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第5章 逆関数

—— 出力から入力へ、ただ 1 つに戻れるとき ——

第3・4章で、$y = \sqrt{x}$ が放物線 $y = x^2$ の $x$ と $y$ の役割を入れかえたものの一部だと見てきました。この章では、この「入れかえ」を**逆関数**として、分数関数・無理関数・2 次関数に広げます。指数関数・対数関数の分野 第5章で手順($x$ について解く → $x$ と $y$ を入れかえる)は学びましたが、ここでは「定義域と値域が入れかわること」と「1 対 1 でないと逆関数が作れないこと」を正面から扱い、分数関数の逆関数の形と、もとの関数と逆関数のグラフの共有点まで進みます。

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逆関数——出力から入力へ戻る関数

関数 yy=f(x){}= f(x) は、入力 xx を 1 つ決めると出力 yy が 1 つ決まる仕組みでした。ここでは向きを逆にして、「出力 yy を見て、入力 xx を当てる」ことを考えます。

yy=2x{}= 2x+1{}+ 1 なら、yy=7{}= 7 を見て xx=3{}= 3 と当てられます。xx について解いた式 xx=y−12{}= \dfrac{y - 1}{2} を使えば、どの yy からでも xx がただ 1 つ求まるからです。このように、yy の値から xx の値がただ 1 つに決まるとき、その対応「yy↦x{}\mapsto x」も関数になります。これを、文字をいつもの向き(入力が xx,出力が yy)に書き直したものが逆関数です。

ff の逆関数を f−1f^{-1} と書き、「エフ・インバース」と読みます。f−1(x)f^{-1}(x) は 1f(x)\dfrac{1}{f(x)} のことではないので、注意してください。

大事なのは、入力と出力が入れかわるので、定義域と値域も入れかわることです。もとの関数の値域(出てくる yy の範囲)が、逆関数の定義域(入れてよい xx の範囲)になります。

公式1:逆関数の求め方

関数 yy=f(x){}= f(x) で、値域のどの yy に対しても xx がただ 1 つ決まるとき、次の手順で逆関数 yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) を求める。

  1. もとの関数の値域を求める
  2. yy=f(x){}= f(x) を xx について解き、xx=g(y){}= g(y) の形にする
  3. xx と yy を入れかえて yy=g(x){}= g(x) とする。定義域は 1. の値域
f−1 の定義域\displaystyle f^{-1} \text{ の定義域}=f の値域,\displaystyle {}= f \text{ の値域},f−1 の値域\displaystyle f^{-1} \text{ の値域}=f の定義域\displaystyle {}= f \text{ の定義域}

逆関数の答えには、定義域をかっこで添えます。もとの関数の値域が実数全体のときや、分数関数のように式から自然に決まるときは、省いてもかまいません。

劇場のクロークにコートを預けると、1 着ごとに違う番号の札を渡されます。帰りに札を出せば、係の人はその番号からコートを 1 着だけ取り出せます。「コート → 札」の対応が逆向きにたどれるのは、同じ番号の札が 2 枚ないからです。また、係の人が受けつけるのは実際に渡した番号の札だけで、渡していない番号を出されても返すコートがありません。これが「逆関数の定義域はもとの値域」にあたります。

逆関数とは、出力から入力をただ 1 つに戻す関数のことで、求めるときは xx について解いて xx と yy を入れかえ、定義域にはもとの関数の値域を書けばよいということです。

例題1:逆関数を求める

次の関数の逆関数を求めなさい。

(1) yy=−2x{}= -2x+4{}+ 4(00≦x{}\leqq x≦3{}\leqq 3)

(2) yy=2x+1x−1{}= \dfrac{2x + 1}{x - 1}


【解答】

(1) グラフは右下がりの線分なので、値域は両端の値から −2-2≦y{}\leqq y≦4{}\leqq 4 です(xx=0{}= 0 で yy=4{}= 4,xx=3{}= 3 で yy=−2{}= -2)。xx について解くと

x\displaystyle x=−12y\displaystyle {}= -\frac{1}{2}y+2\displaystyle {}+ 2

xx と yy を入れかえて

y=−12x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}y = -\frac{1}{2}x}+2(−2≦x≦4)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}+ 2 \quad (-2 \leqq x \leqq 4)}

逆関数の値域は 00≦y{}\leqq y≦3{}\leqq 3 で、もとの定義域と一致しています。

(2) 第1章 例題3 で、この関数の値域が yy≠2{}\neq 2 であることを確かめました。分母を払って xx について整理すると

y(x−1)\displaystyle y(x - 1)=2x\displaystyle {}= 2x+1,\displaystyle {}+ 1,xy\displaystyle xy−2x\displaystyle {}- 2x=y\displaystyle {}= y+1,\displaystyle {}+ 1,x(y−2)\displaystyle x(y - 2)=y\displaystyle {}= y+1\displaystyle {}+ 1

yy≠2{}\neq 2 なので、両辺を yy−2{}- 2 で割れます。

x\displaystyle x=y+1y−2\displaystyle {}= \frac{y + 1}{y - 2}

xx と yy を入れかえて

y=x+1x−2‾\underline{y = \frac{x + 1}{x - 2}}

定義域 xx≠2{}\neq 2 は、もとの関数の値域 yy≠2{}\neq 2 と一致します。分数関数の逆関数は、分母を 00 にしない条件から定義域が自然に決まるので、かっこ書きは省きました。

逆関数のグラフ——直線 yy=x{}= x について対称

逆関数の値を 1 つ求めるだけなら、逆関数の式は要りません。f−1(b)f^{-1}(b) は「ff に入れると bb が出てくる xx」のことなので、方程式 f(x)f(x)=b{}= b を解けば求まります。

f−1(b)\displaystyle f^{-1}(b)=a\displaystyle {}= a  ⟺  f(a)\displaystyle {}\iff f(a)=b\displaystyle {}= b

これを座標で言いかえると、「点 (a, b)(a,\ b) が yy=f(x){}= f(x) のグラフ上にある」ことと「点 (b, a)(b,\ a) が yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) のグラフ上にある」ことが同じになります。座標を入れかえた 2 点は直線 yy=x{}= x について対称なので(指数関数・対数関数の分野 第5章)、2 つのグラフも yy=x{}= x について対称です。

公式2:逆関数の値とグラフ
f−1(b)\displaystyle f^{-1}(b)=a\displaystyle {}= a  ⟺  f(a)\displaystyle {}\iff f(a)=b\displaystyle {}= b
  • 点 (a, b)(a,\ b) が yy=f(x){}= f(x) のグラフ上にある   ⟺  \iff 点 (b, a)(b,\ a) が yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) のグラフ上にある
  • yy=f(x){}= f(x) のグラフと yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) のグラフは、直線 yy=x{}= x について対称である
x y O −2 −1 1 2 3 4 5 −1 1 2 3 4 5 (2, 4) (4, 2) y = x²(x ≧ 0) y = √x y = x 灰色の点線:定義域に入れなかった y = x²(x < 0)

九九の表を、左上の角から右下の角へ引いた斜めの線で折ることを想像してください。「3 の段の 5 列目」のマスと「5 の段の 3 列目」のマスがぴったり重なり、どちらにも 1515 が書いてあります。行と列を入れかえた位置が、折り目について対称な位置です。グラフでは、この折り目が直線 yy=x{}= x にあたります。

f−1(b)f^{-1}(b) は方程式 f(a)f(a)=b{}= b を解けば求まり、逆関数のグラフはもとのグラフの点の座標を入れかえたもの、つまり直線 yy=x{}= x で折り返したものだということです。

例題2:逆関数の値とグラフが通る点

(1) f(x)f(x)=2x+1x−1{}= \dfrac{2x + 1}{x - 1} のとき、f−1(5)f^{-1}(5) の値を求めなさい。

(2) f(x)f(x)=ax+b{}= \sqrt{ax + b} とします。yy=f(x){}= f(x) のグラフと yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) のグラフがどちらも点 (1, 2)(1,\ 2) を通るとき、定数 aa,bb の値を求めなさい。


【解答】

(1) f−1(5)f^{-1}(5) は f(x)f(x)=5{}= 5 を満たす xx です。

2x+1x−1\displaystyle \frac{2x + 1}{x - 1}=5,\displaystyle {}= 5,2x\displaystyle 2x+1\displaystyle {}+ 1=5x\displaystyle {}= 5x−5,\displaystyle {}- 5,x\displaystyle x=2\displaystyle {}= 2

xx=2{}= 2 は分母を 00 にしないので、f−1(5)=2‾\underline{f^{-1}(5) = 2}。例題1(2) の逆関数に xx=5{}= 5 を代入しても 63\dfrac{6}{3}=2{}= 2 となり、一致します。

(2) yy=f(x){}= f(x) が点 (1, 2)(1,\ 2) を通るので f(1)f(1)=2{}= 2。yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) が点 (1, 2)(1,\ 2) を通るので、公式2 より yy=f(x){}= f(x) は点 (2, 1)(2,\ 1) を通り、f(2)f(2)=1{}= 1 です。

a+b\displaystyle \sqrt{a + b}=2,\displaystyle {}= 2,2a+b\displaystyle \sqrt{2a + b}=1\displaystyle {}= 1

右辺はどちらも正なので、2 乗して aa+b{}+ b=4{}= 4,2a2a+b{}+ b=1{}= 1。これを解いて

a=−3,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = -3,} b=7‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 7}

確かめ:f(x)f(x)=−3x+7{}= \sqrt{-3x + 7} で、f(1)f(1)=4{}= \sqrt{4}=2{}= 2,f(2)f(2)=1{}= \sqrt{1}=1{}= 1。

1 対 1 でないとき——定義域を区切って逆関数を作る

yy=x2{}= x^2 で yy=4{}= 4 を見ても、入力は xx=2{}= 2 か xx=−2{}= -2 か決められません。このように、異なる xx から同じ yy が出てくることがある関数には、逆関数がありません。

異なる xx にはいつも異なる yy が対応するとき、その関数は 1 対 1 であるといいます。逆関数があるのは、1 対 1 の関数だけです。右上がりだけ、または右下がりだけのグラフになる関数は、同じ高さを 2 回通らないので 1 対 1 です。

1 対 1 でない関数でも、定義域を区切れば逆関数を作れます。yy=x2{}= x^2 の定義域を xx≧0{}\geqq 0 に限ると、右上がりだけのグラフになり、xx=y{}= \sqrt{y} とただ 1 つに解けます。こうしてできる逆関数が yy=x{}= \sqrt{x} です(図1)。第3章で「yy=x{}= \sqrt{x} は放物線 xx=y2{}= y^2 の上半分」と言ったのは、このことでした。

公式3:1 対 1 と逆関数
  • 関数 ff が逆関数をもつのは、ff が 1 対 1(x1x_1≠x2{}\neq x_2 ならば f(x1)f(x_1)≠f(x2){}\neq f(x_2))のときである
  • 定義域でグラフが右上がりだけ、または右下がりだけの関数は 1 対 1 である
  • 1 対 1 でない関数は、定義域を右上がりだけ(または右下がりだけ)の範囲に区切ると、逆関数が作れる

2 乗をふくむ式を xx について解くときは、区切った定義域から xx の符号(または xx−p{}- p の符号)を決めて、根号の前の ±\pm を 1 つに選ぶ。

無理関数の逆関数では、向きが逆になります。yy=x−1{}= \sqrt{x - 1} を xx について解くと xx=y2{}= y^2+1{}+ 1 ですが、逆関数を yy=x2{}= x^2+1{}+ 1 とだけ書くと、xx<0{}< 0 の部分まで入ってしまい、1 対 1 でない関数になります。もとの関数の値域 yy≧0{}\geqq 0 を、定義域として必ず添えます。

公園の太鼓橋(まん中が高く盛り上がった橋)で「今、高さ 1 m の所にいる」と聞いても、上り坂の途中か下り坂の途中かは分かりません。同じ高さの場所が左右に 1 つずつあるからです。「上り坂を歩いている」と分かっていれば、高さから場所が 1 つに決まります。定義域を区切るのは、この「上り坂だけ」と決めることにあたります。

逆関数が作れるのは 1 対 1 の関数だけで、そうでない関数は右上がりだけ(または右下がりだけ)の範囲に定義域を区切り、その範囲に合わせて ±\pm を選べばよいということです。

例題3:定義域に気をつけて逆関数を求める

次の関数の逆関数を求めなさい。

(1) yy=x−1{}= \sqrt{x - 1}

(2) yy=x2{}= x^2−2x{}- 2x(xx≧1{}\geqq 1)


【解答】

(1) 値域は yy≧0{}\geqq 0 です。両辺を 2 乗すると y2y^2=x{}= x−1{}- 1 なので、xx=y2{}= y^2+1{}+ 1。xx と yy を入れかえて

y=x2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.1199em}y = x^2}+1(x≧0)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.1199em}{}+ 1 \quad (x \geqq 0)}

グラフは、放物線 yy=x2{}= x^2+1{}+ 1 の右半分です。

(2) 平方完成すると yy=(x−1)2{}= (x - 1)^2−1{}- 1。定義域 xx≧1{}\geqq 1 では右上がりなので 1 対 1 で、値域は yy≧−1{}\geqq -1 です。

(x−1)2\displaystyle (x - 1)^2=y\displaystyle {}= y+1\displaystyle {}+ 1

xx≧1{}\geqq 1 より xx−1{}- 1≧0{}\geqq 0 なので、xx−1{}- 1=y+1{}= \sqrt{y + 1}(−y+1-\sqrt{y + 1} のほうは選びません)。よって xx=y+1{}= \sqrt{y + 1}+1{}+ 1。xx と yy を入れかえて

y=x+1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.1702em}y = \sqrt{x + 1}}+1(x≧−1)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.1702em}{}+ 1 \quad (x \geqq -1)}

逆関数は、端点 (−1, 1)(-1,\ 1) から右上がりに伸びる無理関数です。もとの関数の頂点 (1, −1)(1,\ -1) と、座標が入れかわっています。

分数関数の逆関数——漸近線も入れかわる

例題1(2) で、yy=2x+1x−1{}= \dfrac{2x + 1}{x - 1} の逆関数は yy=x+1x−2{}= \dfrac{x + 1}{x - 2} でした。どちらも分数関数で、漸近線は次のように入れかわっています。

縦の漸近線横の漸近線
y=2x+1x−1y = \dfrac{2x + 1}{x - 1}x=1x = 1y=2y = 2
y=x+1x−2y = \dfrac{x + 1}{x - 2}x=2x = 2y=1y = 1
x y O −4 −3 −2 −1 1 2 3 4 5 6 −4 −3 −2 −1 1 2 3 4 5 6 (1, 2) (2, 1) y = (2x + 1)/(x − 1) y = (x + 1)/(x − 2) y = x 破線:青の漸近線 x = 1, y = 2 と、橙の漸近線 x = 2, y = 1

一般の形でも同じ計算ができます。yy=ax+bcx+d{}= \dfrac{ax + b}{cx + d}(cc≠0{}\neq 0,adad−bc{}- bc≠0{}\neq 0)の値域は yy≠ac{}\neq \dfrac{a}{c} で、分母を払って xx について解くと

x(cy−a)\displaystyle x(cy - a)=−dy\displaystyle {}= -dy+b,\displaystyle {}+ b,x\displaystyle x=−dy+bcy−a\displaystyle {}= \frac{-dy + b}{cy - a}

となります。逆関数は yy=−dx+bcx−a{}= \dfrac{-dx + b}{cx - a} で、もとの式の aa と dd を入れかえて、両方の符号を変えた形です。

とくに aa+d{}+ d=0{}= 0 のときは、−d-d=a{}= a,−a-a=d{}= d なので、逆関数がもとの関数とまったく同じ式になります。グラフでいえば、十字の中心 (−dc, ac)\left(-\dfrac{d}{c},\ \dfrac{a}{c}\right) が直線 yy=x{}= x 上にあり、グラフ全体が yy=x{}= x について対称になっている場合です。第1章の yy=kx{}= \dfrac{k}{x} も、aa=d{}= d=0{}= 0 なのでこの仲間です。

公式4:分数関数の逆関数

cc≠0{}\neq 0,adad−bc{}- bc≠0{}\neq 0 とする。

y\displaystyle y=ax+bcx+d\displaystyle {}= \frac{ax + b}{cx + d}の逆関数は\displaystyle \text{の逆関数は}y\displaystyle y=−dx+bcx−a\displaystyle {}= \frac{-dx + b}{cx - a}
  • 漸近線は、もとの xx=−dc{}= -\dfrac{d}{c},yy=ac{}= \dfrac{a}{c} が、xx=ac{}= \dfrac{a}{c},yy=−dc{}= -\dfrac{d}{c} に入れかわる
  • 逆関数がもとの関数と一致するのは、aa+d{}+ d=0{}= 0 のときである

公式4 は結果を確かめるのに使い、答案では例題1(2) のように、xx について解く手順で求めるのが確実です。

リバーシ(オセロ)の石をひっくり返す操作を考えます。ひっくり返した石をもとに戻したいとき、使う操作はやはり「ひっくり返す」です。操作とその取り消しが同じものになっている、というわけです。逆関数がもとの関数と一致する分数関数は、この「ひっくり返す」のような関数です。

分数関数の逆関数はまた分数関数になり、漸近線の十字が yy=x{}= x で折り返され、aa+d{}+ d=0{}= 0 なら逆関数がもとの関数そのものになるということです。

例題4:分数関数の逆関数

(1) 関数 yy=x+22x−1{}= \dfrac{x + 2}{2x - 1} の逆関数を求めなさい。

(2) f(x)f(x)=2x+bx+c{}= \dfrac{2x + b}{x + c} の逆関数がもとの関数と一致し、f(3)f(3)=5{}= 5 であるとき、定数 bb,cc の値を求めなさい。


【解答】

(1) 値域は yy≠12{}\neq \dfrac{1}{2} です。分母を払って xx について整理すると

y(2x−1)\displaystyle y(2x - 1)=x\displaystyle {}= x+2,\displaystyle {}+ 2,x(2y−1)\displaystyle x(2y - 1)=y\displaystyle {}= y+2,\displaystyle {}+ 2,x\displaystyle x=y+22y−1\displaystyle {}= \frac{y + 2}{2y - 1}

xx と yy を入れかえて

y=x+22x−1‾\underline{y = \frac{x + 2}{2x - 1}}

逆関数は、もとの関数と同じ式です。aa=1{}= 1,dd=−1{}= -1 で aa+d{}+ d=0{}= 0 なので、公式4 のとおりです。十字の中心 (12, 12)\left(\dfrac{1}{2},\ \dfrac{1}{2}\right) は直線 yy=x{}= x 上にあります。

(2) 公式4 より、逆関数がもとの関数と一致するのは aa+d{}+ d=0{}= 0,すなわち 22+c{}+ c=0{}= 0 のときで、cc=−2{}= -2。このとき f(x)f(x)=2x+bx−2{}= \dfrac{2x + b}{x - 2} なので

f(3)\displaystyle f(3)=6+b1\displaystyle {}= \frac{6 + b}{1}=5,\displaystyle {}= 5,b\displaystyle b=−1\displaystyle {}= -1

adad−bc{}- bc=2⋅(−2){}= 2 \cdot (-2)−(−1)⋅1{}- (-1) \cdot 1=−3{}= -3≠0{}\neq 0 で、たしかに分数関数です。よって b=−1,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8888em}b = -1,} c=−2‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8888em}\ c = -2}

確かめ:yy=2x−1x−2{}= \dfrac{2x - 1}{x - 2} を xx について解くと x(y−2)x(y - 2)=2y{}= 2y−1{}- 1,xx=2y−1y−2{}= \dfrac{2y - 1}{y - 2} で、入れかえるともとの式に戻ります。

もとの関数と逆関数の共有点——増加する関数なら yy=x{}= x の上

最後に、yy=f(x){}= f(x) と yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) のグラフの共有点を求めます。まともに方程式 f(x)f(x)=f−1(x){}= f^{-1}(x) を立てると、式が複雑になりがちです。

ここで、ff のグラフが定義域で右上がりだけのときは、共有点がすべて直線 yy=x{}= x 上にあることが示せます。共有点を (a, b)(a,\ b) とすると、bb=f(a){}= f(a),かつ公式2 より aa=f(b){}= f(b) です。もし aa<b{}< b なら、右上がりなので f(a)f(a)<f(b){}< f(b),すなわち bb<a{}< a となって矛盾します。aa>b{}> b としても同じように矛盾するので、aa=b{}= b です。

背の順に一列に並んだ列を考えます。違う 2 人が場所を交換すると、前にいる人のほうが背が高くなり、背の順が崩れます。交換しても崩れないのは「自分と自分」を交換したとき、つまり何も動かさないときだけです。右上がりの関数で、xx と yy を入れかえてもグラフに乗ったままの点が yy=x{}= x 上に限られるのも、これと同じ理屈です。

公式5:もとの関数と逆関数のグラフの共有点

ff のグラフが定義域で右上がりだけのとき、yy=f(x){}= f(x) と yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) のグラフの共有点は、すべて直線 yy=x{}= x 上にある。したがって、共有点は

f(x)\displaystyle f(x)=x\displaystyle {}= x

の解(ただし xx は ff の定義域の値)を求めればよい。

グラフが右下がりの関数では、yy=x{}= x 上にない共有点が出ることがあります(実践問題 j20)。たとえば yy=−x{}= -x+3{}+ 3 は逆関数が自分自身なので、グラフ全体が共有点です。公式5 を使ってよいのは、右上がりの関数だけです。

右上がりの関数では、もとの関数と逆関数のグラフが出会うのは直線 yy=x{}= x の上だけなので、f(x)f(x)=x{}= x を解けば共有点が求まるということです。

x y O −1 1 2 3 4 5 −1 1 2 3 4 5 (1, 1) (2, 2) y = √(x − 1) + 1 y = (x − 1)² + 1 (x ≧ 1) y = x 灰色の点線:逆関数の定義域に入らない放物線の左半分
例題5:もとの関数と逆関数のグラフの共有点

f(x)f(x)=x−1{}= \sqrt{x - 1}+1{}+ 1 とします。

(1) 逆関数 f−1(x)f^{-1}(x) を求めなさい。

(2) yy=f(x){}= f(x) と yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) のグラフの共有点の座標を求めなさい。


【解答】

(1) 値域は yy≧1{}\geqq 1 です。x−1\sqrt{x - 1}=y{}= y−1{}- 1 の両辺を 2 乗して xx=(y−1)2{}= (y - 1)^2+1{}+ 1。xx と yy を入れかえて

f−1(x)=(x−1)2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.1199em}f^{-1}(x) = (x - 1)^2}+1(x≧1)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.1199em}{}+ 1 \quad (x \geqq 1)}

(2) ff のグラフは右上がりなので、公式5 より f(x)f(x)=x{}= x を解きます。

x−1\displaystyle \sqrt{x - 1}+1\displaystyle {}+ 1=x,\displaystyle {}= x,x−1\displaystyle \sqrt{x - 1}=x\displaystyle {}= x−1\displaystyle {}- 1

右辺が 00 以上なので xx≧1{}\geqq 1。両辺を 2 乗すると

x\displaystyle x−1\displaystyle {}- 1=(x−1)2,\displaystyle {}= (x - 1)^2,(x−1)(x−2)\displaystyle (x - 1)(x - 2)=0,\displaystyle {}= 0,x\displaystyle x=1,\displaystyle {}= 1, 2\displaystyle \ 2

どちらも xx≧1{}\geqq 1 を満たします。共有点は

(1, 1),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(1,\ 1),} (2, 2)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (2,\ 2)}

図3のとおり、どちらも直線 yy=x{}= x 上にあります。f(x)f(x)=f−1(x){}= f^{-1}(x) をそのまま立てると x−1\sqrt{x - 1}=(x−1)2{}= (x - 1)^2 となり、2 乗すると 4 次方程式になります。公式5 を使うと、第4章と同じ 2 次方程式で済みます。

この章のまとめ——逆関数を扱う 4 つの確認

確認すること理由
1 対 1 か(右上がりだけ・右下がりだけか)1 対 1 でないと逆関数がない。必要なら定義域を区切る
もとの関数の値域そのまま逆関数の定義域になる
2 乗を外すときの ±\pm区切った定義域(もとの xx の符号)で 1 つに決める
グラフは y=xy = x について対称か点 (a, b)(a,\ b) と (b, a)(b,\ a)、漸近線・端点・頂点の入れかわりで確かめる

逆関数は「ff で進んだ道を f−1f^{-1} で戻る」関数で、f−1(f(a))f^{-1}(f(a))=a{}= a が成り立ちます。このように関数を続けて使う考え方を、次の第6章で合成関数として扱います。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

関数 yy=2x{}= 2x+6{}+ 6 の逆関数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

y=12x‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}y = \dfrac{1}{2}x}−3‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}- 3}(xx=12y{}= \dfrac{1}{2}y−3{}- 3 として xx と yy を入れかえる)

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問2

関数 yy=1x−1{}= \dfrac{1}{x - 1} の逆関数を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

y=1x‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}y = \dfrac{1}{x}}+1‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}+ 1}(値域 yy≠0{}\neq 0 で xx−1{}- 1=1y{}= \dfrac{1}{y})

自己採点:
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問3

関数 yy=x−2{}= \sqrt{x - 2} の逆関数を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

y=x2‾\underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0699em}y = x^2}+2 (x≧0)‾\underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0699em}{}+ 2 \ (x \geqq 0)}(値域 yy≧0{}\geqq 0 が逆関数の定義域。2 乗して xx=y2{}= y^2+2{}+ 2)

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問4

f(x)f(x)=3x{}= 3x−1{}- 1 のとき、f−1(5)f^{-1}(5) の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

2‾\underline{2}(f(x)f(x)=5{}= 5 を解くと 3x3x−1{}- 1=5{}= 5 より xx=2{}= 2)

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問5

関数 yy=x2{}= x^2(xx≦0{}\leqq 0)の逆関数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

y=−x‾\underline{y = -\sqrt{x}}(値域 yy≧0{}\geqq 0。xx≦0{}\leqq 0 なので xx=−y{}= -\sqrt{y})

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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

関数 yy=−3x{}= -3x+6{}+ 6(00≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2)の逆関数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy=−13x{}= -\dfrac{1}{3}x+2{}+ 2(0≦x≦6)(0 \leqq x \leqq 6)

解説

グラフは右下がりの線分で、xx=0{}= 0 のとき yy=6{}= 6,xx=2{}= 2 のとき yy=0{}= 0 なので、値域は 00≦y{}\leqq y≦6{}\leqq 6 です。xx について解くと

3x\displaystyle 3x=6\displaystyle {}= 6−y,\displaystyle {}- y,x\displaystyle x=−13y\displaystyle {}= -\frac{1}{3}y+2\displaystyle {}+ 2

xx と yy を入れかえて、定義域にもとの値域を書きます。

y=−13x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}y = -\frac{1}{3}x}+2(0≦x≦6)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}+ 2 \quad (0 \leqq x \leqq 6)}

逆関数の値域は 00≦y{}\leqq y≦2{}\leqq 2 で、もとの定義域と一致します。

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問2 ★

関数 yy=3x+1x+2{}= \dfrac{3x + 1}{x + 2} の逆関数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy=−2x+1x−3{}= \dfrac{-2x + 1}{x - 3}

解説

yy=3x+1x+2{}= \dfrac{3x + 1}{x + 2}=−5x+2{}= -\dfrac{5}{x + 2}+3{}+ 3 なので、値域は yy≠3{}\neq 3 です。分母を払って xx について整理すると

y(x+2)\displaystyle y(x + 2)=3x\displaystyle {}= 3x+1,\displaystyle {}+ 1,x(y−3)\displaystyle x(y - 3)=−2y\displaystyle {}= -2y+1\displaystyle {}+ 1

yy≠3{}\neq 3 なので xx=−2y+1y−3{}= \dfrac{-2y + 1}{y - 3}。xx と yy を入れかえて

y=−2x+1x−3‾\underline{y = \frac{-2x + 1}{x - 3}}

漸近線は、もとの xx=−2,{}= -2,yy=3{}= 3 から xx=3,{}= 3,yy=−2{}= -2 に入れかわっています(公式4)。

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問3 ★

関数 yy=2x+4{}= \sqrt{2x + 4} の逆関数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy=12x2{}= \dfrac{1}{2}x^2−2{}- 2(x≧0)(x \geqq 0)

解説

値域は yy≧0{}\geqq 0 です。両辺を 2 乗すると y2y^2=2x{}= 2x+4{}+ 4 なので

x\displaystyle x=12y2\displaystyle {}= \frac{1}{2}y^2−2\displaystyle {}- 2

xx と yy を入れかえ、定義域にもとの値域を書いて

y=12x2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}y = \frac{1}{2}x^2}−2(x≧0)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}- 2 \quad (x \geqq 0)}

(x≧0)(x \geqq 0) を書かないと、放物線全体になってしまい、もとの関数の逆関数ではなくなります。

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問4 ★

関数 yy=−x−1{}= -\sqrt{x - 1} の逆関数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy=x2{}= x^2+1{}+ 1(x≦0)(x \leqq 0)

解説

根号の前が負なので、値域は yy≦0{}\leqq 0 です。両辺を 2 乗すると y2y^2=x{}= x−1{}- 1,すなわち xx=y2{}= y^2+1{}+ 1。xx と yy を入れかえて

y=x2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.1199em}y = x^2}+1(x≦0)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.1199em}{}+ 1 \quad (x \leqq 0)}

グラフは、放物線 yy=x2{}= x^2+1{}+ 1 の左半分です。もとのグラフ(端点 (1, 0)(1,\ 0) から右下がり)を直線 yy=x{}= x で折り返すと、端点は (0, 1)(0,\ 1) に移ります。

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問5 ★

f(x)f(x)=x+5x−3{}= \dfrac{x + 5}{x - 3} のとき、f−1(3)f^{-1}(3) の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

77

解説

f−1(3)f^{-1}(3) は、f(x)f(x)=3{}= 3 を満たす xx です(公式2)。

x+5x−3\displaystyle \frac{x + 5}{x - 3}=3,\displaystyle {}= 3,x\displaystyle x+5\displaystyle {}+ 5=3x\displaystyle {}= 3x−9,\displaystyle {}- 9,x\displaystyle x=7\displaystyle {}= 7

xx=7{}= 7 は分母を 00 にしないので、f−1(3)=7‾\underline{f^{-1}(3) = 7} です。

確かめ:f(7)f(7)=124{}= \dfrac{12}{4}=3{}= 3。逆関数の式を求めなくても、値は方程式 1 つで求まります。

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問6 ★

関数 yy=x2{}= x^2−4{}- 4(xx≧0{}\geqq 0)の逆関数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy=x+4{}= \sqrt{x + 4}(x≧−4)(x \geqq -4)

解説

xx≧0{}\geqq 0 では右上がりなので、値域は yy≧−4{}\geqq -4 です。x2x^2=y{}= y+4{}+ 4 で、xx≧0{}\geqq 0 なので

x\displaystyle x=y+4\displaystyle {}= \sqrt{y + 4}

xx と yy を入れかえて

y=x+4(x≧−4)‾\underline{y = \sqrt{x + 4} \quad (x \geqq -4)}

定義域 xx≧−4{}\geqq -4 は根号の中が 00 以上という条件と同じなので、書かなくても式から決まります。

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問7 ★

f(x)f(x)=ax{}= ax+b{}+ b の逆関数が f−1(x)f^{-1}(x)=3x{}= 3x−6{}- 6 であるとき、定数 aa,bb の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=13,{}= \dfrac{1}{3},bb=2{}= 2

解説

ff は f−1f^{-1} の逆関数なので、yy=3x{}= 3x−6{}- 6 の逆関数を求めます。xx について解くと

x\displaystyle x=13y\displaystyle {}= \frac{1}{3}y+2\displaystyle {}+ 2

xx と yy を入れかえて f(x)f(x)=13x{}= \dfrac{1}{3}x+2{}+ 2。よって a=13,‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}a = \dfrac{1}{3},} b=2‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ b = 2}

別解:yy=ax{}= ax+b{}+ b の逆関数は yy=1ax{}= \dfrac{1}{a}x−ba{}- \dfrac{b}{a} なので、1a\dfrac{1}{a}=3{}= 3,−ba-\dfrac{b}{a}=−6{}= -6 から同じ答えが出ます。

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問8 ★

関数 yy=−x2{}= -x^2+4{}+ 4(xx≧0{}\geqq 0)の逆関数と、その定義域・値域を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy=4−x{}= \sqrt{4 - x},定義域 xx≦4{}\leqq 4,値域 yy≧0{}\geqq 0

解説

xx≧0{}\geqq 0 では右下がりで、xx=0{}= 0 のとき yy=4{}= 4 なので、値域は yy≦4{}\leqq 4 です。x2x^2=4{}= 4−y{}- y で、xx≧0{}\geqq 0 なので

x\displaystyle x=4−y\displaystyle {}= \sqrt{4 - y}

xx と yy を入れかえて

y=4−x‾,\displaystyle \underline{y = \sqrt{4 - x}},定義域 x≦4‾,\displaystyle \underline{\text{定義域 } x \leqq 4},値域 y≧0‾\displaystyle \underline{\text{値域 } y \geqq 0}

逆関数の定義域はもとの値域、逆関数の値域はもとの定義域です。

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問9 ★★

関数 yy=x2{}= x^2−4x{}- 4x+1{}+ 1(xx≦2{}\leqq 2)の逆関数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy=−x+3{}= -\sqrt{x + 3}+2{}+ 2(x≧−3)(x \geqq -3)

解説

平方完成すると yy=(x−2)2{}= (x - 2)^2−3{}- 3。xx≦2{}\leqq 2 では右下がりで、値域は yy≧−3{}\geqq -3 です。

(x−2)2\displaystyle (x - 2)^2=y\displaystyle {}= y+3\displaystyle {}+ 3

xx≦2{}\leqq 2 より xx−2{}- 2≦0{}\leqq 0 なので、xx−2{}- 2=−y+3{}= -\sqrt{y + 3} のほうを選びます。xx=−y+3{}= -\sqrt{y + 3}+2{}+ 2 で、xx と yy を入れかえて

y=−x+3‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.1702em}y = -\sqrt{x + 3}}+2(x≧−3)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.1702em}{}+ 2 \quad (x \geqq -3)}

確かめ:もとの関数で xx=0{}= 0 のとき yy=1{}= 1。逆関数に xx=1{}= 1 を入れると −4-\sqrt{4}+2{}+ 2=0{}= 0 で、座標が入れかわっています。+y+3+\sqrt{y + 3} を選ぶと、xx≧2{}\geqq 2 の側の逆関数になってしまいます。

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問10 ★★

f(x)f(x)=ax+1x+b{}= \dfrac{ax + 1}{x + b} の逆関数が f−1(x)f^{-1}(x)=3x−1−x+2{}= \dfrac{3x - 1}{-x + 2} であるとき、定数 aa,bb の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=2,{}= 2,bb=3{}= 3

解説

ff の値域は yy≠a{}\neq a です。yy=ax+1x+b{}= \dfrac{ax + 1}{x + b} の分母を払って xx について整理すると

y(x+b)\displaystyle y(x + b)=ax\displaystyle {}= ax+1,\displaystyle {}+ 1,x(y−a)\displaystyle x(y - a)=−by\displaystyle {}= -by+1,\displaystyle {}+ 1,x\displaystyle x=−by+1y−a\displaystyle {}= \frac{-by + 1}{y - a}

よって f−1(x)f^{-1}(x)=−bx+1x−a{}= \dfrac{-bx + 1}{x - a} です。一方、与えられた式は分母の xx の係数を 11 にそろえると

f−1(x)\displaystyle f^{-1}(x)=−3x+1x−2\displaystyle {}= \frac{-3x + 1}{x - 2}

縦の漸近線を比べて aa=2{}= 2。このとき分母が同じなので、分子を比べて bb=3{}= 3。よって a=2,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = 2,} b=3‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 3}

f(x)f(x)=2x+1x+3{}= \dfrac{2x + 1}{x + 3} は 2⋅32 \cdot 3−1⋅1{}- 1 \cdot 1=5{}= 5≠0{}\neq 0 なので、定数関数ではありません。

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問11 ★★

aa>−1{}> -1 とします。関数 f(x)f(x)=−2x{}= -2x+b{}+ b(−1-1≦x{}\leqq x≦a{}\leqq a)の逆関数の定義域が −3-3≦x{}\leqq x≦5{}\leqq 5 であるとき、定数 aa,bb の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=3,{}= 3,bb=3{}= 3

解説

逆関数の定義域は、もとの関数の値域です。ff は右下がりなので、左端 xx=−1{}= -1 で最大、右端 xx=a{}= a で最小になり、値域は

−2a\displaystyle -2a+b\displaystyle {}+ b≦y\displaystyle {}\leqq y≦2\displaystyle {}\leqq 2+b\displaystyle {}+ b

これが −3-3≦y{}\leqq y≦5{}\leqq 5 と一致するので

2\displaystyle 2+b\displaystyle {}+ b=5,\displaystyle {}= 5,−2a\displaystyle -2a+b\displaystyle {}+ b=−3\displaystyle {}= -3

bb=3{}= 3,aa=3{}= 3 で、aa>−1{}> -1 を満たします。よって a=3,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = 3,} b=3‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 3}

右下がりなので、定義域の左端が値域の上端に対応することに注意します。

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問12 ★★

f(x)f(x)=ax+bx+1{}= \dfrac{ax + b}{x + 1} とします。yy=f(x){}= f(x) のグラフが点 (1, 2)(1,\ 2) を通り、yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) のグラフが点 (3, 0)(3,\ 0) を通るとき、定数 aa,bb の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=1,{}= 1,bb=3{}= 3

解説

yy=f(x){}= f(x) が点 (1, 2)(1,\ 2) を通るので

f(1)\displaystyle f(1)=a+b2\displaystyle {}= \frac{a + b}{2}=2,\displaystyle {}= 2,a\displaystyle a+b\displaystyle {}+ b=4\displaystyle {}= 4

yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) が点 (3, 0)(3,\ 0) を通るので、公式2 より yy=f(x){}= f(x) は点 (0, 3)(0,\ 3) を通ります。

f(0)\displaystyle f(0)=b1\displaystyle {}= \frac{b}{1}=3,\displaystyle {}= 3,b\displaystyle b=3\displaystyle {}= 3

よって a=1,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = 1,} b=3‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 3}。f(x)f(x)=x+3x+1{}= \dfrac{x + 3}{x + 1} は 1⋅11 \cdot 1−3⋅1{}- 3 \cdot 1=−2{}= -2≠0{}\neq 0 なので分数関数で、逆関数をもちます。

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問13 ★★

f(x)f(x)=3x−2{}= \sqrt{3x - 2} とします。yy=f(x){}= f(x) と yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) のグラフの共有点の座標を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1, 1),(1,\ 1), (2, 2)\ (2,\ 2)

解説

yy=f(x){}= f(x) のグラフは右上がりなので、公式5 より、共有点は f(x)f(x)=x{}= x の解から求まります。

3x−2\displaystyle \sqrt{3x - 2}=x\displaystyle {}= x

右辺が 00 以上なので xx≧0{}\geqq 0。両辺を 2 乗すると

3x\displaystyle 3x−2\displaystyle {}- 2=x2,\displaystyle {}= x^2,(x−1)(x−2)\displaystyle (x - 1)(x - 2)=0,\displaystyle {}= 0,x\displaystyle x=1,\displaystyle {}= 1, 2\displaystyle \ 2

どちらも xx≧0{}\geqq 0 を満たし、ff の定義域 xx≧23{}\geqq \dfrac{2}{3} にも入ります。共有点は (1, 1),‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(1,\ 1),} (2, 2)‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (2,\ 2)} です。

参考:f−1(x)f^{-1}(x)=x2+23{}= \dfrac{x^2 + 2}{3}(xx≧0{}\geqq 0)で、xx=1,{}= 1, 2\ 2 を代入するとそれぞれ 1,1, 2\ 2 になります。

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問14 ★★

関数 f(x)f(x)=x2{}= x^2−6x{}- 6x+5{}+ 5(xx≧k{}\geqq k)が逆関数をもつような定数 kk の最小値を求めなさい。また、そのときの逆関数 f−1(x)f^{-1}(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

kk の最小値は 33,f−1(x)f^{-1}(x)=x+4{}= \sqrt{x + 4}+3 (x≧−4){}+ 3 \ (x \geqq -4)

解説

f(x)f(x)=(x−3)2{}= (x - 3)^2−4{}- 4 で、軸は直線 xx=3{}= 3 です。

  • kk<3{}< 3 のとき:定義域に xx=3{}= 3 の左右の値がふくまれます。たとえば 33−t{}- t と 33+t{}+ t(tt は十分小さい正の数)で ff の値が等しくなるので、1 対 1 ではありません
  • kk≧3{}\geqq 3 のとき:右上がりなので 1 対 1 です

よって、kk の最小値は 3‾\underline{3} です。

kk=3{}= 3 のとき、値域は yy≧−4{}\geqq -4。(x−3)2(x - 3)^2=y{}= y+4{}+ 4 で、xx≧3{}\geqq 3 より xx−3{}- 3=y+4{}= \sqrt{y + 4}。xx と yy を入れかえて

f−1(x)=x+4‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.1702em}f^{-1}(x) = \sqrt{x + 4}}+3(x≧−4)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.1702em}{}+ 3 \quad (x \geqq -4)}
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問15 ★★

関数 f(x)f(x)=x+3x−1{}= \dfrac{x + 3}{x - 1} の逆関数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

f−1(x)f^{-1}(x)=x+3x−1{}= \dfrac{x + 3}{x - 1}(もとの関数と同じ)

解説

f(x)f(x)=4x−1{}= \dfrac{4}{x - 1}+1{}+ 1 なので、値域は yy≠1{}\neq 1 です。分母を払って xx について整理すると

y(x−1)\displaystyle y(x - 1)=x\displaystyle {}= x+3,\displaystyle {}+ 3,x(y−1)\displaystyle x(y - 1)=y\displaystyle {}= y+3,\displaystyle {}+ 3,x\displaystyle x=y+3y−1\displaystyle {}= \frac{y + 3}{y - 1}

xx と yy を入れかえて

f−1(x)=x+3x−1‾\underline{f^{-1}(x) = \frac{x + 3}{x - 1}}

逆関数はもとの関数と一致します。aa=1{}= 1,dd=−1{}= -1 で aa+d{}+ d=0{}= 0 だからです(公式4)。漸近線の十字の中心 (1, 1)(1,\ 1) が直線 yy=x{}= x 上にあり、グラフ全体が yy=x{}= x について対称になっています。

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問16 ★★

関数 f(x)f(x)=2x+1x−1{}= \dfrac{2x + 1}{x - 1}(xx≧2{}\geqq 2)の逆関数を、定義域とあわせて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

f−1(x)f^{-1}(x)=x+1x−2{}= \dfrac{x + 1}{x - 2}(2<x≦5)(2 < x \leqq 5)

解説

f(x)f(x)=3x−1{}= \dfrac{3}{x - 1}+2{}+ 2。xx≧2{}\geqq 2 は漸近線 xx=1{}= 1 の右側だけなので、ff はこの範囲で右下がりです。f(2)f(2)=5{}= 5 で、xx を大きくすると f(x)f(x) は 22 より大きいまま 22 に限りなく近づくので、値域は

2\displaystyle 2<y\displaystyle {}< y≦5\displaystyle {}\leqq 5

です(第1章 公式4)。xx について解く計算は本文 例題1(2) と同じで、xx=y+1y−2{}= \dfrac{y + 1}{y - 2}。xx と yy を入れかえて

f−1(x)=x+1x−2(2<x≦5)‾\underline{f^{-1}(x) = \frac{x + 1}{x - 2} \quad (2 < x \leqq 5)}

確かめ:f−1(5)f^{-1}(5)=63{}= \dfrac{6}{3}=2{}= 2 で、もとの定義域の端 xx=2{}= 2 に戻ります。

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問17 ★★★

関数 f(x)f(x)=x∣x∣{}= x|x| の逆関数 f−1(x)f^{-1}(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

f−1(x)f^{-1}(x)={x(x≧0)−−x(x<0){}= \begin{cases} \sqrt{x} & (x \geqq 0) \\ -\sqrt{-x} & (x < 0) \end{cases}

解説

絶対値を外すと

f(x)\displaystyle f(x)={x2(x≧0)−x2(x<0)\displaystyle {}= \begin{cases} x^2 & (x \geqq 0) \\ -x^2 & (x < 0) \end{cases}

xx≧0{}\geqq 0 では右上がりで値は 00 以上、xx<0{}< 0 では右上がりで値は負です。つなぎ目の xx=0{}= 0 で値は 00 なので、グラフ全体が右上がりで、ff は 1 対 1、値域は実数全体です。

  • yy≧0{}\geqq 0 のとき:yy=x2{}= x^2(xx≧0{}\geqq 0)を解いて xx=y{}= \sqrt{y}
  • yy<0{}< 0 のとき:yy=−x2{}= -x^2(xx<0{}< 0)を解いて x2x^2=−y{}= -y,xx=−−y{}= -\sqrt{-y}

xx と yy を入れかえて

f−1(x)={x(x≧0)−−x(x<0)‾\underline{f^{-1}(x) = \begin{cases} \sqrt{x} & (x \geqq 0) \\ -\sqrt{-x} & (x < 0) \end{cases}}

どちらの場合の式を使うかは、逆関数に入れる値(もとの関数の出力)の符号で決まります。

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問18 ★★★

関数 f(x)f(x)=x2{}= x^2−2ax{}- 2ax(00≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2)が逆関数をもつような定数 aa の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa≦0,{}\leqq 0,22≦a{}\leqq a

解説

f(x)f(x)=(x−a)2{}= (x - a)^2−a2{}- a^2 で、軸は直線 xx=a{}= a です。逆関数をもつのは、00≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2 で ff が 1 対 1 のときです。

  • aa≦0{}\leqq 0 のとき:定義域は軸の右側にあり、右上がりなので 1 対 1
  • aa≧2{}\geqq 2 のとき:定義域は軸の左側にあり、右下がりなので 1 対 1
  • 00<a{}< a<2{}< 2 のとき:軸が定義域の内側にあります。十分小さい正の数 tt をとると、aa−t{}- t と aa+t{}+ t はどちらも定義域に入り、f(a−t)f(a - t)=f(a+t){}= f(a + t)=t2{}= t^2−a2{}- a^2 となるので、1 対 1 ではありません

よって a≦0,‾\underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}a \leqq 0,} 2≦a‾\underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}\ 2 \leqq a}

aa=0{}= 0,aa=2{}= 2 のときは、軸が定義域の端にあるだけなので、グラフは右上がり(または右下がり)だけになり、逆関数をもちます。

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問19 ★★★

f(x)f(x)=ax+bx+c{}= \dfrac{ax + b}{x + c} の逆関数がもとの関数と一致し、f(0)f(0)=5{}= 5,f(1)f(1)=3{}= 3 であるとします。

(1) 定数 aa,bb,cc の値を求めなさい。

(2) yy=f(x){}= f(x) のグラフと直線 yy=x{}= x の共有点の xx 座標を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) aa=−3,{}= -3,bb=15,{}= 15,cc=3{}= 3 (2) xx=−3{}= -3±26{}\pm 2\sqrt{6}

解説

(1) 逆関数がもとの関数と一致するので、公式4 より aa+c{}+ c=0{}= 0,すなわち aa=−c{}= -c。f(0)f(0)=5{}= 5 が定義されるので cc≠0{}\neq 0 で

bc\displaystyle \frac{b}{c}=5,\displaystyle {}= 5,b\displaystyle b=5c\displaystyle {}= 5c

f(1)f(1)=3{}= 3 より

a+b1+c\displaystyle \frac{a + b}{1 + c}=3,\displaystyle {}= 3,−c+5c1+c\displaystyle \frac{-c + 5c}{1 + c}=3,\displaystyle {}= 3,4c\displaystyle 4c=3\displaystyle {}= 3+3c,\displaystyle {}+ 3c,c\displaystyle c=3\displaystyle {}= 3

よって a=−3,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = -3,} b=15,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 15,} c=3‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ c = 3}。adad−bc{}- bc=(−3)⋅3{}= (-3) \cdot 3−15⋅1{}- 15 \cdot 1=−24{}= -24≠0{}\neq 0 で、分数関数です。

確かめ:yy=−3x+15x+3{}= \dfrac{-3x + 15}{x + 3} を xx について解くと x(y+3)x(y + 3)=−3y{}= -3y+15{}+ 15 で、入れかえるともとの式に戻ります。また、グラフが点 (1, 3)(1,\ 3) を通るので、公式2 より点 (3, 1)(3,\ 1) も通るはずで、実際 f(3)f(3)=66{}= \dfrac{6}{6}=1{}= 1 です。

(2) −3x+15x+3\dfrac{-3x + 15}{x + 3}=x{}= x で、xx≠−3{}\neq -3 として分母を払うと

−3x\displaystyle -3x+15\displaystyle {}+ 15=x2\displaystyle {}= x^2+3x,\displaystyle {}+ 3x,x2\displaystyle x^2+6x\displaystyle {}+ 6x−15\displaystyle {}- 15=0,\displaystyle {}= 0,x\displaystyle x=−3\displaystyle {}= -3±26\displaystyle {}\pm 2\sqrt{6}

どちらも xx≠−3{}\neq -3 を満たすので、x=−3‾\underline{\rule[-0.1328em]{0em}{1.0400em}x = -3}±26‾\underline{\rule[-0.1328em]{0em}{1.0400em}{}\pm 2\sqrt{6}}。この 2 点は、直角双曲線の 2 つの枝がそれぞれ対称軸 yy=x{}= x と交わる点です。

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問20 ★★★

f(x)f(x)=−x2{}= -x^2+1{}+ 1(xx≧0{}\geqq 0)とします。yy=f(x){}= f(x) と yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) のグラフの共有点の座標をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(−1+52, −1+52),\left(\dfrac{-1 + \sqrt{5}}{2},\ \dfrac{-1 + \sqrt{5}}{2}\right), (0, 1),\ (0,\ 1), (1, 0)\ (1,\ 0)

解説

ff は xx≧0{}\geqq 0 で右下がりなので、公式5 は使えません。yy=x{}= x 上にない共有点もありうるので、連立して調べます。

ff の値域は yy≦1{}\leqq 1 で、f−1(x)f^{-1}(x)=1−x{}= \sqrt{1 - x}(xx≦1{}\leqq 1)です。点 (p, q)(p,\ q) が共有点であることは、公式2 より

q\displaystyle q=f(p) (p≧0)\displaystyle {}= f(p) \ (p \geqq 0)かつ\displaystyle \text{かつ}p\displaystyle p=f(q) (q≧0)\displaystyle {}= f(q) \ (q \geqq 0)

と同じです。つまり qq=1{}= 1−p2{}- p^2,pp=1{}= 1−q2{}- q^2(pp≧0{}\geqq 0,qq≧0{}\geqq 0)。2 式を辺ごとに引くと

q\displaystyle q−p\displaystyle {}- p=(1−p2)\displaystyle {}= (1 - p^2)−(1−q2)\displaystyle {}- (1 - q^2)=q2\displaystyle {}= q^2−p2\displaystyle {}- p^2=(q−p)(q+p),\displaystyle {}= (q - p)(q + p),(q−p)(q+p−1)\displaystyle (q - p)(q + p - 1)=0\displaystyle {}= 0
  • qq=p{}= p のとき:pp=1{}= 1−p2{}- p^2,p2p^2+p{}+ p−1{}- 1=0{}= 0。pp≧0{}\geqq 0 より pp=−1+52{}= \dfrac{-1 + \sqrt{5}}{2}
  • pp+q{}+ q=1{}= 1 のとき:11−p{}- p=1{}= 1−p2{}- p^2,p(p−1)p(p - 1)=0{}= 0 より pp=0{}= 0(qq=1{}= 1),pp=1{}= 1(qq=0{}= 0)。どちらも p,p, q\ q≧0{}\geqq 0 を満たす

共有点は

(−1+52, −1+52),‾\displaystyle \underline{\rule[-1.25em]{0em}{3.0000em}\left(\frac{-1 + \sqrt{5}}{2},\ \frac{-1 + \sqrt{5}}{2}\right),} (0, 1),‾\displaystyle \underline{\rule[-1.25em]{0em}{3.0000em}\ (0,\ 1),} (1, 0)‾\displaystyle \underline{\rule[-1.25em]{0em}{3.0000em}\ (1,\ 0)}

(0, 1)(0,\ 1) と (1, 0)(1,\ 0) は直線 yy=x{}= x 上にありません。f(x)f(x)=x{}= x だけを解くと、この 2 点を見落とします。

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数学小話コーナー

2 回かけると元に戻る暗号——シーザー暗号と ROT13

アルファベットを決まった数だけずらして書く暗号を、シーザー暗号といいます。古代ローマのカエサル(英語読みでシーザー)が、手紙の文字を 3 つ後ろの文字に置きかえていた、と伝記作家スエトニウスが書き残しています(※伝記に基づく話です)。

A\mathrm{A}=0{}= 0,B\mathrm{B}=1{}= 1,…,Z\mathrm{Z}=25{}= 25 と番号をつけると、3 つずらす暗号化は

E(x)\displaystyle E(x)=x\displaystyle {}= x+3\displaystyle {}+ 3(26 以上になったら 26 を引く)\displaystyle (26 \text{ 以上になったら } 26 \text{ を引く})

という関数です。たとえば SUSHI(18,18, 20,\ 20, 18,\ 18, 7,\ 7, 8\ 8)は、VXVKL(21,21, 23,\ 23, 21,\ 21, 10,\ 10, 11\ 11)になります。受け取った人は、3 つ前に戻す関数 D(x)D(x)=x{}= x−3{}- 3(負になったら 2626 を足す)で読みます。DD は EE の逆関数です。EE は 26 文字を 26 文字に 1 対 1 に移すので、逆関数が作れるわけです。

ずらす数を 1313 にすると、面白いことが起こります。1313 ずらしてもう一度 1313 ずらすと、ちょうど 2626,つまり一周して元の文字に戻ります。暗号化の関数と復号の関数が同じ式になるのです。この暗号は ROT13 とよばれ、1980 年代ごろのインターネットの掲示板で、映画の結末やなぞなぞの答えを「うっかり目に入らないように」隠すのに使われました。SUSHI は FHFUV になり、FHFUV をもう一度 ROT13 にかけると SUSHI に戻ります。本文 公式4 の「逆関数がもとの関数と一致する」関数の、文字版です。

豆知識

ずらす代わりに、番号を 2 倍する暗号 E(x)E(x)=2x{}= 2x(2626 以上なら 2626 の倍数を引く)を考えてみます。A(00)は 00 で A,N(1313)は 2626 から 2626 を引いて 00 で、これも A になります。A も N も同じ A になってしまうので、受け取った A がどちらだったのか分かりません。1 対 1 でない関数には逆関数がない、という本文 公式3 の例です。3 倍なら、33 と 2626 が共通の約数をもたないので 1 対 1 になり、ちゃんと読み戻せます(整数の分野で扱う最大公約数の話です)。

税込み価格の「空き番号」——10% 上乗せと 10% 引き

税抜き xx 円の品物に 10% の消費税をかけ、1 円未満を切り捨てると、税込み価格は 1.1x1.1x の小数点以下を切り捨てた値になります。1 円ずつ並べてみます。

税抜き(円)891011192021
税込み(円)891112202223

税込み 1010 円や 2121 円は、どの税抜き価格からも出てきません。3232 円,4343 円,…と、1111 円ごとに「空き番号」があります。

それでも、税込み価格から税抜き価格へは、ただ 1 通りに戻れます。税抜きが 1 円増えるごとに 1.1x1.1x は 1.11.1 ずつ増えるので、切り捨てても税込み価格は必ず 1 円以上増え、同じ値が 2 回出てこないからです。つまりこの関数は 1 対 1 で、逆関数の定義域は「実際に出てくる税込み価格」だけ、空き番号の 1010 円や 2121 円は定義域に入りません。本文の「逆関数の定義域はもとの値域」が、目に見える形になっています。

反対に、10% 引きのセールで 0.9x0.9x を切り捨てる場合はどうでしょう。1010 円の品は 99 円、1111 円の品は 9.99.9 円を切り捨てて、やはり 99 円です。値札が 99 円と書きかえられていても、もとが 1010 円か 1111 円かは分かりません。1 円増えても 0.90.9 円しか増えないので、ときどき同じ値が重なるのです。こちらは 1 対 1 でないので、逆関数がありません。

豆知識

軽減税率の 8% で同じように切り捨てると、税込み 1313 円や 2626 円が空き番号になります。なお、1 円未満の端数を切り捨てるか、四捨五入するか、切り上げるかは、お店ごとに決めてよいことになっています(※レシートの表示や計算のしかたも、お店によって違います)。

写真の明るさは 2 乗の逆関数で保存される——ガンマ補正

デジタル写真では、1 つの点の明るさを 00 から 255255 までの 256 段階の数で記録するのが一般的です。ところが、カメラが受けた光の量をそのまま 256 段階に割りふると、暗い部分がうまく記録できません。

光の量を、いちばん明るいときを 11 として LL(00≦L{}\leqq L≦1{}\leqq 1)で表します。人の目は、明るい所の差より暗い所の差によく気づきます。LL をそのまま 255L255L として記録すると、LL=0.01{}= 0.01(最大の 1%)でも 255×0.01255 \times 0.01≒3{}\fallingdotseq 3 段階目にしかならず、0% から 1% までの暗がりを、たった 3 段階ほどで表すことになります。これでは、夜空のグラデーションが縞模様になってしまいます。

そこで、記録するときは LL を

V\displaystyle V=L12.2\displaystyle {}= L^{\frac{1}{2.2}}

に変換してから 256 段階にし、画面に表示するときは逆関数

L\displaystyle L=V2.2\displaystyle {}= V^{2.2}

で光の量に戻します。この変換をガンマ補正といいます。LL=0.01{}= 0.01 は VV≒0.123{}\fallingdotseq 0.123 で 3131 段階目、LL=0.18{}= 0.18(写真で「中くらいの灰色」の目安とされる明るさ)は VV≒0.459{}\fallingdotseq 0.459 で 117117 段階目になり、暗い部分にたくさんの段階が使われます。

指数の 2.22.2 を 22 に置きかえると、記録は VV=L{}= \sqrt{L}、表示は LL=V2{}= V^2 です。第3章の yy=x{}= \sqrt{x} と、第5章の「その逆関数 yy=x2{}= x^2(xx≧0{}\geqq 0)」の組が、画面の中で毎日働いているわけです。

豆知識

昔のブラウン管テレビは、かけた電圧に対して、明るさがおよそ 2.22.2 乗から 2.52.5 乗で増える性質をもっていました。記録の側で 12.2\dfrac{1}{2.2} 乗しておけば、ブラウン管が勝手に逆関数をかけてくれるので、都合がよかったのです。1996 年ごろにヒューレット・パッカードとマイクロソフトが提案した画像の標準 sRGB も、全体としてはおよそ 2.22.2 の値を使っています(※実際の sRGB の式は、ごく暗い部分だけを直線につないだ形をしています)。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。本文では「1 対 1 なら逆関数がある」「逆関数の定義域はもとの値域」「分数関数の逆関数は aa と dd を入れかえて符号を変えた形」「右上がりの関数では、逆関数との共有点は yy=x{}= x 上」を、例とグラフで使いました。ここではそれらを、関数の言葉で定義して証明します。グラフが直線 yy=x{}= x について対称になることと、単調性が逆関数に受け継がれることは、指数関数・対数関数の分野 第5章の厳密定義で証明済みなので、ここでは扱いません。

定義1:定義域・値域・1 対 1

DD を実数の集合とし、DD の各要素 xx に実数 f(x)f(x) をただ 1 つ対応させる規則 ff を、DD を定義域とする関数という。

f(D)\displaystyle f(D)={ f(x)∣x∈D }\displaystyle {}= \{\, f(x) \mid x \in D \,\}

を ff の値域という。DD の任意の x1x_1,x2x_2 について

x1\displaystyle x_1≠x2\displaystyle {}\neq x_2  ⟹  f(x1)\displaystyle {}\implies f(x_1)≠f(x2)\displaystyle {}\neq f(x_2)

が成り立つとき、ff は 1 対 1 であるという(単射ともいう)。

1 対 1 の条件は、対偶をとって「f(x1)f(x_1)=f(x2){}= f(x_2)  ⟹  x1{}\implies x_1=x2{}= x_2」と書くこともでき、証明ではこちらの形がよく使われます。

定義2:逆関数

関数 ff(定義域 DD,値域 EE)が 1 対 1 であるとする。EE の各要素 yy に対し、f(x)f(x)=y{}= y となる xx∈D{}\in D をただ 1 つ対応させる関数を、ff の逆関数といい、f−1f^{-1} で表す。f−1f^{-1} の定義域は EE,値域は DD であり

f−1(y)\displaystyle f^{-1}(y)=x\displaystyle {}= x  ⟺  f(x)\displaystyle {}\iff f(x)=y\displaystyle {}= y(x∈D, y∈E)\displaystyle (x \in D,\ y \in E)

「ただ 1 つ」が言えるのは、次の定理1 のおかげです。また、定義から直ちに

f−1(f(x))\displaystyle f^{-1}(f(x))=x\displaystyle {}= x(x∈D),\displaystyle (x \in D),f(f−1(y))\displaystyle f\big(f^{-1}(y)\big)=y\displaystyle {}= y(y∈E)\displaystyle (y \in E)

が成り立ちます。関数を続けて使うこの形は、第6章の合成関数で改めて扱います。

定理1:逆関数が存在する条件

関数 ff(定義域 DD,値域 EE)について、次の 2 つは同値である。

(i) ff は 1 対 1 である

(ii) EE のどの yy に対しても、f(x)f(x)=y{}= y を満たす xx∈D{}\in D がただ 1 つある

証明 EE は値域なので、どの yy∈E{}\in E に対しても f(x)f(x)=y{}= y を満たす xx∈D{}\in D は少なくとも 1 つある。問題は「ただ 1 つ」かどうかである。

((i) ⇒\Rightarrow (ii))f(x1)f(x_1)=y{}= y,f(x2)f(x_2)=y{}= y とすると f(x1)f(x_1)=f(x2){}= f(x_2) なので、1 対 1 より x1x_1=x2{}= x_2。よってただ 1 つ。

((ii) ⇒\Rightarrow (i))f(x1)f(x_1)=f(x2){}= f(x_2) とし、この値を yy とおく。yy∈E{}\in E で、x1x_1,x2x_2 はどちらも f(x)f(x)=y{}= y を満たすので、(ii) より x1x_1=x2{}= x_2。(証明終)

1 対 1 でない関数では、ある yy に対して xx が 2 つ以上あり、f−1(y)f^{-1}(y) を 1 つに決められません。本文で「定義域を区切る」としたのは、DD を小さい集合 D′D' に取りかえて、D′D' 上では 1 対 1 になるようにする操作です。

定理2:単調な関数は 1 対 1

関数 ff が定義域 DD で単調に増加する(x1x_1<x2{}< x_2  ⟹  f(x1){}\implies f(x_1)<f(x2){}< f(x_2))か、単調に減少する(x1x_1<x2{}< x_2  ⟹  f(x1){}\implies f(x_1)>f(x2){}> f(x_2))ならば、ff は 1 対 1 である。

証明 x1x_1≠x2{}\neq x_2 とし、必要なら入れかえて x1x_1<x2{}< x_2 とする。単調に増加するなら f(x1)f(x_1)<f(x2){}< f(x_2),減少するなら f(x1)f(x_1)>f(x2){}> f(x_2) で、どちらの場合も f(x1)f(x_1)≠f(x2){}\neq f(x_2)。(証明終)

逆は成り立ちません。第1章の yy=1x{}= \dfrac{1}{x} は、定義域 xx≠0{}\neq 0 全体では単調でないのに(第1章 厳密定義)、1x1\dfrac{1}{x_1}=1x2{}= \dfrac{1}{x_2} から x1x_1=x2{}= x_2 が出るので 1 対 1 です。逆関数をもつかどうかを決めるのは、単調性ではなく 1 対 1 かどうかです。

定理3:分数関数の逆関数

cc≠0{}\neq 0,adad−bc{}- bc≠0{}\neq 0 とし、f(x)f(x)=ax+bcx+d{}= \dfrac{ax + b}{cx + d}(xx≠−dc{}\neq -\dfrac{d}{c})とする。ff は 1 対 1 で、値域は yy≠ac{}\neq \dfrac{a}{c} であり

f−1(x)\displaystyle f^{-1}(x)=−dx+bcx−a\displaystyle {}= \frac{-dx + b}{cx - a}(x≠ac)\displaystyle \left(x \neq \frac{a}{c}\right)

さらに、f−1f^{-1}=f{}= f(定義域も式も一致する)となるための必要十分条件は aa+d{}+ d=0{}= 0 である。

証明 値域が yy≠ac{}\neq \dfrac{a}{c} であることは、第1章 厳密定義 定理3 で示した(f(x)f(x)=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q の形で qq=ac{}= \dfrac{a}{c})。yy≠ac{}\neq \dfrac{a}{c} とし、xx≠−dc{}\neq -\dfrac{d}{c} のもとで考えると

ax+bcx+d\displaystyle \frac{ax + b}{cx + d}=y\displaystyle {}= y  ⟺  ax\displaystyle {}\iff ax+b\displaystyle {}+ b=y(cx+d)\displaystyle {}= y(cx + d)  ⟺  x(cy−a)\displaystyle {}\iff x(cy - a)=−dy\displaystyle {}= -dy+b\displaystyle {}+ b

cycy−a{}- a≠0{}\neq 0 なので、これを満たす xx は xx=−dy+bcy−a{}= \dfrac{-dy + b}{cy - a} のただ 1 つである。この xx が −dc-\dfrac{d}{c} に等しいとすると、c(−dy+b)c(-dy + b)=−d(cy−a){}= -d(cy - a) より bcbc=ad{}= ad となり、仮定に反する。よって xx は定義域に入り、定理1 より ff は 1 対 1 で、逆関数は上の式になる。

後半。f−1f^{-1} の定義域は xx≠ac{}\neq \dfrac{a}{c},ff の定義域は xx≠−dc{}\neq -\dfrac{d}{c} なので、f−1f^{-1}=f{}= f なら ac\dfrac{a}{c}=−dc{}= -\dfrac{d}{c},すなわち aa+d{}+ d=0{}= 0。逆に aa+d{}+ d=0{}= 0 なら −d-d=a{}= a,−a-a=d{}= d なので、f−1(x)f^{-1}(x)=ax+bcx+d{}= \dfrac{ax + b}{cx + d}=f(x){}= f(x) で、定義域も一致する。(証明終)

後半の必要性は、定義域(縦の漸近線)を比べるだけで示せました。aa+d{}+ d=0{}= 0 のとき、十字の中心 (−dc, ac)\left(-\dfrac{d}{c},\ \dfrac{a}{c}\right)=(ac, ac){}= \left(\dfrac{a}{c},\ \dfrac{a}{c}\right) は直線 yy=x{}= x 上にあります。

定理4:単調に増加する関数と逆関数の共有点

関数 ff(定義域 DD,値域 EE)が DD で単調に増加するとき、yy=f(x){}= f(x) のグラフと yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) のグラフの共有点は、すべて直線 yy=x{}= x 上にある。したがって、共有点の全体は

{ (t, t)∣t∈D, f(t)=t }\{\, (t,\ t) \mid t \in D,\ f(t) = t \,\}

である。

証明 点 (p, q)(p,\ q) が共有点であるとする。yy=f(x){}= f(x) 上にあるので pp∈D{}\in D,qq=f(p){}= f(p)。yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) 上にあるので pp∈E{}\in E,qq=f−1(p){}= f^{-1}(p),すなわち定義2 より qq∈D{}\in D,f(q)f(q)=p{}= p。

pp<q{}< q と仮定すると、単調に増加するので f(p)f(p)<f(q){}< f(q),すなわち qq<p{}< p となり矛盾する。pp>q{}> q と仮定しても、同様に pp<q{}< q となり矛盾する。よって pp=q{}= q で、f(p)f(p)=p{}= p である。

逆に、tt∈D{}\in D,f(t)f(t)=t{}= t なら、点 (t, t)(t,\ t) は yy=f(x){}= f(x) 上にあり、tt∈E{}\in E かつ f−1(t)f^{-1}(t)=t{}= t なので yy=f−1(x){}= f^{-1}(x) 上にもある。(証明終)

証明で「単調に増加する」を使ったのは pp<q{}< q  ⟹  f(p){}\implies f(p)<f(q){}< f(q) の 1 か所だけです。単調に減少する関数ではこの矛盾が起こらないので、実践問題 j20 のように、yy=x{}= x 上にない共有点 (p, q)(p,\ q),(q, p)(q,\ p) が組で現れることがあります。そのときも証明の前半の「qq=f(p){}= f(p) かつ pp=f(q){}= f(q)」は使えるので、この連立方程式を解けば、共有点をもれなく求められます。

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