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第6章 合成関数

—— 先に f、後から g——関数をつないで 1 つにする ——

第5章の終わりで、$f$ で進んだ道を $f^{-1}$ で戻ると $f^{-1}(f(a)) = a$ になることを見ました。この章では、このように 2 つの関数を続けて使ったものを**合成関数**として 1 つの関数とみなし、記号 $g \circ f$ で表します。計算のしかた、順番を入れかえると結果が変わること、定義域の決め方、合成関数からもとの関数を求める方法を学び、最後に逆関数との合成と、同じ関数を何回も合成する問題まで進みます。これで「いろいろな関数」の分野は完結です。

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合成関数——2 つの関数を続けて使う

f(x)f(x)=2x{}= 2x−1{}- 1 に xx=2{}= 2 を入れると 33 が出てきます。この 33 を、今度は g(x)g(x)=x2{}= x^2+1{}+ 1 に入れると 1010 になります。「22 を入れると最後に 1010 が出てくる」という流れ全体を、1 つの関数とみなすことができます。

このように、xx にまず ff を使い、出てきた f(x)f(x) に続けて gg を使って g(f(x))g(f(x)) を作る関数を、ff と gg の合成関数といいます。記号では g∘fg \circ f と書き、「ジー・マル・エフ」と読みます。

g ∘ f(まとめて 1 つの関数) f g x f(x) g(f(x)) ① 先に f ② 後から g 記号は g ∘ f と左に g を書くが、先に使うのは右の f

記号の並びと使う順番が逆になっている点に注意してください。g∘fg \circ f は左に gg、右に ff と書きますが、先に使うのは右側の ff です。g(f(x))g(f(x)) の形で、xx のすぐ外側にいるのが ff だから、と覚えておくと迷いません。この章では毎回「先に ff、後から gg」と言葉を添えます。

公式1:合成関数
(g∘f)(x)\displaystyle (g \circ f)(x)=g(f(x))\displaystyle {}= g(f(x))

先に ff、後から gg を使う関数である。

  • 値を求めるとき:まず f(a)f(a) を計算し、その値を gg に代入する
  • 式を求めるとき:g(x)g(x) の式の xx を、かたまり f(x)f(x) で置きかえる

(g∘f)(x)(g \circ f)(x) は、g(x)g(x) と f(x)f(x) の積 g(x)f(x)g(x)f(x) とは別物です。記号の ∘\circ は掛け算の点ではありません。

果汁 100% のオレンジジュースを作る工場を思い浮かべてください。1 台目の機械がオレンジの皮をむき、ベルトコンベアで運ばれたむき身を、2 台目の機械が搾ります。工場の外から見れば、「オレンジを入れるとジュースが出てくる 1 台の大きな機械」です。1 台目の出口が 2 台目の入口につながっていることが、合成関数の g(f(x))g(f(x)) にあたります。

合成関数 g∘fg \circ f とは、先に ff、後から gg を使う 1 つの関数で、式は g(x)g(x) の xx をかたまり f(x)f(x) に置きかえれば求まるということです。

例題1:合成関数の値と式

f(x)f(x)=2x{}= 2x−1{}- 1,g(x)g(x)=x2{}= x^2+1{}+ 1 とします。

(1) (g∘f)(2)(g \circ f)(2) と (f∘g)(2)(f \circ g)(2) の値を求めなさい。

(2) (g∘f)(x)(g \circ f)(x) と (f∘g)(x)(f \circ g)(x) を求めなさい。


【解答】

(1) g∘fg \circ f は、先に ff、後から gg です。f(2)f(2)=3{}= 3 なので

(g∘f)(2)\displaystyle (g \circ f)(2)=g(3)\displaystyle {}= g(3)=32\displaystyle {}= 3^2+1\displaystyle {}+ 1=10‾\displaystyle {}= \underline{10}

f∘gf \circ g は、先に gg、後から ff です。g(2)g(2)=5{}= 5 なので

(f∘g)(2)\displaystyle (f \circ g)(2)=f(5)\displaystyle {}= f(5)=2⋅5\displaystyle {}= 2 \cdot 5−1\displaystyle {}- 1=9‾\displaystyle {}= \underline{9}

(2) g(x)g(x)=x2{}= x^2+1{}+ 1 の xx を、かたまり 2x2x−1{}- 1 に置きかえます。

(g∘f)(x)\displaystyle (g \circ f)(x)=(2x−1)2\displaystyle {}= (2x - 1)^2+1\displaystyle {}+ 1=4x2‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}4x^2}−4x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}{}- 4x}+2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}{}+ 2}

f(x)f(x)=2x{}= 2x−1{}- 1 の xx を、かたまり x2x^2+1{}+ 1 に置きかえます。

(f∘g)(x)\displaystyle (f \circ g)(x)=2(x2+1)\displaystyle {}= 2(x^2 + 1)−1\displaystyle {}- 1=2x2‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}2x^2}+1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}{}+ 1}

確かめ:xx=2{}= 2 を代入すると 1616−8{}- 8+2{}+ 2=10{}= 10,88+1{}+ 1=9{}= 9 で、(1) と一致します。

順番を入れかえると——g∘fg \circ f と f∘gf \circ g

例題1 では、g∘fg \circ f と f∘gf \circ g がまったく違う式になりました。合成関数は、使う順番を入れかえると一般に別の関数になります。

1 次関数どうしでも同じです。f(x)f(x)=ax{}= ax+b{}+ b,g(x)g(x)=cx{}= cx+d{}+ d とすると

(g∘f)(x)\displaystyle (g \circ f)(x)=c(ax+b)\displaystyle {}= c(ax + b)+d\displaystyle {}+ d=acx\displaystyle {}= acx+(bc+d),\displaystyle {}+ (bc + d),(f∘g)(x)\displaystyle (f \circ g)(x)=a(cx+d)\displaystyle {}= a(cx + d)+b\displaystyle {}+ b=acx\displaystyle {}= acx+(ad+b)\displaystyle {}+ (ad + b)

傾きはどちらも acac(傾きの積)ですが、定数項 bcbc+d{}+ d と adad+b{}+ b は一般に違います。

一方、3 つの関数 ff,gg,hh をこの順に使うときは、「ff と gg を先にまとめてから hh」でも「gg と hh を先にまとめておいて、ff の後に使う」でも、結果は同じ h(g(f(x)))h(g(f(x))) です。そこで、括弧を省いて h∘g∘fh \circ g \circ f と書きます。使う順番は右から ff→g{}\to g→h{}\to h です。

公式2:合成の順番
  • 一般に g∘fg \circ f≠f∘g{}\neq f \circ g(使う順番を入れかえると、別の関数になる)
  • 3 つの関数では h∘(g∘f)h \circ (g \circ f)=(h∘g)∘f{}= (h \circ g) \circ f が成り立つ。これを h∘g∘fh \circ g \circ f と書き
(h∘g∘f)(x)\displaystyle (h \circ g \circ f)(x)=h(g(f(x)))\displaystyle {}= h(g(f(x)))

先に ff、次に gg、最後に hh を使う。

洗濯とアイロンがけを考えます。シャツを洗濯してからアイロンをかければ、しわのないシャツができあがります。順番を逆にして、アイロンをかけてから洗濯すると、せっかく伸ばしたしわが元どおりです。使う道具は同じ 2 つなのに、順番で結果が変わります。一方、「洗濯 → 干す → アイロン」の 3 段階は、どこで区切って考えても、やる作業の順番は変わりません。これが公式2 の 2 つめにあたります。

合成関数は使う順番を入れかえると一般に別物になり、3 つ以上を続けるときは括弧を省いて、右から順に使えばよいということです。

例題2:順番を入れかえた合成・3 つの合成

(1) f(x)f(x)=3x{}= 3x−2{}- 2,g(x)g(x)=ax{}= ax+4{}+ 4 とします。すべての xx について (g∘f)(x)(g \circ f)(x)=(f∘g)(x){}= (f \circ g)(x) が成り立つように、定数 aa の値を定めなさい。

(2) f(x)f(x)=x2{}= x^2,g(x)g(x)=x{}= x+1{}+ 1,h(x)h(x)=1x{}= \dfrac{1}{x} のとき、(h∘g∘f)(x)(h \circ g \circ f)(x) と (f∘g∘h)(x)(f \circ g \circ h)(x) を求めなさい。


【解答】

(1) 先に ff、後から gg を使うと

(g∘f)(x)\displaystyle (g \circ f)(x)=a(3x−2)\displaystyle {}= a(3x - 2)+4\displaystyle {}+ 4=3ax\displaystyle {}= 3ax−2a\displaystyle {}- 2a+4\displaystyle {}+ 4

先に gg、後から ff を使うと

(f∘g)(x)\displaystyle (f \circ g)(x)=3(ax+4)\displaystyle {}= 3(ax + 4)−2\displaystyle {}- 2=3ax\displaystyle {}= 3ax+10\displaystyle {}+ 10

xx の係数はどちらも 3a3a なので、定数項が等しければよく、−2a-2a+4{}+ 4=10{}= 10 より a=−3‾\underline{a = -3}

確かめ:aa=−3{}= -3 のとき、どちらも −9x-9x+10{}+ 10 になります。

(2) h∘g∘fh \circ g \circ f は、ff→g{}\to g→h{}\to h の順です。

x → f  x2 → g  x2\displaystyle x \ \xrightarrow{\ f\ }\ x^2 \ \xrightarrow{\ g\ }\ x^2+1 → h  1x2+1\displaystyle {}+ 1 \ \xrightarrow{\ h\ }\ \frac{1}{x^2 + 1}

よって (h∘g∘f)(x)=1x2+1‾\underline{(h \circ g \circ f)(x) = \dfrac{1}{x^2 + 1}}。分母の x2x^2+1{}+ 1 は 00 にならないので、定義域は実数全体です。

f∘g∘hf \circ g \circ h は、hh→g{}\to g→f{}\to f の順です。hh を使うので xx≠0{}\neq 0 です。

x → h  1x → g  1x\displaystyle x \ \xrightarrow{\ h\ }\ \frac{1}{x} \ \xrightarrow{\ g\ }\ \frac{1}{x}+1\displaystyle {}+ 1=x+1x → f  (x+1x)2\displaystyle {}= \frac{x + 1}{x} \ \xrightarrow{\ f\ }\ \left(\frac{x + 1}{x}\right)^2

よって (f∘g∘h)(x)=(x+1)2x2‾\underline{(f \circ g \circ h)(x) = \dfrac{(x + 1)^2}{x^2}}

合成関数の定義域と値域——出口と入口が合うか

合成関数 g∘fg \circ f を作るには、ff から出てきた値 f(x)f(x) を、gg が受けつけなければなりません。gg に定義域の制限があるときは、f(x)f(x) が gg の定義域に入るような xx だけが、g∘fg \circ f の定義域になります。

たとえば f(x)f(x)=4{}= 4−x2{}- x^2,g(x)g(x)=x{}= \sqrt{x} なら、(g∘f)(x)(g \circ f)(x)=4−x2{}= \sqrt{4 - x^2} です。ff 自体はどんな xx でも計算できますが、f(x)f(x)=4{}= 4−x2{}- x^2 が負になると gg に入れられません。44−x2{}- x^2≧0{}\geqq 0 から、定義域は −2-2≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2 です。

値域は、「f(x)f(x) がとる値の範囲」を先に求め、その範囲の値を gg に入れて調べます。tt=f(x){}= f(x) と置きかえて、tt の範囲で g(t)g(t) の値域を求めるのが確実です。

公式3:合成関数の定義域と値域
  • g∘fg \circ f の定義域は、ff の定義域の xx のうち、f(x)f(x) が gg の定義域に入るものの全体
  • g∘fg \circ f の値域は、tt=f(x){}= f(x) とおき、tt のとる値の範囲で g(t)g(t) がとる値の範囲

合成したあとの式を整理して形が簡単になっても、定義域は整理する前の条件で決まる。

x y O −3 −2 −1 1 2 3 −2 −1 1 2 3 4 5 (0, 2) y = f(x) = 4 − x² y = √(4 − x²) 定義域 −2 ≦ x ≦ 2 灰色の点線:f(x) < 0 となる部分(g = √ に入れられない)

海外旅行でスマートフォンを充電するとき、日本の充電器のプラグは、そのままでは国によって形の違うコンセントに差しこめません。変換プラグをはさめば、コンセントの形を充電器が受けつける形に合わせられます。合成関数では、1 台目の出口の形(f(x)f(x) の値)が 2 台目の入口の形(gg の定義域)に合う xx だけを選ぶ、というわけです。

合成関数の定義域は「f(x)f(x) が gg に入れられる xx」だけに絞られ、値域は tt=f(x){}= f(x) の範囲を先に求めてから g(t)g(t) を調べればよいということです。

例題3:合成関数の定義域と値域

f(x)f(x)=4{}= 4−x2{}- x^2,g(x)g(x)=x{}= \sqrt{x} とします。

(1) (g∘f)(x)(g \circ f)(x) を求め、その定義域と値域を求めなさい。

(2) (f∘g)(x)(f \circ g)(x) を求め、その定義域と値域を求めなさい。


【解答】

(1) 先に ff、後から gg を使うので、(g∘f)(x)(g \circ f)(x)=4−x2‾{}= \underline{\sqrt{4 - x^2}}

gg に入れられるのは 00 以上の値なので、44−x2{}- x^2≧0{}\geqq 0,すなわち x2x^2≦4{}\leqq 4 より

定義域‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}\text{定義域}} −2≦x≦2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}{}\ -2 \leqq x \leqq 2}

tt=4{}= 4−x2{}- x^2 とおくと、−2-2≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2 で x2x^2 は 00 から 44 までの値をとるので、00≦t{}\leqq t≦4{}\leqq 4 です。t\sqrt{t} は tt が大きいほど大きいので(第3章)、両端を見て 00≦t{}\leqq \sqrt{t}≦2{}\leqq 2。

値域 0≦y≦2‾\underline{\text{値域} \ 0 \leqq y \leqq 2}

yy=4−x2{}= \sqrt{4 - x^2} の両辺を 2 乗すると x2x^2+y2{}+ y^2=4{}= 4 で、yy≧0{}\geqq 0 なので、グラフは原点を中心とする半径 22 の円の上半分です(図2)。

(2) 先に gg、後から ff を使います。g(x)g(x)=x{}= \sqrt{x} を使うので、まず xx≧0{}\geqq 0 が必要です。ff はどんな値でも受けつけるので、定義域は xx≧0{}\geqq 0 で決まります。

(f∘g)(x)\displaystyle (f \circ g)(x)=4\displaystyle {}= 4−(x)2\displaystyle {}- (\sqrt{x})^2=4‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}4}−x(x≧0)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}{}- x \quad (x \geqq 0)}

式は 44−x{}- x と簡単になりましたが、xx<0{}< 0 では x\sqrt{x} が計算できないので、定義域は x≧0‾\underline{x \geqq 0} のままです。グラフは直線 yy=4{}= 4−x{}- x 全体ではなく、点 (0, 4)(0,\ 4) から右下がりに伸びる半直線で、値域は y≦4‾\underline{y \leqq 4} です(図3)。

x y O −3 −2 −1 1 2 3 4 5 −2 −1 1 2 3 4 5 6 (0, 4) y = 4 − x(x ≧ 0) 灰色の点線:x < 0 の部分(√x が計算できないので含まれない)

合成関数からもとの関数を求める——外側と内側

x2+1\sqrt{x^2 + 1} や 1(x−3)2\dfrac{1}{(x - 3)^2} のような式も、合成関数として見ることができます。x2+1\sqrt{x^2 + 1} は、xx に先に f(x)f(x)=x2{}= x^2+1{}+ 1(内側)を使い、後から g(x)g(x)=x{}= \sqrt{x}(外側)を使ったもの、つまり g∘fg \circ f です。どこで区切るかは 1 通りとは限りませんが、「いちばん最後にする計算」を外側と見ると、見通しがよくなります。

反対に、合成した結果が分かっているとき、もとの関数を求めることもできます。f(x+1)f(x + 1)=x2{}= x^2+3x{}+ 3x のように、ff の中身がかたまりになっている場合は、そのかたまりを tt とおき、右辺を tt だけで表します。tt=x{}= x+1{}+ 1 なら xx=t{}= t−1{}- 1 を代入すればよく、これは第5章の「xx について解く」と同じ作業です。

公式4:合成関数からもとの関数を求める

f(g(x))f(g(x)) の式が分かっていて、外側の ff を求めるとき

  1. tt=g(x){}= g(x) とおき、xx を tt で表す
  2. f(g(x))f(g(x)) の式に代入して、f(t)f(t) を tt の式で表す
  3. tt を xx に書きかえる。tt のとる値の範囲が限られるときは、それを ff の定義域として添える

内側の gg を求めるときは、外側の ff の式に g(x)g(x) をかたまりのまま入れ、g(x)g(x) について解く。

ロシアの民芸品マトリョーシカは、人形の中にひと回り小さい人形が入っています。いちばん外側の人形を開けると、次の人形が現れます。合成関数を分解するのも同じで、いちばん最後にした計算(外側の人形)を外すと、中からかたまり(内側の人形)が出てきます。

合成関数は「最後にした計算」を外側と見て分解し、外側の関数を求めるときは内側のかたまりを tt とおいて xx を tt で表せばよいということです。

例題4:合成関数からもとの関数を求める

(1) すべての xx について f(x+1)f(x + 1)=x2{}= x^2+3x{}+ 3x が成り立つとき、f(x)f(x) を求めなさい。

(2) f(x)f(x)=2x{}= 2x+1{}+ 1 とします。すべての xx について (g∘f)(x)(g \circ f)(x)=4x2{}= 4x^2+4x{}+ 4x+3{}+ 3 が成り立つとき、g(x)g(x) を求めなさい。


【解答】

(1) tt=x{}= x+1{}+ 1 とおくと xx=t{}= t−1{}- 1 です。xx が実数全体を動くと、tt も実数全体を動きます。

f(t)\displaystyle f(t)=(t−1)2\displaystyle {}= (t - 1)^2+3(t−1)\displaystyle {}+ 3(t - 1)=t2\displaystyle {}= t^2−2t\displaystyle {}- 2t+1\displaystyle {}+ 1+3t\displaystyle {}+ 3t−3\displaystyle {}- 3=t2\displaystyle {}= t^2+t\displaystyle {}+ t−2\displaystyle {}- 2

tt を xx に書きかえて、f(x)=x2‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}f(x) = x^2}+x‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}{}+ x}−2‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}{}- 2}

確かめ:f(x+1)f(x + 1)=(x+1)2{}= (x + 1)^2+(x+1){}+ (x + 1)−2{}- 2=x2{}= x^2+3x{}+ 3x です。

(2) (g∘f)(x)(g \circ f)(x)=g(2x+1){}= g(2x + 1) です(先に ff、後から gg)。tt=2x{}= 2x+1{}+ 1 とおくと xx=t−12{}= \dfrac{t - 1}{2} で、tt は実数全体を動きます。

g(t)\displaystyle g(t)=4(t−12)2\displaystyle {}= 4\left(\frac{t - 1}{2}\right)^2+4⋅t−12\displaystyle {}+ 4 \cdot \frac{t - 1}{2}+3\displaystyle {}+ 3=(t−1)2\displaystyle {}= (t - 1)^2+2(t−1)\displaystyle {}+ 2(t - 1)+3\displaystyle {}+ 3=t2\displaystyle {}= t^2+2\displaystyle {}+ 2

よって g(x)=x2‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}g(x) = x^2}+2‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}{}+ 2}

右辺を 4x24x^2+4x{}+ 4x+3{}+ 3=(2x+1)2{}= (2x + 1)^2+2{}+ 2 と変形できることに気づけば、かたまり 2x2x+1{}+ 1 を tt に置きかえるだけで g(t)g(t)=t2{}= t^2+2{}+ 2 が読み取れます。

逆関数との合成・同じ関数の繰り返し

第5章で見たように、ff で進んで f−1f^{-1} で戻ると、出発点に帰ってきます。合成関数の記号で書くと

(f−1∘f)(x)\displaystyle (f^{-1} \circ f)(x)=x,\displaystyle {}= x,(f∘f−1)(x)\displaystyle (f \circ f^{-1})(x)=x\displaystyle {}= x

です。入れた値をそのまま返す関数 yy=x{}= x を恒等関数といいます。1 つめの式は ff の定義域で、2 つめの式は f−1f^{-1} の定義域(ff の値域)で成り立ちます。

2 つの関数を合成した g∘fg \circ f の逆関数はどうなるでしょう。g∘fg \circ f は「先に ff、後から gg」なので、戻るときは後から使った gg を先に取り消し、次に ff を取り消します。

(g∘f)−1\displaystyle (g \circ f)^{-1}=f−1∘g−1\displaystyle {}= f^{-1} \circ g^{-1}

右辺も記号の読み方どおり、先に g−1g^{-1}、後から f−1f^{-1} を使う関数です。

同じ関数を何回も合成することもあります。f∘ff \circ f は「ff を 2 回続けて使う」関数です。第5章 公式4 の「逆関数がもとの関数と一致する」分数関数では、f−1f^{-1}=f{}= f なので f∘ff \circ f が恒等関数になります。2 回使うと元に戻る関数です。

公式5:逆関数との合成・繰り返し
  • (f−1∘f)(x)(f^{-1} \circ f)(x)=x{}= x(ff の定義域で)、(f∘f−1)(x)(f \circ f^{-1})(x)=x{}= x(ff の値域で)
  • ff,gg が 1 対 1 で、ff の値域が gg の定義域に含まれるとき
(g∘f)−1\displaystyle (g \circ f)^{-1}=f−1∘g−1\displaystyle {}= f^{-1} \circ g^{-1}
  • (f∘f)(x)(f \circ f)(x)=x{}= x が定義域全体で成り立つことと、f−1f^{-1}=f{}= f であることは同じ
  • ff を nn 回合成したものが恒等関数になれば、その先は nn 回ごとに同じ関数が繰り返し現れる

プレゼントを箱に入れてから、リボンをかけて贈ります。受け取った人は、先にリボンをほどき、それから箱を開けます。後からかけたリボンを先に外さないと、箱は開けられません。(g∘f)−1(g \circ f)^{-1}=f−1∘g−1{}= f^{-1} \circ g^{-1} で順番が入れかわるのは、このためです。

逆関数と合成すると恒等関数になり、合成関数を取り消すときは後から使った関数を先に取り消し、繰り返し合成して恒等関数に戻る関数では同じ式が周期的に現れるということです。

例題5:逆関数との合成・繰り返し合成

(1) f(x)f(x)=2x{}= 2x+1{}+ 1,g(x)g(x)=x{}= \sqrt{x} とします。(g∘f)(x)(g \circ f)(x) の逆関数を求めなさい。

(2) f(x)f(x)=11−x{}= \dfrac{1}{1 - x} とし、f1(x)f_1(x)=f(x){}= f(x),fn+1(x)f_{n + 1}(x)=f(fn(x)){}= f(f_n(x))(nn=1,{}= 1, 2,\ 2, 3,\ 3, …\ \ldots)と定めます。f2(x)f_2(x),f3(x)f_3(x),f100(x)f_{100}(x) を求めなさい。


【解答】

(1) (g∘f)(x)(g \circ f)(x)=2x+1{}= \sqrt{2x + 1} で、定義域は xx≧−12{}\geqq -\dfrac{1}{2},値域は yy≧0{}\geqq 0 です。yy=2x+1{}= \sqrt{2x + 1} の両辺を 2 乗すると y2y^2=2x{}= 2x+1{}+ 1 なので、xx=y2−12{}= \dfrac{y^2 - 1}{2}。xx と yy を入れかえて

(g∘f)−1(x)=x2−12(x≧0)‾\underline{(g \circ f)^{-1}(x) = \frac{x^2 - 1}{2} \quad (x \geqq 0)}

公式5 で確かめます。f−1(x)f^{-1}(x)=x−12{}= \dfrac{x - 1}{2},g−1(x)g^{-1}(x)=x2{}= x^2(xx≧0{}\geqq 0)なので、先に g−1g^{-1}、後から f−1f^{-1} を使うと

(f−1∘g−1)(x)\displaystyle (f^{-1} \circ g^{-1})(x)=x2−12\displaystyle {}= \frac{x^2 - 1}{2}(x≧0)\displaystyle (x \geqq 0)

となり、一致します。

(2) ff の定義域は xx≠1{}\neq 1 です。f2(x)f_2(x)=f(f(x)){}= f(f(x)) を作るには、さらに f(x)f(x)≠1{}\neq 1 が必要で、11−x\dfrac{1}{1 - x}=1{}= 1 となるのは xx=0{}= 0 のときです。xx≠0,{}\neq 0, 1\ 1 のもとで

f2(x)\displaystyle f_2(x)=11−11−x\displaystyle {}= \frac{1}{1 - \dfrac{1}{1 - x}}=1−x(1−x)−1\displaystyle {}= \frac{1 - x}{(1 - x) - 1}=x−1x‾\displaystyle {}= \underline{\frac{x - 1}{x}}

f3(x)f_3(x)=f(f2(x)){}= f(f_2(x)) では、f2(x)f_2(x)≠1{}\neq 1 が必要ですが、x−1x\dfrac{x - 1}{x}=1{}= 1 となる xx はないので、定義域は xx≠0,{}\neq 0, 1\ 1 のままです。

f3(x)\displaystyle f_3(x)=11−x−1x\displaystyle {}= \frac{1}{1 - \dfrac{x - 1}{x}}=xx−(x−1)\displaystyle {}= \frac{x}{x - (x - 1)}=x(x≠0, 1)‾\displaystyle {}= \underline{x \quad (x \neq 0,\ 1)}

ff を 3 回使うと元に戻るので、その先は f4f_4=f1{}= f_1,f5f_5=f2{}= f_2,f6f_6=f3{}= f_3,…と、3 回ごとに同じ関数が現れます。100100=3×33{}= 3 \times 33+1{}+ 1 なので

f100(x)=11−x(x≠0, 1)‾\underline{f_{100}(x) = \frac{1}{1 - x} \quad (x \neq 0,\ 1)}

f100f_{100} は途中で f2f_2 や f3f_3 を通るので、ff そのものと違い、xx=0{}= 0 も定義域から除かれます。また、f3(x)f_3(x)=x{}= x から f(f2(x))f(f_2(x))=x{}= x なので、f2f_2 は ff の逆関数でもあります。

この章のまとめ——合成関数を扱う 4 つの確認

確認すること理由
どちらを先に使うかg∘fg \circ f は先に ff、後から gg。順番を入れかえると一般に別の関数になる
f(x)f(x) が gg に入れられるか入れられる xx だけが定義域。式を整理しても定義域は変わらない
かたまりの値の範囲t=f(x)t = f(x) の範囲が、値域や、求めた関数の定義域を決める
取り消すときの順番(g∘f)−1=f−1∘g−1(g \circ f)^{-1} = f^{-1} \circ g^{-1}。後から使ったものを先に取り消す

分数関数・無理関数・逆関数・合成関数と、この分野では関数を「形」「方程式・不等式」「入れかえ」「つなぎ合わせ」の 4 つの見方で扱ってきました。合成関数の変化の速さ(微分)は、微分積分の分野 第11章で扱います。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

f(x)f(x)=x{}= x+3{}+ 3,g(x)g(x)=2x{}= 2x のとき、(g∘f)(x)(g \circ f)(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

2x‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7278em}2x}+6‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7278em}{}+ 6}(先に ff、後から gg。g(x+3)g(x + 3)=2(x+3){}= 2(x + 3))

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問2

f(x)f(x)=x{}= x+3{}+ 3,g(x)g(x)=2x{}= 2x のとき、(f∘g)(x)(f \circ g)(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

2x‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7278em}2x}+3‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7278em}{}+ 3}(先に gg、後から ff。f(2x)f(2x)=2x{}= 2x+3{}+ 3)

自己採点:
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問3

f(x)f(x)=x2{}= x^2,g(x)g(x)=x{}= x−1{}- 1 のとき、(g∘f)(3)(g \circ f)(3) の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

8‾\underline{8}(f(3)f(3)=9{}= 9,g(9)g(9)=8{}= 8)

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問4

f(x)f(x)=1x{}= \dfrac{1}{x},g(x)g(x)=x{}= x+1{}+ 1 のとき、(f∘g)(x)(f \circ g)(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

1x+1‾\underline{\dfrac{1}{x + 1}}(先に gg、後から ff。定義域は xx≠−1{}\neq -1)

自己採点:
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問5

f(x)f(x)=3x{}= 3x−1{}- 1 のとき、(f∘f)(x)(f \circ f)(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

9x‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7278em}9x}−4‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7278em}{}- 4}(f(3x−1)f(3x - 1)=3(3x−1){}= 3(3x - 1)−1{}- 1)

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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

f(x)f(x)=3x{}= 3x+2{}+ 2,g(x)g(x)=x2{}= x^2−1{}- 1 のとき、(g∘f)(x)(g \circ f)(x) と (f∘g)(x)(f \circ g)(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(g∘f)(x)(g \circ f)(x)=9x2{}= 9x^2+12x{}+ 12x+3{}+ 3,(f∘g)(x)(f \circ g)(x)=3x2{}= 3x^2−1{}- 1

解説

g∘fg \circ f は先に ff、後から gg です。g(x)g(x) の xx をかたまり 3x3x+2{}+ 2 に置きかえて

(g∘f)(x)\displaystyle (g \circ f)(x)=(3x+2)2\displaystyle {}= (3x + 2)^2−1\displaystyle {}- 1=9x2\displaystyle {}= 9x^2+12x\displaystyle {}+ 12x+4\displaystyle {}+ 4−1\displaystyle {}- 1=9x2‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}9x^2}+12x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}{}+ 12x}+3‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}{}+ 3}

f∘gf \circ g は先に gg、後から ff です。f(x)f(x) の xx をかたまり x2x^2−1{}- 1 に置きかえて

(f∘g)(x)\displaystyle (f \circ g)(x)=3(x2−1)\displaystyle {}= 3(x^2 - 1)+2\displaystyle {}+ 2=3x2‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}3x^2}−1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}{}- 1}

2 つは別の関数で、順番を入れかえると結果が変わります(公式2)。

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問2 ★

f(x)f(x)=2x{}= 2x+1{}+ 1,g(x)g(x)=1x−1{}= \dfrac{1}{x - 1} のとき、(g∘f)(x)(g \circ f)(x) と (f∘g)(x)(f \circ g)(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(g∘f)(x)(g \circ f)(x)=12x{}= \dfrac{1}{2x},(f∘g)(x)(f \circ g)(x)=x+1x−1{}= \dfrac{x + 1}{x - 1}

解説

先に ff、後から gg を使うと

(g∘f)(x)\displaystyle (g \circ f)(x)=1(2x+1)−1\displaystyle {}= \frac{1}{(2x + 1) - 1}=12x‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{2x}}

f(x)f(x)=1{}= 1 となる xx=0{}= 0 では gg に入れられないので、定義域は xx≠0{}\neq 0 です。

先に gg、後から ff を使うと(xx≠1{}\neq 1)

(f∘g)(x)\displaystyle (f \circ g)(x)=2x−1\displaystyle {}= \frac{2}{x - 1}+1\displaystyle {}+ 1=x+1x−1‾\displaystyle {}= \underline{\frac{x + 1}{x - 1}}
自己採点:
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問3 ★

f(x)f(x)=x2{}= x^2−1{}- 1,g(x)g(x)=x+3{}= \sqrt{x + 3} のとき、(g∘f)(2)(g \circ f)(2) と (f∘g)(1)(f \circ g)(1) の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(g∘f)(2)(g \circ f)(2)=6{}= \sqrt{6},(f∘g)(1)(f \circ g)(1)=3{}= 3

解説

(g∘f)(2)(g \circ f)(2) は、先に ff です。f(2)f(2)=4{}= 4−1{}- 1=3{}= 3 なので

(g∘f)(2)\displaystyle (g \circ f)(2)=g(3)\displaystyle {}= g(3)=3+3\displaystyle {}= \sqrt{3 + 3}=6‾\displaystyle {}= \underline{\sqrt{6}}

(f∘g)(1)(f \circ g)(1) は、先に gg です。g(1)g(1)=4{}= \sqrt{4}=2{}= 2 なので

(f∘g)(1)\displaystyle (f \circ g)(1)=f(2)\displaystyle {}= f(2)=4\displaystyle {}= 4−1\displaystyle {}- 1=3‾\displaystyle {}= \underline{3}

式を求めなくても、内側から順に数を計算すれば値は求まります。

自己採点:
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問4 ★

f(x)f(x)=−x{}= -x+2{}+ 2,g(x)g(x)=2x{}= 2x−3{}- 3,h(x)h(x)=x2{}= x^2 のとき、(h∘g∘f)(x)(h \circ g \circ f)(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

4x24x^2−4x{}- 4x+1{}+ 1

解説

h∘g∘fh \circ g \circ f は、先に ff、次に gg、最後に hh を使います(公式2)。

(g∘f)(x)\displaystyle (g \circ f)(x)=2(−x+2)\displaystyle {}= 2(-x + 2)−3\displaystyle {}- 3=−2x\displaystyle {}= -2x+1\displaystyle {}+ 1

これに hh を使って

(h∘g∘f)(x)\displaystyle (h \circ g \circ f)(x)=(−2x+1)2\displaystyle {}= (-2x + 1)^2=4x2‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}4x^2}−4x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}{}- 4x}+1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}{}+ 1}
自己採点:
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問5 ★

f(x)f(x)=2x{}= 2x−1{}- 1 のとき、(f∘f)(x)(f \circ f)(x) と (f∘f∘f)(x)(f \circ f \circ f)(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(f∘f)(x)(f \circ f)(x)=4x{}= 4x−3{}- 3,(f∘f∘f)(x)(f \circ f \circ f)(x)=8x{}= 8x−7{}- 7

解説

f(x)f(x) の xx を、かたまり 2x2x−1{}- 1 に置きかえます。

(f∘f)(x)\displaystyle (f \circ f)(x)=2(2x−1)\displaystyle {}= 2(2x - 1)−1\displaystyle {}- 1=4x‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7278em}4x}−3‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7278em}{}- 3}

もう一度 ff を使うと

(f∘f∘f)(x)\displaystyle (f \circ f \circ f)(x)=2(4x−3)\displaystyle {}= 2(4x - 3)−1\displaystyle {}- 1=8x‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7278em}8x}−7‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7278em}{}- 7}

1 次関数を合成すると傾きは掛け算されるので、傾きは 22→4{}\to 4→8{}\to 8 と 2 倍ずつになります。

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問6 ★

f(x)f(x)=x2{}= x^2−4{}- 4,g(x)g(x)=1x{}= \dfrac{1}{x} のとき、(g∘f)(x)(g \circ f)(x) を求め、その定義域を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(g∘f)(x)(g \circ f)(x)=1x2−4{}= \dfrac{1}{x^2 - 4},定義域 xx≠−2,{}\neq -2, 2\ 2

解説

先に ff、後から gg を使うので

(g∘f)(x)\displaystyle (g \circ f)(x)=1x2−4‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{x^2 - 4}}

gg に入れられないのは 00 だけです。f(x)f(x)=x2{}= x^2−4{}- 4=0{}= 0 となるのは xx=±2{}= \pm 2 なので

定義域 x≠−2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\text{定義域} \ x \neq -2,} 2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ 2}
自己採点:
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問7 ★

すべての xx について f(x+2)f(x + 2)=3x{}= 3x−1{}- 1 が成り立つとき、f(x)f(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

f(x)f(x)=3x{}= 3x−7{}- 7

解説

かたまり xx+2{}+ 2 を tt とおくと、xx=t{}= t−2{}- 2 で、tt は実数全体を動きます(公式4)。

f(t)\displaystyle f(t)=3(t−2)\displaystyle {}= 3(t - 2)−1\displaystyle {}- 1=3t\displaystyle {}= 3t−7\displaystyle {}- 7

tt を xx に書きかえて f(x)=3x‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}f(x) = 3x}−7‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}- 7}

確かめ:f(x+2)f(x + 2)=3(x+2){}= 3(x + 2)−7{}- 7=3x{}= 3x−1{}- 1 です。

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問8 ★

f(x)f(x)=3x{}= 3x+2{}+ 2 の逆関数 f−1(x)f^{-1}(x) を求め、(f−1∘f)(x)(f^{-1} \circ f)(x) と (f∘f−1)(x)(f \circ f^{-1})(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

f−1(x)f^{-1}(x)=x−23{}= \dfrac{x - 2}{3},(f−1∘f)(x)(f^{-1} \circ f)(x)=x{}= x,(f∘f−1)(x)(f \circ f^{-1})(x)=x{}= x

解説

yy=3x{}= 3x+2{}+ 2 を xx について解くと xx=y−23{}= \dfrac{y - 2}{3}。xx と yy を入れかえて f−1(x)=x−23‾\underline{f^{-1}(x) = \dfrac{x - 2}{3}}

先に ff、後から f−1f^{-1} を使うと

(f−1∘f)(x)\displaystyle (f^{-1} \circ f)(x)=(3x+2)−23\displaystyle {}= \frac{(3x + 2) - 2}{3}=x‾\displaystyle {}= \underline{x}

先に f−1f^{-1}、後から ff を使うと

(f∘f−1)(x)\displaystyle (f \circ f^{-1})(x)=3⋅x−23\displaystyle {}= 3 \cdot \frac{x - 2}{3}+2\displaystyle {}+ 2=x‾\displaystyle {}= \underline{x}

どちらの順でも、入れた値がそのまま出てくる恒等関数になります(公式5)。

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問9 ★★

f(x)f(x)=ax{}= ax+2{}+ 2,g(x)g(x)=3x{}= 3x+b{}+ b(aa,bb は定数)とします。f(1)f(1)=5{}= 5 であり、すべての xx について (g∘f)(x)(g \circ f)(x)=(f∘g)(x){}= (f \circ g)(x) が成り立つとき、aa,bb の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=3,{}= 3,bb=2{}= 2

解説

f(1)f(1)=a{}= a+2{}+ 2=5{}= 5 より aa=3{}= 3。このとき f(x)f(x)=3x{}= 3x+2{}+ 2 です。

先に ff、後から gg を使うと

(g∘f)(x)\displaystyle (g \circ f)(x)=3(3x+2)\displaystyle {}= 3(3x + 2)+b\displaystyle {}+ b=9x\displaystyle {}= 9x+6\displaystyle {}+ 6+b\displaystyle {}+ b

先に gg、後から ff を使うと

(f∘g)(x)\displaystyle (f \circ g)(x)=3(3x+b)\displaystyle {}= 3(3x + b)+2\displaystyle {}+ 2=9x\displaystyle {}= 9x+3b\displaystyle {}+ 3b+2\displaystyle {}+ 2

xx の係数はどちらも 99 なので、定数項が等しい条件 66+b{}+ b=3b{}= 3b+2{}+ 2 より bb=2{}= 2。

a=3,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = 3,} b=2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 2}

確かめ:どちらも 9x9x+8{}+ 8 になります。

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問10 ★★

f(x)f(x)=x+1{}= \sqrt{x + 1},g(x)g(x)=x2{}= x^2−1{}- 1 のとき、(g∘f)(x)(g \circ f)(x) と (f∘g)(x)(f \circ g)(x) を、それぞれの定義域とあわせて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(g∘f)(x)(g \circ f)(x)=x (x≧−1){}= x \ (x \geqq -1),(f∘g)(x)(f \circ g)(x)=∣x∣{}= \lvert x \rvert(定義域は実数全体)

解説

g∘fg \circ f:先に ff を使うので xx+1{}+ 1≧0{}\geqq 0,すなわち xx≧−1{}\geqq -1 が必要です。gg はどんな値も受けつけます。

(g∘f)(x)\displaystyle (g \circ f)(x)=(x+1)2\displaystyle {}= (\sqrt{x + 1})^2−1\displaystyle {}- 1=(x+1)\displaystyle {}= (x + 1)−1\displaystyle {}- 1=x(x≧−1)‾\displaystyle {}= \underline{x \quad (x \geqq -1)}

式は xx だけになりましたが、定義域は xx≧−1{}\geqq -1 のままです(公式3)。グラフは点 (−1, −1)(-1,\ -1) から始まる半直線です。

f∘gf \circ g:先に gg を使い、g(x)g(x)=x2{}= x^2−1{}- 1 を ff に入れるには x2x^2−1{}- 1+1{}+ 1=x2{}= x^2≧0{}\geqq 0 が必要ですが、これはすべての xx で成り立つので、定義域は実数全体です。

(f∘g)(x)\displaystyle (f \circ g)(x)=(x2−1)+1\displaystyle {}= \sqrt{(x^2 - 1) + 1}=x2\displaystyle {}= \sqrt{x^2}=∣x∣‾\displaystyle {}= \underline{\lvert x \rvert}

x2\sqrt{x^2} は xx ではなく ∣x∣\lvert x \rvert です(第3章)。たとえば xx=−3{}= -3 なら 9\sqrt{9}=3{}= 3 です。

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問11 ★★

f(x)f(x)=2x{}= 2x−1{}- 1(00≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2),g(x)g(x)=x2{}= x^2−2x{}- 2x のとき、(g∘f)(x)(g \circ f)(x) の値域を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

−1-1≦y{}\leqq y≦3{}\leqq 3

解説

tt=f(x){}= f(x) とおきます(公式3)。ff は右上がりの 1 次関数なので、00≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2 の両端を見て −1-1≦t{}\leqq t≦3{}\leqq 3 です。

(g∘f)(x)(g \circ f)(x)=g(t){}= g(t)=t2{}= t^2−2t{}- 2t=(t−1)2{}= (t - 1)^2−1{}- 1 の、−1-1≦t{}\leqq t≦3{}\leqq 3 での値の範囲を調べます。

  • 頂点の tt=1{}= 1 は範囲に入るので、最小値は −1-1
  • 両端は g(−1)g(-1)=1{}= 1+2{}+ 2=3{}= 3,g(3)g(3)=9{}= 9−6{}- 6=3{}= 3 で、最大値は 33
−1≦y≦3‾\underline{-1 \leqq y \leqq 3}

tt=1{}= 1 となるのは xx=1{}= 1,tt=−1,{}= -1, 3\ 3 となるのは xx=0,{}= 0, 2\ 2 で、どれも定義域に入っています。

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問12 ★★

f(x)f(x)=1x−1{}= \dfrac{1}{x - 1},g(x)g(x)=1x−2{}= \dfrac{1}{x - 2} のとき、(g∘f)(x)(g \circ f)(x) を求め、その定義域を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(g∘f)(x)(g \circ f)(x)=x−1−2x+3{}= \dfrac{x - 1}{-2x + 3},定義域 xx≠1,{}\neq 1, 32\ \dfrac{3}{2}

解説

先に ff を使うので xx≠1{}\neq 1。さらに gg に入れられないのは 22 なので、f(x)f(x)≠2{}\neq 2 も必要です。

1x−1\displaystyle \frac{1}{x - 1}=2\displaystyle {}= 2  ⟺  x\displaystyle {}\iff x−1\displaystyle {}- 1=12\displaystyle {}= \frac{1}{2}  ⟺  x\displaystyle {}\iff x=32\displaystyle {}= \frac{3}{2}

xx≠1,{}\neq 1, 32\ \dfrac{3}{2} のもとで、分母と分子に xx−1{}- 1 を掛けて整理すると

(g∘f)(x)\displaystyle (g \circ f)(x)=11x−1−2\displaystyle {}= \frac{1}{\dfrac{1}{x - 1} - 2}=x−11−2(x−1)\displaystyle {}= \frac{x - 1}{1 - 2(x - 1)}=x−1−2x+3‾\displaystyle {}= \underline{\frac{x - 1}{-2x + 3}} 定義域 x≠1,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\text{定義域} \ x \neq 1,} 32‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ \frac{3}{2}}

整理した式は xx=1{}= 1 を代入しても 00 と計算できてしまいますが、xx=1{}= 1 はもとの ff に入れられないので、定義域から除きます(公式3)。

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問13 ★★

定義域が xx≧0{}\geqq 0 である関数 f(x)f(x) が、すべての xx≧0{}\geqq 0 について f(x)f(\sqrt{x})=x{}= x+2x{}+ 2\sqrt{x} を満たすとき、f(x)f(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

f(x)f(x)=x2{}= x^2+2x (x≧0){}+ 2x \ (x \geqq 0)

解説

かたまり x\sqrt{x} を tt とおきます(公式4)。xx≧0{}\geqq 0 を動くとき、tt=x{}= \sqrt{x} は 00 以上のすべての値をとり、xx=t2{}= t^2 です。

f(t)\displaystyle f(t)=t2\displaystyle {}= t^2+2t\displaystyle {}+ 2t(t≧0)\displaystyle (t \geqq 0)

tt を xx に書きかえて

f(x)=x2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.1199em}f(x) = x^2}+2x(x≧0)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.1199em}{}+ 2x \quad (x \geqq 0)}

tt は負の値をとらないので、この条件から分かるのは xx≧0{}\geqq 0 での ff の式だけです。問題文で定義域が xx≧0{}\geqq 0 と決められているので、これで ff がすべて決まります。

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問14 ★★

(1) f(x)f(x)=x{}= x−3{}- 3 とします。すべての xx について (g∘f)(x)(g \circ f)(x)=x2{}= x^2−5x{}- 5x+7{}+ 7 が成り立つとき、g(x)g(x) を求めなさい。

(2) g(x)g(x)=2x{}= 2x+3{}+ 3 とします。すべての xx について (g∘f)(x)(g \circ f)(x)=4x2{}= 4x^2−1{}- 1 が成り立つとき、f(x)f(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) g(x)g(x)=x2{}= x^2+x{}+ x+1{}+ 1 (2) f(x)f(x)=2x2{}= 2x^2−2{}- 2

解説

どちらも (g∘f)(x)(g \circ f)(x)=g(f(x)){}= g(f(x))(先に ff、後から gg)です。

(1) 外側の gg を求めます。tt=x{}= x−3{}- 3 とおくと xx=t{}= t+3{}+ 3 で、tt は実数全体を動きます。

g(t)\displaystyle g(t)=(t+3)2\displaystyle {}= (t + 3)^2−5(t+3)\displaystyle {}- 5(t + 3)+7\displaystyle {}+ 7=t2\displaystyle {}= t^2+6t\displaystyle {}+ 6t+9\displaystyle {}+ 9−5t\displaystyle {}- 5t−15\displaystyle {}- 15+7\displaystyle {}+ 7=t2\displaystyle {}= t^2+t\displaystyle {}+ t+1\displaystyle {}+ 1

よって g(x)=x2‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}g(x) = x^2}+x‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}{}+ x}+1‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}{}+ 1}

(2) 内側の ff を求めます。外側の gg の式に、かたまり f(x)f(x) をそのまま入れると

g(f(x))\displaystyle g(f(x))=2f(x)\displaystyle {}= 2f(x)+3\displaystyle {}+ 3=4x2\displaystyle {}= 4x^2−1\displaystyle {}- 1

これを f(x)f(x) について解いて、f(x)f(x)=4x2−42{}= \dfrac{4x^2 - 4}{2}=2x2‾{}= \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.8974em}2x^2}−2‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.8974em}{}- 2}

確かめ:(1) (x−3)2(x - 3)^2+(x−3){}+ (x - 3)+1{}+ 1=x2{}= x^2−5x{}- 5x+7{}+ 7,(2) 2(2x2−2)2(2x^2 - 2)+3{}+ 3=4x2{}= 4x^2−1{}- 1 です。

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問15 ★★

f(x)f(x)=3x{}= 3x+1{}+ 1,g(x)g(x)=1x+2{}= \dfrac{1}{x + 2} のとき、(g∘f)(x)(g \circ f)(x) とその逆関数 (g∘f)−1(x)(g \circ f)^{-1}(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(g∘f)(x)(g \circ f)(x)=13x+3{}= \dfrac{1}{3x + 3},(g∘f)−1(x)(g \circ f)^{-1}(x)=−3x+13x{}= \dfrac{-3x + 1}{3x}

解説

先に ff、後から gg を使うと

(g∘f)(x)\displaystyle (g \circ f)(x)=1(3x+1)+2\displaystyle {}= \frac{1}{(3x + 1) + 2}=13x+3‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{3x + 3}}

値域は yy≠0{}\neq 0 です。yy=13x+3{}= \dfrac{1}{3x + 3} を xx について解くと、3x3x+3{}+ 3=1y{}= \dfrac{1}{y} より xx=13y{}= \dfrac{1}{3y}−1{}- 1=−3y+13y{}= \dfrac{-3y + 1}{3y}。xx と yy を入れかえて

(g∘f)−1(x)=−3x+13x‾\underline{(g \circ f)^{-1}(x) = \frac{-3x + 1}{3x}}

公式5 で確かめます。f−1(x)f^{-1}(x)=x−13{}= \dfrac{x - 1}{3},g−1(x)g^{-1}(x)=1x{}= \dfrac{1}{x}−2{}- 2 なので、先に g−1g^{-1}、後から f−1f^{-1} を使うと

(f−1∘g−1)(x)\displaystyle (f^{-1} \circ g^{-1})(x)=(1x−2)−13\displaystyle {}= \frac{\left(\dfrac{1}{x} - 2\right) - 1}{3}=1−3x3x\displaystyle {}= \frac{1 - 3x}{3x}

となり、一致します。

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問16 ★★

f(x)f(x)=x+3x−1{}= \dfrac{x + 3}{x - 1} とし、f1(x)f_1(x)=f(x){}= f(x),fn+1(x)f_{n + 1}(x)=f(fn(x)){}= f(f_n(x))(nn=1,{}= 1, 2,\ 2, 3,\ 3, …\ \ldots)と定めます。f2(x)f_2(x) と f25(x)f_{25}(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

f2(x)f_2(x)=x (x≠1){}= x \ (x \neq 1),f25(x)f_{25}(x)=x+3x−1{}= \dfrac{x + 3}{x - 1}

解説

ff の定義域は xx≠1{}\neq 1 です。f2f_2 を作るには f(x)f(x)≠1{}\neq 1 も必要ですが、x+3x−1\dfrac{x + 3}{x - 1}=1{}= 1 とすると xx+3{}+ 3=x{}= x−1{}- 1 となって成り立たないので、この条件で除かれる xx はありません。xx≠1{}\neq 1 のもとで、分母と分子に xx−1{}- 1 を掛けて

f2(x)\displaystyle f_2(x)=x+3x−1+3x+3x−1−1\displaystyle {}= \frac{\dfrac{x + 3}{x - 1} + 3}{\dfrac{x + 3}{x - 1} - 1}=(x+3)+3(x−1)(x+3)−(x−1)\displaystyle {}= \frac{(x + 3) + 3(x - 1)}{(x + 3) - (x - 1)}=4x4\displaystyle {}= \frac{4x}{4}=x(x≠1)‾\displaystyle {}= \underline{x \quad (x \neq 1)}

ff を 2 回使うと元に戻るので、f3f_3=f1{}= f_1,f4f_4=f2{}= f_2,…と、奇数回なら ff,偶数回なら恒等関数です。2525 は奇数なので

f25(x)=x+3x−1‾\underline{f_{25}(x) = \frac{x + 3}{x - 1}}

この ff は aa=1{}= 1,dd=−1{}= -1 で aa+d{}+ d=0{}= 0 なので、第5章 公式4 の「逆関数がもとの関数と一致する」関数です。f∘ff \circ f が恒等関数になるのは、そのためです(公式5)。

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問17 ★★★

f(x)f(x)=x−1x+1{}= \dfrac{x - 1}{x + 1} とし、f1(x)f_1(x)=f(x){}= f(x),fn+1(x)f_{n + 1}(x)=f(fn(x)){}= f(f_n(x))(nn=1,{}= 1, 2,\ 2, 3,\ 3, …\ \ldots)と定めます。f2(x)f_2(x),f4(x)f_4(x) を求め、さらに f2026(x)f_{2026}(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

f2(x)f_2(x)=−1x{}= -\dfrac{1}{x},f4(x)f_4(x)=x{}= x,f2026(x)f_{2026}(x)=−1x{}= -\dfrac{1}{x}(いずれも定義域は xx≠−1,{}\neq -1, 0,\ 0, 1\ 1)

解説

f2f_2:ff の定義域は xx≠−1{}\neq -1。さらに f(x)f(x)≠−1{}\neq -1 が必要で、x−1x+1\dfrac{x - 1}{x + 1}=−1{}= -1 とすると xx−1{}- 1=−x{}= -x−1{}- 1 より xx=0{}= 0。xx≠−1,{}\neq -1, 0\ 0 のもとで、分母と分子に xx+1{}+ 1 を掛けて

f2(x)\displaystyle f_2(x)=x−1x+1−1x−1x+1+1\displaystyle {}= \frac{\dfrac{x - 1}{x + 1} - 1}{\dfrac{x - 1}{x + 1} + 1}=(x−1)−(x+1)(x−1)+(x+1)\displaystyle {}= \frac{(x - 1) - (x + 1)}{(x - 1) + (x + 1)}=−22x\displaystyle {}= \frac{-2}{2x}=−1x\displaystyle {}= -\frac{1}{x}

f3f_3,f4f_4:f3(x)f_3(x)=f(f2(x)){}= f(f_2(x)) には f2(x)f_2(x)≠−1{}\neq -1,すなわち xx≠1{}\neq 1 が必要です。xx≠−1,{}\neq -1, 0,\ 0, 1\ 1 のもとで

f3(x)\displaystyle f_3(x)=−1x−1−1x+1\displaystyle {}= \frac{-\dfrac{1}{x} - 1}{-\dfrac{1}{x} + 1}=−1−x−1+x\displaystyle {}= \frac{-1 - x}{-1 + x}=x+11−x\displaystyle {}= \frac{x + 1}{1 - x}

f4(x)f_4(x)=f(f3(x)){}= f(f_3(x)) には f3(x)f_3(x)≠−1{}\neq -1 が必要ですが、x+11−x\dfrac{x + 1}{1 - x}=−1{}= -1 とすると xx+1{}+ 1=x{}= x−1{}- 1 となり、これで除かれる xx はありません。

f4(x)\displaystyle f_4(x)=x+11−x−1x+11−x+1\displaystyle {}= \frac{\dfrac{x + 1}{1 - x} - 1}{\dfrac{x + 1}{1 - x} + 1}=(x+1)−(1−x)(x+1)+(1−x)\displaystyle {}= \frac{(x + 1) - (1 - x)}{(x + 1) + (1 - x)}=2x2\displaystyle {}= \frac{2x}{2}=x\displaystyle {}= x

よって f2(x)=−1x‾\underline{f_2(x) = -\dfrac{1}{x}},f4(x)=x‾\underline{f_4(x) = x}(定義域はどちらも途中の条件をあわせて xx≠−1,{}\neq -1, 0,\ 0, 1\ 1 とします)。

f2026f_{2026}:ff を 4 回使うと元に戻るので、4 回ごとに同じ関数が現れます(公式5)。20262026=4×506{}= 4 \times 506+2{}+ 2 なので

f2026(x)\displaystyle f_{2026}(x)=f2(x)\displaystyle {}= f_2(x)=−1x‾\displaystyle {}= \underline{-\frac{1}{x}}

定義域は xx≠−1,{}\neq -1, 0,\ 0, 1\ 1 です。f2026f_{2026} は途中で f3f_3 などを通るので、xx=−1,{}= -1, 0,\ 0, 1\ 1 がすべて除かれます。

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問18 ★★★

f(x)f(x)=x2{}= x^2−2{}- 2 のとき、方程式 f(f(x))f(f(x))=x{}= x の実数解をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=−1,{}= -1, 2,\ 2, −1±52\ \dfrac{-1 \pm \sqrt{5}}{2}

解説

f(f(x))f(f(x))=(x2−2)2{}= (x^2 - 2)^2−2{}- 2 なので、方程式は

(x2−2)2\displaystyle (x^2 - 2)^2−2\displaystyle {}- 2=x,\displaystyle {}= x,x4\displaystyle x^4−4x2\displaystyle {}- 4x^2−x\displaystyle {}- x+2\displaystyle {}+ 2=0\displaystyle {}= 0

見通し:f(x)f(x)=x{}= x を満たす xx は、f(f(x))f(f(x))=f(x){}= f(x)=x{}= x となるので、この方程式の解でもあります。したがって、左辺は f(x)f(x)−x{}- x=x2{}= x^2−x{}- x−2{}- 2 で割り切れるはずです。実際に割ると

x4\displaystyle x^4−4x2\displaystyle {}- 4x^2−x\displaystyle {}- x+2\displaystyle {}+ 2=(x2−x−2)(x2+x−1)\displaystyle {}= (x^2 - x - 2)(x^2 + x - 1)

(右辺を展開すると x4x^4+x3{}+ x^3−x2{}- x^2−x3{}- x^3−x2{}- x^2+x{}+ x−2x2{}- 2x^2−2x{}- 2x+2{}+ 2=x4{}= x^4−4x2{}- 4x^2−x{}- x+2{}+ 2)。

  • x2x^2−x{}- x−2{}- 2=(x−2)(x+1){}= (x - 2)(x + 1)=0{}= 0 より xx=2,{}= 2, −1{}\ -1
  • x2x^2+x{}+ x−1{}- 1=0{}= 0 より xx=−1±52{}= \dfrac{-1 \pm \sqrt{5}}{2}
x=−1,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.2702em}x = -1,} 2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.2702em}\ 2,} −1±52‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.2702em}\ \frac{-1 \pm \sqrt{5}}{2}}

後半の 2 つは f(x)f(x)=x{}= x を満たさない解で、ff で互いに移りあう組になっています。pp=−1+52{}= \dfrac{-1 + \sqrt{5}}{2},qq=−1−52{}= \dfrac{-1 - \sqrt{5}}{2} とすると pp+q{}+ q=−1{}= -1,pqpq=−1{}= -1 で、p2p^2=1{}= 1−p{}- p なので f(p)f(p)=(1−p){}= (1 - p)−2{}- 2=−1{}= -1−p{}- p=q{}= q です(第5章 j20 の「qq=f(p){}= f(p) かつ pp=f(q){}= f(q)」と同じ形)。

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問19 ★★★

f(x)f(x)=x2{}= x^2−2x{}- 2x,g(x)g(x)=−x2{}= -x^2+2x{}+ 2x+3{}+ 3 とします。00≦x{}\leqq x≦3{}\leqq 3 における (g∘f)(x)(g \circ f)(x) の最大値と最小値を求め、そのときの xx の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

最大値 44(xx=1{}= 1+2{}+ \sqrt{2}),最小値 00(xx=1,{}= 1, 3\ 3)

解説

tt=f(x){}= f(x)=(x−1)2{}= (x - 1)^2−1{}- 1 とおきます(公式3)。00≦x{}\leqq x≦3{}\leqq 3 では、頂点の xx=1{}= 1 で tt=−1{}= -1,両端は f(0)f(0)=0{}= 0,f(3)f(3)=3{}= 3 なので

−1\displaystyle -1≦t\displaystyle {}\leqq t≦3\displaystyle {}\leqq 3

(g∘f)(x)(g \circ f)(x)=g(t){}= g(t)=−(t−1)2{}= -(t - 1)^2+4{}+ 4 の、−1-1≦t{}\leqq t≦3{}\leqq 3 での最大・最小を調べます。

  • 頂点の tt=1{}= 1 は範囲に入るので、最大値は g(1)g(1)=4{}= 4
  • 両端は g(−1)g(-1)=−1{}= -1−2{}- 2+3{}+ 3=0{}= 0,g(3)g(3)=−9{}= -9+6{}+ 6+3{}+ 3=0{}= 0 で、最小値は 00

最後に、それぞれの tt になる xx を求めます。

  • tt=1{}= 1:x2x^2−2x{}- 2x=1{}= 1 より xx=1{}= 1±2{}\pm \sqrt{2}。00≦x{}\leqq x≦3{}\leqq 3 を満たすのは xx=1{}= 1+2{}+ \sqrt{2}(11−2{}- \sqrt{2}<0{}< 0 なので除く)
  • tt=−1{}= -1:(x−1)2(x - 1)^2=0{}= 0 より xx=1{}= 1
  • tt=3{}= 3:x2x^2−2x{}- 2x−3{}- 3=(x−3)(x+1){}= (x - 3)(x + 1)=0{}= 0 より、範囲内は xx=3{}= 3
最大値 4 (x=1+2),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.2061em}\text{最大値} \ 4 \ (x = 1 + \sqrt{2}),}最小値 0 (x=1, 3)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.2061em}\quad \text{最小値} \ 0 \ (x = 1,\ 3)}

tt の範囲を先に求めずに g(t)g(t) の頂点 tt=1{}= 1 だけを見ると、最小値を取りちがえやすいので注意します。

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問20 ★★★

f(x)f(x)=∣x−1∣{}= \lvert x - 1 \rvert とします。kk を定数とするとき、方程式 f(f(x))f(f(x))=k{}= k の異なる実数解の個数を、kk の値で場合分けして求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

kk<0{}< 0 のとき 0 個,kk=0{}= 0 のとき 2 個,00<k{}< k<1{}< 1 のとき 4 個,kk=1{}= 1 のとき 3 個,11<k{}< k のとき 2 個

解説

f(f(x))f(f(x))=∣∣x−1∣−1∣{}= \big\lvert \lvert x - 1 \rvert - 1 \big\rvert です。先に ff、後から ff を使うので、tt=∣x−1∣{}= \lvert x - 1 \rvert(tt≧0{}\geqq 0)とおいて、2 段階で考えます。

グラフで見通す:yy=f(f(x)){}= f(f(x)) のグラフは、次の点を順に結んだ折れ線で、「W」の形です。

  • xx≦0{}\leqq 0:tt=1{}= 1−x{}- x≧1{}\geqq 1 なので yy=t{}= t−1{}- 1=−x{}= -x
  • 00≦x{}\leqq x≦1{}\leqq 1:tt=1{}= 1−x{}- x で 00≦t{}\leqq t≦1{}\leqq 1 なので yy=1{}= 1−t{}- t=x{}= x
  • 11≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2:tt=x{}= x−1{}- 1 で 00≦t{}\leqq t≦1{}\leqq 1 なので yy=1{}= 1−t{}- t=2{}= 2−x{}- x
  • xx≧2{}\geqq 2:tt=x{}= x−1{}- 1≧1{}\geqq 1 なので yy=t{}= t−1{}- 1=x{}= x−2{}- 2

谷が (0, 0)(0,\ 0) と (2, 0)(2,\ 0),山が (1, 1)(1,\ 1) で、両端は限りなく上がります。直線 yy=k{}= k との共有点の個数を数えます。

式で確かめる:∣t−1∣\lvert t - 1 \rvert=k{}= k で、kk<0{}< 0 なら解はありません。kk≧0{}\geqq 0 なら tt=1{}= 1+k{}+ k または tt=1{}= 1−k{}- k で、∣x−1∣\lvert x - 1 \rvert=t{}= t の解は、tt>0{}> 0 なら 2 個、tt=0{}= 0 なら 1 個、tt<0{}< 0 なら 0 個です。

  • kk=0{}= 0:tt=1{}= 1 だけで、xx=0,{}= 0, 2\ 2 の 2 個
  • 00<k{}< k<1{}< 1:tt=1{}= 1+k{}+ k>0{}> 0,tt=1{}= 1−k{}- k>0{}> 0 で、2 個ずつ計 4 個(tt の値が違うので xx は重ならない)
  • kk=1{}= 1:tt=2{}= 2 から 2 個、tt=0{}= 0 から xx=1{}= 1 の 1 個で、計 3 個
  • kk>1{}> 1:tt=1{}= 1+k{}+ k から 2 個、tt=1{}= 1−k{}- k<0{}< 0 からは 0 個で、計 2 個

まとめると

  • kk<0{}< 0 のとき 0 個‾\underline{0 \text{ 個}}
  • kk=0{}= 0 のとき 2 個‾\underline{2 \text{ 個}}
  • 00<k{}< k<1{}< 1 のとき 4 個‾\underline{4 \text{ 個}}
  • kk=1{}= 1 のとき 3 個‾\underline{3 \text{ 個}}
  • 11<k{}< k のとき 2 個‾\underline{2 \text{ 個}}
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数学小話コーナー

電卓の cos キーを押し続けると——ドッティ数

関数電卓を角度の単位「ラジアン」にして、どんな数でもよいので 1 つ入力し、cos⁡\cos のキーを何度も押してみてください。11 から始めると、表示は次のように揺れながら、ある値に落ち着いていきます。

押した回数表示
10.540302
20.857553
30.654290
50.701369
100.744237
200.739184
300.739087

最後には 0.7390851332⋯0.7390851332\cdots で止まり、それ以上押しても変わらなくなります。−5-5 から始めても 100100 から始めても、行き着く先は同じです。

キーを nn 回押すことは、f(x)f(x)=cos⁡x{}= \cos x を nn 回合成した関数 fn(x)f_n(x) を計算することです。表示が止まった値を α\alpha とすると、もう一度押しても変わらないので cos⁡α\cos\alpha=α{}= \alpha,つまり α\alpha は方程式 f(x)f(x)=x{}= x の解です。グラフでいえば、yy=cos⁡x{}= \cos x と直線 yy=x{}= x の交点の xx 座標にあたります。第5章の公式5 でも f(x)f(x)=x{}= x が主役でしたが、ここでは「何回合成しても動かない点」として現れています。

この数は英語圏でドッティ数(Dottie number)とよばれることがあります。2007 年に数学者サミュエル・カプランが紹介した際、電卓でこの現象に気づいたドッティという名の先生にちなんで名づけた、と説明しています(※名前の由来は、この紹介記事による話です)。

豆知識

電卓を「度」の設定にして同じことをすると、行き着く先は 0.99984774⋯0.99984774\cdots になります。度で測った 1°1° 弱の角の cos⁡\cos はほぼ 11 なので、11 のすぐ手前で止まるのです。 \sqrt{\ } のキーを押し続けると、00 より大きいどんな数から始めても 11 に近づきます。こちらは x\sqrt{x}=x{}= x の正の解 xx=1{}= 1 です。一方、本文 例題5 の f(x)f(x)=11−x{}= \dfrac{1}{1 - x} は、3 回ごとに元の値に戻るだけで、どこにも落ち着きません。繰り返し合成したときのふるまいは、関数によってずいぶん違います。

遺伝子からタンパク質へ——2 段階の合成と戻れない道

生き物の体をつくるタンパク質は、DNA に書かれた情報をもとに、2 段階で作られます。

  1. 転写:DNA の塩基の並びを写しとって、RNA(メッセンジャー RNA)を作る
  2. 翻訳:RNA の塩基を 3 つずつ区切って読み、1 組ごとに 1 つのアミノ酸をつなげる

DNA の情報が RNA を経てタンパク質へ流れるこの考え方を、フランシス・クリックが 1958 年にセントラルドグマと名づけました。「DNA → タンパク質」は、転写と翻訳の合成関数、つまり「先に転写、後から翻訳」です。

2 つの関数の性質はかなり違います。転写では、DNA の塩基 A,T,G,C がそれぞれ RNA の U,A,C,G に対応します(鋳型になる側の鎖を写す場合)。4 種類が 4 種類に 1 つずつ移るので 1 対 1 で、逆向きにたどれます。実際、エイズの原因ウイルスなどがもつ逆転写酵素は、RNA から DNA を作ります。1970 年にテミンとボルティモアがそれぞれ発見し、1975 年のノーベル生理学・医学賞につながりました。

翻訳のほうは、1 対 1 ではありません。3 つ組の並び方は 434^3=64{}= 64 通りですが、できるアミノ酸は 20 種類ほどで、残りの 3 通りは「ここで終わり」の合図です。たとえばロイシンというアミノ酸には 6 通りの 3 つ組が対応し、メチオニンには AUG の 1 通りしか対応しません。タンパク質のアミノ酸の並びを見ても、もとの RNA は 1 つに決まらないので、翻訳には逆関数がありません。合成関数「転写のあと翻訳」も、同じ理由で逆にたどれないのです。

豆知識

3 つ組とアミノ酸の対応表(遺伝暗号表)の最初の 1 つは、1961 年にニーレンバーグとマッセイが、U だけが並んだ RNA からフェニルアラニンだけがつながったタンパク質ができることを確かめて見つけました。表は 1960 年代半ばにほぼ完成し、ニーレンバーグらは 1968 年にノーベル賞を受けています。複数の 3 つ組が同じアミノ酸を表すことは、塩基が 1 つ入れかわってもアミノ酸が変わらない場合がある、という「打ち間違いへの強さ」にもつながっています(※どこまでが進化の結果かは、研究が続いています)。

単位の合わない合成で失われた探査機——マーズ・クライメイト・オービター

1999 年 9 月 23 日、NASA の火星探査機マーズ・クライメイト・オービターは、火星を回る軌道に入ろうとしたところで通信が途絶え、そのまま失われました。原因は、2 つのソフトウェアの「つなぎ目」にありました。

探査機のエンジンを小さく噴射したとき、その効果(力 × 時間)を計算するソフトウェアが地上にありました。このソフトウェアは、結果を「ポンド重・秒」というヤード・ポンド法の単位で出力していました。ところが、その数値を受け取って探査機の道筋を計算する航法のソフトウェアは、数値が国際単位の「ニュートン・秒」で書かれていると想定していました。11 ポンド重・秒は約 4.454.45 ニュートン・秒なので、噴射の効果は実際の約 14.45\dfrac{1}{4.45} として扱われ、探査機の位置の見積もりが少しずつずれていきました。探査機は予定よりずっと火星の近くを通り、大気の中に突っこんだと考えられています。

合成関数の言葉でいえば、1 つめのソフトウェアを ff、2 つめを gg として、g∘fg \circ f を計算したわけです。式としてはつながって見えても、ff の出口(ポンド重・秒の数)と gg の入口(ニュートン・秒の数)が合っていませんでした。本文の公式3 で「f(x)f(x) が gg に入れられるか」を確かめたのと同じで、つなぐ前に、出口と入口の「形」を確かめる必要があったのです。間に単位の換算 h(x)h(x)=4.45x{}= 4.45x をはさんだ g∘h∘fg \circ h \circ f にしておけば、防げた事故でした。

豆知識

1983 年には、カナダの旅客機が給油量の計算で燃料の重さの単位(ポンドとキログラム)を取り違え、飛行中に燃料が尽きてしまう事故がありました。機長はエンジンの止まった機体を滑空させ、使われなくなっていた空軍基地の滑走路に着陸させました。乗っていた人は全員助かり、機体は着陸した地名から「ギムリー・グライダー」とよばれています(※燃料計の故障など、ほかの要因も重なっていました)。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。本文では「f(x)f(x) が gg に入れられる xx だけが定義域」「3 つの合成は括弧を省ける」「(g∘f)−1(g \circ f)^{-1}=f−1∘g−1{}= f^{-1} \circ g^{-1}」「分数関数どうしを合成すると分数関数になる」を、例で使いました。ここではそれらを、定義域まで含めて定義し、証明します。第5章の定義(定義域・値域 f(D)f(D)・1 対 1・逆関数)をそのまま使います。

定義1:合成関数

関数 ff(定義域 DfD_f)と関数 gg(定義域 DgD_g)に対し

D\displaystyle D={ x∈Df∣f(x)∈Dg }\displaystyle {}= \{\, x \in D_f \mid f(x) \in D_g \,\}

が空集合でないとき、DD を定義域とし、xx∈D{}\in D に g(f(x))g(f(x)) を対応させる関数を、ff と gg の合成関数といい、g∘fg \circ f で表す。

(g∘f)(x)\displaystyle (g \circ f)(x)=g(f(x))\displaystyle {}= g(f(x))(x∈D)\displaystyle (x \in D)

ff の値域が gg の定義域に含まれる(f(Df)f(D_f)⊂Dg{}\subset D_g)ときは、DD=Df{}= D_f です。本文の公式3 は、この DD の決め方を言葉にしたものです。

2 つの関数が等しい(φ\varphi=ψ{}= \psi)とは、定義域が一致し、その各点で値が一致することとします。本文 例題3(2) の (f∘g)(x)(f \circ g)(x)=4{}= 4−x{}- x(xx≧0{}\geqq 0)と、実数全体で定義された 44−x{}- x は、式が同じでも別の関数です。

定理1:結合法則

関数 ff,gg,hh について、次が成り立つ(両辺の定義域も一致する)。

h∘(g∘f)\displaystyle h \circ (g \circ f)=(h∘g)∘f\displaystyle {}= (h \circ g) \circ f

証明 定義1 を 2 回使うと、左辺の定義域は

{ x∈Dg∘f∣g(f(x))∈Dh }\displaystyle \{\, x \in D_{g \circ f} \mid g(f(x)) \in D_h \,\}={ x∈Df\displaystyle {}= \{\, x \in D_f∣f(x)∈Dg, g(f(x))∈Dh }\displaystyle \qquad \mid f(x) \in D_g,\ g(f(x)) \in D_h \,\}

右辺の定義域は

{ x∈Df∣f(x)∈Dh∘g }\displaystyle \{\, x \in D_f \mid f(x) \in D_{h \circ g} \,\}={ x∈Df\displaystyle {}= \{\, x \in D_f∣f(x)∈Dg, g(f(x))∈Dh }\displaystyle \qquad \mid f(x) \in D_g,\ g(f(x)) \in D_h \,\}

で、一致する。この集合の xx に対し、両辺の値はどちらも h(g(f(x)))h(g(f(x))) である。(証明終)

一方、交換法則 g∘fg \circ f=f∘g{}= f \circ g は一般には成り立ちません。f(x)f(x)=x{}= x+1{}+ 1,g(x)g(x)=2x{}= 2x なら (g∘f)(0)(g \circ f)(0)=2{}= 2,(f∘g)(0)(f \circ g)(0)=1{}= 1 です。反例が 1 つあれば、「いつも成り立つ」は否定されます。

定義2:恒等関数

集合 DD の各要素 xx に xx 自身を対応させる関数を、DD 上の恒等関数といい、idD\mathrm{id}_D で表す。

idD(x)\displaystyle \mathrm{id}_D(x)=x\displaystyle {}= x(x∈D)\displaystyle (x \in D)

ff の定義域を DD,値域を EE とすると、定義1 からすぐに f∘idDf \circ \mathrm{id}_D=f{}= f,idE∘f\mathrm{id}_E \circ f=f{}= f が分かります。恒等関数は、合成における「11 を掛ける」ような役割をします。第5章 定義2 の後ろで示した式は、次のように書けます。

f−1∘f\displaystyle f^{-1} \circ f=idD,\displaystyle {}= \mathrm{id}_D,f∘f−1\displaystyle f \circ f^{-1}=idE\displaystyle {}= \mathrm{id}_E
定理2:合成による逆関数の特徴づけ

関数 ff の定義域を DD,値域を EE とする。定義域が EE の関数 gg で、値がすべて DD に入り

g∘f\displaystyle g \circ f=idD,\displaystyle {}= \mathrm{id}_D,f∘g\displaystyle f \circ g=idE\displaystyle {}= \mathrm{id}_E

を満たすものがあれば、ff は 1 対 1 で、gg=f−1{}= f^{-1} である。逆に、ff が 1 対 1 なら gg=f−1{}= f^{-1} はこの 2 式を満たす。

証明 f(x1)f(x_1)=f(x2){}= f(x_2) とすると、g∘fg \circ f=idD{}= \mathrm{id}_D より x1x_1=g(f(x1)){}= g(f(x_1))=g(f(x2)){}= g(f(x_2))=x2{}= x_2。よって ff は 1 対 1 である。

yy∈E{}\in E とし、xx=g(y){}= g(y) とおくと xx∈D{}\in D で、f∘gf \circ g=idE{}= \mathrm{id}_E より f(x)f(x)=y{}= y。第5章 定義2 より f−1(y)f^{-1}(y)=x{}= x=g(y){}= g(y)。gg と f−1f^{-1} は定義域がともに EE で、値も一致するので gg=f−1{}= f^{-1} である。逆は、第5章 定義2 の後ろの 2 式そのものである。(証明終)

とくに、ff の値がすべて DD に入り(f(D)f(D)⊂D{}\subset D)、f∘ff \circ f=idD{}= \mathrm{id}_D が成り立つとき、DD の各 xx は xx=f(f(x)){}= f(f(x))∈f(D){}\in f(D) を満たすので EE=f(D){}= f(D)=D{}= D です。定理2 を gg=f{}= f として使うと f−1f^{-1}=f{}= f が得られます。本文 公式5 の「f∘ff \circ f が恒等関数   ⟺  \iff f−1f^{-1}=f{}= f」は、この意味です。本文 例題5(2) の f(x)f(x)=11−x{}= \dfrac{1}{1 - x} は f(D)f(D)⊂D{}\subset D を満たさない(f(0)f(0)=1{}= 1 が定義域 xx≠1{}\neq 1 の外)ので、f∘ff \circ f の定義域が DD より狭くなり、この話には当てはまりません。

定理3:1 対 1 の関数の合成と逆関数

関数 ff(定義域 DfD_f),gg(定義域 DgD_g)がともに 1 対 1 で、f(Df)f(D_f)⊂Dg{}\subset D_g とする。このとき g∘fg \circ f(定義域 DfD_f)は 1 対 1 であり、その値域を EE とすると

(g∘f)−1\displaystyle (g \circ f)^{-1}=f−1∘g−1\displaystyle {}= f^{-1} \circ g^{-1}

が成り立つ(右辺の定義域も EE に一致する)。

証明 g(f(x1))g(f(x_1))=g(f(x2)){}= g(f(x_2)) とすると、gg が 1 対 1 なので f(x1)f(x_1)=f(x2){}= f(x_2)、ff が 1 対 1 なので x1x_1=x2{}= x_2。よって g∘fg \circ f は 1 対 1 である。

右辺の定義域は、定義1 より { y∈g(Dg)∣g−1(y)∈f(Df) }\{\, y \in g(D_g) \mid g^{-1}(y) \in f(D_f) \,\} である。yy がこの集合に入るとき、g−1(y)g^{-1}(y)=f(x){}= f(x) となる xx∈Df{}\in D_f があり、yy=g(f(x)){}= g(f(x))∈E{}\in E。逆に yy=g(f(x)){}= g(f(x))∈E{}\in E なら、g−1(y)g^{-1}(y)=f(x){}= f(x)∈f(Df){}\in f(D_f)。よって右辺の定義域は EE である。

yy∈E{}\in E,yy=g(f(x)){}= g(f(x)) とすると、g−1(y)g^{-1}(y)=f(x){}= f(x),f−1(f(x))f^{-1}(f(x))=x{}= x なので (f−1∘g−1)(y)(f^{-1} \circ g^{-1})(y)=x{}= x。一方 (g∘f)(x)(g \circ f)(x)=y{}= y なので (g∘f)−1(y)(g \circ f)^{-1}(y)=x{}= x。値も一致する。(証明終)

右辺で g−1g^{-1} が先に使われるのは、yy から xx へ戻るとき、最後に使った gg を最初に取り消すからです。

定理4:単調性の合成

関数 ff(定義域 DD)と gg について f(D)f(D)⊂Dg{}\subset D_g とし、ff は DD で、gg は DgD_g で、それぞれ単調に増加するか単調に減少するとする。このとき g∘fg \circ f は DD で

  • ff,gg がともに増加、またはともに減少なら、単調に増加する
  • 一方が増加で他方が減少なら、単調に減少する

証明 x1x_1<x2{}< x_2(x1,x_1, x2\ x_2∈D{}\in D)とする。ff,gg がともに減少する場合、f(x1)f(x_1)>f(x2){}> f(x_2) で、gg が減少するので g(f(x1))g(f(x_1))<g(f(x2)){}< g(f(x_2))。よって g∘fg \circ f は増加する。ほかの 3 つの場合も、不等号の向きが 2 回変わるか(増加)、1 回だけ変わるか(減少)を同じように確かめればよい。(証明終)

たとえば 00≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2 で f(x)f(x)=4{}= 4−x2{}- x^2 は減少し、g(t)g(t)=t{}= \sqrt{t} は増加する(第3章 厳密定義 定理2)ので、4−x2\sqrt{4 - x^2} はこの範囲で減少します。本文 例題3 の半円の右半分が右下がりになるのは、このためです。

定理5:一次分数関数の合成

adad−bc{}- bc≠0{}\neq 0 のとき、φ(x)\varphi(x)=ax+bcx+d{}= \dfrac{ax + b}{cx + d}(cxcx+d{}+ d≠0{}\neq 0 の xx で定義)を一次分数関数とよぶ(cc=0{}= 0 のときは 1 次関数)。ψ(x)\psi(x)=px+qrx+s{}= \dfrac{px + q}{rx + s}(psps−qr{}- qr≠0{}\neq 0)も一次分数関数とすると、ψ∘φ\psi \circ \varphi の定義域の各 xx で

(ψ∘φ)(x)\displaystyle (\psi \circ \varphi)(x)=(pa+qc)x+(pb+qd)(ra+sc)x+(rb+sd)\displaystyle {}= \frac{(pa + qc)x + (pb + qd)}{(ra + sc)x + (rb + sd)}

が成り立ち、係数について

(pa+qc)(rb+sd)\displaystyle (pa + qc)(rb + sd)−(pb+qd)(ra+sc)\displaystyle {}- (pb + qd)(ra + sc)=(ps−qr)(ad−bc)\displaystyle {}= (ps - qr)(ad - bc)≠0\displaystyle {}\neq 0

である。したがって、ψ∘φ\psi \circ \varphi はその定義域で一次分数関数と一致する。

証明 xx を ψ∘φ\psi \circ \varphi の定義域の要素とすると、cxcx+d{}+ d≠0{}\neq 0 かつ rφ(x)r\varphi(x)+s{}+ s≠0{}\neq 0 である。ψ(φ(x))\psi(\varphi(x)) の分母と分子に cxcx+d{}+ d を掛けると

ψ(φ(x))\displaystyle \psi(\varphi(x))=p(ax+b)+q(cx+d)r(ax+b)+s(cx+d)\displaystyle {}= \frac{p(ax + b) + q(cx + d)}{r(ax + b) + s(cx + d)}

で、分母は (cx+d)(rφ(x)+s)(cx + d)(r\varphi(x) + s)≠0{}\neq 0 である。展開して整理すると、上の式になる。係数の式は、左辺を展開すると pa⋅rbpa \cdot rb と pb⋅rapb \cdot ra,qc⋅sdqc \cdot sd と qd⋅scqd \cdot sc が打ち消しあい

pasd\displaystyle pasd−pbsc\displaystyle {}- pbsc+qcrb\displaystyle {}+ qcrb−qdra\displaystyle {}- qdra=ps(ad−bc)\displaystyle {}= ps(ad - bc)−qr(ad−bc)\displaystyle {}- qr(ad - bc)

となることから分かる。(証明終)

定理5 の式は ψ∘φ\psi \circ \varphi の定義域で成り立つもので、右辺の分数式が計算できる範囲は、定義域より広いことがあります。実践問題 j12 の xx=1{}= 1 がその例です。

係数の組 (a, b, c, d)(a,\ b,\ c,\ d) から (pa+qc, pb+qd, ra+sc, rb+sd)(pa + qc,\ pb + qd,\ ra + sc,\ rb + sd) を作る計算は、大学で学ぶ行列の掛け算と同じ形をしています。本文 例題5(2) の f(x)f(x)=11−x{}= \dfrac{1}{1 - x} は (a, b, c, d)(a,\ b,\ c,\ d)=(0, 1, −1, 1){}= (0,\ 1,\ -1,\ 1) で、自分自身と合成すると (−1, 1, −1, 0)(-1,\ 1,\ -1,\ 0),すなわち −x+1−x\dfrac{-x + 1}{-x}=x−1x{}= \dfrac{x - 1}{x} となり、本文の f2f_2 と一致します。実践問題 j16・j17 の「何回か合成すると元に戻る」関数も、この係数の計算で見通すことができます。

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