 3636 組 (2) 6666 組

解説

(1) 1010 個の ◯\bigcirc を1列に並べ、そのすき間に仕切り ∣\mid を 22 本入れて 33 つのかたまりに分け、左から順に xx,yy,zz 個とします。

◯◯◯∣◯◯∣◯◯◯◯◯\displaystyle \bigcirc \bigcirc \bigcirc \mid \bigcirc \bigcirc \mid \bigcirc \bigcirc \bigcirc \bigcirc \bigcirc⟷\displaystyle \longleftrightarrow(x, y, z)\displaystyle (x,\ y,\ z)=(3, 2, 5)\displaystyle {}= (3,\ 2,\ 5)

どのかたまりも 11 個以上にするには、◯\bigcirc の間の 99 つのすき間から異なる 22 つを選んで仕切りを入れます(同じすき間に 22 本は入れられません)。この入れ方と正の整数の組は1対1に対応するので

9C2\displaystyle {}_9\mathrm{C}_2=9×82×1\displaystyle {}= \frac{9 \times 8}{2 \times 1}=36 組‾\displaystyle {}= \underline{36 \text{ 組}}

(2) 00 を許すので、xx=x′{}= x'−1{}- 1 のように置きかえて (1) に帰着させます。x′x'=x{}= x+1{}+ 1,y′y'=y{}= y+1{}+ 1,z′z'=z{}= z+1{}+ 1 とおくと、x′x',y′y',z′z' はすべて正の整数で

x′\displaystyle x'+y′\displaystyle {}+ y'+z′\displaystyle {}+ z'=10\displaystyle {}= 10+3\displaystyle {}+ 3=13\displaystyle {}= 13

です。(1) と同じように、1313 個の ◯\bigcirc の間の 1212 のすき間から 22 つを選んで

12C2\displaystyle {}_{12}\mathrm{C}_2=12×112×1\displaystyle {}= \frac{12 \times 11}{2 \times 1}=66 組‾\displaystyle {}= \underline{66 \text{ 組}}

◯\bigcirc が 1010 個と仕切り 22 本の合計 1212 個を1列に並べる(仕切りが隣り合ってもよい)と考えて、1212 か所から仕切りの 22 か所を選ぶ 12C2{}_{12}\mathrm{C}_2=66{}= 66 通りとしても同じです。

自己採点:
記録を読み込み中…

数学小話コーナー

トーナメントの試合数は数えなくても分かる

夏の全国高校野球は、各都道府県の代表が集まって行われるトーナメント(勝ち抜き戦)です。近年はおよそ 4949 代表が出場します(※年によって変わります)。では、優勝校が決まるまでに何試合あるでしょうか。

組み合わせ表をたどって数えたくなりますが、その必要はありません。1試合につき、負けるチームがちょうど1つ出ます。そして、負けたチームはそこで大会を去るので、二度と負けません。つまり「試合」と「負けたチーム」が1対1に対応しています。

最後に残る優勝校以外は全員どこかで1回だけ負けるので、負けたチームは 4949−1{}- 1=48{}= 48 校、試合数も 48‾\underline{48} です。何回戦まであるか、シード校があるかどうかも関係ありません。nn チームのトーナメントは、いつでも nn−1{}- 1 試合です。

では、同じ 4949 チームで総当たり戦(リーグ戦)をしたらどうでしょう。こちらは 22 チームの組を選ぶたびに1試合なので

49C2\displaystyle {}_{49}\mathrm{C}_2=49×482\displaystyle {}= \frac{49 \times 48}{2}=1176 試合\displaystyle {}= 1176 \text{ 試合}

です。甲子園は1日に 44 試合ほど行われるので、単純に割っても 294294 日、およそ 1010 か月かかる計算になります。短期間で優勝校を決めるためにトーナメントが選ばれるのは、試合数が nn−1{}- 1 と n(n−1)2\dfrac{n(n-1)}{2} でまるで違うからです。

豆知識

トーナメントは試合数が少ない代わりに、「22 番目に強いチーム」が正しく決まるとは限りません。1回戦で優勝校と当たってしまえば、そこで消えてしまうからです。順位をきちんと決めたい大会でリーグ戦が使われるのは、このためです。

1, 2, 4, 8, 16, その次は?

円をかいて、円周上に点をいくつか取り、すべての 22 点を線分で結んでみてください。円の内部がいくつの部分に分かれるかを数えます。

  • 11 点:11 個
  • 22 点:22 個
  • 33 点:44 個
  • 44 点:88 個
  • 55 点:1616 個

1,1, 2,\ 2, 4,\ 4, 8,\ 8, 16\ 16 と並べば、次は 3232 だと思うのが人情です。ところが実際に 66 点でかいて数えると、出てくるのは 31\mathbf{31} 個です(33 本以上の線分が1点で交わらないように点をずらして取った場合)。22 の累乗は、ここで裏切ります。

正しい個数は、組合せを使って次のように書けます。

nC4\displaystyle {}_n\mathrm{C}_4+nC2\displaystyle {}+ {}_n\mathrm{C}_2+1\displaystyle {}+ 1

nC2{}_n\mathrm{C}_2 は線分の本数、nC4{}_n\mathrm{C}_4 は線分どうしの交点の個数です。交点が線分の交わりで決まることに注目すると、44 点を選ぶごとに交点がちょうど 11 個できる(四角形の対角線の交点)ので nC4{}_n\mathrm{C}_4 個になります。線分を1本引くたび、また交点が1つできるたびに、部分が1つずつ増えていく――と数えると、この式にたどり着きます。

確かめてみましょう。nn=5{}= 5 なら 5C4{}_5\mathrm{C}_4+5C2{}+ {}_5\mathrm{C}_2+1{}+ 1=5{}= 5+10{}+ 10+1{}+ 1=16{}= 16、nn=6{}= 6 なら 6C4{}_6\mathrm{C}_4+6C2{}+ {}_6\mathrm{C}_2+1{}+ 1=15{}= 15+15{}+ 15+1{}+ 1=31{}= 31 です。続きは 5757、9999、163163 と、22 の累乗からどんどん離れていきます。

この問題は、オーストリアに生まれカナダで活躍した数学者レオ・モーザーの名前をとって「モーザーの円の問題」と呼ばれることがあります(※呼び名は資料によって違います)。

豆知識

「最初の5つが合っているから、この規則で正しいはずだ」が通用しないことを示す、有名な反例の1つです。数学で証明が必要なのは、こういう落とし穴があるからです。

数え上げは、すぐに手に負えなくなる

この章で学んだ碁盤の目の道順は、東と北にしか進まない最短経路の話でした。10×1010 \times 10 のマス目なら

20C10\displaystyle {}_{20}\mathrm{C}_{10}=184756 通り\displaystyle {}= 184756 \text{ 通り}

です。1818 万通りなら、コンピューターは一瞬で数え上げます。

では、遠回りしてもよいことにしたらどうでしょう。ただし、同じ交差点は二度通らないという条件をつけます。すると道順は次のように増えていきます。

  • 1×11 \times 1:22 通り
  • 2×22 \times 2:1212 通り
  • 3×33 \times 3:184184 通り
  • 4×44 \times 4:85128512 通り

ここまではまだ書き出せそうですが、10×1010 \times 10 になると約 1.6×10241.6 \times 10^{24} 通り、2525 桁の数になります(※正確な値は 15687580304647500132141001568758030464750013214100 通りとされています)。仮に1通りを1秒で数えられたとしても、およそ 5×10165 \times 10^{16} 年、宇宙の年齢(約 138138 億年)の 300300 万倍以上の時間がかかります。11 辺が 1010 倍になっただけで、手に負えなくなるのです。

これを組合せ爆発といいます。2012 年に日本の研究プロジェクトが公開した「フカシギの数え方」という動画では、この道順をひたすら数え続ける「おねえさん」の姿で、増え方の恐ろしさが紹介されました。

もっとも、数学は「1つずつ数える」以外の方法を用意します。道順の集合をうまく圧縮して表す方法を使うと、10×1010 \times 10 の道順の総数は、実際には短時間で計算できます。膨大な場合の数を、全部書き出さずに数える――この章で組合せを学んだのも、まさにそのためです。

豆知識

第3章の小話で見た巡回セールスマン問題も、組合せ爆発の代表例です。「数え上げる対象が爆発しても、賢い数え方があれば計算できる」というのが、現代の数え上げの考え方です。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。本文では、組合せを「順列を並べ方の数でまとめたもの」として導入しました。ここでは組合せを集合の言葉で定め、第3章の定理2(割り算の法則)から公式を証明します。同じものを含む順列・組分けも、同じ1つの定理から出てくることを見ます。

組合せの定義と個数

定義1:組合せ

nn 個の要素をもつ集合 AA と 00≦r{}\leqq r≦n{}\leqq n を満たす整数 rr について、AA の部分集合のうち要素の個数が rr であるものを、AA の rr 個の組合せという。その全体の集合の要素の個数を nCr{}_n\mathrm{C}_r で表す。

順列(第3章 定義1)が成分に順番のある組 (a1, …, ar)(a_1,\ \ldots,\ a_r) だったのに対し、組合せは部分集合 {a1, …, ar}\{a_1,\ \ldots,\ a_r\} です。集合は要素の順番を区別しないので、{1, 2}\{1,\ 2\} と {2, 1}\{2,\ 1\} は同じ集合です。「順序を考えない」とは、このことを指しています。rr=0{}= 0 のときは空集合 ∅\varnothing だけなので nC0{}_n\mathrm{C}_0=1{}= 1 です。

定理1:組合せの個数

00≦r{}\leqq r≦n{}\leqq n のとき

nCr\displaystyle {}_n\mathrm{C}_r=nPrr!\displaystyle {}= \frac{{}_n\mathrm{P}_r}{r!}=n!r! (n−r)!\displaystyle {}= \frac{n!}{r!\,(n - r)!}

証明 rr=0{}= 0 のときは両辺とも 11 なので、11≦r{}\leqq r≦n{}\leqq n とする。AA の rr 個の順列全体の集合を SS とすると n(S)n(S)=nPr{}= {}_n\mathrm{P}_r である。

SS の要素を、成分として現れる要素の集合が等しいもの同士でグループに分ける。順列 (a1, …, ar)(a_1,\ \ldots,\ a_r) は成分がすべて異なるので、集合 {a1, …, ar}\{a_1,\ \ldots,\ a_r\} はちょうど rr 個の要素をもつ。したがって、グループは AA の rr 個の部分集合 BB ごとに1つ定まり、その個数は nCr{}_n\mathrm{C}_r である。

BB に対応するグループは、BB の rr 個の要素をすべて並べた順列の全体だから、第3章の定理1より rPr{}_r\mathrm{P}_r=r!{}= r! 個の要素をもつ。どのグループも空でなく、大きさはちょうど r!r! でそろっている。よって第3章の定理2(割り算の法則)より

nCr\displaystyle {}_n\mathrm{C}_r=n(S)r!\displaystyle {}= \frac{n(S)}{r!}=nPrr!\displaystyle {}= \frac{{}_n\mathrm{P}_r}{r!}

である。さらに nPr{}_n\mathrm{P}_r=n!(n−r)!{}= \dfrac{n!}{(n - r)!} を代入すれば n!r! (n−r)!\dfrac{n!}{r!\,(n - r)!} を得る。(証明終)

第3章の定理2の末尾で予告したとおり、組合せは「順列を、並べる順番だけが違うもの同士でまとめた」ものとして得られました。グループの大きさがどれも r!r! でそろっていることが、割り算してよい理由です。

定理2:対称性

00≦r{}\leqq r≦n{}\leqq n のとき nCr{}_n\mathrm{C}_r=nCn−r{}= {}_n\mathrm{C}_{n - r} である。

証明 AA の rr 個の部分集合 BB に、AA の中での補集合 B‾\overline{B}=A∖B{}= A \setminus B を対応させる。n(B‾)n(\overline{B})=n{}= n−r{}- r なので、B‾\overline{B} は nn−r{}- r 個の部分集合である。

この対応は、nn−r{}- r 個の部分集合 CC に C‾\overline{C} を対応させる向きの対応と互いに逆になっている(B‾‾\overline{\overline{B}}=B{}= B)。したがって、rr 個の部分集合の全体と nn−r{}- r 個の部分集合の全体は1対1に対応し、個数が等しい。(証明終)

計算式 n!r! (n−r)!\dfrac{n!}{r!\,(n-r)!} で rr と nn−r{}- r を入れかえても値が変わらないことからも確かめられますが、上の証明は「rr 個を選ぶことは、残す nn−r{}- r 個を選ぶことと同じ」という意味をそのまま式にしたものです。

定理3:パスカルの規則と総和

11≦r{}\leqq r≦n{}\leqq n−1{}- 1 のとき

nCr\displaystyle {}_n\mathrm{C}_r=n−1Cr−1\displaystyle {}= {}_{n-1}\mathrm{C}_{r-1}+n−1Cr\displaystyle {}+ {}_{n-1}\mathrm{C}_r

また、すべての nn≧0{}\geqq 0 について

nC0\displaystyle {}_n\mathrm{C}_0+nC1\displaystyle {}+ {}_n\mathrm{C}_1+⋯\displaystyle {}+ \cdots+nCn\displaystyle {}+ {}_n\mathrm{C}_n=2n\displaystyle {}= 2^n

証明 AA の要素を1つ選んで aa とし、AA の rr 個の部分集合を、aa を含むものと含まないものに分ける。この2つに共通なものはなく、合わせると全体になる。

  • aa を含むもの:残りの rr−1{}- 1 個を A∖{a}A \setminus \{a\}(nn−1{}- 1 個)から選ぶので n−1Cr−1{}_{n-1}\mathrm{C}_{r-1} 個
  • aa を含まないもの:rr 個すべてを A∖{a}A \setminus \{a\} から選ぶので n−1Cr{}_{n-1}\mathrm{C}_r 個

第2章の定理1(和の法則)より、和が nCr{}_n\mathrm{C}_r に等しい。

総和については、AA の部分集合全体を要素の個数 0,0, 1,\ 1, …,\ \ldots, n\ n で分類すると、どの部分集合もちょうど1つの分類に入る。和の法則より、部分集合の個数は nC0{}_n\mathrm{C}_0+⋯{}+ \cdots+nCn{}+ {}_n\mathrm{C}_n である。一方、第2章の定理4よりこれは 2n2^n に等しい。(証明終)

パスカルの規則は、数と式 第7章のパスカルの三角形で「すぐ上の段の左右2つの数を足す」と述べた規則そのものです。あちらでは展開の式から確かめましたが、ここでは「特定の1つを選ぶか選ばないか」で場合分けするだけで得られました。総和の式は、本文の j08 で果物の選び方を 252^5−1{}- 1 と数えたことの一般形です。

同じものを含む順列と組分け

定義2:多項係数

正の整数 n1,n_1, n2,\ n_2, …,\ \ldots, nk\ n_k が n1n_1+n2{}+ n_2+⋯{}+ \cdots+nk{}+ n_k=n{}= n を満たすとき

(nn1, n2, …, nk)\displaystyle \binom{n}{n_1,\ n_2,\ \ldots,\ n_k}=n!n1! n2!⋯nk!\displaystyle {}= \frac{n!}{n_1!\,n_2! \cdots n_k!}

と書き、多項係数という。

定理4:同じものを含む順列

kk 種類のものが、それぞれ n1,n_1, n2,\ n_2, …,\ \ldots, nk\ n_k 個ずつあり、同じ種類のものは互いに区別できないとする。nn=n1{}= n_1+⋯{}+ \cdots+nk{}+ n_k 個をすべて1列に並べる方法の総数は

n!n1! n2!⋯nk!\frac{n!}{n_1!\,n_2! \cdots n_k!}

である。

証明 並べる場所に番号をつけ、場所の集合を RR={1, 2, …, n}{}= \{1,\ 2,\ \ldots,\ n\} とする。並べ方1つを決めることは、RR を「1種類目を置く場所の集合 R1R_1」「2種類目を置く場所の集合 R2R_2」…「kk 種類目を置く場所の集合 RkR_k」に分けることと同じである(同じ種類のものは区別できないので、どの場所に置くかだけが並べ方を決める)。

R1R_1 の選び方は nCn1{}_n\mathrm{C}_{n_1} 通り、そのそれぞれに対して R2R_2 の選び方は残り nn−n1{}- n_1 個の場所から選んで n−n1Cn2{}_{n - n_1}\mathrm{C}_{n_2} 通り、と続く。候補の中身は前の選び方で変わるが個数は一定なので、第2章の定理3(積の法則の一般形)より、総数は

nCn1×n−n1Cn2×⋯×nkCnk\displaystyle {}_n\mathrm{C}_{n_1} \times {}_{n - n_1}\mathrm{C}_{n_2} \times \cdots \times {}_{n_k}\mathrm{C}_{n_k}=n!n1! (n−n1)!\displaystyle {}= \frac{n!}{n_1!\,(n - n_1)!}×(n−n1)!n2! (n−n1−n2)!×⋯\displaystyle \qquad \times \frac{(n - n_1)!}{n_2!\,(n - n_1 - n_2)!} \times \cdots

である。右辺では (n−n1)!(n - n_1)!,(n−n1−n2)!(n - n_1 - n_2)!,… が次々と約分され、最後の因子の分母は 0!0!=1{}= 1 になるので

n!n1! n2!⋯nk!\frac{n!}{n_1!\,n_2! \cdots n_k!}

が残る。(証明終)

kk=2{}= 2 のとき、この式は n!n1! n2!\dfrac{n!}{n_1!\,n_2!}=nCn1{}= {}_n\mathrm{C}_{n_1} となり、定理1に戻ります。白玉と黒玉を並べる方法が「白玉を置く場所を選ぶ組合せ」に一致したのは、このためです。

多項係数は、数と式 第7章の多項定理に現れた係数と同じものです。(x1+x2+⋯+xk)n(x_1 + x_2 + \cdots + x_k)^n を展開したときの x1n1x2n2⋯xknkx_1^{n_1} x_2^{n_2} \cdots x_k^{n_k} の係数が n!n1!⋯nk!\dfrac{n!}{n_1! \cdots n_k!} になるのは、nn 個のかっこを「どの xix_i を取るか」で kk 組に分ける方法の数だからです。

定理5:組分け

nn 個の異なるものを、a1,a_1, a2,\ a_2, …,\ \ldots, ak\ a_k 個(すべて 11 以上、a1a_1+⋯{}+ \cdots+ak{}+ a_k=n{}= n)の kk 個の組に分ける。

  1. kk 個の組に名前がついている(区別できる)ときの分け方は n!a1! a2!⋯ak!\dfrac{n!}{a_1!\,a_2! \cdots a_k!} 通りである。
  2. 組に名前がないとき、kk 個の組を人数ごとにまとめ、同じ人数の組がそれぞれ m1,m_1, m2,\ m_2, …\ \ldots 個あるとすると、分け方は 1 の値を m1! m2!⋯m_1!\,m_2! \cdots で割ったものである。

証明 1 は定理4の証明と同じである(「ii 番目の組に入るものの集合」を選ぶ)。

2 を示す。名前のない分け方1つを取り、その kk 個の組に名前を割りふる方法を数える。名前は組の人数に合うものしか付けられないから、同じ人数の組どうしで名前を入れかえる m1! m2!⋯m_1!\,m_2! \cdots 通りである。どの組も空でなく互いに共通部分をもたないので、異なる入れかえは異なる名前つきの分け方を与える。

したがって、名前つきの分け方の全体は、名前のない分け方ごとにちょうど m1! m2!⋯m_1!\,m_2! \cdots 個ずつのグループに分かれる。第3章の定理2(割り算の法則)より、名前のない分け方の個数は 1 の値を m1! m2!⋯m_1!\,m_2! \cdots で割ったものである。(証明終)

本文の例題4(3)や j15 で「人数が違う組は割らない」としたのは、その人数の組が 11 個しかなく mi!m_i!=1!{}= 1!=1{}= 1 だからです。割る数が k!k! とは限らないことに注意してください。

重複組合せ

最後に、本文では扱わなかった「同じものを何個取ってもよい組合せ」を見ておきます。j20 で使った ◯\bigcirc と仕切りの対応を一般化したものです。

定理6:重複組合せ

nn 種類のものから、同じ種類を何個取ってもよいとして rr 個取り出す(取り出す順序は考えない)方法の総数は

n+r−1Cr{}_{n + r - 1}\mathrm{C}_r

である。これは、x1x_1+x2{}+ x_2+⋯{}+ \cdots+xn{}+ x_n=r{}= r を満たす 00 以上の整数の組 (x1, …, xn)(x_1,\ \ldots,\ x_n) の個数に等しい。

証明 取り出し方は、ii 種類目を何個取ったかという個数 xix_i の組で決まる。順序を考えないので、この組と取り出し方は1対1に対応し、xix_i≧0{}\geqq 0,x1x_1+⋯{}+ \cdots+xn{}+ x_n=r{}= r を満たす。

そこで、◯\bigcirc を rr 個と仕切り ∣\mid を nn−1{}- 1 本、合わせて nn+r{}+ r−1{}- 1 個を1列に並べた列を考える。仕切りで区切られた nn 個の区間に入る ◯\bigcirc の個数を左から x1,x_1, …,\ \ldots, xn\ x_n とすれば、列と組は1対1に対応する(区間が空なら xix_i=0{}= 0 である)。

列は nn+r{}+ r−1{}- 1 か所のうち ◯\bigcirc を置く rr か所を選べば決まるので、定理1より n+r−1Cr{}_{n + r - 1}\mathrm{C}_r 個である。(証明終)

たとえば 55 種類のジュースから、同じ種類を何本買ってもよいとして 33 本買う買い方は 5+3−1C3{}_{5 + 3 - 1}\mathrm{C}_3=7C3{}= {}_7\mathrm{C}_3=35{}= 35 通りです。j20 の (2) は nn=3{}= 3,rr=10{}= 10 の場合にあたり、12C10{}_{12}\mathrm{C}_{10}=12C2{}= {}_{12}\mathrm{C}_2=66{}= 66 となって答えと一致します。

同じ「重複を許す」でも、第3章の重複順列 nrn^r は取り出す順序を区別する数え方でした。順序を区別するかどうかで式がまったく違うことを、順列と組合せの関係と合わせて確かめておいてください。

次の第5章からは確率に入ります。確率は「同様に確からしい」起こり方の個数の割合として定めるので、分母と分子をこの章までの道具で数えることになります。とくに、同じ色の玉のように見分けのつかないものもすべて区別して数えるのが原則です。見分けのつかないものをまとめて数えると、起こりやすさがそろわなくなるからです。

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